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ロマサガ3の全てが上手く行かない

 ゲームというものは、基本的には「成功体験」を得るために作られていると思う。「憎きアイツを倒してやった!」「俺の力で世界を救ったんだ!」みたいな、現実では味わえない「成功」こそがゲームの楽しさである。

 ただ、つい最近遊んだ『ロマンシング サガ3』は全然違った。
 
成功なんて全然味わえない。むしろあっちこっちで酷い目に遭う。クリアした今もなお、「達成感」なんてない。全く、気持ち良くない。こんなゲーム、初めて遊んだかもしれない。ある意味、衝撃的でした。

 そんな自分の「全く上手く行かなかったロマサガ3」について淡々と書いてみようと思うのですが……正直、楽しい感じの記事ではないと思います。
 だからみなさん、俺と一緒に最悪な気分になってくださいね。



vs詩人&キャンディー

 ただ、「ロマサガ3は最悪のゲームだ!」とか言いたいわけではなくて……というのも、今回は「無理のない範囲で攻略を見ないで遊ぶ」というチャレンジをしてみました。

 最近、どんなゲームでも、困ったらすぐに攻略サイトを覗いてしまう。道に迷ったら目的地をネットで調べ、ボスで詰んだら対策法をネットで調べる。ただ、それって、本当にRPGを楽しめているのか? 攻略前提でクリアするゲームを、本気で楽しんでいると言えるのか? 

 ……と思ったので、ロマサガ3は無理のない範囲で攻略を見ずに遊んでみることにしました。で、いきなり主人公の星を選ばされて速攻で攻略サイト覗いたのが上の画像なんですけど。無理無理、ここで変な選択すると詰みかねないのがサガなんだよ。ここくらいは流石に許してくれ。

 でも、全部の攻略サイトで言ってることが微妙に違う。
 「太白で体術を使え」だの、「黙って小剣使え」だの、サガを相手にすると必ずインターネットが役に立たなくなる。ロマサガ2もこんな感じだった。始まる前から終わりそうになってる。

卑しか女!

 カタリナが性欲に負けて剣を奪われたりしつつ、旅に出た。
 どこに行けばいいのかも分からないので、とりあえず近隣の町をブラブラしてみる。そしたらいきなり「カタリナさん!」とだけ話しかけられ、仲間にするかしないかの選択を迫られる。履歴書とかないワケ?

 そんな感じで適当に仲間を集めて完成したパーティー、カタリナ・詩人・キャンディー・サラ・ノーラ。何……この……何……? ロマサガ2と比べると信じられないくらい「寄せ集め」である。

 グダグダ言っても仕方ないので、成城石井くらいの感覚でピドナに置かれていた「魔王殿」にこのパーティーで突入。魔王殿ってそんな近所に置かれてていいものなの?

 伊藤賢治、相変わらず天才。

 ただ……早くもこのパーティーの欠陥に気づき始めてしまった。もうサガを何作もプレイしているから、なんとなく数回戦うと「コイツはダメなキャラだ」ということがうっすら見えてしまう。

 具体的には、キャンディーと詩人に一切伸びしろを感じない。コイツら、育成しても一軍入りする未来が見えない。サラとカタリナには未来を感じるけど、キャンディーと詩人は多分化けることもないだろう。申し訳ないけど、早速このふたりには戦力外通告を受け渡すことにした。

 はぁー!?
 はぁーーー!?!?
 はぁーーーーーーー!?!?!?

 え、どういうこと? 「いやです」って何?
 監督が戦力外通告出したんだから黙って退くのが選手だろ!!!!!

 そもそも、私は酒場にあった「仲間と別れる」という選択肢をメタ読みしていた。「あぁ、そうか。ロマサガ3は結構仲間を選びながらベストメンバーを選抜していく感じのデザインなのね。前作からガラッと変えてていいじゃない」と。結果、「やだ」「いやです」の一点張り。

 正直、もう監督を引退したい。
 だって、明らかに仲間の選抜が重要そうなゲームなのに、既に未来の見えない三軍候補が2枠も潰してるんだよ? 前作でルドン送りをほとんど使わなかった自分すら「キャンディーと詩人のLPを削って強制離脱」の選択肢が脳内に浮かんできてる。わしゃ月村手毬か? 足を引っ張ったら殺すから。

 あまりにもひどい仕打ちに、「ロマサガ3 詩人」で調べ始めた。一番上に「外し方」がサジェストされたオチまで含めてギャグとして完成度が高い。こっちは笑い事じゃねえンだわ! 全員引っかかってんのかこれ!?

 よくよく思い返してみると、詩人はとんでもない初見殺しだと思う。だって、誰でも普通は「とりあえずNPCに声をかけるところ」から始めるじゃないか。そして話しかけたら勝手に仲間になる。心強いと思ったのに、全然強くない。こんなの不可避の二段構えじゃないか。凶悪。

 しかも、さらに調べると詩人の武器適正は「剣」らしい。じゃあお前なんで初期武器でバトルハンマー持ってんだよ!! 正直、いま思い返しても「ロマサガ3で最も苦戦した相手」は間違いなく「詩人」だと思う。


vsナジュ砂漠

 この時点で、うっすら感じ始めていた。
 ロマサガ3、何もかも上手く行かない。

 街の武器屋に行ったら「店の品物は全部スタンレー軍団に売ってしまったよ」と言われる。失意の中ブラブラしていたら、なんだかよくわからないタクティクスミニゲームが始まり、何もルールがわからないまま敗北する。詩人とキャンディーは一向に抜ける気配がない。何このゲーム?

 ……と思っていたら、いつの間にかキャンディーが勝手にパーティーから抜けていた。お前俺のパーティーのことスマブラある友達の家<たまり場>だと思ってる? なぜ世界を救う旅なのにこんな好き勝手にパーティーから抜けたり居座ったりするんだ。こんなにも意識の差があるのか!!

 興味本位で入った砂漠から出られねぇ!!!!!
 クソッ、クソッ!! 何も上手く行かない!!!

 しかし同時に、「攻略を一切見ずに遊ぶロマサガ3」の破滅的な楽しさに段々と興奮を覚えてきているのも事実。そうだよ、これこそサガだよ。

 「ふふ……ナジュ砂漠の意味も神王の塔の存在意義も全然わからない……何と戦っているのか、何を倒せばいいのかも全然わからない……でもそんな状況にゾクゾクする……」と、心の中の篠澤広がナイトフィーバーしているのを確かに感じる。

 もう嫌ああああああああああああああ!!!!!!!!
 
伏線回収はやっ。

 お前パーティー抜けてもまた入ってくるの!? 街に入ったら勝手に通住してくるんだけど!? 誘導ミサイルくらいのホーミング性能で話しかけてくるんだけど!? 今日からお前の名前はキャンディーでもミルフィーユでもない、「アキバのキャッチ」だ!!

 ちなみに、あまりにもキャンディー(仮名)に手を焼きすぎて、友人に「キャンディーってイベント進めたらどうにかなるんですか?」と聞いたところ、「もう何をやっても絶対に追従してくる」「6人目を埋めるしかない」という無慈悲な回答が返ってきてさらに絶望した。世界樹のFOEかよ。


vsキドラント

 このジジイーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!

 ナジュ砂漠に行っても何も起きない。キャンディーは追従してくる。本当にどこに向かえばいいのかわからず、適当に訪れた「キドラント」という村で洞窟に閉じ込められた。おい、うつ病なるで?

 しかも、洞窟の奥で大量のネズミと戦わされる。
 何が悲しくて大量のネズミと戦ってるの? ロマサガ2のアリもそうだったけど、どうしてこう微妙に正気度を削ってくるような相手ばかり出てくるの? しかもネズミ強いし! 全然勝てねえし!!

 ここでも流石に攻略を解禁したんだけど……ねずみの(暫定的な)突破方法が「退却する」だと思わなくない? 河津のおっちゃん、ゲーマーって大体「ボス戦は退却できない」という常識が刷り込まれちまってるんだ。

 だけど、村の女の子が助けてくれた。
 え、ロマサガ3ってこんなに優しい人出てくるんだ?
 ロマサガ3で初めて人の温かさに触れた気がするんだけど?

 このジジイーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!

 久しぶりだぜ……ゲームのキャラにここまで義憤を燃やしたのは久しぶりだぜ! 貴様はもうシンプルに人間の屑だな!! 俺をハメたことは一万歩譲ってもニーナを生贄に捧げたのだけは許さんッ!! もしかしてこの村のジジイ入れて五魔貴族だったのかな?

 もう、この段階で「あちこちに行って何もかも上手く行かない体験ができるRPG」という認識が強くなっていた気がします。たまたま立ち寄った村で村長に騙され、ネズミと戦わされ、いい人が助けてくれたと思ったらその人が生贄にされる。もう立ち直れないだろ?

 しかも、村人は平然と「怪物のことは町長に聞いてください」「だれか怪物を退治してくれないかな~」というセリフしか吐かない。この村、腐ってやがるッ……。え、ここだけ妖精國? キドラント邪悪すぎるよね?

結局ニーナは無事だったけど、ここも含めて割とトラウマです

 ここまで義憤に駆られたのは本当に久しぶりなので、意を決して「ねこいらず」を手に入れてネズミ軍団に再挑戦してみた。なのに勝てない。

 こういうのって、大体キーアイテムを手に入れたらアッサリ勝てたりするものじゃないですか。なのに勝たせてくれない。まさにサガ。なんかステータスが足りないっぽいことは分かるけど、もう心はズタズタである。


vs化石魚

 もう、ネズミを倒すのは諦めました。
 キドラントなんて滅んでしまえ。

 逃げ込んできたユーステルムで、モンスター討伐の依頼を受ける。

 ただ、このゲームで人からの頼みを快諾して報われたケースが少なすぎるせいで、私は「仕事があるんだが受けないか?」みたいな選択を持ち帰られた段階で「ヒッ……叩かないで……叩かないで……」という精神状態になってしまうほど追い詰められていた。ロマサガ3は、何も信用してはいけない。

 でも、ここで仲間に加えたウォードが鬼強い! 
 スマッシュで300ダメージ!! 詩人なんかもう要らん!!

 ……と思ったのに、ボスの化石魚に勝てない。
 もう誰でもいいから勝ちを譲ってくれよ。

 マズいな、ロマサガ2以上に「何をどうすればいいのか分からない」状態に陥ってないだろうか? 今回ばっかりは引退か? 

 ……と思っていた矢先、カタリナが「稲妻キック」を閃いて勝てました。やりました。ようやくマトモな成功体験を得られました。みなさん今日から私のことをミスターロマンシングと呼ぶように。

 そしてウォードという強力な仲間を得て、ついに我が仇敵ネズミ軍団を撃破することに成功。もう七英雄倒した時と同じ達成感なんだけど?

 つくづく、ロマサガ3を遊んでると「これが一番最初のサガだったら耐えられなかったかもしれない……」と思う。こんなの並大抵の人間が耐えられる仕打ちじゃない。これはなんだ、マゾ育成ゲームなのか? まぁ、ネズミも倒せたし、なんだかんだニーナも生きてたから別に良いか……。

 このジジイーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!


vsキャンディーPART2

 もう、お前には敗けない━━━━━━。

 「仲間に入れてくれないかとせがんでくる家出少女に対し、パーティーを最大にしておくことで強制的に仲間に入れないようにする」と状況だけ書くと信じられない畜生ムーブだけど、それにしたってお前は悪行が過ぎた。

 これでようやく呪いをひとつ解呪できた。
 しかし、我がパーティーには未だに「詩人」という最大のデバフがかかり続けている。「乾いた大河に行けば詩人をパーティーから外せるかも」という遠回りな情報から乾いた大河に行ってみたけど、モンスターが強すぎてフルボッコにされた。俺は一体いつになったら詩人をリストラできるんだ?

 詩人さえ……詩人さえいなければこのかわいい子を今すぐ仲間にできるののにィィィィッ!!!!! 本当に、あちこちに行けば行くほど詩人に苦しめられている。こんなの永久デバフだ。

 結局この時の「エレン」はスルーしたままクリアしてしまった。今でも「エレンをパーティーに入れていたらどうなっていたのだろう」と、有り得た可能性に思いを馳せてしまう。ここはシンプルにロマサガ3の良いところだと思う。何もかも詩人が悪い、いいね?

 そして、ふらっと立ち寄った町で「ロビン」というキャラを仲間にするチャンスが巡ってきた。なんとなくロビンは強そうだから、流石に仲間に入れたい。ここで、またしても「詩人問題」が発生する。

 詩人が一番要らないのに詩人が抜けてくれない!
 次点でサラが要らないけど、個人的に気に入ってるから外したくない!!
 ノーラとウォードとトーマスは強いから外せない!!!

 どうすればいいッ!?!?!?

 仕方なくトーマスを外して、ロビンを「トーマス2号」として迎え入れることにした。ただ、流石にもう頭に来た。というか、ロジック的に考えても「詩人をこのまま放置し続ける」ことはかなりの悪手だと判断した。コイツをパーティーに入れ続けていると、どんどん事態が悪化していく。

 もうこれはがん細胞と同じだ。一ヶ所を放置しているだけで、どんどん他の問題に転移していく。コイツだ、まずは四魔貴族より先にコイツを切除しなければ!! これが仲間キャラにぶつけるセリフか?


vs詩人PART2

 よいか詩人。
 我々はデザートランスという陣形で戦う。

 そう、このために序盤から頑張り続けてくれていたノーラを脱退させ、新たに「ハリード」を迎え入れた。こいつの陣形、「デザートランス」は味方ひとりをオトリにする陣形! これが俺の「答え」や!!

 貴様のせいで……貴様のせいで脱退せざるを得なかったトーマスとノーラとその他大勢の加入できなかったキャラクターの仇ィィィーーーッ!!!

 手術、無事成功しました。
 親族が手術に成功した時と同じ嬉しさです。
 もう……ロマサガ3クリアでいいよね……?

 最初に「全く達成感を得られなかった」みたいなことを書いたけど、ここが最大の達成感だったかもしれない。味方の謀殺が最大の達成感て。でもここが一番「よっしゃあ!!」って叫んだ。なんちゅうゲームだよ。

 しかし、またしてもここで「旅の目的」を見失った。
 半分くらい「詩人を倒すこと」が目的になっていたので、またどこに行けばいいのかわからなくなった。

 そこから、いろいろなところをブラブラした。知らない人に「ボルカノ」を倒してほしいと言われたり、よくわからないサーカスに参加したり、バンガードで殺人が起きるイベントに遭遇したり……。

 自分も、「今はまだ何もわからないけど、いつかきっと旅の目的が提示されるんだろうな」と信じて遊び続けていた。けど、本当にいつまで経っても旅の目的が見えてこない。自分は何のために戦っているんだ? 自分はどこを目指しているんだ? ラスボスは誰……? 何もわからない。

 気づけば、ジャングルで遭難していた。

 このゲーム、いつもこうじゃないか。何もわからないまま放浪して、気づけば迷っている。知らないまま陥れられている。それでも進むしかない。迷子でも進むしかない。ロマサガ3、人生か?

 そして、このジャングル(妖精の村)で加入した「ようせい」。
 詩人がいないから加入させることができたようせい。そう、詩人がいないから加入させることができたようせい! なんか、思った以上に強い。

 なんとなく、自分はドラクエモンスターズのホイミスライムみたいな性能をイメージして加入させた。たしかに魔法キャラ少ないし、ここらでバフやらヒールを担当できる人員が欲しい。だけど実際に加入してきたのは、槍ゴリラだった。ホイミスライムだと思ったら妖精騎士ランスロットだった。

 そもそも初期武器になっている「アーメントゥーム」の異様な強さもあるけど、おそろしいのはその武器適正。剣Lv10、槍Lv10、弓LV9。呂布の武器適正か? 武芸百般じゃない。エイミングで1000ダメージはお手の物、大車輪でバッタバッタと敵を全滅させていく。こんなの妖精じゃねぇ!!

 しかも、所持陣形の「スペキュレイション」もめちゃくちゃに強い。なんなんコイツ? ようせいがこんなに強いことある? ここからエンディングに至るまで、一線で大暴れしてくれました。普通に、「ようせいがいなければロマサガ3を諦めていた」と言っても過言ではないと思います。


vsバンガード

 うっすら思っていたけど、ロマサガ3のメインストーリーに全くついて行けていない気がする。どこかの街で聖王がうんたら魔王がうんたらゲートが云々かんぬんみたいな話を聞かされた気がするけど、正直全然頭に入らなかった。バンガードの話も全然主人公のテンションについていけていない。

 改めて文字に起こしてみると、「聖王と魔王が都知事選を繰り広げていたが、そろそろ神王が都知事になりそう。この世界にはゲートが存在する。カタリナは性欲に負けて盗られた剣を探している。一方その頃、俺は詩人のLPをデザートランスで削っていた……」くらいの理解度である。

 まぁ、そんなことにウダウダ言っても仕方がないので、黙ってバンガードのイベントを進めてみる。ダメだ、イルカの像が見当たらない。バンガード起動失敗。そんなイルカの像知らない! なんなのそれ!?

 改めて、ここまでの状況を整理してみよう。
 まず、明らかに火術要塞がメインストーリーに関係していそうなので、火術要塞に突入してみた。ところが敵がやたらと強く、レベル上げも兼ねて一度バンガードのイベントを進めてみることにした。

 ただ、イルカの像がないとバンガードを発進できないらしい。
 渋々グレートアーチに行き、財宝の洞窟でイルカの像をゲットした。今度こそバンガードを発進できると思ったら、モウゼスで術士を連れてこいと言われた。モウゼスに行ったら、ウンディーネがボルカノを倒すまで話を聞いてくれないらしい。もう嫌だ。まさに「たらい回し」じゃないか。

 ロマサガ3、大企業化しすぎてわずかでも窓口が違うと全く案件が通らなくなる上場企業みたいなところがある。喩え生々しくてすいません。

 こうして振り返ってみても思うのだけど、ロマサガ3の真に恐ろしいところは「あっちこっちでたらい回しにされているうちに当初の目的が何だったのかわからなくなる」ところではないかと思う。シンプルに、ひとつの問題を解こうとすると別の問題がポップしてくる。

 なぜ俺はバンガードを発進させようとしていたのか?
 どうして俺はボルカノを倒そうとしていたのか?
 何のために、何のために戦っていたんだっけ……?

 まぁ、バンガード発進時のBGMめちゃくちゃカッコいいので許します。


vs水龍

 バンガードを発進させてやってきた、最果ての島。
 ここで出てきた水龍に全く勝てない。

 さっきウダウダと文句を言っていた「当初の目的が何だったのか分からなくなる」問題、実際のプレイ中はここでぶち当たった。そもそも、当初の目的は「火術要塞の敵に勝てないから、レベル上げを兼ねてバンガードのイベントを進めてみよう」というものだった。

 しかし、バンガードイベを進めた結果出てきた水龍に勝てない。
 これは一体どういうことか? 火術要塞を突破できない。バンガードのイベントも突破できない。あれ? 八方塞がり? てゆーか四面楚歌?

 なんとなく、ここの絶望感は未だに覚えている。
 この「問題Aをどうにかするために問題Bに取り組んだけど、別の問題Cを解決しなければ問題Bは解けない。また、問題Cを解くために問題Dを解く必要がある」みたいな状況、入試だったら会場で嘔吐している。

 仲間が外せないのもいい、キドラントで陥れられるのもいい、ただ「何をすればいいのかわからない」ことだけは辛くて耐えられない! 問題を解かせてくれよ! 私はいま設問の意味が理解できない状態なんだよッ!!

 しかし文句ばかり言っていても仕方がない。
 音を上げているだけではゲームは進まない。

 とりあえずの水龍対策として、装備やキャラクターを問わず「水耐性」を集めまくることにした。魚鱗、湖水のローブ、なんか水耐性を持っているらしいエビ人間のボストン……妖精といい、こういう色物枠が意外に強いのが実にサガっぽい。しかしエビ人間はどうなんだエビ人間は。

 その上、抜本的な装備の見直しを行うべく、「指輪転がし」にも手を出してみた。王家の指輪を売る。そうすると「きれいな指輪」が売りに出される。ゲットすると、それが王家の指輪に変わる。また売る。永久機関が完成しちまったなアア~~~~!!!!!

 そして全員に水耐性装備+毎ターン火星の砂をぶつけてHP回復を奪うことで、どうにか水龍を倒せた。しかし水龍……いざ倒してから「もうちょっと生かしておいてもよかったのでは?」と思えてきた。

 なぜなら、やたらと技を閃いたから。
 疾風剣やら流星蹴りやら、とにかく強力な技をたくさん閃いた気がする。しかもいつでも退却可能。そうか、これが「道場」ってやつか!? 今日から「水龍先生」とお呼びしてもいいでしょうか?


vs魔王の鎧

 水龍を倒して調子に乗った私は、以前フルボッコにされた乾いた大河を越え、ゼルナム族のイベントをクリアし、「魔王の鎧」と戦っていた。これも今だから言えることだけど、この段階で東方側に行っているのはいくら何でも無軌道プレイすぎる。お前もう火術要塞のこと忘れたんか!?

 この「魔王の鎧」そのものがボスとして登場してくるのは結構好き。いいよね、あまりにも強大で周辺のアイテムがボスとして成立しちゃう感じ。

 だけど、ゼルナム族を無限に召喚してくる戦闘スタイルが姑息すぎる。いや、「戦闘スタイル」っていうか「魔王の鎧を守ろうとしている」イメージなのかもしれないけど……にしたって姑息じゃないか。

 そのまま、ちまちまとバックスタブで鎧本体を削っていたらアッサリ倒せてしまった。なにこの戦闘前のワクワク感から程遠い地味な戦い……。

 そのまま辺りをウロウロしていたら、「ぞう」が仲間になった。
 ようせい、ぞう、ボストン。何このパーティー?

 でも、冷静に考えてみると、ようせいは「ようせい」だし、ぞうは「ぞう」なのに、なぜボストンだけ生意気にも「ボストン」という個体名を手にしているのだ。そこは「えび」の方が美しくないか!? どうなんだ!?


vsフォルネウス

 ぞう、信じられないくらい強い。
 彼(?)が持ってきた陣形「鳳天舞の陣」の中央にぞうを配置するだけで、ひたすら敵の攻撃を受け止め続けるメインタンクの完成。無敵だ! これは無敵の陣形だ!! ぞうがこんなに強いと思わないじゃん!?

 さらに調子づいた私は、海底宮に乗り込み四魔貴族のひとり「フォルネウス」に戦いを挑んでみた。流れ始める「四魔貴族バトル1」。イントロから熱すぎる。伊藤賢治生まれてきてくれてありがとう。

 それはさておき、勝てない。

 もう限界です。ロマサガ3引退させてください。ロマサガ2は瞬間最大火力で心が削られていったけど、ロマサガ3はじわじわと心が削り取られている。やっと調子が上を向いてきたのにこの仕打ち。ロマサガ3、人生か?

 特に、「メイルシュトローム」がひどい。鳳天舞の陣で防御も完璧。どうせ水攻撃が来るのは分かっていたから、水龍戦で使った装備をそのまま流用。これは意外とアッサリ勝てるのでは? ……とか思っていたのに、メイルシュトロームが飛んできたら即試合終了。ヤバい七英雄PTSD起こす。

 「いやいや、意外とこういう時って何回か戦ってりゃ運で勝てたりするんだよ」とか思ってたけど、1時間戦って何の成果も得られませんでした。もう無理! 今回ばっかりは私の心が先に折れると思います! 

 強いて言えば、土壇場でぞうが「ナイアガラバスター」を閃いたことくらいが収穫と言えるんじゃないか。渋々、あんなに頑張って攻略した海底宮から撤退した。ほらね? 全然明るい気持ちにならない記事でしょう?


vsアウナス&アラケス&ビューネイ

 腹いせにアウナスをぶっ倒しに行きました。
 まぁ1回負けてるんですけど、陣形を鳳天舞の陣からスペキュレイションに変えたら余裕で勝てましたね。はぁ? 1回負けただけなんですけど!?

 うーん、アウナス?
 正直物足りなかったかな。
 まぁサガ何本もクリアしてきたから余裕だったし?
 水龍の方がまだ四魔貴族にふさわしいかなって。

 でも、割とマジでアウナスに「物足りなさ」を感じている自分もいます。   

 王家の指輪と陣形で対策したらあっさり勝てる? それでもサガのボスか!? 四魔貴族としての自覚が足りないんじゃないのか!? もっとフォルネウスみたいにメイルシュトローム連打で追い詰めてこい! やっぱりサガのせいで心の中に篠澤広が生まれてしまったのかもしれません。

 そのまま、アラケスもあっさり撃破。
 「常時セルフバーニング」というギミックがあった分、まだアウナスの方がボスとしての気概を感じた。本当に何だったんだ? コイツは……。

 というか、逆にフォルネウスが最初に挑む相手じゃなかったのでは?

 正直、フォルネウスと戦って「四魔貴族全員こんな強さなのか」と絶望しかかっていました。だって七英雄は割とみんな均等に強かったから。でも、アウナスとアラケスの情けなさに「クックック、奴は四天王の中でも最強だったのでは……?」と思い始めている。4人の間の戦力差がすごすぎる。

 一気に調子を取り戻したので、ビューネイにも挑んでみた。
 なんかグゥエインがノリで共闘を引き受けてくれたので、激アツ空中戦が始まった。四魔貴族相手に龍と共闘。これは流石に熱い。すごい。

 ただ、思ったよりビューネイが強かった。グゥエインの攻撃を何発当てても倒れないし、むしろどんどん強くなって超高速ナブラとかを飛ばしてくる。HPがじわじわ削られていき、普通に負けた。いやグゥエインおっても普通に負けるんかーーーーーーーい!!!!!!!!!!!

 これをインターネットに書いたところ、みなさまからの「グゥエイン乗ってビューネイに負けるヤツ初めて見た」という心温まる誹謗中傷が数多く寄せられ、私は罵声の並ぶ通知欄を見ながら亀井美嘉と同じ泣き方をした。

 はぁ? 2回目は勝ったんだけど?
 別にビューネイ相手にそんな苦戦とかしてないし?
 1回目はたまたま火炎が外れただけなのに好き放題言わないでくれます?

プレイ中に寄せられる罵声に耐える私

 しかし、この「四魔貴族を倒しても誰も褒めてくれないし、何か名誉的な報酬がもらえるわけでもない」ところにめちゃくちゃサガらしさを感じてしまう。割とアテもなくさまよっているロマサガ3だから余計にそう感じるのかもしれないけど、本当にサガは世界を救っても誰も褒めてくれない。

 まぁ、たしかに七英雄に比べると四魔貴族の「なんかその辺で暴れてた奴」感はすごいけど。四魔貴族の本拠地に突入する時の「ちょっとアイツらシバきに行ったろうや(笑)」感がまさしくロマサガ3の空気感を物語っている気がする。ロマンシングサガ3、ぶらり路上世界救済系RPG。


vsフォルネウスPART2

 「決着」、つけようや。

 もう今回は負けることがない。なぜなら初戦でぞうが閃いたナイアガラバスターを、カタリナに継承することに成功したから。なんと美しい伏線回収。みなさん、今日から私のことをミスターロマンシングと呼ぶように。

 ……と思ったのに、頼みの綱のナイアガラバスターが全然当たらない。
 割とマジに命中5割じゃねえかこの技!? でも、頑張ってナイアガラバスターを当て続けたり、意外とメイルシュトロームが飛んでこなかったりして、憎きフォルネウスを倒せました。わぁい! 四魔貴族倒したよ!

 とか喜んでいたのも束の間、なんかサラが消えた。
 
ちょっと! 唯一のお気に入りキャラとして6人目で控えさせ続けていたのに! 割と情だけでパーティーに入れていたのに!! 

 ただ、相変わらずロマサガ3の本筋の理解度が低すぎて、たまたまサラがストーリー上そういう役割のキャラだったのか、それとも四魔貴族の4人目を倒したら誰かが勝手に抜ける仕様なのかもよくわからない。いきなり出てきた少年は何? え、サラってそんな宿命の子みたいな存在だったの?

 でも、同時にここでロマサガ3のストーリーに「乗れた」感覚があった。何と戦ってるのかよくわからないけど……サラを奪われたのは許せん! 唯一のお気に入りキャラだったのに! サラ、取り返しに行くしかないよな?

完全に私とカタリナの気持ちがシンクロした瞬間です

 でも俺が気に入っていたのはサラであって、お前が勝手にパーティーに加入していいとは一言も言っていないので少年は即リストラしました。


vsドラゴンルーラー

 ごめん、もう無理。

 さっきからちょいちょい「まぁ俺はサガ何本もクリアしてきたからね」というイキりをかましているけど、逆にそのせいで理解してしまった。この黄京のドラゴンルーラーが明らかに「お前ステータス足りてないからね」と突き付けているボスなのが。メタ的にも「門番」ポジのボスなのだろう。

 でも、正直これ以上何をすればいいのか分からない。仲間も揃えた。陣形も色々覚えた。四魔貴族も倒した。できる限り各地は回ったつもり。要するに、「これ以上何をしろと?」という状態だ。どうすればコイツに勝てる?

 自分のロマサガ3は、本当の意味で「何をすればいいのか分からない」というどん詰まりに来てしまった。正直、身も心も燃え尽きてしまった。もうたくさんだ。なぜ最初に「できる限り攻略を見ない」というルールを決めてしまったんだ。こんな思いをするなら最初から攻略見ればよかった。

 ……ということで、一度全面的に攻略サイトをフルオープンして、「足りない戦力」をかき集めていくことにした。そうすると、まぁ「足りないもの」がすごい出てくる!! 

 ぞうに龍神降臨を覚えさせた? アタッカーにシャドウサーバント覚えさせた? 神王の塔で聖王遺物回収した? 分身剣とか無双三段とか閃いた? ミューズの夢クリアした? ハーマン仲間にしてマクシムスのイベント進めた? ああああああああ情報量で頭が壊れる!!

『葬送のフリーレン』1巻より

 うん? ヒドラレザーが必要? いや、火術要塞のパイロヒドラ倒しちゃったけど? え、防具開発で白銀の鎧を作った方がいい? あんまり開発進めてないんだけど? 何? 蒼龍の鎧のためにビューネイの巣に行け? もうビューネイ倒しちゃったんだけど!?

 私は、完全に悩んでる時のフリーレンと同じ顔になっていた。

 ここで、一気に「ツケ」が返ってきた。「心の底からRPGを楽しみたい」という傲慢さで、完全に効率度外視プレイを決めたツケが全部返ってきたのだ。いわゆる「取り返しのつかない要素」を、私はほぼ取り逃している。

 クソッ……いつもいつも、気がついた時にはもう遅い!
 「今からでも間に合うかもしれない」と思った時、大半のチャンスはその手からこぼれ落ちているものなのだ!! ロマサガ3、人生か!?

 でも、諦められない! それでも生きなきゃいけないのが人生だから! 不撓不屈の心を失わなければ、ゲームオーバーじゃない! ってことで、物理メモを取ったりしました。俺、実はロマサガ3楽しんでるのかもな。

ロマサガ3に、真剣。

 もう、ここからは「意地の戦い」だった。
 7月末の土日。世間は夏の暑さにあてられ、音楽フェスやらゲームイベントやらに熱狂している。一方、私はロマサガ3と死闘を繰り広げていた。

 ぞうに龍神降臨を覚えさせ、ちまちまJPを上げた。シャドウサーバントをカタリナとロビンに装備させ、何度か使えるようにJPを上げた。ハーマンを仲間にして、ミューズの夢をクリアした。神王の塔イベントと聖王廊の試練をクリアして、聖王遺物を大量に回収した。

 用済みになったハーマンをクビにしようとしたら、詩人よろしく「けっ!」の一言で断固拒否を決めてきたので、鳳天舞の陣で容赦なく謀殺したりした。このゲームマジで誰も言うこと聞かねぇ。話を聞かないお前が悪いんだ。よいかハーマン、我々は鳳天舞の陣という陣形で戦う。

 聖王遺物を手に入れて、ようやくここで思い出した。
 マスカレイドのこと、完全に忘れてた!!!!!!!!!!

 慌ててロアーヌに行ってマスカレイドを返却しようとしたところ、そもそも宮殿に入れなかった。え━━━━? なにかフラグを踏んでいないのか? 調べてみると、どうやらビューネイを撃破してしまうと二度と宮殿に入れなくなるらしい。つまり、カタリナの物語はここで終わり。 

 もう、泣いてもいいよね?
 
実は、ここでロアーヌ宮殿に訪れたのにはもうひとつ目的があった。それは「モニカを仲間にしたかった」ということ。「よっしゃ、マスカレイド返せるしモニカも仲間にできるし一石二鳥だ」と思ったいたら、この仕打ち。

 本当に、何のために戦っていたんだろう?
 私のロマサガ3は、一体何だったんだろう?
 割と本気で亀井美嘉と同じ泣き方をしそうになっている。

 「途中でメインストーリーが消滅する」だなんて、流石に前代未聞の経験だった。「旅の目的がわからない」と言い続けていたけど、実はとっくに、私の物語は終わりを迎えていたのだ。道化もいいところだ。私の30時間、ぜんぶ水の泡に消えた。もう、ロマサガ3の全てが上手く行かない。

 だけど、ここまで来たらもう止められない。というか、「もう止めたい」と思っていても、「もう止められない」状態なのだ。こんなの大失敗だってわかってるけど、ここで諦めたらすべてがなかったことになってしまう。

 私の旅は全部無駄だった。
 もう多分マトモなエンディングを見られない。
 というか、振り返ってみてもロクな思い出がない。楽しいことなんてほとんどなかった。でも、サラだけは奪い返さないと気が済まない。もうこれは「復讐」だ。私の、ロマサガ3という理不尽な世界への「復讐」なのだ。

 だからアスラ先生、私に力を!!!!!! 
 ……ということで、「分身剣」「無双三段」「龍神烈火拳」あたりをここで一気に閃きました。龍神烈火拳を覚えるために1時間粘りました。もう一体なにが私を突き動かしているんでしょうね? 

 ここまで頑張って、なんとかドラゴンルーラーを倒せました。
 普通にパーティー半壊してる辺りから大苦戦っぷりを察してほしい。

 しかし……「ぞうの龍神降臨」、強すぎますよね?
 元々ぞうのJPが「5」しかないので、JP上げの段階で心が折れそうになったのですが……いざ完成すると「単純に35回分の攻撃に耐える」というスーパータンクが爆誕する。こ……こんなことが許されていいのか!?


vs破壊するもの

 そのままラスボス戦に直行……の前に、なんか人間態になった四魔貴族ともう一度戦うことに。ずいぶん……鍛え直したな……。

 ラスダンまで来ても相変わらずロマサガ3理解度がぼんやりしているせいで、普通に「四魔貴族に人間態とかあったんだ……?」という疑問が真っ先に来ます。「血と汗と涙を流せ」って何? あとフォルネウスに至っては流石に誰!? こんな美少年だったの!? 

 ただ、四魔貴族(本物)は比較的ぬるっと勝てました。どこぞの何英雄と違って、4人合体することもなく、個別でそれぞれお馴染みのギミックを使ってくる。だから、「あの時の装備」を持っていれば十分に対応可能。ここはかなり良いバランスだと思います。おい聞いてるか七英雄。

 そして始まるラストバトル。これまであんなに「ロマサガ3のストーリーを全然理解していない」と言い続けてきたけど、ここまで来ると結構熱い気がしてくる。何もわからないなりに、割と盛り上がりを感じる。

 いいじゃない、パーティー全員でセリフを言って、ラスボス戦に突入する感じ。なんだかわからないけど熱いぜ! 思い返してみれば、ロマサガ3そんなんばっかりだぜ! 常になんだかよくわからないまま戦ってたけど、結構熱いぜ! とりあえずサラだけは返してもらうぜ!!

 そしてラスボスの「破壊するもの」も何者なのかよくわからないまま、ぬるっと倒してしまった。なんか闇の翼が出たり光の翼が出たりしてる内に勝ってしまった。うーん、実にロマサガ3。常に翻弄されている気がする。あと伊藤賢治生まれてきてくれてありがとう。

 という感じで、ロマサガ3をクリアしました。

 結果だけを書くなら、「本当に攻略を見ずに遊んだ結果、とにかく翻弄され、陥れられ、メインストーリーが消滅して終わった」という、史上稀に見る凄惨な幕切れです。いかがでしたか? いかがもクソもないわな。

 本当の意味で、「ブラブラして世界を救ったゲーム」だったと思います。地図も持たずにあちこち放浪して、世界のことも知らないままラスボスを倒してしまった。うん、でも本当の「旅」ってそういうものかもね。

 結果的に、私自身は「できる限り攻略を見ないで遊ぶ」というスタイルと、ロマサガ3の相性はめちゃくちゃ良かったんじゃないかと思います。これは、「何も知らないまま旅に出ること」に、すごく価値のある作品です。

 でも、本当に情報を入れずに遊んだから、取り逃したイベントも大量にあるらしいですね。何? トレードはやらないのか? 2周目? うーん、どうしよっかなぁ……とりあえず次は心穏やかになれるゲームを遊びます。

 私のロマサガ3は、ある意味「メリーバッドエンド」なのだと思います。
 何も報われなかった。誰も褒めてくれなかったし、讃えられなかった。カタリナの物語は消滅した。ほとんどが徒労に終わった。実際、クリアした時の「達成感」はあんまりなかった。それで、おしまい。

 でも、この「1周目」に、ものすごく価値を感じてしまう。
 「全然報われた気がしない旅」だなんて、どのゲームでも中々味わえるものじゃなくない? 全てが上手く行かなかった冒険なんて、狙って味わえないじゃん? 全部綺麗に収まるなんて、何も面白くないよね?

 ふふ、最初からそれを求めてたんだから、私にとっては最高の時間だったということです。むしろ、そうじゃなきゃ遊ぶ意味がない。

 こんなヒドい気分、ロマサガ3じゃなきゃ絶対に味わえない! 

 なので、自分にとっては楽しかったです。
 誰から何を言われようと、これが私のロマサガ3だった!
 私の最悪なロマサガ3にだって、価値はあったんだーーーーー!!


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