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人生で初めてエアリスに恋するFF7リバース

 そもそも、エアリスが好きじゃなかった。

 「嫌い」ってわけじゃないのだけど、とはいえ「好き」でもない。FF7Rをやった時にも「なんか不思議な子」くらいの印象だったし、そこから原作のFF7をやった時も、「人となりを知る前に死んでしまった」くらいの印象しかなかった。自分、どっちかっていうとユフィ派なんですよね。

 ……とか思ってたんですが、『FF7 リバース』でエアリスに恋できる気がしました。私、ようやくエアリスが好きな人の気持ちを理解できたかもしれない。そんな感じのことを、書いていこうと思います。

 あと、「そのネタバレだけは喰らいたくなかった」という場面にガッツリ接触してる内容なので、ネタバレ気になる人は見ないでください! クリアしてから読め! 以上、どうぞよろしく!!




そもそもエアリスがやたらかわいい

 FF7リバース、明らかにエアリスがかわいくなっている。

 ここは本当に断言したい。なんだかわからないけど、明らかにエアリスがかわいくなっている。深く理由は説明できないけど、1作目より明らかにエアリスのかわいさがマシマシになっている。

 私がこれまでエアリスに惹かれなかった最大の理由があるとすれば、「あんまり人間味を感じない」ということだった。エアリスが何を考えているのかよくわからないし、エアリスが何を食べたいと思っているのかもよくわからない。よく言えば神秘的。悪く言えばちょっと浮いてる。

 私の「エアリスの惹かれなさ」といったら、割と結構深刻で……『FF7』『FF7R』『CCFF7』『ACFF7』はプレイしているのに、ヒロインとしてのエアリスにイマイチピンと来ていなかったのだ。というか、ヒロインとして認識する以前に、まずエアリスがどんな子なのかよくわからなかった。

 だけど、FF7リバースで猛烈にエアリスがかわいくなっている。

 多分これは「リメイクで表現力が上がった」ことの恩恵をダイレクトに受けている部分というか……上の動画みたいに、「エアリスはどんな人なのか」をフルパワーで描写できるようになったのだと思います。

 その結果として、私のような無神経人間にも「あ、エアリスって結構おちゃめなとこあるんだ……」と気づけるようになった。エアリスから、しっかり人間味を感じられるようになった。エアリスとの距離感が、一気にグッと縮んだような感じがする。エアリスも年頃の女の子なんですよね。

 これまで「何を考えているのかわからないまま退場してしまう謎のヒロイン」みたいな印象だったのに、FF7リバースで「一見お姫様っぽく見えるけど、実は結構ノリが良くておちゃめなお嬢様」くらいの身近な感じになった。エアリスの解像度が360pから一気に2160pになったような感覚だ。



百合の間に挟まるRPG

 遊んでいない人には信じられないかもしれないけど、FF7リバースではティファとエアリスがやたらと仲良くなっている。もう、普通に付き合ってるんじゃないかというくらい仲良くなっている。いや、マジで。

 FF7リバースはいろいろなところを旅するのがウリのゲームなのだけど、どこへ行ってもティファとエアリスがイチャイチャしている。コスタ・デル・ソル、ゴールドソーサー、コスモキャニオン、ゴンガガ村……本当にところかまわずティファとエアリスがイチャイチャし続けている。

 ここまで来たら、「ティファとエアリスだけで旅に出るFF7」が見たくなってくる。だから、我らが主人公クラウド・ストライフがちょいちょい「百合の間に挟まる」状態になっている。相変わらずクラウドは不憫かわいい。ずっと二人の間にサンドされて「あ、あうう……」と言っている。

 もう、ティファとエアリスの仲の良さに誰もついていけない。
 完全に「2人だけの世界」が構築されてるシーンがいくつもある。 

 上の動画、すごくない?

 もし私がソルジャーだったとして、「お前、エアリスとティファの間に挟まってこい」と宝条博士にでも言われたら、割と本気のトーンで「いや……ちょっと勘弁してくださいよ……」と答えてしまうかもしれない。

 ダメだ、まるでこのふたりの間に入っていける気がしない。

 こんなの「スレッタとミオリネの間に挟まってこい」とか「千束とたきなの間に挟まってこい」とか「ウテナとアンシーの間に挟まってこい」とか「花里みのりと桐谷遥の間に挟まってこい」とか「鹿目まどかと暁美ほむらの間に挟まってこい」とか「小糸侑と七海燈子の間に挟まってこい」とか「木野ひまりと朝凪依の間に挟まってこい」とか「藍原柚子と藍原芽衣の間に挟まってこい」とか「甘織れな子と王塚真唯の間に挟まってこい」とか、そういうレベルのことだと思う。ごめん結構俺の好み入ってるわ。

 とにかく、ティファとエアリスは大の仲良し。

 そして……私は、段々と感情移入の対象が「ティファ」になってきた。それもそうである。まず、お姫様みたいなエアリスがいる。そして俺たちのクラウドは、最後らへん黒マテリア云々でちょっと錯乱し始める。

 こうなると、我々プレイヤー(一般人)に最も近い視点のキャラは、「ティファ」なのである。いや、だいぶ俺の贔屓目が入っているかも。でも、FF7リバースで一番感情移入していたのは間違いなくティファだと思う。

 クラウドは様子がおかしい。エアリスがかわいい。はぁ……アタシがどうにかしなきゃ……。ほら。FF7リバースをプレイしている時、俺はティファ・ロックハートだったのだ。エアリスにドキドキする時、俺はティファだ!



人生で初めてエアリスに恋できるかもしれない

 人生で、初めてエアリスに恋できるかもしれない。

 我ながら恥ずかしさ極まった書き方だけど、事実FF7リバースを遊んでいてそう思ってしまったのだから、仕方がない。

 これはシンプルにエアリスの人間性がしっかり描かれたり、あとはCV坂本真綾パワーがすごかったりで色々あるのだけど……一番は、「エアリスの過去を知れた」こと。なぜ、エアリスのことをずっと「謎の女」としか認識できなかったのか。答えは単純、私は……エアリスの過去を知らなかった。

 私がFF7リバースで一番印象に残っているイベントは、ゲーム終盤の「イファルナとエアリスの別れ」です。描かれるのはエアリスの子供の頃。神羅に追われながらも娘と逃げる母の姿。そしてエアリスは病に倒れる母の姿を間近で見る……という感じなのですが、これ普通に泣いちゃうでしょう!

 ミッドガルで医者を探す少女エアリス。しかし見つからず、健気に母親のところへ戻る。少しのやり取りのうちにイファルナは力尽き、エアリスは母に縋るように泣きつく……この一連の流れを見た時、泣きました。

 そこでも、自分で自分に驚きました。
 「エアリスの話で泣くと思わなかった」と。

 ここで気づきました。
 「自分はいつの間にか、エアリスはこんなに好きになっていたのか」と。

 こんな過去があったらしんどいはずなのに、大きくなったエアリスは割と元気にやってる。それだけで嬉しい。エアリスに恋するというか、「エアリスってこんなにも魅力的なキャラだったのか」と、私はようやく気づけたのです。いつの間にか、エアリスを愛せるようになっていました。



俺はティファ・ロックハートだ

 で、実はエアリスって死ぬんですよ。

 え、えええええっ!? こんなに魅力的な女の子なのに、死んじゃうんですか!? スクエニマジ許せねぇ!! 「FF7リバースだとワンチャン生き残るのでは」とか言われてたけど、容赦なく死にます。多分死んだ。

 「世界一有名な死ぬキャラ」なのにエアリスを初めて好きになったから、一周回って「エアリス死ぬな!」の気持ちにさせられるという。私、「エアリスが死んだショック」を初めてちゃんと味わえたかもしれません。

 でも、「原作のエアリスが死ぬイベント」で、ひとつだけ覚えていることがあって……それが「ユフィが泣いてる」ことだったんです。(原作を遊んだ時の私は)エアリスの死そのものに何の悲しみも感じなかったけど、「ユフィが悲しんでること」は、結構ショックでした。

 そして今回のエアリス死亡シーンで一番感情移入したのは……やっぱり「ティファ」でした。FF7リバースをクリアしたみなさん、もう一度エアリス死亡シーンを見返してみてほしい。その場で抱いてるクラウドの次に駆け寄るのが、「ティファ」なんです。

 なんかもうガチ泣きしそうな声でエアリスに近寄る時の「エアリス……!」の演技、もう一度聞いてみてほしい。悲痛すぎるから。シンプルに「一番仲の良かった人が死んだ」くらいのシーンだから、本当に……ティファの気持ちを考えると……ティファがしんどすぎるというか……。

 そしてラスボス戦後のエアリスご遺体確認シーンでも、ティファが最速で駆け寄っている。「お前どんだけエアリスのこと思ってたんだよ」って感じですが、ここまでの旅路を見届けてきたから、「ティファが心の底からエアリスを大切にしていたこと」は否応なしに理解してしまう。

 だから、私が感情移入したのは「ティファ」でした。
 恋仲なのか親友なのかは一旦置いといて、「一番大切だった人がいなくなってしまった」という点において、FF7リバースではティファに一番心を掴まれました。俺は、ティファ・ロックハートだ。

 FF7リバースで、エアリスのかわいさに気づいた。FF7リバースで、初めてエアリスに恋できたかもしれない。その結果、FF7リバースで俺はティファ・ロックハートになった。「風が吹けば桶屋が儲かる」ってこういうことなんですかね? クラウドどこ行った?

ずっと凹んでるティファほんとに……

 原作ではユフィの悲しんでる姿にショックを受けて、リバースではティファの悲しんでる姿にショックを受けた。この両方に共通するのは、「残された人の思い」。だからエアリスは、残された人の記憶から一生消えない女なのだと思う。人に愛されすぎたから、人を悲しませる天才でもある。

 それもそのはず。あんなお姫様みたいで、でもおちゃめで、年頃の女の子で、かわいらしく、それでいて爽やかな印象もある……こんなの誰でも好きになっちゃうでしょう。ようやく、それに気づけました。

 エアリスの大切さを、やっと理解できました。

 なので、最後に言うべきなのはこれかなと。

 エアリスが死んで、結構悲しいーーーーー!!!!!!!!


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