見出し画像

紅蓮のリベレーターは鬨の声がすごい


ゲームという媒体では、時としてたった一曲の音楽だけでゲーム全体までをも左右してしまうことがある。


例えば、FF13の通常戦闘曲『閃光』辺りが一番分かりやすいだろう。

ぶっちゃけFF13はファルシのルシのコクーンがなんとかというストーリーよりも、明らかに敵が強すぎる戦闘の方が苦しいのだ。

そんな中主人公ライトニングの名を冠する通常戦闘曲『閃光』は、浜渦正志氏渾身の美しいメロディでどんな苦しい戦闘ですらもやる気が奮い立つような素晴らしい仕上がりとなっている。

つかFF13の通常戦闘曲が閃光じゃなかったら途中で投げ出してたわ!
それぐらい閃光がすごいしFF13は閃光の存在が大きいって事なんですよ!!



もう一つ例を挙げるとすれば、FFX屈指の名曲でありファイナルファンタジー大投票楽曲部門第一位の栄光を掴みなんと音楽の教科書にまで載っている『ザナルカンドにて』も外せない所だろう。

こちらは前述の『閃光』とは違い通常戦闘曲ではないため、「ゲーム全体を左右している」と言うと少し怪しいのだが、それでも南国風で海は青く自然豊かで悲しさなど一片もないはずのFFXの舞台「スピラ」にどこか寂しくも切ない印象を持たせる事をたった一曲で成し遂げている。

OPで流れるあの冷たくとも温かくとも取れない美しいピアノのメロディはまさに「FFX」というゲームの象徴。
なのでこちらは「曲がゲームを左右している」というより、「曲そのものがゲーム全体を象徴している」と言った方が正しいだろうか。



まあどちらにせよ前者も後者も、とにかくたった3分~5分程度の曲がゲーム全体で獅子奮迅の活躍を果たしている。聞いたことがない人は是非聞いてみよう。




はいそろそろ本題に入りましょう!
昨日私は紅蓮のリベレーターをクリアしました!


画像1


紅蓮をクリアした途端タタルに対魔忍一歩手前みたいなドスケベ衣装を渡されてかなり混乱しているのですが、まあそれは置いといて紅蓮のリベレーターの『鬨の声』という曲はご存知でしょうか?



流石に紅蓮のリベレーターをクリアした方なら誰でも知ってますよね?

FF14サウンドディレクター兼リードコンポーザー祖堅正義が送る紅蓮のリベレーターパッチのボス戦BGM、それが『鬨の声』!



もしかしたら進め方によっては違うのかもしれませんが、私の鬨の声とのファーストコンタクトは漂流海域セイレーン海でした。


画像2


このダンジョン、正直に言ってしまうと新しい街に行くために船に乗っている途中で強制的に乗り込むダンジョンで、しかも大して本編とは関係ないただただタルいだけのダンジョンなのですが、ボス戦に突入した途端これまでのダルさを吹き飛ばすような熱い音楽が突然流れ始める!

ついさっきまで「うわ~ダルい、早くクガネ行かせろや」と悪態をついていた私ですらあまりにも突然の神曲に奮い立ち、クリア後には「な、なんでこんなどうでもいいダンジョンにラスボス戦みたいな盛り上がりの曲を…?」と混乱してしまったほどです。



そこからというもの、まあ~~~~~~紅蓮のリベレーターの鬨の声ラッシュがすごい!!!


まずクガネに着くと鬨の声………いや、ここは正確には紅蓮のリベレーターメインテーマの『STORMBLOOD』の変調と言った方が正しいのでしょうか?

この紅蓮のリベレーターメインテーマの『STORMBLOOD』、特にゲーム内で流れる訳ではなくトレーラーでのみ流れる曲となっており、「テー↑テー↑↑テー↑↑↑」という勇ましいメロディに続く力強いコーラスで鬨の声でもお馴染みの一節の元となっている。いるのだが、その「テー↑テー↑↑テー↑↑↑」のパートがめっちゃ短い!しかも最後の最後に一瞬だけ!

だからどちらかというとゲーム内で散々流れる鬨の声の方が個人的には印象に残っている。


と、少し話が脱線しすぎたような気がしますが紅蓮のリベレーターで初登場する「クガネ」という都市にも鬨の声、もといSTORMBLOODのフレーズが使われています。


画像3


紅蓮のリベレーターでは戦闘だけでなく街でも鬨の声から逃げられない。


というか、もはやダンジョンじゃない本編のストーリーですらとりあえず鬨の声流しとけとでも言わんばかりの勢いでバンバン鬨の声が流れ始める。

もうアニメジョジョの奇妙な冒険のラッシュする時の処刑用BGMや、何か困ったらとりあえず流れるのに劇場版では流れない仮面ライダービルドの「Be The One」などの域に片足を突っ込み始めるぐらいには鬨の声が多用される。



と、ここら辺で「えっ、お前まさかこの記事マジでただ鬨の声がすごいって言って終わるだけなのか…?」と思った方も居るでしょう。大丈夫です、まだ終わりません。でもタイトルに鬨の声がすごいって書いたあるんだから思ってたとしても許してください。



ここからは紅蓮のリベレーター本編の話になるのですが、この紅蓮パッチ、一つ前の蒼天のイシュガルドに比べてまあとにかく話が広い!

よく言えばスケールが大きい、悪く言えば散発的ともいえるのがこの紅蓮のリベレーターなのです。


蒼天のイシュガルドが「イシュガルド」という一つの宗教国家を舞台に人と竜との歴史の禍根を徹底して掘り下げたストーリーだったのに対し、紅蓮のリベレーターではついにエオルゼアを飛び出しハイデリン全域を股にかけ、帝国に支配された地域を次々と解放者(リベレーター)として救っていくのがこのパッチの主軸になっている。


だから、「えっ、今ドマの話進めたいのにアジムステップとか行くんですか…?」「ちょっ、もうちょっとアジムステップ居たいのにドマ行っちゃうの!?」みたいにストーリーの続きが気になってるところで別の地域に行かされたり、やっとその土地に愛着が湧いてきたところで元の場所に戻ったりしてしまう。



そして、蒼天のイシュガルドでは友の死に直面し完全な主人公でもあったプレイヤーのアバターでもある光の戦士が紅蓮では若干引っ込んでいる。


画像4

画像5


そう、紅蓮のリベレーターはどちらかというと、アラミゴの解放者リセとドマの解放者ヒエンが主人公としての立ち位置に近い。

「そうそう、だから紅蓮は…」と文句を垂れたい人も居るかもしれないが、まあちょっと待って欲しい。

そもそも主人公がゲームにおいて必ずしもストーリー全体を俯瞰した時に主人公みたいな境遇、分かりやすく言うと大局的な話の中心に居るのが絶対であるなどとは誰も決めてなんかいない。



これはもう俺のFF12の記事を見てくれ!と言いたい所なのだが、要は紅蓮の光の戦士はFF12のヴァンのようなポジションにいると私は思っている。

アラミゴ、ドマ、アジムステップ、ガレマール帝国、敵味方の情勢が入り乱れるこの状況で例えば主人公の視点がリセにあればどうしてもアラミゴに寄ってしまうし、主人公の視点がヒエンであればドマに寄る、そしてフォルドラであれば帝国に寄る。ならばその全てを等しく描写する時、本当に必要なのはどこか一つの話の中心に居る人物ではなく、何事に対しても中立の視点で物事に当たれる部外者こそが適役。

つまり今回の光の戦士はFF12のヴァンと同じく、何も知らないフラットな視点で複雑な状況を分かりやすくするためのキャラなのだ。


何ならこういう群像劇はもうFF6でやっているし、こういう主人公のポジションもFF12でやっているし、紅蓮のリベレーターもしっかりファイナルファンタジーしている。

いや、ファイナルファンタジーが色々やりすぎなのか…?



もうここからは私の勝手な思い込みなので話半分に聞いて欲しいのだが、新生エオルゼアの光の戦士がFF1やFF3のようなプレイヤーのアバターとしての主人公、蒼天のイシュガルドの光の戦士がFF7やFF8その他もろもろのプレイヤーとは完全に切り離された独立した主人公、紅蓮のリベレーターがFF12のようにプレイヤーとは切り離されつつもプレイヤーと視点を共有するタイプの主人公とパッチごとの光の戦士の立ち位置がコロコロ変わるのもFF14の面白い所だと思っている。



……また話が脱線しすぎたので鬨の声に戻しましょう!
紅蓮のスケールがデカいからこっちもまとめるの大変なんだよ!分かれ!!


前述のとおり紅蓮はとにかく世界を股にかけるし主人公ポジションは二人居るし状況は複雑に入り乱れるしとにかく色々ある!

そんなごちゃつきを全部ひっくるめて盛り上がりに変換してしまうのが鬨の声の真の役割と言っても過言ではない!!



画像7

アジムステップの決戦も鬨の声!



画像6

ドマ城での決戦も鬨の声!!



画像8

紅蓮決戦アラミゴでも鬨の声!!!



画像9

神龍討滅戦でも鬨の声!!!!(多分これはSTORMBLOODの方が正しい)



どんな訳わからん状況になろうとも、どんな盛り上がりが足らない状況になろうとも、何かこの曲が流れれば一気に空気が変わる。

紅蓮のリベレーターのMVPは正に『鬨の声』と言っても過言ではない。

これこそたった一曲の楽曲がゲームそのものを左右してしまう例です。



もう言いたいこと大体言ったから漆黒のヴィランズ行っちゃうね!
早く闇の戦士になりたくてうずうずしてるんだこっちは!!


あと言い忘れてたけど「漆黒まで紅蓮は頑張ってください」とか「紅蓮は飛ばして蒼天と漆黒だけ見ればおk」とかこれから紅蓮やろうとしてる人に言うのやめろ!感想は人それぞれだけど俺は紅蓮面白かったから!

バーーーカ!


終わり!!!