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戦闘システム以外のほぼ全てを削ぎ落した究極ソリッドRPGダンジョンエンカウンターズ


皆さん、RPGに必要な物ってなんだと思います?

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例えばFFXのような感動のシナリオ!確かにそう!
シナリオが面白いとRPGを進めるモチベーションにも繋がる!!
シナリオはRPGにおいて必要不可欠!

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例えばゼノブレイドみたいな絶景のフィールドマップ!
ゲームの中に世界一つを内包しうるRPGにおいてフィールドはその世界そのものの大きさと美しさの指標になるRPGには必要不可欠な要素!


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例えばFF14みたいな魅力的なキャラクター!物語を紡ぎ、世界を作り出すRPG。その中に生きる人たちが魅力的であればあるほどプレイヤーもゲームに没入してしまう!キャラクターもRPGには必要不可欠!


しかしダンジョンエンカウンターズにはそんなものなど無いッ!

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今回紹介するゲーム、「ダンジョンエンカウンターズ」はスクウェア・エニックスから10月14日に発売されたばかりの新作RPG。

特に事前情報も何もないままTGSの日に唐突に無から発生してきたこのタイトル。割と遊ぶゲームの予定は綿密に組むタイプの私からするとこういういきなり発売されるタイプが一番困る!まあ買うんですけど!

そんな事はどうでもよくて、今作のディレクターを務めるのはあのFFファンの間でも知る人ぞ知る「伊藤裕之氏」である!

あまり表には出てこない方のため、ここで初めて名前を聞いた方も居るだろう。そう、彼はあのファイナルファンタジーを代表する戦闘システム「ATBシステム」の生みの親でもあるのだ!!

リアルタイムにゲージが溜まり行動可能になったキャラに指示を出す事で緊張感とスピード感と冷静な判断が同時に求められ、オーソドックスなターン制から一線を画すエキサイティングな戦闘システム。始まりはFF4から最新作のFF7Rにまで起用されているまさにFFと言えばこれの戦闘システム!


更にはFF8の召喚獣と魔法をステータスに装備する「G.F.」「ジャンクション」システムや、FF12の味方CPUの行動ルーチンをこちら側でプログラミングするRPG史上最高の戦闘システムと名高い「ガンビット」など、尖りつつも奥深い数々の戦闘システムを生み出してきた伊藤裕之氏。

そんな戦闘システム職人が今回生み出したゲームが……これだっ!!

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そう、ダンジョンエンカウンターズはそのフィールドを「マス目」と「16進数」のみで表現した究極のソリッドダンジョンRPGである。

もはやRPGにマス目と16進数以外など不要。そんな気概すら感じさせる物凄い迫力の画面だが、もしかしたらそこのアナタ、「いやいやそうは言うてもちょっと進めたらボスとかストーリーとか出てくるんでしょう?」とでもお思いだろうか。

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恐ろしいことにダンジョンエンカウンターズの大筋のストーリーはこの6行しか存在しない。いやもうこの6行で全てが事足りるゲームデザインとなってしまっているのだ。

というかもうストーリーが6行しか存在しないので当然ながら登場キャラクターもやりたい放題である。ドラゴンに猫にロボに、果てには黒の剣士よろしくVRゲーマーまで居る。


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そして戦闘システムはお馴染みのATBシステム。
今作のミュージックディレクターは世界の植松伸夫氏が担当しており、フィールドでも戦闘でも流れるクラシックのロック風アレンジは今作の独特な空気感の補強に一役買っている。

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動画で見た方が分かりやすいかもしれないが、敵味方の「防」と「魔防」の欄に注目して欲しい。要はこれは第2のHPゲージのようなもので、この「防」と「魔防」を削り切る事でやっとHPにダメージが通るようになる。

「防」は物理攻撃で削り、「魔防」は魔法攻撃で削る。実にシンプルなシステムだが、これが中々に奥深い。


例えば上記の画像の「ヴァンパイア」は防が0のため、速攻で物理攻撃を叩き込み倒してしまった方がいい。しかしヴァンパイアの名前横の「飛行」のステータスの通り、このコウモリには剣や斧などの近接物理攻撃は届かず、弓や銃などの遠隔物理攻撃しか通らない。

しかも両隣の「鎧の男」と「空手使いの男」はどちらかというと魔防の方が低く、何ならヴァンパイアを巻き込んで全体魔法攻撃で倒してしまった方がいいのではないか…?(ダンジョンエンカウンターズにはMPの概念が存在しないため、魔法はいくらでも放つ事が出来る)



このような駆け引きがダンジョンエンカウンターズは度々求められ、更には威力の上限が高い代わりにランダム攻撃の魔法と最大火力は基本低いが固定の威力で安定感のある魔法のどちらを選ぶか…限られた装備コストの中で強力な攻撃を取るか、それとも我が身惜しさに防御を取るか…。

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一見シンプルどころか骨組みしかないRPGかと思いきや、進めれば進める程ダンジョンエンカウンターズという底なし沼に引き込まれる。

しかもこのゲーム、急に敵が強くなったり、敵からのランダム攻撃で予測外の大ダメージが飛んできたりで運が悪いと当然のように全滅に至る中々シビアな難易度を誇る。

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しかも全滅したキャラクターは全滅した階層の全滅したポイントに全員死体のまま置き去りとなる。古くはウィザードリィからダンジョンRPGではお馴染みの仕様らしいのだが、そんな事は露とも知らない私からしたら絶望モンである。

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更には何気ない敵の何気ない石化攻撃に当たってしまうとどんなに育てた味方キャラでも当然のように置物と化し、何階層か前の石化回復装置に戻って石化された地点のアドレスを入力して回復させなければならない!


当然ながら石化した仲間の代わりをその場で補填…なんて便利な芸当は残念ながらダンジョンエンカウンターズには実装されていないため、主力の居ない3人パーティーで石化回復装置まで戻る地獄の綱渡りを強いられる!石化される事によってより全滅のリスクが高まる!!


…このように、戦闘システムはシンプルながらも少しでも気を抜くとあっという間に全滅にまで追い込まれる。作業ゲーかと思いきや片手間なんて絶対に許されないシビアな難易度のおかげで、よりこのゲームから目を放せなくなる緊張感が走り続ける。



実際このゲームは大まかに分けて「フィールド」と「戦闘画面」の2つしか見る事はない。16進数のマス目をひたすら歩き回りながらマップを埋め、敵と戦い、階層を下り、歩き回りながらマップを埋め、敵と戦い、階層を下り………の無限ループが今作のキモだ。いや、キモというかこれしかない。

ダンジョンエンカウンターズはこの「マップを歩いて戦う」以外のシナリオも豪華なフィールドマップもキャラクターも全てを削ぎ落したソリッドRPG。そのせいで、無限に時間が吸われる!!


大抵のRPGはストーリーの節目で「セーブしますか?」のメッセージウィンドウが表示されたり、大ボスを倒した後に一息つくセーブポイントが用意されていたりするものだが、ダンジョンエンカウンターズはとにかくマップを埋める!敵と戦う!!階を降りる!!!の3点張りで「そろそろセーブした方がええんちゃう?」の一言もかけてくれない。

もはやダンジョンエンカウンターズのせいで体内時計が狂うと言っても過言ではなく、マップを埋めて敵と戦い階層を下っているだけで気付けば2時間が吹っ飛んでいるなどザラにある。
「ゲームは1日1時間」という孔子の論語にも書いてあるらしい言葉もダンジョンエンカウンターズの前では紙クズに等しい。


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更に追い打ちをかけるが如くダンジョンエンカウンターズはハクスラ要素でプレイヤーの時間を吸い上げにかかる。

先程まで威力180固定の剣で戦っていた所に急に威力540の斧がドロップする。ランダム威力だとは分かっていても3倍の威力に目が眩まない訳が無いのが人間という物である。

マップを埋めながら歩く、敵と戦う、強い武器がドロップして血が湧き肉が踊る、更に階層を下り更に強い敵が出てきて更に強い武器がドロップする。

原始の時代、人間の先祖は自分より強い動物に挑みその動物から得た血肉で更なる強力な武器を開発していった。棒、縄、火…数々の発明によって今の人間社会がある。まさに人類が歩んできた歴史そのものがハックアンドスラッシュ。人類は原始時代からRPGをプレイしていた。

ダンジョンエンカウンターズはそんな太古の時代から人間の遺伝子に脈々と刻み込まれた「ハックアンドスラッシュは楽しい」という闘争本能を呼び覚ます究極のプリミティブRPGと言っても過言ではない。多分過言である。



しかし、ここまでの紹介で「どこが面白いんすかこれ…?」と思っている方も居るだろう。このゲームの簡素なビジュアルからは想像出来ない中毒性を十全に伝えきれない私の力量不足に恥じ入るばかりなのだが、正直言ってこのゲームは私も万人受けするゲームじゃないと思う!
だから、心配しないでくれっ!!

でも、ちょっとでも気になる要素があったらプレイ動画とかを一度見てみて下さい。わしゃがなとかオススメです。


そしてこのゲームが気になってしまっているアナタ!時間が奪われる覚悟は出来てますか!?年末進行大丈夫ですか!?10月末から11月にかけての新作ゲームラッシュ大丈夫ですか!?寒さに気を付けてね!

よろしい、ならお買い求めください!


ダンジョンエンカウンターズはPS4、Switch、Steamの各種プラットフォームで税込3520円で好評発売中!意外とお手頃!!

さあ、お前もダンジョンに落ちろッ!!




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