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今更ガンパレードマーチ遊んだ

 というわけで、『高機動幻想・ガンパレードマーチ』遊びました。

 単に前々から色んな人にオススメされててやりたかったのと、いろいろな理由も含めて遊びました。いろいろっていろいろです。いつか分かる時が来る。あ、一応ソフトもなにもかも全部自腹です。

 とりあえず1週目と2週目をそこそこ触りました。 
 全体的にのんびり遊んだので、のんびりした感じの記事だと思います。

 そんなに肩肘張らず、適当に読んでください。
 では、よろしくお願いします。

ファーストマーチ

滝川陽平

 かわいいやつやな。
 
滝川くん、かわいいですよね。

 この3月序盤ガンパレの「壬生屋・滝川・芝村」しかいない学級、さすがに「この頃は平和だった……」と思ってしまう。私、得てしてこういう「主人公の親友ポジション」が好きになりがちなんです。ペルソナ5で一番好きなシーン、転校初日の帰り道で竜司と牛丼食いに行くシーンだから……。

 そう考えると滝川陽平、最初にペルソナ覚醒しそうな男ですよね。

 いや、それは置いときつつ……事実、「最初は」頼れる親友ポジションなんですよね、滝川くん。ガンパレ、性格の悪いゲームやで。

 滝川くん、もう4月~5月になってくると影が薄い。断言しましょう、この子……4月~5月になると影が薄い。あとから来るキャラがみんな濃いのもあるし、なんか大体3月で「知り尽くして」しまう。

 あぁ、滝川陽平というキャラはこんな感じなのかと。特に世界の命運を握っているわけでもなければ、別に世界の根幹に根差す設定を何か持ってる訳でもない。話しかけても話しかけてもテンプレのセリフが返ってくる。

 そして私は必然的に滝川くんに話しかけることが減り……リアルも段々疎遠になり……あっ、なんか書いてて悲しくなってきた。なんでゲームの中で「一時期仲良かったけど特に理由もなく疎遠になったあの友達」を味わなければいけないのか?

 しかも、バトル性能も他のキャラに比べると……「歩」みたいな性能をしている。なんか調子が悪い時は一生後方で雑魚狩りしてるし、士気が高いと迂闊に敵に突っ込んで無駄に機体を損傷させる。長所もなければ、短所もない。性能に面白味がない。一般人がロボに乗って戦ってる。

 そして極めつけは「黄金剣翼突撃勲章」を獲得した時のこの反応。

 滝川……俺たち友達だよな……?

 おいこれマジで凹むって!!

 なんで……? なんでこんなことに……?

 でも、こういう「何でコイツとはこんなことになっちまったんだ」って友達、学生の頃にひとりくらいいましたよね。滝川くんはそういうヤツ何だと思います。まぁ、「何でゲームであの気まずさを味わわなきゃいけねえンだ」と抵抗をする権利くらいはこちらにあります。

 何気に、今回のために「電撃ガンパレード・マーチ」という本を買いました。もちろん自腹です。定価の何倍なのかもわからん値段で買いました。気が狂いそうです。ジスロマックの収入はもうメチャクチャよ!

 この本については追々触れるとして、最も衝撃的だったのは「各キャラのすごい情報が書いてあるキャラ解説ページのレベル2~3に滝川陽平だけほぼ何も書いていない」ということ。なんでだよ。滝川くんに何の恨みがあるんだよ。せめて「好きな食べ物はしょうがやき」くらい書いてあげようや。

滝川、嘘だよな……?

 ほんで今滝川くんについていろいろ書いてて思ったこととして、この子って「他のロボットアニメなら主人公になれていたかもしれない」男ですよね。記憶を遡ってみれば、私の滝川くんの第一印象って「デジモンの主人公に居そう」ってことでした。世界が違えば、主人公になれてそう。

 ……が、現実は違う。なんかキャラも他が濃すぎて霞む。性能もパッとしない。最初は一緒にエースを目指そうトップをねらえ!とか言ってたのに、気がついたら大差が開いている。だってこれはガンパレだから。

 この「ストーリー上でもなんか段々存在が霞んできて、バトル上でも段々パッとしないことがわかってくる」という滝川くんの総合的なキャラ設計、すごいですよね。すごいけど俺はゲーム作ってる方の芝村が許せない。

 なんでこんなことするのぉ……?


壬生屋未央

 僕はね、この『高機動幻想 ガンパレード・マーチ』というゲームは、極論こんな風にnoteやらブログやらに感想を書いたところで、僕以外の人間は「僕のガンパレ」に対して絶対に理解を得られないゲームだと思うんです。だって、俺には俺のガンパレがあり、お前にはお前のガンパレがあるから。

 ゲーム開始の3月から休戦の5月11日に至るまで、すべてが1ミリたりともブレずに同じガンパレードマーチなど存在しない。人間関係、それぞれのお話、味のれんで一番食ったメニュー……何もかもが千差万別。だから、「僕のガンパレを理解できるのは僕だけ」なんです。

 それを、まず大前提として理解していただきます。

 そんな「僕のガンパレ」で、僕が一番愛着を持ってるのがこの「壬生屋未央」という女なんです。

 第一印象、別にビジュアルが好みじゃない。

 芝村舞とか東原ののみの方がかわいい。キャラ性もそんなピンと来ない。というか……よくわからない。キャラクターとしての「フック」が存在していない。たとえば滝川くんは親友としての愛らしさ、芝村舞はなんかよくわからん面白さ……そういう、「とっかかり」がなんもない。

 だから、壬生屋未央の第一印象は、「よくわからない」に尽きる。
 別に普通でもない。ただ、変でもない。身近な感じもしなければ、遠い存在な気もしない。こういう人、学校に居た気がする。3つぐらいクラス離れてるけど、顔だけは知ってる人。そんなやつ。

 第二印象、体たらく。

 なんかこの人……とにかく敵に突撃して、大した活躍もしないまま士魂号を大破させてノコノコと帰ってくる。最初らへんは、「あら?僕が戦術なんか間違えたかな?」と思っていた。ただ、何回も繰り返すうちにどうやら違うらしいことがわかってくる。

 コイツ、行動ルーチンでただひたすらに突撃を繰り返している。なんも命令してないのに、ただ何も考えずに幻獣に突っ込んで自爆している。なんだこの体たらくは。お前はチャプター1のディリータか。
 さすがに「僕はなんか壬生屋未央に悪いことでもしたのか?」と不安になって、Twitterのガンパレ有識者に問うてみた。

 即座に大量の「はい。」というリプライがついた。そうか、壬生屋ちゃん、お前はもうそういう性格として突撃を繰り返してるのか。なんやねんコイツ。もう士魂号から降ろそうぜ。

 この熊本一の穀潰し!ゼノギアスのリコ!女キマリ!

 第三作戦、対策。

 ということで、いろいろ調べた結果として、「壬生屋には展開式増加装甲を2枚持たせればステップ数が必然的に減って、動けなくなる」という対策方法が一番手っ取り早いのがわかった。完全に戦場の文鎮と化してもらう。

 ……これ……あまりに壬生屋ちゃんに対して非人道的と違うか? 自分のあずかり知らぬところで「お前の機体漬物石にしといたから^^」と言われる、壬生屋の気持ちに僕は向き合えるだろうか? 牙を折られたイノシシに、価値はあるのか?

 ただこの子、こっちの知らんとこで勝手に展開式増加装甲を外していることが判明。なんやコイツ。やはりイノシシはイノシシか。こちらに勝手に展開式増加装甲をつける権利があるとすれば、あちらも勝手に展開式増加装甲を外す権利があるのが「フェア」というものなのか。

 第四作戦、重装甲。

 これはね、僕が最初に「僕のガンパレは僕しか理解できません」と言った最大の要因です。僕はどんなゲームだろうがRPGだろうがドラクエだろうがFFだろうが、基本的に「性能や行動ルーチンに問題を抱えているキャラ」に対して異常な愛着を持ってしまうんです。

 つまり、壬生屋も「無限に突撃して機体を大破させるくせに、こっちがわざわざ陳情してあげた展開式増加装甲は勝手に外す」という問題児ムーブを見せた時点で、ある程度の愛着が生まれているわけです。

 なんとかこの壬生屋とかいう狂犬みたいな女を勝たせてやりたい。いや、勝たせてやりたいというより御してみたい。そこでわざわざ善行委員長に言い寄り、「作戦会議を開く」というコマンドを入手。このコマンドで作戦会議を開き、壬生屋のために重装甲士魂号を用意した。

 僕のガンパレの4月前半、ほぼ壬生屋のために吹っ飛んでいる。

 そして壬生屋、重装甲により「動く戦闘要塞」と化す。固い。とにかく固い。鉄壁使ったマジンカイザーぐらい固い。ただ、ノロい。のっしのっしと歩き、大体決着がついてるタイミングで前線にやってきて、既に帰り際の幻獣を撫で斬りにしていく。これはこれで怖い。

 絶対に死なない代わりに、やってくるのも遅い。ただ、必ず幻獣は殺す。重くて固い漬物石に手が生えたらさぞ怖いでしょう。生えてるんですよね。

 これでやっと壬生屋が「戦えるように」なった。これはデカい。ついに壬生屋が「戦力」としてカウントされるようになった。まぁ、ここが潮時やろうと、ここが壬生屋への引き際だろうと、僕もそう思っていました。

 第五戦術、覚醒。

 突然、滝川が「士翼号」というよくわからん機体を陳情で引っ張ってきた。滝川くんは雑魚狩りだけは得意だから、たぶん無駄に発言力を持て余していたのだろう。そんで滝川くんが鳴り物入りで連れてきた士翼号に、なぜか壬生屋が乗り込んでいた。どういうことなん。熊本のジャイアンが。

 この士翼号というよくわからない機体、どうやら高機動型の士魂号らしい。つまり、速い。すごい速度で敵に突っ込んで行く。しかも、回避率も高い。この機体に、おそらく滝川を恐喝したのであろう壬生屋が乗り込んだ。

 壬生屋未央、覚醒。

 そもそも、この壬生屋未央という女は、何がいけなかったのか?

 「全てや」と言われたら、たぶん全てだ。

 ただ、なんとか理論的に順を追って書けば、

①すぐ突撃する
  ↓
②そして機体を壊す
  ↓
③機体を壊さないよう、盾2枚持たせて漬物石にする
  ↓
④それだと戦力にならんので、移動力を犠牲に重装甲

 こうだ。うん、全てがダメだな。

 だが、士翼号はとにかく速い。それゆえ、なんかしらんけど回避率も高い。そして、展開式増加装甲を2枚持たせても、なお速い。ガチガチの盾2枚でも、なおF1カーのような速度で幻獣に突っ込んで行く。

 これにより、「とにかく固く、とにかく回避率も高く、とにかく勇猛果敢に突撃し、とにかく火力の高い日本刀を振り回す」という最強ユニットが完成したのだ。僕は、割とマジで感動している。多分この感動は、僕のガンパレを知らない人間には全く理解できんだろう。

 なにも使えないどころか、ひたすら味方の足を引っ張り続けていたユニットをそれでも諦めずになんとかなんとか手塩にかけて育てていたら、本物の最強ユニットになった。壬生屋未央は、気がついたら熊本最後の希望<ラストサムライ>になっていた。もう、我が娘の結婚式みたいな気分だ。
 
 これが鶴の恩返しならぬ壬生屋の恩返しってか。その機織り機、滝川から奪ったモンだけどな。傘の代わりに重装甲士魂号を被せてあげた、傘地蔵ならぬ傘壬生屋でもありますかね。

 そもそも、最初は「この行動ルーチンこそが諸悪の根源や」と思っていた壬生屋未央の「とにかく敵に突っ込む」という行動ルーチンが、幻獣の強くなる4月後半~5月+士翼号の強さというシチュエーションに対して、奇跡的な噛み合いを見せた。

 パイロットのステータスと機体の性能を最高水準まで鍛えた士魂号複座型でもなおキツい、「スキュラ」との戦い。正直、ミサイルじゃスキュラはもうどうにもならん。そんなスキュラとの激戦に、突如熊本から飛来する影あり。あれはなんだ!? 滝川か!? 来須か!?

 ━━いや、壬生屋だ!

 そんな感じで、とにかく最速でスキュラに突っ込み、最速で一刀両断にする。一生後方で雑魚狩りしてる臆病者の滝川に目も暮れず、とにかく一直線に大物狙い。壬生屋が飛び出て、殺す。僕にはもう、壬生屋未央が熊本のダイゼンガーに見えてきた。それとも熊本のスレードゲルミルか。

 スパロボを知っている人ならわかるよう僕の壬生屋未央への愛着を説明すると、「ただ敵に突撃するしか能のないボスボロットを、それでも諦めずに根気強く育て続けていたら、いつの間にかフル改造のダン・オブ・サーズデイになっていた」ようなモンなんです。

 僕は壬生屋が超硬度大太刀を振り回している時には脳内でガンソのOPを流し、壬生屋がすごい速度で幻獣に接近してる時は脳内で劇ナデのブラックサレナの劇伴を流しているんです。壬生屋とはそういう女であり、壬生屋とはそういう剣豪なんです。

 僕はある意味、これこそが『ガンパレード・マーチ』というゲームだと思います。全く使えなかったはずの壬生屋が、意味の分からんルートで最強ユニットになる。

 ガンパレは、ずっと意味が分からん。ずっと先が見えん。ずっとキャラが勝手に動いていて、こっちの思考や意向を完全に無視して勝手に行動する。それが許せない時もあれば、時として奇跡を起こす。この「勝手にやる」ということが、『ガンパレード・マーチ』の面白さであり、面白くないとこでもある。結果として、これが「ガンパレ」なのでしょう。

 「僕のガンパレ」における壬生屋未央は、「僕のガンパレ」が生み出した決戦存在なんだと思います。事実、コイツが勝手に幻獣殲滅したせいで5月の戦闘完全に虚無でしたからね。最後の最後まで壬生屋は壬生屋だった。

 この「僕のファーストマーチの壬生屋未央」が二度と生まれない事実、ゲーム作ってる方の芝村はどうしてくれるか!?


東原ののみ

 先に言う、僕はロリコンとかじゃないんです。

 幼い子は好きです。でも、ロリコンじゃないんです。高校生くらいの頃に、「お前はたぶんロリコンだ」と同級生に責め立てられた時、僕は割と本気で怒って「全然違う、僕はシナモロールやポムポムプリンを愛でるかのように、小さい子を“マスコット”として見ている」と反論した。

 だから、僕はロリコンとかじゃないんです。先に言った。

 僕ね、ロリコンかもしれないんですよ。

 かわいいっすよね、この東原ののみっていう女の子。

 お昼時になったら最速で昼飯に誘ってきて、とりあえずこの子と昼飯を食う。というか、一緒に昼飯を食った思い出が東原ののみ・メモリーの大半を占めている。逆にそれしかねえ。この子は夕飯何を食ってるんだ。なんも知らん。東原ののみに関する情報、昼飯しかない。昼飯ブラックホールみたいな女の子だと思います。

 ただ、「2か月毎日昼飯に誘ってくれた人」って、それだけで割と好きになる要素なんじゃないのかって、思ったりします。なんかだんだん書いてる内に思ってきたんですが、ガンパレってある種「学校の頃ってこういうヤツいたよな」ってことをかなり強烈に思い出すゲームなんじゃないか。

 割と居ませんでした?「え、誰コイツ、友達連れてきたから一緒に昼飯食ってるけど、お前誰なん」みたいなやつ。

 まぁ、東原ののみはちょっと違うけども。アレですね、東原ののみは、「どんな性格をしていようが、集まろうと最初に言い出せる人間はなんだかんだ好かれる」ってやつだと思います。言い出しっぺになれる人、なんだかんだ好かれますよね。学校にそういうヤツ、けっこう居た気がする。

 いまなんか色々「東原ののみはなぜ愛されるのか理論」出してみましたけど、これ別にロリコンどうこうの言い訳してるわけじゃないですからね。

 ……で、まぁやっぱ東原ののみはこのクローン真実に触れざるを得ないわけです。なにこれ? ねえ、(ゲーム作ってる方の)芝村? アルファ・システム、僕の気持ちはどうしましょうか?

 ガンパレを触っててひとつ思うこととして、僕はたぶん先に「ガンパレに影響を受けてそうなゲーム」をたくさん遊んで、そっからガンパレを遊んでるんです。3以降のペルソナやら、FE風花雪月やら、十三機兵防衛圏やら……。だから、ちょこちょこと「あっ、これは知ってる」と思う場面がガンパレにもあったんです。

 それこそ、学校という名のひとつの箱の中に生徒=NPCが大量に配置されていて、その生徒ひとりひとりと築き上げた人間関係がゲーム全体に反映されるとこなんかはまさに「あっ、知ってる!」って感覚です。

 その中でも特に強烈なのが、もう十三機兵防衛圏ですよ。あのゲームは、高校生の僕に「なんだ、なんだこれは!?」という超絶なインパクトを与えたゲームです。だからこそ、ガンパレも超衝撃的です。「十三機兵、どんだけガンパレ好きなんだよ!」ってとこも含めてね。

 このクローン真実が明かされてからのガンパレはやっぱ怖い。どっか別の作品で見てきたはずなのに、やっぱ「ふざけんな!ゲームが違うだろゲームが!」と思う。ある種、ガンパレのシナリオとキャラのセリフは、この画面の情報量の少なさが結果的に作用しているとこもあると思う。

 特に「ののみタイプ」が出てきた時にそう思った。

 たとえば今のゲームだったら、ちゃんとキャラのモデルを綺麗に描写したり、細かい演技をつけることができる。ただこのゲームは、画質の粗いFF8みたいなキャラグラフィックしかないし、会話もADV形式でいくつかの表情差分と3行程度のテキストボックスしかない。セリフ、めっちゃ短い。

 この「描ける範囲が決まっている」という制約が、結果として「何が起きているんだか分からん」「こっちで想像せざるを得ないから怖い」という面白さが出てる。僕はこれまで、「ファミコンのドットやPSのポリゴンはこっ地で想像を埋めるから面白かったり怖かったりするんだ」という意見の意味を、さっぱり理解していなかった。

 ただそれが、ようやくガンパレで納得いった。東原ののみと完全に同じグラフィックのやつのネームボックスには「ののみタイプ」とだけ表示されていて、何の説明もないまま思わせぶりな3行程度の短いテンプレセリフを5つ~6つ、こっちに吐いてくる。

 なんと無責任で、罪作りなNPCか。ふざけているのかと。こんなもの、大きな白紙に「さぁ、あとの物語はお前が考えろ」という問いだけが書かれている、答えのない道徳のテストのようなNPCではないか。

 ただ、東原ののみは僕にとって「生き方」が好きなキャラに相当する。人を好きになる方法はいろいろある。見た目を好きになる。声を好きになる。ふとした仕草を好きになる。考え方を好きになる。

 僕はその中でも「生き方が好きかどうか」が人を見る時のいろんな価値基準、判断基準になってる。なんかそういうのって5分くらい話せばわかったりするし、1年くらい一緒にいないとわからなかったりする。それで生き方を愛せる人なら、僕は大体を愛せる。

それにめー、なのよ。かなしいのはめーなの。
ののみがこうなのは、かなしいけれど、もうかえられないから。

えへへ、それにね。なにがどうなるかは、だれにもわからないの。

むかしといまでないどこかは、だれにもいったことがないから、
だからどーなるか分からないの。分からないことはいいことなのよ。

分からないけど、しんらいしているのよ。
それがじゅーよーなの。いいことはしんらいすることからはじまるの。

 その中でも、特に「進もうとしてる」生き方の人間を愛したくなる。

 そもそも生物は前を向いているべきであって、よくわからん現実が迫ってきていようが、結局現実問題としてどうにか立ち向かうしかない。現実に殺されるかもしれないが、それでもどうにかせざるを得ない。結局、人は、最後にはなんとかしなくてはならない。

 だから、こうして最初からなんとかしようとしている東原ののみの生き方は、愛せる。前を向く人間の原動力、諦めずに進むための燃料、そこが終着であると信じるための目的地。それを示す記号であるお前は、愛されるべきだ。

 その名は、希望を冠している。

 その名は、未来を冠している。

 その名は、進むべき道の名を冠している。

 ……とかカッコつけて言ってる割に、争奪戦発生したんすけどね。


瀬戸口隆之

 なに
 これ

 男か!? 結局男なんじゃないか!?!?

 こいつ、すげえ男です。
 ガンパレやってて気が狂いそうになった奴が2人いるんすけど、コイツはその一柱です。というか、気が狂いそうになったキャラであるがゆえに、「気が狂いそうになった」以外特に言うことはなんもない。

 なんか背の高くてカッコいいお兄ちゃんが、迫ってくる。しかもなんか、めっちゃ友情値上がりやすい。芝村舞より石津萌より東原ののみよりも最速で親愛度最大に達した男。私の(親愛度最大)処女を奪った………………男。お願い、数値の上昇を止めて。きっと私、あなたの熱で溶かされてしまう。

 あとなんか超然的。この手のキャラで「あ、こいつホントにモテるんだな」って納得できるのなんかすごいっすよね。断言します。こいつ、ホントにモテテます。だって、私こいつ好きだし。

 あとなんか後から調べたら、瀬戸口がちょいちょい幼稚園児とかに呼ばれる謎イベントの最後に幻獣の数が減ってるらしいことがわかった。

 ………………おい!!!!!!!!!!!!!!!!!!


茜 大介

 気が狂いそうになったキャラ、第2号。

 そこの「男の趣味がわかりやすすぎ」とか言ったやつ、今あなたの熊本にウチの壬生屋送りつけましたからね。この最悪のファーストインプレッション。キミが初対面の相手に「薄汚れた最低のクズ」とか言って許されるのは、キミのその恵まれた容姿があるからだよ。

 私は正直、あんまり受けとか攻めとかよくわからない。正直自分がどっち派なのかもよくわからない。攻められたいのか?攻めたいのか? 正直なところどっちでもいいのかもしれないし、どっちも好きなのかもしれない。

 ただ、茜くんと触れ合っていると自分はマゾなんじゃないかと思う。

正直ガンパレだとこの顔グラが一番かわいいと思います

 あんまりこの感覚ってない。なんかここまで強烈に「攻められたい」という意識が自分の中でハッキリしたキャラって、あんまりいない。だって、そもそも攻められるということは苦痛を伴うことである。苦痛を伴うということは、嫌なことである。嫌なことを、なぜ率先して被らなければならん。

 茜くんの場合は率先して被りたくなる。

 なぜ? なぜだ? まさに人間の神秘。時に快楽を苦痛に変換し、苦痛を快楽に変換する。陰と陽。光と闇。聖と邪。マゾとサド。すべては表裏一体であり、すべては同一である。永劫に螺旋する性欲<リビドー>の地平の彼方、茜大介は私の唇を奪ってくる。

 なんだよこれ。これってさ、恋なのかよ。

 あぁそうか、恋なのか。苦痛だけど、恋だったんだ。嫌だけど、恋だったんだ。嫌な気持ちと好きな気持ちって、一緒に持ってていいものだったんだ。好きだけど嫌い。嫌いだけど好き。こういうのって同居してよくて、別に引き剥がす必要のないものだった。

 まぁ、良いか。コイツの前でだけはマゾでもいいか。別に攻めたいか攻められたいかなんて、相手によって変わるもんだよね。だからこそ、茜くんの前では、攻められる<嫌われる>自分であり続けたいと思えるのかも。

 ……でも、ファーストキスがサンドイッチ味は恥ずかしいよ……。


なんかいろんな人たち

 この記事、過去最高に筆が乗っているかもしれない。

 なので、ちょっと予定を変更してもうちょっとしっかりガンパレの好きなとこの話をする。ホントは自分の好きなキャラ以外割愛しようと思ったけど、ここでは「いろんな人たち」としてまとめておく。

 たぶん、このゲームはNPC全員揃って「ガンパレ」だから。別にみんな揃ってると嬉しいとかいう美辞麗句でなく、単にこのゲームはある種の社会構造として作られているから、しっかり「いろんな人」まで書いておく必要があると思った。

 人がいて、会話があり、そこに愛憎が生まれ、物語が産まれ落ちる。
 これを人の営みと言わず、社会と言わず、あるべき世界と言わず、きっとあってほしい場所と言わず、なんと言う?

 それは一旦置いといて、やっぱ私が大興奮したのは世界観と固有名詞。

 「ウスタリ・ワールドタイムゲート」ってクッソカッコよくね? なに。芝村の姉貴、なんなんすかそれ。「アポロニア・ワールドタイムゲート」ってなんなんすか。第5世界ガンパレードって……めっちゃかっこいい。

 私、やっぱりこの「言葉のセンス」をものすごく重視する。言葉は、世界を構築する。その言葉の積層により、世界は形作られる。そのひとつひとつの情報と、質量と、面白さによって、その世界が煌めくか否かは確定する。ガンパレは、この世界を構築する言葉のひとつひとつが面白い。

 この「言葉のセンス」がずば抜けているゲームを、強いて挙げるとすればやっぱり『ゼノギアス』。

各部署、待機姿勢解除!  ……攻撃再開!
艦首発射管1~3番、ナムタルミサイル。
ホーミングは1、2番ハンズフリークルーズ、
3番アンチレーダービームライダー。 4~6番、マカラMk5砂魚雷。
全て有線誘導後パッシヴホーミング。
各機へ、統制射撃を行う。 斉射は本艦にならえ。

『ゼノギアス』

 ここ、めちゃくちゃ好き。なぜならカッコいいから。極論、言葉の意味とか別にわかんなくていい。響きとか、パッと見の強さとか、語感とか、そういうものを音楽みたいに並べた時の気持ち良さ、カッコ良さ。これが世界を構築するということであり、言葉の変数ひとつで世界は変動する。

 たったひとつの固有名詞で、世界は修飾される。
 このセンス、ガンパレは圧倒的にずば抜けている。

 ……って話をしたいだけでした。
 あれ、別にいろんな人たち紹介してなくね……?

 強いて言えば善行委員長けっこう好きです。


石津萌

 お前がガンパレ最後のメインヒロイン。

 なんかこれまでいろいろ書きましたけど、別に深い理由はなく単に「かわいい」。これがガンパレでは逆にすごい。「ちゃんとかわいい」って思えるキャラ、ガンパレだと貴重すぎる。

 ………………………さらに逆の逆、一度「かわいい」と宣言したらもう言うことがなくなった。ただ、かわいい。ただ、萌えがある。

 「学校にこういうヤツいたな」と思うガンパレの中で、個人的にあんまり心当たりがないようなキャラでもある。なんか、一番「アニメっぽい」。

 一番空想に近いキャラが、一番真っ当にかわいいと感じているとはこれいかに。アニオタとは、悲劇の生き物。石津萌、「萌え」です。


2周目

芝村舞

 やっぱり主人公じゃないか……。

 この記事のラスボスです。なんかしれっと2周目の話をする前に、もうちょっと順を追って、レッツ芝村・プレイバック。

 第一印象、変な人。

 変すぎる。どういう人なんだ。私は変な人大好きです。ただ、常軌を逸している。よくわからない。ヒロインなのか? 味方なのか? 敵なのか? 「芝村をやっておる」って……なんすか。

 私は……ジスロマックをやっておる。

 第二印象、覇王。

 かっこよッ。なんかさっきも似たようなこと言ったけど、やっぱ考え方がしっかりしとる人好きです。なぜかというと、その人の確固たる世界がある生き様は愛せるから。確かに、人はたったひとつの世界を共有する生き物である。そして同時に、無数の世界を持つ。

 人間ひとりがひとつの世界を持っていると考えれば、たったひとつのこの惑星にはおよそ78億の世界が存在していることになる。それはいくら何でも行き過ぎだ。それはちょっとごちゃごちゃしすぎている。とはいえ、「自分だけの世界」を持っている人間は、やはり面白い。

 人間は、そうあってほしい。私が好きなのはそういう人間だ。というか、私にとっての「人間はこうあってほしい」という望みこそが、確固たる世界を持つということでもある。そういう人間こそ、私の愛する対象。

 第三印象、あ……姉貴!!

 「メインヒロインと複座で乗り込む」って、普通はエウレカセブンみたいなこと想像するじゃないっスか。これもうゲッターロボなんよ。俺の機体のサブパイに流竜馬が乗ってくれてる頼もしさだよ。背中任せたくなる系女子だよ。オレの背中、芝村の姉貴に託していいっすか。

 し、芝村の姉貴……オレ、一生着いてきます!

 第四印象、あ、姉貴……?

 オ……オレ……姉貴のこと彼女とかメインヒロインとか攻略対象とかデート相手とかそんな目で見れないです! デェトとか言われても……オレどうしたらいいんすか!! つか、ガンパレってどういうゲームなんスか!!!

 第五印象、やっぱ変な人だって。

 フ、フフフフ……芝村舞、貴様、やはり面白い女だ。私好みの女だ。面白いな、貴様。愛いな、お前。見ていて飽きないよ、アンタ。

 ここまで人間離れしていながら、確固たる世界を持ちながら、それと同時に人間臭い。あぁ、あぁ! やはり人間らしさは愛らしいな! 私が好きな人間は、人間みたいな人間なのだよ! 人間臭さってさ、人間の一番美味しいとこなんだよね!!

 第六印象、なんか知らん内に付き合ってる……。

 この(私にとっての)芝村舞の不思議なところ、別に「付き合いたい」とは思わないところです。芝村舞を追いかけるのは好きだけど、芝村舞に追いかけられるとなんか急に冷める。そういう感覚がある。お前は、覇王であってほしい。貴様は、私が追いかける狂人であってほしい。

 追いかけたい。が、追われたいわけじゃない。
 好きになりたい。だけど、好かれたいわけじゃない。
 愛したい。でも、愛されたいわけじゃない。

 第七印象、我が王。

 そうだ。それこそ私の欲する芝村舞だ。それでこそ私の認めた芝村舞。これこそ、私が見た光。これだから、愛する意味がある。やはり貴様は……私を圧倒する存在であり続けてほしい。私の予測に収まらない変数こそ、最も美しい。容易く解せてしまうものなど、何の面白味もない。

 理解の及ばぬものこそ美しい。
 手に入らないものに価値はある。
 支配できないものにこそ、悦楽がある。

 そして人間は、すべからく理解できず、手に入らず、支配できない。だから美しい。それゆえ、ガンパレも愛しい。理解のできないゲーム。コントロール不可能であることの価値。決して支配下に置けぬ、人間の愛らしさ。

 それこそが私にとっての、ガンパレである。

 どれほど追いかけても手に入らないものにこそ、不変の美しさがある。これは、その煌めきを永遠に保持する世界。私が好きな生き物、「人間」の愛しさのひとつを、溢れんばかりに閉じ込めた世界。会話がある。愛と憎しみがある。そこに人は生まれ、世界は構築される。物語が生成される。これより舞い降りる世界に、祝福あれ。これより生まれいづる人間に、讃歌あれ。

 『高機動幻想 ガンパレード・マーチ』。

 ……これは、最も愛しい、「人」との遊び。


おまけ

電撃ガンパレード・マーチ

 え、別に2周目の話してない……?

 なんか、書いてる途中で「まぁ、別にそんな書かなくてもいいや」ってなりました。OVERSシステムとかアリアンとかセプテントリオンとか大真面目に考え始めたら私の脳が爆発してしまう。でも、2周目からボイス付くのは流石に笑いました。こんなことあるかよ。

 ということで、おまけの「電撃ガンパレード・マーチ」。
 これ……すごい本っスね。ゼノギアス設定資料集に匹敵するレベルの「奇書」の域に突入しとる。こういうのが多いから、初代PSのゲーム好きです。もしみなさんのオススメPSゲームあれば、教えてください。

 僕、やっぱゲームの本読んでるのめっちゃ楽しいんですね。しかも、この手の狂気が詰め込まれてるのは特に良い。とにかく、本全体から愛が迸ってる。好きなんだって。俺たちガンパレ好きだからここまでやっちゃったよって。だって、好きじゃなきゃこんな気の狂った本書けねえぜ!? 

 おかしいんだよ、この本! イカレてる!! だから最高!!!

 なんかね、ページ1枚1枚をめくるだけで、伝播する熱がこっちの指先から末端神経を駆け巡るんです。元気になる。超ゲーム好きなやつが書いてるってわかる。たまんない。別に昔の人を持ち上げたいとかでは全くありません。ただ、私はこの奇書への賛辞を贈るだけです。良い本です、これ。

 ……以上! 
 カッコつけて終わるのが恥ずかしかったおまけコーナーでした!

 またなんか、どっかのレビューで会ったら読んでください!!