蒼天のイシュガルドは竜騎士と竜が関係あるのがすごい
突然ですがみなさん、「竜騎士」ってご存知ですか?
そう、アレです。ファイナルファンタジーのあの槍持ってジャンプするアレです。
実はこの竜騎士とかいうジョブ、名前に「竜」が入っているのにシリーズ全体を見ると竜と関係ない事の方が多いのです。
主に、FFの竜騎士には3つのパターンが存在します。
・ちゃんと竜と関係ある竜騎士
・竜騎士なのに竜とはほぼ関係ない竜騎士
・もはや竜騎士ですらないが竜騎士の要素は残っている
この前提を踏まえて、歴代の竜騎士を振り返ってみましょう。(外伝作品まで含めるとキリがないため、ナンバリングの竜騎士のみとします)
ファイナルファンタジー最初の竜騎士は遡ることおよそ33年、FF2になります。
その名も「リチャード・ハイウィンド」。
FF2はキャラクターにジョブを割り振るタイプのFFではないため、そもそも竜騎士自体がこのリチャード専用の称号のような扱いとなっています。
彼はペンダントを使い飛龍に乗る事が出来る竜騎士なため、前述の3つのパターンでは「ちゃんと竜と関係ある竜騎士」に該当します。
いやむしろここで竜と関係なかったら流石にヤバいからね?
続いてはFF3の竜騎士。
ここでついに竜騎士伝統の「ジャンプ」が登場します!
まあ大体ポケモンのそらをとぶ的な、1ターンの溜めを挟んで強力な攻撃を繰り出す専用技だと思っていただければ。
が、FF3の竜騎士は「竜と関係ない竜騎士」に該当します。
何か知らないうちに水のクリスタル辺りで習得するジョブなため、ストーリー上全く竜とは関係ありません。
何なら、ガルーダというボスに対して全員でジャンプする以外大した活躍をするジョブでもない(個人の感想です)ため、ドラゴンキラーというよりも対ガルーダ特化ジョブの印象が強い。
お待たせしましたFF4。何とFF4では竜騎士がタイトルロゴを飾っています。
別にこのタイトルロゴを飾っている竜騎士が主人公という訳ではないのですが、あまりそこに深く突っ込んではいけない。
そして彼の名は「カイン・ハイウィンド」。
彼こそキングオブ竜騎士というか、現在に至るまでの「竜騎士」のパブリックイメージを良い意味でも悪い意味でも牽引している男です。
そもそもこれは竜騎士というジョブ根本の話になってくるのですが、竜騎士がFFのストーリーにおいて性能的にもキャラ的にもそこまでバリバリに目立つ事の方が少ないような気がする。
が、このカインとかいう奴はバリバリに目立っている。主人公の相棒ポジションとして君臨しており歴代で最もいい扱いを受けている竜騎士と言っても過言ではない。
序盤から終盤にかけてほぼ出ずっぱりな出番の多さといい、一度で飽き足らず二度も裏切り「竜騎士は裏切る」という今に至るまでの竜騎士の悪印象をたった一人で植え付ける事に成功していたり、とにかく竜騎士のクセに目立ちまくっている。
だがしかし、彼は「竜と関係ない竜騎士」に該当する(一応設定上竜といくらか関係はあるらしいのだが、本編で竜と関わる姿はほぼ見られない)。
いや、もう一番目立ってる竜騎士が竜と関係ないって…と思う方も居るだろう。私もそう思う。
FF5の竜騎士は、ファイナルファンタジーとは直接関係ないのだがやはり『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』の原作者の竜騎士07が一番有名だろう。
彼のペンネームの「竜騎士」の部分はその名の通りFFの竜騎士から、「07」の部分はFF5のレナというキャラクターから来ている。
ご存知の方の方が多いかもしれないが、ひぐらしに登場するはう~!お持ち帰り~~!!でお馴染みの竜宮レナもこのFF5のレナが元ネタとなっている。
では、ひぐらしの原作者が名前に使っているのだからさぞFF5の竜騎士も強いのだろう………と思いたい所だが、またしてもFF3同様そこまで目立った活躍をする訳でもなく、二刀流が使える忍者やみだれうちが使える狩人や魔法剣が使える魔法剣士などの一線級ジョブにはやや劣る性能となっている。
一応のフォローを入れておくと、レナの父親のタイクーン王というキャラが竜に乗っている竜騎士だからFF5の竜騎士は「竜と関係ある竜騎士」と言えなくもないのだが、主人公のバッツ達はFF3みたいな感じで特にドラゴンと関係なく竜騎士をサラッと習得してしまうため正直FF5の竜騎士はどちらとも言えない所がある。
だってこのタイクーン王序盤も序盤で退場するんですよ!?エアリスの3倍ぐらいの早さで退場しやがる!!
全世界1億7000万の竜騎士ファンの皆様、申し訳ございません。
続いてのFF6、ついに竜騎士の存在そのものが消滅しています。
FF6は歴代最多の仲間キャラの数を誇り、その数なんと14人という驚愕の多さなのですが、なんとその中に一人足りとも「竜騎士」の名を冠するキャラが居ません。
ちょ、ちょっと待ってください!「は?竜騎士の居ないファイナルファンタジーとか遊ぶ価値ねえわ…」と思ったそこのアナタ!
実はほんのわずかに!本当に出がらしみたいな少なさなのですが僅かに竜騎士要素がFF6には存在しています!
それがこの「りゅうきしのくつ」を装備させたモグ!
元々モグは「おどる」というコマンドがメインで、ジョブでいえば踊り子に該当するキャラなのですが初期装備の槍を最大限に生かすために通常攻撃がジャンプへと変わるりゅうきしのくつを装備させて竜騎士としてアタッカーも担当させる事が出来るのです!
まあ、ここまでした所で防御貫通ドリルを繰り出すエドガーやモンクのマッシュやげんじのこて+かいでんのあかしで8回攻撃とかいうインチキを働くロックに並ぶほど強いのかと言われると微妙なのが竜騎士らしいというか…なんというか……
ところがどっこい。なんとこの「竜騎士モグ」、公式から推奨されている使い方ではないのだがFF14で正式に小ネタとしてお出しされている。
そもそも大前提として「FF6のモグは竜騎士として使うと強い」という事が分かっていなければ全く伝わらないFF14の細かすぎて伝わらないFFネタ選手権みたいな所があるのだが、20年の時を経てついにモグが竜騎士として認められた感動の瞬間です。
が、FF6としてはやはり3つ目の「もはや竜騎士ですらないが竜騎士の要素は残っている」に該当します。
はいFF7、3つ目の「もはや竜騎士ですらないが竜騎士の要素は残っている」です。
FFシリーズお馴染みの飛空艇技師の「シド」と竜騎士の「ハイウィンド」が合体したキメラこと「シド・ハイウィンド」。
竜騎士でもないし竜と関係がある訳でもないしそこまでストーリーで激しい活躍をする訳でもないロケット作ってるおじいちゃんです。
……………これ以上に言う事がねえ!!
FF4のカインが竜騎士のイメージを牽引している理由、みなさんにも分かってきた頃だと思います。
みなさん、本当に申し訳ございません。竜騎士には、「竜と関係ある竜騎士」「竜と関係ない竜騎士」「もはや竜騎士ですらないが竜騎士の要素は残っている」の3パターンが存在すると私は言いましたね。
あれは嘘です。
FF8に竜騎士は居ません。
竜と関係ある竜騎士も居ません。
竜と関係ない竜騎士も居ません。
出がらしみたいな竜騎士要素すらありません。
FF8に竜騎士は居ません!!!
つまり、新たなる4つ目の「竜騎士の概念が存在しない」のパターンに該当します。私が竜騎士ファンだったらスクエニをジャンプで襲撃していたかもしれません。
次のFF9はファンタジー要素が強めなのでちゃんと竜騎士が居ます。
彼女の名は「フライヤ・クレセント」。
正直「ネズミ獣人でのじゃ口調で女騎士でお姉さんポジション」という竜騎士どころじゃねえ属性過多なキャラなのですが、一応竜騎士です。
いやそもそもネズミなのにドラゴンナイトってなんなんだよと思うかもしれないけどそういう事を竜騎士で気にしちゃいけない!
竜騎士に種族は問わない!
まあ、フライヤもここまでやっときながら「竜とは関係ない竜騎士」に該当します。
続いてのFFXの竜騎士は………まあやったことない人でも名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
それがこの「キマリ・ロンゾ」です。
「FFXはキマリが弱いことを除けば神ゲー」「RPGとして一点の隙も無いFFXが唯一見せた隙」「何で付いてきてるの?」「そもそもの設計からして弱い」など散々な事を言われている(独自調査)キマリだが、そもそものコンセプトが「敵から技をラーニングして使う青魔導士と竜騎士のジャンプ」というただでさえトリッキーな二つのジョブが合体した意味不明な組み合わせなため、致し方なし感が否めない。
というか、キマリのジャンプは必殺技の一つでしかなく後々回し蹴りなどのジャンプよりも強力な物理攻撃を覚えるから竜騎士要素は後半ほぼ死ぬ。
3つ目の「もはや竜騎士ですらないが竜騎士の要素は残っている」に該当します。
(※FF11に関しては遊んだことがない私の知識不足です。申し訳ございません。ただ、竜を連れて戦うことが出来るようなので「竜と関係ある竜騎士」に分類させていただきます。)
FF12はFF8と同じく「竜騎士の概念が存在しない」に該当するのですが……なんと調べてみた所ハントカタログの一部に「竜騎士ガートル」というテキスト上にしか存在しない竜騎士が居るらしい!
本当に雀の涙レベルの竜騎士要素!
そこまでして竜騎士を入れる必要があるのか!?
FF13の竜騎士は「ヲルバ=ユン・ファング」。
いやこれはどう見ても竜騎士だろ…と言いたい所なのですが竜騎士の名前は使われていません。でもドラゴンには乗っています。
でもでもこのドラゴンみたいなやつは人型に近いバハムートがトランスフォーマーのように乗り物へと変形した形なのでもはやドラゴンなのかどうかすら分かりません。
更に言うならFF13の召喚獣はルシを救うためにヴァルハラの女神エトロから遣わされる存在だからやっぱりドラゴンではないのか…?
うん、分からん!!!
「竜騎士の名前は使われていないけど竜っぽい存在とは関係ある」のパターンを一切想定していなかった私に非があるのですが、FFの幅広さをみなさんにも分かっていただけたでしょうか。ファイナルファンタジーはバーリトゥードですからね。時と場合によって合わせていくのが大切です。
なのでこれは5番目の「竜騎士じゃないけど竜騎士っぽい要素があって竜っぽい存在と関係ある」になります!
FF15の竜騎士は「アラネア・ハイウィンド」。
竜騎士をあまりよく知らないみなさんも薄々気付いてきたと思われるのですが、竜騎士は何かと「ハイウィンド」という名前が使われがちです。
まあ使われてなかったりもします。(何なの???)
そのハイウィンド一族の一人であるアラネア姉さんは「竜騎士は裏切る」という負の伝統を逆手に取った竜騎士で、最初は敵側なのですが最終的には味方側に寝返る逆裏切りを見せてくる技巧派竜騎士です。
まあでも竜とはそんなに関係ないので「竜と関係ない竜騎士」に該当します。
さて……ここまでFFの竜騎士達を振り返ってみましたが、名前に竜って入ってるのに竜と関係なかったり、そもそも竜騎士の要素すら存在しなかったりするFFの自由さがよく分かっていただけたでしょうか?
私も書いてる途中でちょっと竜騎士が自由すぎて辟易してきました。
そんな自由すぎる竜騎士達が跋扈するこのファイナルファンタジーの竜騎士界に一石を投じるのがこの「蒼天のイシュガルド」なのです!!
吉Pのインタビュー動画でも「イシュガルドは人とドラゴンと宗教と歴史とで直球のファンタジーをやってます」と説明があった通り、蒼天のイシュガルドはこれまでファイナルファンタジーが突っ走りすぎて逆に手を付けてこなかった「人とドラゴン」にフォーカスを当てた物語が展開される。
いやいや、30年近く続いたゲームのシリーズでおまけにタイトルに「ファンタジー」が入ってるのにドラゴンとの戦いに焦点を当てたタイトルがないなんて事ある?と一瞬思ったのですが、確かに思い返してみれば「無」とか「帝国」とか「神」とかと戦ってばっかで、最初から最後までドラゴンと戦うFFはなかったような気がする…
ファンタジーとして進みすぎてしまって、逆にドラゴンと戦う王道ファンタジーが新しく見えてしまう逆転現象が発生するシリーズがすごいのですが、だからこそこれまでのFFにはなかった新しい展開です。
そして14の竜騎士は、なんと14の竜騎士は…
竜と関係ある!!!
竜騎士って名前なんだから竜と関係あるのは当然なんだよ!
なんだ!?ドラゴンっぽい存在と関係ある竜騎士っぽい奴ってなんだ!?
青魔導士と合体した竜騎士ってなんなんだよ!?
ツイートにもある通り、14の竜騎士は「竜の力を使い、竜を狩るものだから竜騎士」というかなりそれっぽい新解釈を引っさげてやってくる。
人とドラゴンが戦う事に重きを置いた蒼天のイシュガルドだからこそ、竜と戦う人間として満を持して「竜騎士」が選抜される!
ぶっちゃけ、蒼天のイシュガルドはFF史上最も竜騎士が輝いているストーリーといっても過言ではありません。
更に、半ばネタと化していた「竜騎士は裏切る」という竜騎士の悪しき伝統そのものがストーリーの根幹に組み込まれており、ここ30年でここまで竜騎士にスポットライトを当てたFFはあったのかというぐらい蒼天のイシュガルドは竜騎士の良い所悪い所も全てを使い全身全霊の「FF14の竜騎士」をぶつけてくる。
最後の最後には最初の竜騎士、リチャード・ハイウィンドの「竜の背に乗っているから竜騎士」に戻り、「竜を狩る者」から「竜を駆る者」として生まれ変わり、竜騎士として完璧な着地点へと到達する。
まさか竜騎士に感動させられる日が来るとは思っていなかった。
かなり正直な事を言うと、FFを色々と遊んでみたが竜騎士は何かと使いづらかったり、「そもそもジャンプって強いのか?」とコンセプトを疑問に思ってしまったり、「これカイン前衛じゃなくてエッジ前衛の方が強くね?」とカインのイマイチな所に気が付いてしまったり、竜騎士にあまり良いイメージはありませんでした。
しかし今はエスティニアンと肩を並べる「蒼の竜騎士」として、私もエオルゼアで戦っています。
てか蒼天のイシュガルドやったら誰でも竜騎士やりたくなりますよね?
アナタも竜騎士、初めてみませんか?
では私はそろそろ紅蓮のリベレーターに行きたいと思うので!
それでは!
言い忘れた!
何でイルーシブジャンプは逆向きに飛ぶんだよ吉田!!!