見出し画像

サガフロ初めてやったけどヤバすぎる

 『サガ フロンティア』を遊びました。リマスター版です。

 ちゃんと7人クリアしました。
 クリアした順番に感想を書いていきます。

 あとは説明不要!行くぜッ!!


レッド編

 なぜ、最初にレッド編を選んだのか? 

 なんとなく、主人公っぽかったから…………。

 いきなりヒーローに変身! 既にセリフ回しがサガすぎてクラクラしてくる! 他に遊んだことあるサガがミンサガだけだから、もうどういう世界観なのか全く分からない! とりあえず戦え、アルカイザー!!

 なんか世界のあちこちを周りながらブラッククロスをシバき回していった。バカラで戦う。名前の日本感がゼロなのに実際メチャクチャ「日本」しているシュライクで戦う。じゃあこの「オウミ」というリージョンは近江がモチーフなのかと思ったら、全然近江じゃなかった。どうなってるんだこのゲームは。最初だから、ただただ世界観に困惑したことを覚えている。

 フフ、フフフフ……。実にスクウェアらしい。スクウェアすぎてなんかゾクゾクしてきた。そうだ、俺はこの「何なんだこのゲームは」を味わいたくてスクウェアのゲームを遊んでいるんだ。スクウェアよ、私は帰ってきた!

 そして生命科学研究所で、「コットン」というかわいい仲間を得た。やっぱりヒーローには頼もしい相棒がいなくちゃな。頼んだぜ、相棒!

 な、なんだぁっ!?

 お、俺のコットンが……俺のコットンが怪物に!!!
 いや、怪しいと思ったんだ。急にバトル終了後に「吸収」なんて画面が出てくるからちょっと躊躇はしたんだ。まさか形まで変わるとは思わないだろう。もふもふ生物が急にクラゲになるのちょっとグロいまである。

 クラゲを引き連れたヒーローってなんなんだ。ミンサガでもここまでの仕打ちは受けなかった。ハゲはいたけどクラゲはいなかった。

 コットンが、スフィンクスになった。

 もう原型すら残ってねえ!! 中ボスを吸収したらそのまま中ボスの姿になるとは思わないだろう。サガすぎる。しかも鬼強い。アルカイザーよりスフィンクスの方が強い気がする。もうスフィンクス編みたいになってきた。

 ここまで来ると「スフィンクスを失う恐怖」との戦いになってくる。つまり、つまりだ。ここで下手にモンスターを吸収しようものなら、またコットンがクラゲに逆戻りする可能性がある。私はもう吸収なんてしない。
 コットン、お前はスフィカイザーとして戦え!

 私はこの手のゲームにおいて、卑怯もらっきょうも大好物である。

 無限ジャンク漁り、楽しすぎる。

 ほとんどタダで永遠にジャンクを漁り続けることができる。ほとんどタダで永遠に強力な装備を入手し続けられる。しかもこの……「本来であれば買えないハイペリオンを押すと無限に漁れるようになってしまう」という、バグなのか狙った仕様なのか絶妙にわからないラインなのが良い。

 しかもリマスター版なのに残されている。素晴らしい。やっぱりRPGは無法を働いている瞬間が一番楽しい。特にサガは。

 そして徐々にパーティーが組みあがっていく。 
 レッドと、スフィンクスと、ロボとロボのパーティーである。

 人間の仲間がひとりもいねえ。なんだこれ。
 私は何かを間違えたのだろうか? 今になって考えてみれば、なんであのレッドの恋人候補みたいな子は仲間にならなかったのだろう。なぜユリアは途中で消えてロボットばかり仲間になるのだろう。ヒーローに恋人など不要ということだろうか。ヒーローは機械とでも仲良くしてろってか。

 これが……これが改造人間の悲哀ってヤツか。

 そして熱い。やっぱりサガのボス戦は熱い。特に、イトケン楽曲とヒーローものの相性が意外と良いことに驚いた。その着眼点はなかった。熱い、熱いぜレッド編。「ブラッククロス四天王vsアルカイザー」の純粋に熱い構図。決めろ、シャイニングキィィィッッック!!!

 あと、この辺りから「メカが強い」ということに気づき始めた。このロボットたち……よく見ると装備品準拠でステータスが上昇しているではないか。レベルを上げる必要も、何かを吸収する必要も全くない。つ、強い!!

 一体メカとモンスターは何のボタンをかけ違えたのだろう。

 そして、ブラッククロス四天王のひとり「ベルヴァ」を吸収するタイミングがやってきた。私は、「スフィンクスを吸収したら、コットンがそのままスフィンクスに進化した」という成功体験が忘れられなかった。つまり、「ベルヴァの技を吸収したら、そのままベルヴァになるのでは?」と考えた。行けっ、コットン! お前は、神にも悪魔にもなれるッ!!

 なんで????????????????????

 コットンは、神々しいスフィンクスから気色悪い植物になった。あんまりな仕打ちではないだろうか。「スフィンクスを吸収したらスフィンクスになったので、ボスを吸収したらボスに進化するに違いない」と考えるのは、結構ふつうの感覚ではないだろうか? 全く原理が分からない。

 だからもう、私はメカのことしか信じないことにした。
 メカは良い。吸収しても形が変わらないし、装備を増やせば単純に強くなる。安定性がある。それに比べてコットンはどうだ、どれだけ吸収を頑張ってもHP500も上回れないではないか。やっぱりメカだな。私は子供の頃からメカが大好きだったんだ。

う~ん、でかい。

 そしてこのシュウザー戦。サガフロ全体通してもトップクラスに好きなバトルですね。サガがここまでしっかりした「1vs1の戦闘」を用意してくるの珍しい気がする。いやホラ、なんだかんだサガって「自由度」のゲームだから……。

 オレ様の頭には、小此木の脳が埋め込んであるんだ!
 やれるか、アルカイザー!
 オレ様をやれるか!!

 ウ、ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
 シャイニングキィィィッッック!!!!!!!!!

 そしてブラッククロス四天王を撃破し、いよいよ最終局面のメタルブラック戦へ。ここのセリフ鬼カッコいいよね。こんなに変なゲームなのに、バシッと決まるセリフは死ぬほどカッコいい。サガのこういうとこ好きです。メタルアルカイザー……お前は強かったよ。しかし、間違った強さだった。

 もうバトルではメカ無双が止まらない。どっかで手にいれたハイペリオンの量子ミサイルが炸裂し、猛虎プログラムを搭載したラビットはひたすら相手に向かってタイガーランページを叩き込む。「ドローン型ロボットが相手を殴打すると2000ダメージを叩き出す」という実に奇妙な映像をひたすら見続けることになった。お前、アルカイザーより火力出すんじゃない。

 そしてなんとかスフィンクスに戻れたコットンだったけど、流石に終盤となると性能に限界が見え始めてくる。それもそう、だってメインウェポンが「突き」だったのだから。あと火炎放射。

 周りがハイペリオンだのタイガーランページだのブチかましている間、コットンはひたすら前足で相手をどついている。これが野性と科学の違いだよ。なぜ人間が地球の頂点に立ったのかよくわかりますね。

 その上LPが「5」しかない。すぐ死にそうになる。突き、毛づくろい、突き、毛づくろい……みたいな戦い方になる。でもコットンが死んだら悲しいからなんとしてでも生き残らせたい。コットン……こんなんでも相棒だからよ! こんなんでもな。

 そしてこのED。うん、良い。実に染みますね。ただテキストしか表示されていないはずなのに、実に染みる良いED。レッド編、最高ですね。

 素晴らしいオチです。サガフロの一発目にこれを選んで良かった。やっぱり特撮好きだからね。お約束の「誰かに見られていると変身できない」ことを大真面目にRPGに組み込んだ結果として、「味方が全員倒れてからアルカイザーが登場する」というロマンシングすぎる展開が起きまくってたのが本当に熱い。フロンティアなのにめちゃくちゃロマンシング。

 なんすかこれ。

 サガフロ2で新番組R3Xやるってことでいいんですよね?

 早くサガフロ2遊びたくなってきた。
 サガフロ2だと新番組R3Xが一番楽しみです。


アセルス編

 新番組……新番組R3Xは!?

 実際プレイしてる時は特に何も考えていなかったのですが、今になってみると「レッド→アセルス」って相当濃い順番でプレイしてますね。次郎系から家系にハシゴしてるみたいな順番。

 いや……レッド編と同じゲームじゃねえってこれ!
 確かに私でも「アセルス」という名前は聞いたことがありました。まさかここまでとは思わなかった。なんかパワーがすごい。魔力がある。

 「アセルス編って、どこがすごいの?」

 ダメだ。その質問には上手く答えられない。
 なぜなら、「なんだかすごい」のがアセルス編だからだ。

 まるで、これそのものが妖魔のようなストーリーなのだ。人を魅了し、心を食い散らかし、最後は自分のものにする。そういうストーリーだと思った。なんだかよくわからない。だけど、気づいた時には心を犯されている。そういうお話。そんな物語。

 プレイヤーがアセルスと白薔薇の逃避行を操作しているんじゃない、俺がアセルスと白薔薇の逃避行に巻き込まれている。「シナリオに魔力がある」とは、こういうことを言うのだ。身体中が茨で絡めとられて、心にとげが刺さり続ける。そんな気持ちになる。

 そして、アセルス編は難しい! レッド編がメカ無双できたから余計に難しい! とうとう「サガ」が牙を剥いてきた感覚がある!!

 上のデカいイカを筆頭に、やたらと難しい。あのデカいイカの先の宝箱に落とし穴設置してるのマジサガフロンティアって感じですよね。「幻魔」がなければ即死だった。「幻魔」、クソカッコいいと思います。「幻魔相破」て。単なる耽美世界観だけでなくて、この辺の中二センスも最高です。

 ちゃんとアセルスが強いのって、アセルス編の良いとこですよね。

 玄関先でこんな話すな。

 そうか、わかった。わかったぞ。このアセルス編、1日に2~3時間くらいに留めておかないと先に私の身体が自壊する。濃い。濃すぎる。シナリオが濃すぎる。あまり急激に摂取すると塩分過多で体調を崩す気がする。

 少し前、「天下一品」のカップラーメンを食べた。天下一品を食べたのは初めてだった。食べ終わったあと、ドロドロの汁が残った。たぶん飲めば美味しいのだろうけど、私は本能で「たぶん、これを飲むと身体がおかしくなる気がする」と直感的に感じ取った。アセルス編はそんな感じだ。

 ……いや、どんな例えだ。

「君が打ちひしがれていたのも、君が姫のことを好きだったからだろう。」

「……友達だったし、お姉さんだったからだよ。そう。」

「じゃあ、口に出して言ってみな。好きだって。」

「そんなの間違ってる。だいたい私はこれでも女よ。
 半分妖魔になっても、変わってないわ。」

 ここ、私がアセルス編で一番好きなところです。白薔薇について聞かれたアセルスの口から飛び出す、「友達だったし、お姉さんだったからだよ。」の言葉。ミワ・ショウダ、やっとるな。友達って……お姉さんって……。
 アセルスこいつさぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。

 基本的に、私はキャラクターに「人間味」が宿った時が一番好きです。
 いや違う、人間味は宿るものじゃない。「憑依」するものだ。気づいたら、勝手に憑いている。そしてこちらも、その人間味を勝手に見出す。アセルス、人間すぎる。妖魔と人間の中間云々言ってるけど、こいつ人間味ありすぎる。だから私は、アセルスが結構好きです。

 だからこそ、この「友達だったし、お姉さんだったからだよ」というセリフが、一番好きなのです。友達でもある。お姉さんでもある。そして、それ以上の何かでもある。本音であると同時に、本心を隠してもいる。この気持ちの正直さに同居する支離滅裂さ。これは、人間じゃないと言えない言葉です。これは、人間じゃないと感じない愛しさです。

 ……いや思ってたゾズマと違う!!!!!!!!!!!!!
 乳首!!!!!!!!!!!

 ……そして、やっぱり難しい。そもそも、オルロワージュ以前の「巨人」とかいう一般モンスターが全く倒せない。完全にスルーできる敵ではあるのだけど、コイツすら倒せないと流石に心配になってしまう。この一見普通の敵がむやみやたらに強くて絶望するヤツ、マジでサガって感じする。

 そこから「秘術」を集めるために世界中を回った。盾のカードがほしかった。さらに戦いまくってHPを上げた。鳴り物入りで加入してきたゾズマが思ったより決め手に欠けていたので、アセルスの幻魔を持たせ変えたり、ユニコーンを妖魔の剣で吸収したりしてマジカルヒールを習得したりした。

 この「本当に太刀打ちできない相手に世界中の要素をかき集めて四方八方に手を尽くす」ヤツ、だいぶサガの面白さって感じで嫌いになれない。めんどくさかったけど。ミンサガもサルーインもそうだったけど、この「ただひたすらに強くなるだけ」のターンってなんだかんだ楽しいんだよね……。

 そして満を持して巨人との再戦で、アセルスが「神速三段突き」を習得した! この時を待っていたんだーッ!! ……って感じで、またしてもロマンシングな勝利を掴み取りました。フロンティアなのに。

 そしてオルロワ様はそこそこ楽に行けちゃったっていう。

 オルロワージュと「巨人」の強さがどっこいどっこいなのってサガでしか絶対許されないからすごいですよね。半妖エンドだったらしいです。

 ……やっぱり、アセルス編ってどこがすごいのか、ちゃんと説明できません。ものすごく速筆であることに定評がある天才ライタージスロマックですらここのアセルス編を書くのに2~3日かかってしまったくらい、アセルス編のどこがすごいのか……うまく言葉にできませんでした。

 なんとなく、言葉に傷付けられているような感覚がありました。シナリオを読むというより、言葉のナイフで思いきり突き立てられている。たった一言くらいのテキストが鈍器みたいな重さになって、私の頭を殴りつけてくる。心を傷付けられている。

「いつまでも若々しいアセルス様は、私の青春の日々の証です。
 ぜひ、わたしの最期の日まで、見届けてください。」

 ……これ、すごいと思います。たった二言。テキストボックス1.5個分くらい。なのに、1000文字くらいの感情を感じる。10000字使っても言い表すことのできない思いがある。文庫本一冊でようやく収まる、いろいろなできごとがある気がする。言葉って、こんなに多くのものを詰め込めたんだ。

 やっぱり、妖魔みたいなストーリーだと思う。


ブルー編

 私は、サガフロだとブルー編が一番好きです。

 全てのシナリオを遊んでいない段階で、私は「あぁ、もうこんなものに出会ってしまったらブルー編以外のことなど考えられない」と思ってしまいました。ブルー編が絶対王者です。もはやそれは変えようのない事実。

 たしかにレッド編もアセルス編も面白いと思う。だけど、もうブルー編がトップなのは絶対不可侵です。ブルー編、最強です。まず、この「ルージュを殺せ!」の導入から最高に狂っている。なんなんだよこれ。意味がわからん。あと、またゲームが違いすぎる。レッド編の特撮空気はどこへ行った。アセルス編の耽美世界観はどこへ行った。

ナチュラルに性格悪いのも最高

 ブルー編の1度目のクライマックス、ルージュとの決闘イベント。本当に何の説明もない。月の下、ふたりの魔導士が相まみえる。仲間は固唾を飲んでそれを見守る。いや仲間もなんとか言ってくれよ。どういう状況なんだよこれ。勝手に戦え!

 「沈黙が正解」だなんてどこかの誰かが言っていたけど、これは行き過ぎた沈黙である。ゲームだろう、もっと説明してくれよ! あぁ、でもこの感じ実にスクウェアっぽい……スクウェアに殴られると興奮しちゃう……!

 そして戦う。意外と強かった。ここでまんまと「主人公がルージュに変わってるーッ!」だなんて新鮮な反応をお届けするのが悔しかったので、一旦巻き戻って時術のオーヴァドライブ+カオスストリームで叩きのめした。オーヴァドライブ最強! オーヴァドライブ最強!!

 ……あれ? ミンサガとやってること同じじゃね?

 何何何何!?!?!?!?!?

 突如始まるエンドロール。私の目の前を駆け巡るサガフロンティア開発スタッフリスト。河津のおっちゃん……ミワ・ショウダ……イトケン……ドクターコイズミ……ええっ、あの現在好評発売中の『FINAL FANTASY XVl』でディレクターを務めている髙井浩さんも開発に加わっていたんですか~~~っ!?

 いや、それどころじゃない。FF16はどうでもいい。いやどうでもよくはない。みんな、FF16買ってくれよな。なんのエンドロールなんだよこれ。急にエンドロール流したくなったのだろうか。やっぱり最高。

 もうこの時点で私はブルー編に満足しかかっている。もうお腹いっぱいだ。FF8でたとえたら宇宙空間でリノアをキャッチするミニゲームが始まった時くらい腹八分目だ。もう十分だろう。もう十分に堪能した。

 ブルーとルージュが合体した。あいつらは、ふたりでひとりのウィザードだったらしい。助けてくれ。「そして、理解した。最初から僕たちは一人だったんだ!」じゃないんだよ。お前は理解できても俺の理解が追い付いてないんだよ。プレイヤーが振り落とされる!

 そしてラストダンジョンの地獄。地獄は……極楽浄土のような場所だった。これはさすがに河津のおっちゃん天才だと思います。センスイカしすぎてる。「よくわからないがゆえのカッコ良さ」って、絶対にあるんです。ブルー編は、そういうことです。最高にカッコイイ。

 そして始まる「地獄の君主」とのラストバトル。意外と長い。いつになったらこの戦いは終わるんだ? 永遠に第1形態と第2形態がループしている。大して強くはないけど、やたらとしぶとい。流石にイライラしてきた。

 なんなんだコイツ。ここまでせっかく気持ち良くプレイしていたのに、なんでこんなところで急に気持ち悪くさせる。あまりにも長引いてWPとJPが尽きてきた。エミリアは跳弾を撃てない。T260Gもハイペリオンを撃ち切った。アセルス編から引き続き大活躍のゲンさんも、もはや神速三段突きを撃てない。あれ? ヤバくね? ここに来てラスボス強い系ですか?

 ヤバい。こうなるとサガは沼なのだ。私はミンサガのサルーインで一度地獄を見ている。嫌だ、沼にハマりたくない。
 クソーッ!いい加減に死ねよォォォーーーッ!!!!! 

 突如制止する時間。物語は、突然の終わりを迎える。

 THE END

 サガフロンティア、最高のゲームです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


エミリア編

 ブルー編があまりにも最高だったので、正直ブルー編をもう1周したいくらいだった。あとなんか思ってたエミリアと違う。サガフロ、地味にこの「実際グラフィックとイラストの違い」が面白いですよね。この「イメージ映像」感、なんだか味わい深い。

 あと、何気にエミリアはこれまでに何度か使っているのですよね。たしかアセルス編とブルー編で仲間キャラとして使っていました。だから、初めて選ぶ主人公のはずなのに「お馴染みのキャラ」みたいな印象があるのが面白いです。間違いなくサガフロでしか味わえない感覚。

 そしてレッド編でよく分からなかったクーロンのイタメシ屋の真実もエミリア編でよくわかりました。この「何人かの主人公を遊ぶうちに、徐々に世界が繋がっていく」ような感覚は、間違いなくサガフロの面白さだと思います。へへっ、なんかプロライターみたいなこと書いちゃったぜ!

 個人的に好きなのはライザです。この見た目でジャーマンスープレックス仕掛けてくるの初見殺しどころじゃねえって。絶対この人占星術とか使うタイプでしょ。タロットとかで攻撃しなきゃおかしい。でもメインウェポンはジャーマンスープレックス。う~ん、実にサガフロンティア。

 そしてまさかのアセルス&白薔薇姫が加入。
 コイツ……また女ばっかたぶらかして……。そして何気に、アセルスって他のシナリオへの出張率がすごい。T260やエミリアは比較的簡単に仲間にできますが、「そもそもメインストーリー中にしっかり出張してくる」という点ではアセルスの印象がやたらと強いです。

 アセルス編ってなんか「いや、ウチは他のシナリオとは“格”が違うんで。レッド編やブルー編なんかと一緒にしないでくださる?」という高貴な印象を受けるんですが、その実めちゃくちゃ出張してくる。もう「おいす~^^」くらいのノリで白薔薇引き連れてくる。意外とノリが軽い。

 ほんでエミリア編で初めて「済王」を仲間にしました。三種の神器を集めたら古墳の王様が出てきて、円卓最強騎士団のミニオンストライクをぶっ放してくる。もう属性の玉突き事故みたいなキャラである。せめて日本かイギリスかに絞ってくれよ。ミニオンストライクってあれどういう技なの……?

 そして属性合体事故の王様を引き連れて、エミリア編のラストバトルへ。その決戦場は……結婚式場。ウェディングドレスに身を包んだエミリアの前に現れた、最後の敵は…………

 なんか出た。

 あっ、別にジョーカーがラスボスじゃないのね。なんか天使の伏線とか張ってあったけど、別に天使がラスボスって感じでもないのね。じゃあコイツ誰だよ。え、なにこのインド系の人。お前どっから出てきた。

 BGMは結構よかった。伊藤賢治、強い。これでBGMもインド風だったら流石に気が狂っていた。本当に何だったのだろう。でも、この「急に降ってくるラスボス」って実にPSのゲームという感じがして嫌いじゃない。

 アニー、私、少し泣く……


T260G編

 そしてT260G編。T260Gは……全体的にかわいい。まずT260Gのフォルムがまるっとしているし、出てくるモンスターやメカがやたらとしゃべる。始まりの村ではメカが過重労働でノイローゼになっている。かわいそうに。機械になってもカスみたいな労働からは逃げられないのか。やはり労働はクソ。

 さらに……ついにあの「ゲン」がメインキャラとして登場!

 またゲンかよ。

 もうアセルス編とエミリア編入れたら通算3回目だよこれ。いやめっちゃ強いから頼もしいんだけど……。もうゲンさん無双すぎる。加入条件の緩さ&安定した強さが頼もしすぎるんよ。かなりサガっぽい。

 そして各地でメカを集めていく。やっぱりレッド編で「サガフロのメカの強さ」に完全に魅入られてしまったので、T260G編はそれだけで十分すぎるくらい楽しい。ナカジマ零式とか……もう存座がよくわかんなくて最高。メカ4体+ゲン1人の圧倒的完成度のパーティー。

 そう、T260G編はパーティーがとにかく強かった。というか、強すぎた。あまりにサクサク。何の苦労もない。あちこちでビームが炸裂し、多段切りが乱舞し、ゲンさんのワカツ一刀流がバッタバッタと敵をなぎ倒した。

 だからまぁ……そのあれだよ……道中、特に言うことはないってことだよ。

あんなにかわいかったT260Gがネオジオン産みたいになったのはショックでした

 だけど、私はこのT260G編がサガフロだと一番好きです。
 あ、ブルー編はもう別次元に位置してるものだから。

 アセルス編と比べて、圧倒的にシナリオが面白かったか? 
 いや、それほどシナリオにこだわっているわけでもない。

 レッド編と比べて、コンセプトが極まっていたか? 
 いや、それほどガチガチにコンセプトを作り込んでいるわけでもない。

 ブルー編と比べて、狂気的な魅力があったか?
 いや、それほど尖っているわけでもない。

 とにかくコンセプトや空気感が尖りまくっているシナリオが多いサガフロにおいて、T260G編は割かし「平均」に位置するものだと思う。比較的、落ち着いている。だけど、ひとつずば抜けたものがある。

 それがこのラストバトル。

 このラストバトル……「展開的に熱いか?」と言われると、そうでもない。なんだかよくわからない謎のコンピューターと戦っている。
 
 だが、バトルの演出があまりにも熱い。戦闘が始まる。比較的静かなイントロから始まり、強烈に耳に残るビートを刻み始める。到底ラスボス戦とは思えないクセの強いBGM。それなのに、ここまで心を踊らされる。

 あぁ、間違いなくT260G編のラストバトルが始まったのだ。たった1曲とバトル開始時の演出だけで、ここまで胸が躍ったのは久しぶりである。これぞまさに「ゲームだけの演出」。これがまさしく「RPGだからできること」。

 これだからRPGは面白い。これだからRPGはやめられない!
 やはり、ゲームは私を楽しませてくれるッ!!

 端的に言って、私は「Last Battle -T260G-」を今年一良かった音楽に認定したい。伊藤賢治が本当に天才であることを思い知らされた。

 そもそも、サガフロは戦闘中結構うるさいゲームである。元々のSEに加えて連携や閃きなどの要素が噛み合い、もう戦闘中はSEがスピーカーの上で跳ねまわっているようなゲームである。ある意味、ゲームサウンド泣かせなゲームでもある気がする。

 だけど、「Last Battle -T260G-」はSEを引きたたせつつ、かといって音楽が後ろに隠れていない。サウンドエフェクトとミュージックの完全な調和。そこに噛み合うカーネイジの演出。デジタルシンサイザーとゲームエフェクトが奏でるオーケストラでも見ているかのような気分だ。

 しかもこう……理屈はよくわからないけど「カーネイジ」の発動と曲の錆が上手いことタイミングが重なりやすいのがさらに気持ちい! 

 「NO FUTURE」キュインキュインキュインガキガキガキーーン!!!!!
 ……みたいなあの音がちょうどピッタリサビにハマった時の、あの気持ち良さ。そこからバーチャルシフトで背景と配置が変わる。そして回ってくるこちらのターン! ああもう最高!! これぞまさに「ゲーム体験」!!!

 そしてこの心温まるエンディング。
 ゲン、私……少し泣く。

 あたたかい。サガフロンティア、あたたかいゲームだ。
 これ、ブルー編と同じゲームじゃないですよね?


クーン編

 正直、最初は「まぁレッドとアセルスとブルーあたりのめぼしいキャラを数人触って終わりにしようかな」とか、思ってました。だけどエミリアを超えた辺りから、サガフロそのものに愛着が湧いてしまいました。しゃあねえ、全キャラやったるか!

 ですが……このクーン編、「ただただキツかった」ことしか覚えていません。僕はマジでアセルス編より難しいと思います。そもそも、主人公のアセルスがあの「モンスター吸収」で強くなっていくヤツ。まぁメカの主人公がいるのだから、当然モンスターの主人公もいて然るべきではある。

 だけど……だけどモンスターの主人公がいたらキツいに決まってるでしょう!? 最初は緑の獣だったクーンが、クラゲになる。かと思ったら今度はコウモリになる。それでも何とか喰らいつくように吸収し続けていたら、この世の終わりのような虫が誕生した。これもう地球防衛軍の敵キャラだよ。

 そして最終的にオデが爆誕した。

 どうすんだよこれ。もう原型1ミリも残ってねえよ。こんなんでマーグメル帰ったって誰も喜ばねえだろ。コットンで一度味わっていなければ本当に心が折れていたかもしれない。コットン、ありがとう。クーンはコットンを見習え。お前どんだけ頑張ってもスフィンクスにならないじゃないか。

 そして上の画像を見るとよくわかるかもですが、またしてもT260とゲンさんがスタメンを貼っています。いや……仕方ないやろ! 強いんだから!! もうゲンフロンティアだよ!! それは認める!!

 そして、ここから私が「地獄の3段クルーン」と勝手に呼んでいる3連戦が始まります。これがクーン編のキツさの最大の要因と言っても過言ではないと思います。まず先鋒、マグマスライム。

 何体も何体もポップしてくるマグマスライムを相手に戦い続けなければならない。しかも厄介なことに、基本的にこちらのLPを削る形で攻撃してくる。さらに「マグマ」なので、ルージュのヴァーミリオンサンズが通らない! そしてクーンのLPが尽きた時点でゲームオーバー確定なので、あまりクーンは出さない方がいい! メタが完璧すぎて腹立たしい!!

 ここでの要となったのは「斉王+ゲン+メイレン」の3人。いや……特に深い戦術はなく斉王が聖歌を歌い、ゲンさんが烈風剣を飛ばし、メイレンが全体射撃を行うだけ。二刀烈風剣ではないあたりにリアリティが詰まっていますよね。だからこの3人のうち誰かが欠けてもゲームオーバー! 
 
 なんだ? なんなのだこれは!?

 中堅、花火のおじさん。

 ひたすら連携を決めなければならない。当然、うまく連携が決まるわけがない。私はバカ正直にここで30分潰しました。当然攻略サイトを開き、全員にハイドビハインドを持たせました。だけど、ここで私の頭の悪さが露呈する。連携のシステムをあまり理解できていなかった。

 いや、クーンがスケルトンだったのが悪かったのだろうか? 

 おそらく定石としては「ハイドハイドハイドハイドサミング」を発動させてちゃちゃっと終わらせるべきなのだろうけど、まぁ私の骸骨クーンはサミングを持っていなかった。

 だから、「ハイドハイドハイドビハインド」しか決まらなかった。まずこれで芸術点が3点。あとは「ハイドハイドビハインド」とかで頑張って稼いだ……けど、クーンが木偶の坊と化しているので、あとは勝手に連携が決まるのを待つしかない。

 1時間ぐらい花火おじさんとの激戦を繰り広げた後……ついにたまたま5連携が完成した。あの5連携が決まった時、さすがに「ウ、ウオオオオオオ!!!!!」という雄叫びが出た。悔しい。地獄の3段クルーンの全部に引っかかっている。既に6キャラ触っているのに未だに戦闘システムを理解できていない。というか、結局理解できなかった。

 地獄の3段クルーン最終段、マスターリング。

 メイレン、貴様だけは絶対に許さない。

 というか、最もサガフロンティアで苦戦した戦闘がここかもしれません。たぶん4~5回負けてます。まず最初の1戦目、そもそも対策ができていなかった。2戦目、指輪とかジェットブーツとか精霊銀のピアスとかでしっかり対策する。また負けた。3戦目、ちゃんと攻略サイトで優先的に撃破するべき雑魚を確認する。また負けた。

 メイレン、お前はサルーイン(ルビ:詰みボス)か? 
 お前がサガフロンティアのサルーインだったのか?

 しかし私は立ち直る。私はどんな修羅場もくぐり抜けてきた。私が膝を折ったラスボスは存在しない。4戦目、あんまり刺さらなかった聖王をメサルティムに入れ替えて徹底的に回復させる。生命の雨最強! が、負けた。信じられない。これほど負けたなら……ちょっとレベリングし直そうか。

 ……………帰れない! これ、1回マーグメルに入ったら花火おじさんから全部やり直しじゃねえか!! 嘘だろ……サルーインだってレベル上げは許してくれたってのに……。メイレン、サルーイン越えです。

 もう、あとはもう根性しかない。ひたすらガムシャラに立ち向かう。WPが尽きる。JPが尽きる。もうゲンさんは神速三段突きも撃てない。あとクーンすぐ死ぬ。秋田書店の人気漫画になれるくらいクーンすぐ死ぬ。でも頑張るしかない! もう花火オジサンと戦いたくない!! 勘弁してくれ!!!

 ……という感じで、地獄の3段クルーンをなんとか突破しました。

 その女だけは絶対に許すな!!!!!!!!!

 サガフロンティアで一番歯応えがありました。もうストーリーとかあんま覚えてません。キツすぎて。ストーリーも演出も良かった気がする。でもキツすぎて「キツかった」しか覚えてない。ありがとうマーグメル。もう滅ぶなよ。もう勘弁してくれよ。

 うるせえ!


リュート編

 みんな……これが……これが最後の戦いだ!

 シナリオチャートが3つしかねえ!!!

 ゲーム開始後、10分くらいで4人の仲間を確保した!
 ルージュ・ゲン・T260・エミリアの4人組だ!
 本当にいつものメンバーだぜ!!

 えっ、ゲンさんこれで何回目……?
 アセルス・ブルー・T260G・クーン・リュート……って7シナリオ中5回登場してるじゃないか。もう主人公だよこれ。やっぱりゲンフロンティアだ。

 この人たちの顔、しばらく見たくない!

 そして、30分くらいでラスボスを倒した!
 リュート編、完! 大体30分でゲームクリア! 言うことナシ!

 みんな…………終わったよ……………………。

 最後の締めが30分で決着ついたこっちの身にもなってほしい。
 一応、順位発表でもしておきましょうか。

 1位 T260G編
 2位 アセルス編
 3位 レッド編
 4位 エミリア編
 5位リュート編

 別次元 ブルー編
 許さな位 クーン編

 ……こんな感じです。サガフロ、面白かった!
 お付き合いいただき、ありがとうございました! また読んでください!


おまけ

 いや、終わるわけがないでしょう。
 買いました、買ってやりましたとも。
 「サガフロンティア 裏解体真書」を。

 しかも物理のを! 電子版があるのに、わざわざ物理のやつを! 
 まぁ、表紙がいいからね。基本的に電子至上主義だけど、攻略本ばっかりはいつも物理版を買ってしまいます。クリアした後にその作品のアルティマニア的書籍を読んでワクワクするこの感覚、たまらないのです。

「サガフロンティア 裏解体真書」より

 特にこの最初のヒューズの小説、めちゃくちゃ面白い。さすがに裏解体真書の存在自体は知っていたので、「攻略本についてくる小説が面白い」という噂は訊いていました。ただ、そう言われてもピンとは来ない。攻略本の小説が人気って、どういうこと……?

 でも、すべてを理解しました。この小説、すごい。

 「サガフロンティアの小説」という無理難題に挑戦し、完全にクリアしている。その上で、「7シナリオのキャラを登場させる」「サガフロの世界観を徹底する」「大体のキャラに見せ場を持たせる」「そして本編未登場の主人公」という要件をすべて満たす。私がライターだったら即匙投げてます。

 見終わった時、なんか感動すらある。めちゃくちゃ出来の良い仮面ライダーの夏映画を見終わったあとのような読後感。感覚的にはオーズとフォーゼの「MOVIE大戦MEGA MAX」に一番近い。面白すぎる。

「サガフロンティア 裏解体真書」より

 他にも連携システムの秘密とか、モンスター吸収システムとか、和風剣技と洋風剣技で閃く技が変わるとか……やはり「奇書」の域に片足を突っ込んだ内容がたくさん載っている。モンスター吸収だけは結局本を読んでもシステムがわからなかった。部位ごとに決まってるって、何……?

 でもあのシステム、実にスクウェアっぽくて好きです。

 あと、ディーヴァの真相ね。「ジョーカーの手下なんです」と言われても。どんな手下だよ。「手下」って言われても困るよ! あんなラスボスみたいな手下いるか!? ヒューズの小説でもちょっと持て余してたじゃん!

 とにかく、サガフロ裏解体真書最高です。
 やっぱりこの奇書の域に突っ込んだ攻略本って、楽しいですよね。

 ちなみに河津のおっちゃん曰く、「新番組R3Xはサガフロ2には出ませんよ(笑)」とのことでした。嘘だろ……?

 オレ、もうサガフロ2買っちゃったよ!!!!!

つづく