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「FF13は一本道」は半分本当で半分嘘


FF13を遊びました。

実はFF13はSwitchにもPS4にも出ておらず現状遊ぶ方法が割と限られています。


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今回なんとFF13を遊ぶためだけにPS3を買いました。



思ったよりもPS3の箱が大きくてカバンに入らなかったため買いに行った帰り道は自転車のカゴに直接PS3を突っ込んで帰ったのですが、「何でこれからPS5が出るというのに今PS3を…?」とでも言わんばかりの通行人の視線がとても痛かったです。


しかもこれからPS5も買う予定なのでPS3で遊ぶ予定のソフトはマジでFF13以外ありません。俺のPS3はFF13専用機です。





まあこんな話は正直どうでもいいのでとっとと本題に入りましょう。


みなさん、「FF13は一本道」という評判を聞いた事はあるでしょうか?


FF13自体「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」とか「光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士」みたいな風評被害が多いのですが、この「FF13は一本道」は言い逃れようのない事実です。

(※「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」はFF13用語で翻訳すると意味が通っていない文章になる、「光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士」はゲーム雑誌が勝手に書いた2つ名)





実際にFF13を遊ぶとこの「FF13は一本道」という言葉が嫌という程分からされます。


本当に言葉通りです。

FF13は三人称視点でキャラクターを操作して進み敵とはシンボルエンカウントするRPGなのですが、まあゲームの流れとしては真っ直ぐ道なりに進むとイベントが起きる→真っ直ぐ道なりに進むとセーブポイントがある→真っ直ぐ道なりに進むとイベントが起きる→真っ直ぐ道なりに進むとセーブポイントがある………………という流れがひたすら繰り返される完全に舗装された超一本道RPGなのです。



何があろうとも絶対に横道に逸れる事は許されません。1度通り過ぎたマップに戻る事も許されません。とにかく舗装された一本道をひたすら突き進むのがFF13。

私は何の指示も目的地の説明もなしに突然ワールドマップに放り出されるRPGが大嫌いなのでFF13のような一本道はどちらかと言うと好きなのですが………これが長い!


実際の時間にして約30時間!

FF13のストーリーは13章構成でその内の10章までがほぼ完全な一本道!!


迷う事のない一本道は嫌いじゃないしむしろ好きと私は言いましたが、いくら何でも長すぎるんですよ。何かもう30時間超えた辺りから「田んぼだけが無限に広がる田舎の国道をドライブし続けてる」みたいな感覚に陥ります。




しかもこれがサクサク行けるならまだ良いんですけどFF13の敵ってめちゃくちゃ強いんですよ!

いや正確には「強い」よりも「硬い」という表現の方が正しいのでしょうか。



FF13の戦闘システムは3人組パーティーの中でキャラクターのロールを自由に組んで戦う面白い戦闘システムなのですが、キャラ同士の仲が悪いせいで中々全員集合しません。

そのせいで30時間近く遊んだ後の全員集合でようやく戦闘システムが真価を発揮するけどそれまでのストーリーはほぼほぼパーティーメンバーが分散した強制編成で戦わされます。


つまり「本来なら3人で挑んでやっとマトモに戦える雑魚と明らかに火力不足の2人だけで戦わされる」みたいな状況がFF13は頻発します。

ただでさえ一本道が永遠と続き田んぼだけが無限に広がる田舎をドライブしているような感覚に襲われるのにトドメとばかりに強制編成でクソ硬い雑魚と戦わされる………


もう正直に言いますよ、FF13の前半の30時間は苦痛です。

ストーリーは普通に面白いしグラフィックも2009年に発売されたとは思えない美麗さだし音楽も景色も最高なのですが、クソ硬い雑魚+強制編成のストレス+一本道のコンビネーションで苦痛だと感じる場面が多いです。




でもこれ、前半までの話なんですよ。

そう、私が今回言いたい「FF13は一本道は半分本当で半分嘘」って話はこのゲームの後半から本題に入ります。


前述の通り、ストーリーの節目でもある10章まではとにかく一本道、ひたすら一本道、絶対に横に逸れることは許されない……あぁ…FF13はこのままひたすら舗装された道を歩くだけで終わってしまうのか……と砂漠をさまよう干からびる寸前の旅人みたいになってしまうのですが、11章ではそこが大きく変わります。


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このゲーム、さっきまで散々一本道を歩かせておいて突然「アルカキルティ大平原」というゼノブレイドのガウル平原ばりのクソデカマップに放り出されます。

いや0か100しかないのか!?


アルカキルティ大平原はマジでクソ広い。アメリカの大農場ぐらいクソ広い。しかも行き先がいくつかに別れているから何本も道がある。前半の一本道RPGには影も形もなかったサブクエストまである。


本当に0か100しかない。


FF13にほどよくマップが広くほどよくサブクエストがありほどよく道に迷いにくく整備された「50」は絶対に存在しません。




「な、なんでこんなに差が激しいんだ…?」と思う方も居るでしょう。常人の思考ならば完全に舗装された窮屈な一本道とあまりにも広すぎるクソデカマップの中間のほどよい「快適さ」を真っ先に取るはずです。

それはこの「一本道と広大なマップ」の差自体がFF13の演出だからです。



これを説明するためにはまずFF13の世界観の説明から入る必要があります。

普通にFF13用語が難解なので私が()内でめちゃめちゃ分かりやすくした要約をしておきます。



主人公のライトニング達は空に浮かぶ理想郷「コクーン」で暮らしており、「パルス」と呼ばれている下界の存在は地獄だという認識を刷り込まれています。
(主人公は空に浮かぶコロニーみたいな所で暮らしててそのコロニーの中では「下にある世界は地獄」という認識を刷り込まれている)


そして何やかんやでライトニング達はパルスのファルシにルシにされ、ルシをパージしようとする聖府に立ち向かいます。
(ライトニング達が地獄から来た神に戦士に選ばれてしまって、その地獄を悪い所だと憎んでいるコロニーの偉い人達がライトニング達を消そうとするからそれに立ち向かう)


更に何やかんやでこれまでのライトニング達の聖府との戦いはファルシによって全て仕組まれていた事だと知り、そもそもこのファルシこそが本当の倒すべき相手だと見定めます。
(ライトニングとコロニーの偉い人達の戦いは全部神みたいな奴等の思惑通りだったから、この神みたいな奴等こそが本当の敵と気付く)




………ここまでを全部を理解してもらった上でやっと「FF13は一本道は半分本当で半分嘘」の話が出来ます!

つまりFF13の前半はひたすらファルシ(神みたいな奴等)の敷いたレールの上を走らされているだけだった、そして後半からはそのファルシの支配から解き放たれ自分達で道を選ぶ……というストーリーを「一本道と広大なマップ」で演出しているのです!

いやなんだこのゲーム!?


要はFF13はFF7の「ミッドガルから脱出してワールドマップへ」を物凄い尺を使ってやってるゲームなのですが、もうこの「前半はひたすら苦痛な一本道」というゲーム自体がストーリーのギミックなんですよ!

「ファルシからの支配から解き放たれる」というストーリーの演出のためにもう少し快適に出来たであろうゲーム性を完全にかなぐり捨てている。




ファイナルファンタジーはこれまで色々な尖り方を見せてきましたが、「ゲーム自体がストーリーのギミック」というパターンは初めてです。




…………とまあここまで色々話してきましたが、「お前の好意的解釈では?」と言われたら何もかも終わりです。

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「まあこういう解釈もあるんじゃない?」程度に受け止めていただければ幸いです。


是非みなさんも「前半の30時間はかなり苦痛な一本道RPGを遊ばされるんだけどそれ自体がストーリーのギミックなんだよ!」とあまりにも人に勧めづらすぎる文句のFF13を遊んでみては?

それでは!