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崩壊3rdを遊んで本当に良かった

 『崩壊3rd』を遊びました。

 『原神』とか『崩壊:スターレイル』は結構遊んでいたけど、『崩壊3rd』は未プレイでした。だから周りから散々「崩壊3rdは無視ですか?」と煽られていたので、全員黙らせるために遊び始めました。

 そしてシンプルに説明すると、この記事は『崩壊3rd』の「1章から42章までの感想」を書いた記事になります。艦長のみなさんなら、この説明だけで十分伝わると思うのですが……要は、気が狂うほど長い記事です。

 『崩壊3rd』が駆け抜けた7年間。
 そして7年分を大体2ヶ月で遊びきった私。
 もう、濃密すぎる2ヶ月だった。

 あらゆる意味で正気じゃないゲームな『崩壊3rd』の感想を書くなら、もうこうするしかなかった。久しぶりに本気で「全部乗せ」って感じの内容です。暇なら読んでください。行くぞ、美しい世界を守るために!



第1部 月の起源と終焉

黄昏 少女 戦艦(1~2章)

 ちょうどこの時、雷電将軍ピックアップを回していたら案の定2凸済みのモナが出てきて精神崩壊3rdしそうになっていた私。逃げ込むように崩壊3rdを遊び始めると……無料で雷電将軍がもらえるではないか! やったね!

 なんか42章まで終えてから1章のことを考えると、10年以上前のことな気がしてくる。まだ2ヶ月しか経ってないのに。

 個人的には、キアナのネコチャームや極限回避のシステムで「あ、これベヨネッタフォロワーなの!?」と驚いたのは未だに覚えてます。原神がブレワイフォロワーなことは事前に知っていたけど、崩壊3rdの序盤が思ったよりベヨネッタフォロワーしてたのが意外でした。序盤はね。

 そして適当に初心者応援ガチャみたいなのを引いていたら、俺の知らないゼーレ(作詞作曲:ryo)と俺の知らないキアナ(作詞作曲:ryo)を引き当てた。絶対いま引いていいキャラじゃないよね? 無駄な豪運やめてよ。

 知らないキアナちゃんに至っては「これでみんなをもっと守れるね……!」などと、いかにもクリア後の主人公みたいなセリフを言っている。お前誰だよ。俺の知ってるキアナじゃないよ。こいつ別人では?

 さらに初心者応援星4キャラプレゼントみたいな施策により、無料で「フィッシュル」をゲットしてしまった。私はモンド~璃月あたりでかなり断罪の皇女にお世話になったから、なんだか「ちょっと遠めの高校に進学して友達ができるかドキドキしていたら小学校の親友と同じクラスになった」みたいな気持ちです。

 そして結成された最強パーティー。
 今日はイカれたメンバーを紹介するぜ!

 俺の知らないキアナ!
 俺の知らないゼーレ!
 フィッシュル!
 みんな艦長の俺についてこい!!


運命の終わり(3~6章)

 お前……なんか風とか操って戦いそうな顔してるよな(笑)

 マジで風操ってんじゃねーか!!

 いや……ウェンティの存在は流石に知りませんでした。「雷電将軍の原型っぽい人がいるらしい」とか「こっちにもブローニャがいるらしい」とかは知っていたけど、ウェンティは全然知らなかった。

 ていうか、「おっ、バルバトスの元ネタかな?」とか思っていたら普通に風操り始めて面白すぎる。ゴリゴリ元ネタじゃねーか!!

 原神ネタで言うなら、こっちの「姫子」の操作感が完全にディルックの旦那だったのも驚きました。もうさっきから艦長のみなさんに怒られそうなことしか書いてない。でもあの「これ……ディルックじゃねーか!」という驚きが忘れられないんだ……大剣の独特な操作感で思い出したんだよ………。

 miHoYoの男、来たな。

 極論、私はmiHoYoのオタク共が作るエロい男性キャラクターを摂取するために、原神や崩壊スターレイルを遊んでいると言っても過言ではない。案の定、崩壊3rdでもmiHoYoのエロい男が出てきた。大歓喜である。この戦い、我々の勝利だ。

 正直、ウェンティ周りのお話はあまりよくわからなかった。いや、「わからない」というより、あの断片的極まりないストーリーですべてを理解しろというのはいくら何でも無理難題である。でも、ジークフリートが出てきたあたりは結構面白かった。エロいから。この戦い、我々の勝利だ。

ログボでもらいました
絶対ログボでもらっていい人じゃないよね?


明日への旅路(7~9章)

 とか言ってたら石田彰が出てきた。だいぶガッツリmiHoYoの男を供給してくれて嬉しい。この戦い、我々の勝利だ。おかしい、崩壊3rdは美少女ゲームだったのではないか。デバフ解除しそうな顔しやがって……。

 この辺りの段階で、「崩壊3rdで一番ほしいキャラ」がオットーとジークフリートになってくる。もしかして実装されているのではと思い、メニュー画面から「戦乙女」の欄を見に行ったら、当然のごとくオットーとジークフリートの姿はなく、私は激しい慟哭に暮れた。当たり前だろ。

 あと、ログボでもらった人がこの辺から大暴れし始める。

ログボでもらった人だ

 そして、この9章あたりからストーリーが格段に面白くなってくる。
 むしろ「急にどうした!?」と心配になるくらい、ストーリーが重厚になる。空の律者レイドバトルが始まるわ、オットーは最悪だわ、姫子はずっと死にそうになりながら戦ってるわで、もう格段に面白い。

 で、まぁ姫子先生は死んじゃうんですが……あのムービー(最後の授業)を見せられた時、初めて「崩壊3rd、やれるんだな!?」と思わされました。ゲームもストーリーも急激にドカ盛りになって、なんか面白い。

 もはや強引に「崩壊3rd……ついていくか!!」と思わされるようなムービーの熱量、すごいと思います。よくよく考えてみれば、後発タイトルに続くmiHoYoの映像技術のブレイクスルーがここで起きたのだろうか。

「この不完全な物語を、あんたの望む姿に変えなさい!」

 1~9章はこれからのストーリーに比べると、全然ボリュームは控えめなのですが……この「最序盤をなんだかよくわからないまま遊んでいたら勝手にゲームが進化して、勝手にシナリオの量もドカ盛りになってくる」という体験は唯一無二だと思います。1~9章までに2段階は進化してます。

 なんだか、ゲームそのものに「お、お前結構やれるじゃねえか!!」という愛着が湧いてくるんですよね。ダメな部分を散々見たから、ちょっとでも良いところを見せられるとコロッと懐柔させられそうになる。てか崩壊3rdマジでそういうとこあるよな。ダメな彼氏みたいなゲームなんだよ、これ。

 いつも私(彼女)のことをないがしろにして好き放題作ってるくせに、たまにケーキ<最後の授業>とか買って帰ってくる。普段全然家事とか手伝ってくれないのに、たまに良いことしてくる。崩壊3rd、完全にダメ男です。

 あと、9章をクリアして一番言いたいことは「スタレの姫子もっと強くしろーーーーー!!!!!!!!!!!!」ですかね。


第二次崩壊編

『第二次崩壊編』より

 ここで崩壊3rd有識者の手助けがあり、「第二次崩壊編」を読みました。助け船を出してくれた艦長のみなさん、本当にありがとう。そして、「有志の日本語訳版がGoogleドライブに格納されている」という読み方の時点で死ぬほど面白い。同人誌か? これ天下のmiHoYoコンテンツなんだよな?

 しかも、「はぁ、漫画ですか……」と若干モチベ低めにドライブを開いてみたら、「全63話」とか書いてあって桂文枝ばりに椅子から転げ落ちた。全63話!?!?!? ここまで来ると逆に気になる。

 で、「読み終わった感想」から先に話しましょう。

 もうシンプルに、「この内容が別個で漫画にされてるのヤバすぎる」です。第二次崩壊編を読むだけで、「崩壊3rdが何の話をしているのか」がわかる。「1~8章までに描きたかったこと」がわかる。「アインシュタインとテスラが何者かわかる」、「オットーの目的がわかる」……。

 少し前に遊んだ『ベイグラントストーリー』という複雑なゲームは、「アルティマニア(攻略本)が説明書」と言われていた。そして、第二次崩壊編は「崩壊3rdの説明書」と言っても過言ではないと思う。全63話のチュートリアルみたいな漫画。読む前と後で、解像度があまりにも違いすぎる。

重装機甲アラハトじゃねえか!

 それ以外にも言及したい部分は無限にあるのですが……私はやっぱり、「ヴェルト・ヨウの見え方が変わりすぎる」ことですかね。元々スタレを結構遊んでいたのですが……もう第二次崩壊編を読んだらヴェルトへの思い入れがおかしなことになってくる。俺、ヴェルト引いてよかったよ。

 特に、スタレで散々聞いた「星が砕け散る様を見るがいい」という必殺セリフ。これが第二次崩壊編を読むと、全く聞こえ方が変わってくる。エモすぎる。これ、すごいゲーム体験じゃない? 「今まで散々聞いてたセリフなのに、過去作を遊んだら意味が変わった」って……すごくないか?

 ていうか、これこそ第二次崩壊編の「崩壊3rdのやりたいことを全部表現するとこうなるのか」という驚きを象徴するエピソードなのではないか。シーリンがよくわからない。セシリアもどうなったのかよくわからない。ネゲントロピーは何者だ。全部、第二次崩壊編を読むだけで理解できる。

 なんというか……崩壊3rdの意味が一気に理解できるようになる古文書みたいな漫画というか……いま改めて振り返ってみても、「このタイミングで第二次崩壊編を読んだことは我が崩壊3rd人生の中でも最善の判断であった」と、自画自賛したくなるレベルです。あと、シーリン大好き!

予言書


深海から(10~11章)

 お前らエヴァンゲリオン好きすぎだろ。

 そう、崩壊3rdと言えばやっぱり「エヴァ」を抜きにして語れない。このゲーム、核の部分に設置されている「エヴァ」の存在感がデカすぎる。

 というか、崩壊3rdの難解な部分は大体エヴァに置き換えるとわかりやすい。「第〇次崩壊」は「○○インパクト」だし、「第〇律者」も「第〇使徒」に変換すると、なんか結構腑に落ちる感じがする。エヴァすぎる。

 原神でいきなり「第〇降臨者」みたいな単語が出てきた時に「な、なんでそんな急にエヴァみたいな単語を……テイワットはファンタジーじゃないの……」と困惑していたけど、純粋にmiHoYoのオタク共がブレていないだけだった。てかスタレより原神の方が3rdのノリ引きずってるよね?

スタレでも3rdでもカカリアにいじめられてるのちょっと面白い

 そしてこの辺りから牙を剥いてくる、崩壊3rdの「章ごとにシステムを変えてくる」戦法が。なんだこれ。崩壊3rd、俺を試しているのか?

 なんだかよくわからないけど、ガチャを引かないとキャラや聖痕が獲得できないシステムになっている。正直、あんまり面白くない。これでも改修されたらしいのだから驚きである。え、10連ガチャなかったってマジ?

 ただ、「これのどこがいいのか俺にはよくわからんがお前らはやりたかったんだな!!」と、完成度は一旦置いといて開発チームの心意気は受け止めたくなる感じが実にmiHoYoタイトルっぽい。なんだかよくわからんけど、とりあえず実装してくる。わかった、アンタらの気合はわかった。

 そんなこんなで微妙な気持ちになりながら遊んでいたら、唐突にブローニャがライディングデュエルアクセラレーションし始める。流石にこの「知ってるブローニャの髪型になる」シーンはテンション上がる! システムもストーリーもよくわからなかったけど、まぁオールオッケー!!

 いつもこうやって崩壊3rdに騙されている気がしなくもない。

 でも、この理の律者覚醒ムービーは大好きです。まさに「9章の演出はラッキーパンチなんかじゃないぞ」と思わせてくれるというか……「俺らは本気でゲーム作ってるぞ」という気合をひしひしと感じさせてくれました。

 そして、この11~12章以降にあのガチャシステムが二度と出てこなくなるのも面白い。当時の状況は知らなくても、「あ、やっぱり不評だったんだ……」と察してしまう。崩壊3rdはこの辺の凸凹も楽しいと思う。

 何気に、この辺って操作キャラが後方支援のブローニャ縛りなのもキツいんですよね……ブローニャ縛りによって、崩壊3rdのアクションの爽快感が消えかかっている。だけど同時に、あの操作縛りがあるからこそ、理の律者覚醒シーンのカタルシスを感じられる。ゲームって、難しい!!


幻海悲歌

『幻海悲歌』より

 「3rd世界におけるブローニャとゼーレの関係は別個で漫画にまとまっている」との情報を聞きつけた私は、ここで「幻海悲歌」を読み始める。なんで重要なエピソードがどいつもこいつも別個でコミカライズされてるんだ。コンテンツの在り方がアクロバティックすぎる。

 しかしこの漫画、異様にスケベだ。ブローニャが平然とゼーレの涙を舐めたりする。いくら何でも爛れている。だけど、この辺の「爛れている」感が結構好きだったりする。原神とかスタレでいい感じに脱臭された部分が、この辺に残っている気がする。幻海悲歌なんか異様にアダルティだよね?

 孤児院時代のブローニャとゼーレの様子が明かされたり……第二次崩壊編ほどではないけど、これも結構必読クラスの漫画だと思う。あと、ブローニャの過去の二つ名が「銀狼」だったりするのも面白い。お前らーーー!!

爛れてるよね~
『幻海悲歌』より

「目を開けたらゼーレがそばにいない恐怖と苦痛を、
 ブローニャは……もう二度と……もう二度と!感じたくない!!」

「ゼーレにとってお姉ちゃんは
 この世で一番強くて一番勇ましい……ゼーレの英雄なの」

 スタレで散々ゼーレとブローニャの乳繰り合いを見せられたから、とっくに「勝手に戦え!」状態だったのに、3rdでもゼーレとブローニャの乳繰り合いをこれでもかと見せられる。でもこの辺のシーンはかなり好きです。

 そもそも、「どうしてゼーレが量子の海にいるのか」とか「なんでブローニャはここまでゼーレ奪還に必死になっているのか」とかが、大体漫画に描かれている。これを読むと、一気に10~11章あたりの見え方が変わってくる。なんだか10~11章がかなり面白かった気がしてくる。

 頼むからゲーム内に漫画の導線敷いといてくれよ。
 あと、助け船を出してくれた艦長のみなさんいつも本当にありがとう。


光と影の彼方(12章)

 主人公バットの伝統!!!!!!!!!!

 「スタレの主人公がバットを持っているのは崩壊シリーズの伝統らしい」とは聞いていましたが、ついに打順はキアナのターン。というか、バットの歴史をさらに遡ると『崩壊学園』がゾンビゲーだったかららしい。なんかすごいシリーズだな………「バットの歴史」ってなんだよ……。

 もうこの辺まで来ると、崩壊3rdの面白さは無限に加速してくる。空の律者覚醒の専用バッドエンドも用意されてるし、K-423より前のクローンが無限に襲いかかってくるし……ひたすらキアナ曇らせ隊が暴れ回っている。「面白さが加速する=キアナを追い詰める」の方程式が完成してきた。

このバッドエンド好き

 ケビン、オレだーーーーーーーーーー!!!!!!
 ケビンーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

 ……ハッ!? すいません、つい古の楽園を終えた未来の自分が暴れ出しました。何気にここでケビン・カスラナが本格的に登場です。冷静に考えたらここでケビンとサクラのエピソード出してくるのどういう判断なん?

 もう、一目見ただけで「miHoYoの癖(ヘキ)」だとわかる。白髪美男子。いかにもヒーロー然とした風格……ケビン最高。初めて会った時、もう心を掴まれてしまった。てか出てきた瞬間に「崩壊/zero」の主人公だとわかっちゃうのがさ~~~~~もう最高っていうかさ~~~~~~~~~~~

この時点で一番引きたいキャラがケビンになってンだよッッッ

 そして崩壊3rd、やっぱり他と描写のエグさが2~3段違う。

 「八重桜の声優さん好きなんだよな~八重桜いつ出てくんのかな~」と心待ちにしていたら、この仕打ちである。これと空の律者に苦しんでるキアナの話がほぼ同時に進行してる鬱っぷりよ。この辺の崩壊3rd、暗い!!

 だけど、この「エグさ」こそが崩壊3rd初期~中期の面白さのコアなんじゃないかなと思ったりする。そしてこのエピソード……古の楽園を経たあとだと余計に感慨深い。ダメだな、英傑が出てくるとすぐに古の楽園の話がしたくなる。コラッ、だいぶ先までお預けよ!!

 そして12章のクライマックスはゼーレ覚醒ショートアニメで締め。このアニメ、理の律者のアレに負けず劣らずの完成度。崩壊3rdを追ってる時の「な、なんかこのゲームどんどん進化してるんですけど……」という気持ちは、嬉しさではなく形態変化が早い化け物に対する恐怖だと思う。


夜空を駆ける流星(13~14章)

 こいつら……本気で章またぐ度にフォーマット変える気か!?

 この辺りから格段にUIの完成度が上がってくる。13章のUI、いま見ても結構スタイリッシュだと思います。特にキャバ……おしゃれなロビーみたいになってる強化画面が結構好き。おい誰だドリームクラブって言った奴。

 あと個人的ではあるのですが……この辺りから、「崩壊3rdで一番えっちなキャラはリタ・ロスヴァイセなのでは?」と思い始めました。リタ……えっちじゃないか? どちらかというと男性キャラにハマりがちな自分でも、リタのえっちさはすごいと思う。ドリームクラブみたいなUIのせいで余計に。

崩壊:ドリームクラブ

 生き残ってしまったのはこの男〜〜〜!!!!!
 前時代のニューウェーブ ケビン・カスラナ

 薄々気づいてきたのですが、崩壊3rdって平たく言えば「美少女ゲームに登場する男キャラ」の栄養素を無限に摂取できるゲームなのだと思います。これが原神やスタレの男キャラに繋がっていったことに、納得感しかない。だけど崩壊3rdの男は崩壊3rdの男からしか摂取できない栄養素がある。

 特に、ヴェルト・ジークフリート・ケビンあたりはその栄養素が特濃って感じだ。もう例の対談が出たから言えるけど、この辺りのキャラ見てる時の気持ち完全にTYPE-MOONの男キャラ見てる時と同じ気持ちなんだよ。乾有彦とか鳶丸殿下とかそっち見てる時のドキドキなんだよ、わかれよッ。

 ケビンはマジで実家の味<型月>がする。
 明らかにケビンだけ型月成分がいくらか注入されている。
 FF14で漆黒遊び始めた時と同じくらいの「ペロ……シェフ、これって実家の味ですよね!?」が出そうになってる。

 しかも、これでCV日野聡なのが本当に絶妙なラインを突いていると思う。敵とヒーローの両方をやりつつ優しさと強さを表現できる男というか……「友人と昔話をしていただけだ」を湿度高めに言えるというか……。

 キアナ曇らせ度が加速するほど、芽衣先輩の負けヒロイン度も高まっていく。頑張れ芽衣先輩。でも、俺この辺の芽衣先輩が一番好きだったかな…。

 そしてなんだか新海3rdっぽい演出を挟み、さらに芽衣先輩の負けヒロイン度が加速していく。どうなる雷電芽衣。このままだと秒速5センチメートル(動詞)するハメになるのではないか。今の芽衣先輩にRADWINPSの歌を流せるほどのヒロインパワーは残っていないんじゃないか。

 個人的には、9章で一番好きなセリフこと「この不完全な物語を、あんたの望む姿に変えなさい!」をキアナが回収してきたのが熱かったです。よくよく考えてみれば、崩壊3rdの代名詞でもある「美しい世界」「明日への旅路」というテーマがとっくに動き出しているような気がする。

この辺の芽衣先輩大好き
弱いのにしゃしゃり出てくる人が好きだから……


昨日に捧げる挽歌(15~17章)

 もう、誰も崩壊3rdの進化を止められない。

 特にこの15章~17章は「進化」が印象的なストーリーでもあるけど、個人的にはもうデュランダルだけでお腹いっぱいになるくらいの技術的進歩を感じました。なんすかその投げ技。こんな投げキャラみたいな人だったの。

 もしHoYoverseの格闘ゲームが出たら、プレイヤーからのヘイトを一番集めるのはデュランダルなのではないか。どんな位置にいてもスクリューパイル黒淵白花で吸い込んでくる。まぁデュランダルさんなら初心者相手に塩試合決めるのもキャラ的に合ってるか。あとは張り手を覚えたら完璧だね。

 ホントすぐ知らない話するよね。

 この辺のキアナと芽衣先輩の過去……どうやら『崩壊学園』のストーリーらしい。知るわけないやろ!? すごい、すごいぞ崩壊3rd。これまで当然のように「えっ、みんな崩壊学園知ってるよね……?」という顔でストーリーを作っていたのか。いやこっちにも非はあるかもしれんけども。

 個人的に、この辺りから「キアナがどんなキャラクターなのか」がようやく掴めてきた気がします。16章でやっと主人公のことがわかるという。

 というか、そもそもの根本にある「なんでキアナと芽衣先輩はこんなに熱い関係なのか」を16章でようやく理解しました。連れ出してくれる誰かを待っていた雷電芽衣。その手を引いてくれたキアナ。失礼にも「なんか適当に置いてあるだけの百合要素なのかな?」と思っていた自分を殺したい。

「だから私は、彼女が気になって仕方なかった。」
「日の光を浴びたあの青い瞳は、とても純粋で、頼もしく輝いていたわ。
 わがままだけど、とても誠実だった。」

 「なんでこの人スタレで医者にしたん?」とか思っててすいませんでした。ナターシャ・キオラ、完全に光医者です。いや、ナターシャまでいるのは予想外なんだよ! ブローニャとか雷電族はわかるけどナターシャまでいるとはね! どっちもおっぱいはデカい。

 何気に、ここで出てきた「長空市」のステージが結構好きです。演出やUIのパワーアップも印象的だけど、ステージの完成度もどんどん上がってきている。長空市のステージめちゃくちゃすごい。

 序盤とかあんなペラペラのステージだったんやで?
 マリオカートのコースみたいな草原で戦ってたよね?

 あ、あああああああ~~~~~~~~~~っっっっっっ!!!!!!!!

 芽衣の姉ちゃん、ごめん……パプリカカレーの味、わかんなくなっちゃった……(葛葉紘汰)。もう限界! キアナと芽衣先輩の関係は限界よ!! この辺の一触即発な空気感、いま見ても最高に好きだね!!

 やっぱり崩壊3rdが一番輝いてるのは人間を追い詰めてる時。
 どうかこれからもその輝きを失わないでほしい。

 このさぁ……キアナ・カスラナは「世界にとってのヒーロー」なのに、芽衣先輩はキアナに「私のヒーロー」でいてほしいという関係が一番いい出汁が出るんでぇ……この鹿目まどかと暁美ほむらみたいな関係が一番いい出汁が取れるんでぇ……君の銀の庭なんでぇ……。

「私の物語は美しくないかもしれない。」
「だけど、この世界をより美しくすることはできる。」

 この辺の演出もすごい。

 もう彼女のそばに戻れず、その笑顔を見て、手を握ることができなくなる。その手で私を葬れ。私の怒りを、悲しみを、消えた私の存在を、一人で前に進む力にするのだ。この世界に、雷電女王の帰還を宣言するのだ。

 ずっと「我慢」を続けてきた雷電芽衣。「願っていない」ことを続けてきた雷電芽衣。次はそんな我慢をしなくて済むように、今日まで我慢をしてきた。だから今こそ取り返す。世界から、キアナ・カスラナを取り返す。

 ……とか思ったのに、なんかドラッグオンドラグーン始まる!!!!!

 どうしちゃったのmiHoYoちゃん!?
 待ってmiHoYoちゃん!!
 あなたを世界の覇権ルートに行かせるわけにはいかない!!

 ということで、「雷の律者」が覚醒です。ここの戦闘、マジですごすぎる。てか、芽衣先輩追い詰められる→ドラッグオンドラグーン→キアナvs芽衣先輩が怒涛すぎる。この辺、演出がおかしなことになってる。9章以来の「ブレイクスルー」、とうとう来た! 崩壊3rdの第2形態!!

 もういろいろな演出といい、過去エピソードに被せる屋上のシチュエーションといい、何もかも上手い。ここまで並べてきたドミノを、一気に全部倒した。アタシ、稲妻編で特にロジックもなく「無想の一太刀は最強です」と言われ続けていた理由を理解しました。

膝の律者

「私にとってこの世界なんかより、キアナちゃんの方がずっと大事よッ!!」

 よう言うた!!!!!!!!!!
 雷電芽衣、今日はアンタが主役!!!!!!!!!!!!!!

 この芽衣先輩がガチギレ決めた時の「よう言うた!!(スタンディングオベーション)」、完全に叛逆の物語で暁美ほむらがやらかした時の「よう言うた!!(スタンディングオベーション)」と同じです。

 ちょっと真面目に、この「17章」について書きます。これまでの崩壊3rdは、9章で一気にゲーム全体をストーリー重視に変えて、なんとか「いつものアクションを遊ばせて、最後にすごいショートアニメを見せて盛り上げる」というフォーマットで盛り上げ続けてきたと思います。

 要するに、よく言えば「とにかくアニメの完成度で殴る」のが強みだった。逆に言えば、「ゲームの体験はそこそこ。代わりにラストのアニメで一気に挽回する」という手段に頼り続けている(技術的に頼らざるを得なかった)印象を受けていました。ある意味、ゲームが前座になっていた。

 ただ、この16~17章で一気に「インゲーム(アニメじゃないとこ)の演出」を駆使するようになり、とうとうアニメに頼らない「ゲーム」としての到達点に来た。これこそが雷の律者・雷電芽衣戦の一番すごいところだと思います。

 アニメにはアニメの役割を持たせつつ、アクションはアクションの役割を持たせる。それらをすべて、「ストーリー」として繋げる。崩壊3rdにおける「ゲーム」部分が、ただの「アニメを見るための前座」ではなくなった。

 本当の意味で、「崩壊3rdのver2が始まった」感じがしました。
 超、良かった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ニチアサで1年しごかれた俳優の顔
こいつ仕事中に週ボスやってない?


ネゲントロピー

 いつ触ろうか迷っていたビジュアルノベル、この辺でちょっと箸休め的に手を出しました。え、読んでる側は全然箸休めじゃない? 「このペースでやってたらいつ終わるんだこの記事は」って? そうツレないこと言うなよ、この記事まだ半分も行ってないんだぜ。

 そして、実はネゲントロピー(ビジュアルノベル)を触り、初めて「アインシュタインが女の子」であることを知りました。なんか名前の欄に「少女」って書いてあった。リアルに「お前……女だったのか!?」現象だよ。

 もう……miHoYoの「悪ぃ、ギャルゲーやりたくなっちまった」が嫌というほど伝わってきます。まぁ自分もこういうノリ大好きなんだけど。俺たちオタク、ギャルゲー好きなやつ大体友達。初代ヴェルトなんかいかにも「ギャルゲーの主人公」っぽいし、出てくるCGも尽く「それ」っぽい。

 なにこれ???????????????????????

 どうした、急に気分がルビーパーティーになっちゃったのか。私の好きな男、顔だけは本当に良くて腹が立つ。こんなん美女だよ美女。完全にCV川澄綾子だよ。顔面も肉体も良すぎるだろコイツ。もう抱いてくれ。

 しかもこいつ、なんかジョイスと裸の付き合いを始める。ちなみに私はジョイスも結構好みの男である。こういういかにも「無意識のうちに女性を攻略してそうな男」が結構好きなんです。ギャルゲーとは?

本当に顔面だけは良い

 コラーーーーーーーーーーー!!!!!

 でぇじょうぶだ、もう例の対談が出てる。
 本当にでぇじょうぶか?
 まさに、「そのためのビジュアルノベル」って感じですよね。

 この対談、すごい頑張ったのでぜひ見てください。企画とか聞き手とか……とにかくいろいろ頑張りました。本当にいろいろ頑張ったんです。

 これを見るために……これを見るためにネゲントロピーを始めたのよ!

 さっきも全く同じことを言ったけど、やっぱり「聞きなれた必殺セリフ」でしかなかった「星が砕け散る様を見るがいい」に重みが発生するのがすさまじいゲーム体験だと思う。マジでヴェルト引いてよかったよ。

 そして、「ギャルゲー」として……フレデリカ・二コラ・テスラのことをこれからどんな目で見たらいいのかわからなくなるビターエンドだと思います。同時に、最高のビターエンドでもあると思います。miHoYoのギャルゲーにかける熱い思いは嫌というほど伝わってきた。

 だから、「ヴェルト・ヨウだけはフレデリカ・二コラ・テスラの前から居なくならんでくださいよ」と言いたいところなのに、なんかあの人スターレイルに来ちゃってるんだよな。いいから早くテスラをスタレに実装してください。そんなの……テスラちゃんがかわいそうだよねぇ……!!


ここにて眠りし桔梗(18~19章)

 やったぁ、新しい崩壊男子だ!

 いつもそう。
 お前らは本当にいつもそう。

 いい感じの男を出したら即座に苦しめる。いつもそう。崩壊男子みんなこうなる。「みんな」ではないかもしれないけど……いつもそうよッ!!

 まぁ、18~19章はやっぱり「アナとフクロウ」ですよね。もちろんこのふたりの関係も大好きなのですが……ようやく律者として覚醒したと思ったらいきなりヨルムンガンドの内ゲバに巻き込まれる芽衣先輩の苦労人っぷりもちょっと面白い。バイト初日で先輩同士が喧嘩してる感じ。

邪悪な対比

 アナとフクロウはめちゃくちゃいいキャラだと思うのですが……ここまでされると逆に「いやこいつら18章からいきなり湧いてきたキャラだよね?」と困惑の方が上回ってきます。こいつらガチでアナとフクロウで1エピソードやりきりよったぞ。全体を見ると逆に異質じゃないか。

 そして、芽衣先輩をもっとイケイケムードで描くのかと思っていたら、むしろ「芽衣先輩(雷の律者)の在り得たかもしれない未来」を描いていて、ここもまた面白い。要は、「世界よりキアナの方が大事とか言ってるけど、それで律者の力を振るうならフクロウと同じでは?」ということを……。

 まさに、フクロウと芽衣先輩に「逆だったかもしれねぇ」を突き付けている章だと思います。ここら辺、構成と見せ方がキマっててかなり好き。同時に、崩壊3rdはここの「キャラクターが自分の罪にどうやって決着をつけるのか」という解答の出し方こそ面白い部分なんじゃないか、と思ったり。

ワタリガラスさんいい人すぎる


桜の輪廻

 なんとなくスルーしていた「オープンワールド」のコンテンツも触ってみました。とりあえず一発目に自分の好きな声優がやってるキャラこと「八重桜」が出るらしい「桜の輪廻」をプレイ。終焉の律者の羽根が被って全然ウィンドウ見えねえ。この辺あんま考えてないの崩壊3rdすぎるだろ。

 ……で、実際プレイしてみたけど、八重桜がよくわからない。

 そもそも「桜の輪廻」をプレイした頃の私は古の楽園到達前なので、「八重桜」と「サクラ」の何が違うのかがイマイチピンと来ていなかった。その状態で見せられる同じパターンの妹死亡。八重桜の発狂無限ループ。リアルに「全部同じじゃないですか!?」「ちがいますよーっ」状態である。

これ見たことある

 ただ……これって明らかに「原神ver.0」ですよね。
 完全にプロト原神。原神試作1号機、こんなところにあったのか。

 流石に原神とか後崩壊書に比べると言葉ばかりの「オープンワールド」という感じがしなくもないけれど、それでも「スマホのオープンワールド」をしっかり再現している。「これがゆくゆくは原神になるのか」という意味で、miHoYoの歴史を体験するコンテンツな気がしなくもないです。

 え、てかこれ2017年に実装されてんの? マジ?
 崩壊3rdの中でもぶっちぎりの長寿コンテンツでは?

 そうか……「これが2017年」という背景も鑑みると、余計に歴史と進歩を感じるような……でも八重桜が毎回発狂するのが天丼ネタっぽくなってて面白いような……稲妻の鳴神大社にすごい文脈があることに気づかされたような……まぁ、のちほど「恩返し編」の話は出ますので少々お待ちを。


太虚夢華録(20~22章)

 ここに至るまで、実は全く話題にしていないメインキャラがひとりだけいる。そう、「フカ」である。なぜって? いや……20章が始まるまで正直そんなに好きでも嫌いでもなかったから……。

 キアナや芽衣先輩と比べたら……まぁビジュアル的には普通だし、ロザリリのようにゴリゴリの「萌え」に振っているキャラでもない。フカ推しの方には申し訳ないけれど、文字通り「地味な委員長」みたいなイメージでした。まぁ、20章まではね。

 20章に入った途端、大量開示され始める「フカ」の過去。ある時は学生の「華」として。ある時は「英傑の華」として。ある時は「仙人」として。ある時は「委員長」として。またある時は「探偵」として。最後の何?

 カスラナの一族やオットーを始め、崩壊3rdのキャラは大体すごいバックストーリーを背負っている。ただ、フカだけは本当にバックストーリーの物量が異常。この人だけゼノギアスみたいな長さの歴史を背負っている。

このワンタン麺の話も第二次崩壊編前提なのヤバすぎる

 だから、私の中だとフカって「崩壊3rdの鍾離先生」みたいな印象なんですよね。もはや感情移入や愛着を超越して、ただただその歴史と存在の巨大さに圧倒される。人間というより上位存在。「世界を見守ってきた人」として、敬いの感情を覚えてしまう。フカはそういう方向性で好きです。

 そしてここで識ちゃ……識の律者が初登場です。
 なんか彼女も予告だと「フカオルタが世界を滅ぼす……」みたいな雰囲気だったのに、いざ蓋を開けてみたら結構な萌えキャラで、「あれ?こいつ話が通じるのでは?」感が出てくるのが独特ですよね。崩壊3rdマジでこういうクリフハンガーするよね。半分くらい悪いところだと思ってるからな!

 「ブレイクスルー」の面で言うなら17章の方がインパクトが大きいかもしれないけど、22章ラストバトルのキアナvs識ちゃんも結構すごい。

 この演出の進化、まさに「いつの間にか俺の知ってるmiHoYoになっていた」だと思っていて……これまでは「miHoYoもこういう試行錯誤の時期があったのね~」くらいの舐めた態度で遊んでいたのに、知らず知らずのうちに原神並のカットシーンが飛び出してきた。いつの間にか完全態になってた。

 そしてショートアニメの「渡世」で締めくくる。もうこの頃には「いつもありがとう、地球のヒーローフカさん……」みたいな気持ちになっている。もし崩壊3rd世界に「抑止力」の概念が存在するとしたら、彼女がその化身なんじゃないだろうか。バックストーリーがデカすぎる。

 ……で、夜中の0時くらいに22章をクリアしたら、ちょうどその日がフカの誕生日だったらしく、やけにハイテンションな識の律者からの誕生日メッセージが届いていました。お前らの間に何があったんだよ。


一人の劇場(23章)

 ここまでの間に「お前マジで男の話ばっかじゃねえか!崩壊3rdは美少女ゲームやぞ!?」と憤慨している方もいらっしゃるかもしれないのですが……もちろん、女性キャラにも好きな人はいます。そう、「黒ゼーレ」

 黒ゼーレ……本当に人間臭くてかわいい。どう見ても「もうひとりのボク」ポジションなのに、こっちの方がメンタルが不安定なことあるんだ。ブルアカで言ったら「先生の心の中に聖園ミカが生息している」みたいな状態。白ゼーレが女とイチャつくたびに黒ゼーレは枕を濡らしているんだぞ。

 そして、ようやくここで「黒ゼーレが白ゼーレをどう思っているのか」が、黒ゼーレ視点で明かされ始める。まさに「解答編」というやつではないでしょうか。ちょうどCV中原麻衣だし。黒ゼーレお持ち帰りー!

 黒ゼーレのメンヘr……繊細さで話を引っ張りつつ、「どれだけ自分の半身を大切に思っているのか」という思いの強さで泣かせてくる。
 こういう、「どこにも行きようのない気持ち」がひたすら吐露され続けるのがたまらない。どこかに発散されてしまう気持ちより、ひたすら心の中に内包し続けて圧縮されたドロドロな思いが最も美しい。黒ゼーレ最高。

 一見、黒ゼーレの力に白ゼーレが振り回されているようで、よくよく見てみると白ゼーレの純粋さに心配性の黒ゼーレが振り回されているのもめちゃくちゃいいですよね。やや悪化したらヒモ彼氏と彼女みたいになりそう。

「ちょっとゼーレ!また競馬に行ったの!?」
「で、でもゼーレ……
当てたお金で一緒にケーキでも食べようと思って……!!」
「はぁ…………(巨大ため息)」
「あんまり三連単狙うのやめなさいよ
(2人分のフォークを持ってくる黒ゼーレ)」

 ……みたいな。
 みたいなじゃねーよ。

 何気に、スタレのゼーレは「白ゼーレと黒ゼーレ両方の性質を併せ持つ……♠」って感じですよね。いや、やや黒寄りかも。3rdのブローニャと黒ゼーレが会話してるシーン、かなりスタレ側のゼーレとブローニャっぽくて面白いですよね。ゼーレ、お幸せに……。


明日を燃やす炎(24~25章)

 ここ、崩壊3rdの中でも1~2を争うレベルで好きなシーンです。
 シュールすぎるて。もっとラフな格好で乗れよ!!!!!

 律者になっちゃった芽衣先輩はまだしも、ワタリガラスさんまで普段の格好でシートベルト締めてるのが面白い。こんな悪の幹部みたいなビジュアルの連中がご丁寧に道交法守りやがって。まじまじと見ていると、ワタリガラスさんの車がそこそこいい感じの車なのも面白い。いいシートだね。

 芽衣先輩とワタリガラスの、悪友とも相棒とも言えない絶妙な関係もいいですよね。最近ピノコニーでまた現地妻を増やしていることでも話題の雷電族ですが、ワタリガラスはちょっと違う気がします。

 ムサシに対するコジローのような……クエンティン・タランティーノに対するロバート・ロドリゲスのような……とにかく、「友人」的なノリがいいと思う。あとで一緒にキャバクラ通い始めるし。

このかわいい絵ヨウおじちゃんが描いたんすかね

 「立ち上がれ!美しい世界を守るために」

 これは崩壊3rdのキャッチコピー。最初に見た時は、「なんかふわっとしたキャッチコピーだなぁ」と思っていた。でも、miHoYoは想像以上にこのキャッチコピーに真剣だった。徐々に、この「立ち上がれ!美しい世界を守るために」という言葉に、重みが生まれていく。

「確かにあんたの言った通り、世界は美しくないかもしれない。
 だから、人々は美しいものを心から望む。」

 明日へと向かう旅路の中、「世界はそんなに美しくはない」ことを知ったキアナ。だから、「美しい世界」を守るために戦う。この世界が不完全な物語だと言うなら、自らの手で、人々の望んだ「美しい世界」を手に入れてみせる。それは、たとえキアナの結末が美しいとは言えなくても変わらない。

 うーん、キャッチコピーに真剣なゲームです。

 少し泣く!!!!!!!!!!

 こんな……こんなね……。「姫子先生の想いを受け継ぐ炎ブレード」なんてストレートすぎるエモ演出に泣かされるわけが……いや泣いちゃうよね。

 このあたりから「崩壊3rdやってよかった」ボタンが登場します。まずキアナをベナレスが助けてくれるシーンで1回押し、空の律者がキアナに「お前の道を歩むといい」と言って消えるシーンでさらに1回押した。第二次崩壊編で積み上げた文脈が……どんどん回収されていく……。

 あ………あああああああ~~~~~~~っっっっっっ!!!!!!!!

 これもね、正直「こんなにストレートなエモで泣かされてたまるか」と思うんですよ。主人公に思いを託して消えた人が精神空間で再登場して、背中を押すように会話する泣かせシーンなんて、これまで何度見てきたことか。でも泣いちゃう。崩壊3rdの基本正拳突きで来る感じ、大好きだよ。

 特に……特に「キアナは私の知ってる中で、一番やんちゃな生徒よ」ね。キアナにとっては、いつまで経っても「先生」なのだと。そして姫子先生も、そんなキアナを「生徒」として扱ってくれる。世界を救う使命を背負った英雄になっても、姫子先生にとってはひとりの「教え子」だった。

 25章ありがとうございました……最高でした…………………。

 まだ終わりじゃねえぞ!(ラグナ=ザ=ブラッドエッジ)

 そう、姫子先生のファイナル授業が終わったあとに、真打の「永遠なる薪炎」が待っている。実際プレイしてる最中も「はあ~、崩壊3rdは最高のゲームだな!」みたいな気持ちだったのに、全然25章が終わっていなかった。割と崩壊3rdはこの「二度刺し」パターンが多い気がする。

 もう……もうこのショートアニメに余計な言葉は不要でしょう。強いて言えば、「あんたの攻撃はもう終わり?それなら私の番ね、文句ある!?」をキアナが回収するのが最高オブ最高です。能力的にも、セリフ的にも、「姫子先生の想いを受け継いだ」瞬間だと思います。ストレートに良い。

 あと最後らへんはもう「ガイナックス」になってる。
 お前らとうとうエヴァっていうかガイナそのものになってるよ!!!

これは流石にガイナックス

 千人律者との戦いを終えた私を待っていたのは、見知らぬピンクの妖精さん♪だった。………………………誰!?!?!?!?!?!?


古の楽園 PART1

 よっしゃお前ら、古の楽園の時間だあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 ……みたいなテンションでお送りしたいのは山々なのですが、いざ古の楽園が始まった時は、「困惑」の一言でした。いま思い返してみれば、「メインでキアナの話を進めつつ、もう1ラインで芽衣先輩の話を動かす」狙いがあったのだとわかるのですが……にしても「困惑」でした。

 いきなり「火を追う十三英傑」とか言われても意味がわからないし、エリシアも怪しいし、知らないキャラがどんどん出てくるし、とにかく断片的な情報しか見せてくれないし……正直「おい、正気か!?」と思いました。

 これまでも十分正気じゃないゲームだったけど、古の楽園は特にヤバい。「ユーザーフレンドリー」なんて知ったことかと言わんばかりの態度。またDV彼氏にいじめられているような気持ちになってきた。昨日は優しくしてくれたのに、朝起きたら急に豹変してエリシアのフィギュアで頭を殴られた。

エリシアの立ち絵かわいいよね

 これ……ヘルタゼミでやったとこだ!!

 艦長のみなさんには申し訳ないけれど、私が古の楽園を始めた時、真っ先に抱いた感情は「これがプロト模擬宇宙か!」というものだった。むしろ、この「模擬宇宙か!?」という“知っている感覚”がなければ、倍は困惑していたと思う。ここに関しては本当にヘルタ先生に感謝である。

 その上で、狂ったテキスト量が矢継ぎ早に飛んでくる。
 メインストーリーが立ち絵とテキストベースでの進行。それに加え、深層序列での各英傑の一言セリフ、妖精のタイプライター、ロビーでのイベント、オープンするたびにおびただしい文量が飛び出す「追憶の皿」……なんかもう、『アークナイツ』のイカれたテキスト量を思い出してきた。

 ここまでも、散々崩壊3rdの「章をまたぐ度になにかしらの新システムを実装してくる」スタイルに振り回されてきた。古の楽園は、「いよいよその極地が出てきてしまった」というおそろしさすら感じた。私はこのコンテンツにGOサインを出した開発チームの判断が本当にすごいと思う。

 古の楽園の顛末をある程度知っている今だからこそ「これは素晴らしいコンテンツだった」と言えるけど、いざ形になる前に「やってみよう」と思えたのがすごいと思う。正しく、崩壊3rdのイカレっぷりを最も象徴したコンテンツだと思います。お前らどうかしてるぜ。

崩壊3rdってベースが3Dだから、ここで「立ち絵」を見れるのが結構嬉しかった

 これ以上実装されないえっちな男を増やすなーーーーー!!!!!

 やっぱりコイツは外せない、十三英傑で最もセクシーな男こと「千劫」。十三英傑で最もエエケツってか! いわゆる「バーサーカー」的なポジションのやつですけど……なんかもうこの時点で「いい人感」が滲み出てますよね。言動が荒っぽいだけのいい人感がすごい。千劫かわいい。

 あとは、やっぱり「スウ」ですよね。
 ビジュアルだけを見た時は「京都産のアルハイゼン?」とか思ったのですが、いざ出てくるともう「これに櫻井孝宏はアカン!!!」としか言いようがない。この見た目に櫻井孝宏はアカン。それはリーサルウェポンだよ。

 しかもこれで、「ケビンの親友」というポジションでもある。
 ケビンとスウの関係を考えた人間よ、貴様は大量殺戮者ではないか?

 個人的には、ケビンの追憶の皿で見ることができる「チャット記録」というストーリーが好きです。本当に断片的な情報から十三英傑の全貌を紐解いていくこのコンテンツですが、「学生時代のケビンとスウのチャット履歴」だけを見せてくるのは本当にヤバいと思う。お前らどうかしてるぜ。

エリシアにアルクェイドの影を感じてるのは私だけですか?

 古の楽園1章をクリアした時に驚いたのは、「古の楽園の存在意義」についてです。つまり、「この場所は何のために存在しているのか」ということ。そしてエリシアの口から語られたのは、意外にもシンプルな答え。

 エリシア曰く、この場所は「特段役割があるわけではなくて、ただ十三英傑が記録するために残してある」らしい。私はこの「英傑が生きていた時代を記録しただけ」という、ただ漠然とそこに事実だけが書き記されているのが、なんとなく美しいと思いました。

 なにか人類が崩壊に対抗するための切り札というわけでもなく、誰かが強く思い出を残したいと願っていたわけでもなく、ただ「記録」としてそこにあるだけ。負けてしまった英雄だけど、この人たちが生きていた時代は、たしかにここに記録されている。

 そんな場所の名前が、「古の楽園」
 これが、いつかの時代にあった「楽園」。
 うーん、すっごくロマンチックだと思わない?

 そして、私が一番好きな「追憶の皿」の話もします。
 それは、エデンの「終焉」というお話です。

 基地の外。まるで、この時代がすでに死していると気付いていないかのように、レコードプレイヤーから音楽が流れていた。その横に立つエデンはグラスを揺らしながら、古い時代の歌を口ずさむ。

 「聞くのは久しぶりね。」メビウスは言う。
 「確か、あなたの故郷の歌よね?」
 「博士は、機械の音以外は分からないと思ってたわ。」エデンは言う。
 「戻りましょう、エデン。休眠装置の準備ができたわ。ずっとここにいても、体に悪いから。ほら、地上は放射能に満ちてるって知ってるでしょ。」

 「………………」エデンは返事をしなかった。
 「わたくしを探すように、ケビンに言われたの?」
 「ええ……」
 「それなら、わたくしの返事も分かるわよね、博士。」
 「…………ええ。」
 「……」
 「……」

 二人は何も話さない。
 レコードもいつの間にか再生が終わっていて、音楽の音も消えていた。
 
 「慣れないわ。」エデンは少し切なそうに話す。
 「エリがいたら、雰囲気も少しは明るくなるのに。」
 「本気?彼女がいたら、
  音楽なんて聞く気にならないほどうるさいと思うけど。」
 「博士がエリのことを好きじゃないのは分かるわ。けど、認めざるを得ないわね……エリが言った言葉は、最初から正しかった。」

 メビウスは返事をしない。その話題に参加するつもりはないようだ。
 
 「エデン……本当に、もう少し考え直さない?」
 「博士は、わたくしのことをよく知っているでしょう。
  わたくしはいつも、ちゃんと考えてから決めるのよ。」
 「ええ、それは分かるわ……
  けど、本当に。次の世代の人類を諦めるの?」

 エデンはメビウスを見て、優しく笑った。
 まるで、子どもを見るかのように。

 「ねえ、博士は知ってる?エリはわたくしにある言葉を言ったの。」
 「━『エデン、この時代の人々は、あなたの歌を聞いて育ったの』と。」
 「博士、わたくしの歌声はこの時代のもの。
  わたくしはこの時代の人間よ。」
 「儚い虚勢を張るとか、心が弱いから諦めるとかじゃない。
  これは……一つの信念なの。」
 「次の世代の運命は、次の世代の人々が作るべき。彼らの歌は、彼らが歌うべき。彼らの夜空にもきっと、新しい星が輝き出す。この時代の旋律は……この時代に残しましょう。」

 そう言ったエデンはメビウスに会釈し、笑顔で、荒れ果てた大地に視線を向ける。会話は終わった。そう、メビウスは理解した。エデンの選択は、意外ではなかった。だから彼女も振り向き、基地へ戻ることにした。

 ♪黄金のような小麦畑が風に揺れて♪
 ♪馬に乗った旅人の家はどこかしら♪

 突如、後ろから美しい歌声が聞こえてくる。この廃墟と黄砂に包まれた世界に、天使の歌声が降ってきたかのようだった。メビウスは驚いて、振り向く。エデンは広い大地に、最後の曲を捧げていた。

 おかしい。ずっとあの歌声を「騒音」だと思っていたのに、どうして今、切ない気持ちになるのだろう? これが「芸術の力」なのだろうか?

 ♪ああ、愛しい人よ、ずっと傍にいましょう♪
 ♪ああ、愛しい人よ。願わくば、時よ止まれ♪

 いや、違う。メビウスは自分の考えを否定し、彼女独自の科学的観点から真相を見極めようとした。それはきっと━━自分は、一つの時代の消失を目撃しているからだ。

 それまで、メビウスは、「時代の消失」に関してずっと実感がなかった。 
 人が死んで、生物が絶滅しただけだと。

 しかし、ゆっくりと廃墟に向かうエデンを見た瞬間、彼女は「消滅」の意味を理解した。

 そしてその歌声は今、死へ、末日へと向かう。
 この美しい歌声をこの世界で聞けるのは、これで最後なのだ。

 ♪ああ、愛しい人よ、ずっと傍にいましょう♪
 ♪ああ、愛しい人よ。願わくば、時よ止まれ……♪

 ……………
 天使の歌声は、もう聞けないのだ。

 古の楽園は、「終わりを記録したもの」だと感じました。
 なくなってしまった時代を記録したのなら、それはいくつもの「終わり」を保存したものでもある。そして「終わってしまったもの」だからこそ、人々はその物語を忘れずにいられる。終わったから、記録ができる。

 記録されて未来永劫残るなら、できるだけ希望に満ちた終わりがいい。
 できるだけ、幸せの溢れた終わりがいい。
 できるだけ、誰かの心に残る幕切れにしたい。
 この時代の命は、こんなにも楽しく生きていたのだと、こんなにも華やかに、美しく、生を謳歌していたのだと……そう後世に知らしめるような終幕がいい。エデンの「終焉」は、そんなお話だと思いました。

 時代の象徴たる歌姫。
 彼女の最終公演を以て、「前時代」は終幕を迎えた。
 これこそ、この世界が謳いあげた「時代」だったのだと。


古の楽園 PART2

 あぁぁあぁぁ√﹀\_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿╱▔︺\/\︹▁╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︹_/﹀▔\⁄﹀\╱﹀▔︺\︹▁︿╱\╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︿/\︿╱\︿︹︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿╱▔︺\/\︹▁_/▔﹀\_︿╱▔︺\︹╱

 「せっかくエデンでエモいこと書いたのにオタク情緒壊れるな」って……無茶言ってんじゃないよ! 脳破壊ばっかりするスウとケビンが悪い!

 この辺りから徐々に気がついてくる。
 いま自分が遊んでいる「古の楽園」というコンテンツは、やろうと思えばこれだけでゲームが1本作れてしまうストーリーを、どうにか崩壊3rd内で実装可能な形で緊急発進させたコンテンツなのだと。狂ったmiHoYoがいつか買い切りタイトルで『崩壊/zero』とか出してほしい。よろしくな!

 「はーあ、これが男の子たちの友情ってものかしら?羨ましいわ。」

ピンクの妖精さん♪

 エリシアの姉貴、よくわかりますよ。
 崩壊3rdを遊んでる時も! 
 原神を遊んでる時も!!
 スタレを遊んでる時も!!! 
 FF14を遊んでる時も!!!!
 月姫を遊んでる時も!!!!!
 俺はいつだって「はーあ、これが男の子たちの友情ってものかしら?羨ましいわ。」状態なんだーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

 そして、「終焉」に並んでトップクラスに好きな追憶の皿エピソードこと、「友人」の話もしましょう。スウとケビンのお話です。

 「でも、それは君にとっても同じはずだ! 君はいつも取り返しのつかない犠牲を自分のせいにして、何もかも一人で背負おうとする……」
 「でも僕には分かる。君の心はずっと苦しんでいる。
  君だって犠牲を望んでいないだろう?」

 「そうだとしても、僕は前に進むしかないんだ。」
 「僕がこの道を選んだんだ。君まで心を押し殺す必要はない。」
 「この道を進むのは、僕一人で十分だ。」

 友人の、伏せた目を見る。その落ち着いた眼差しには、決別するような、悲しんでいるような、そんな複雑な感情があった。そこにはよく知っている影がある。思わず、心が震える。

 「……いや、一人にはさせないさ。」
 「メイが僕に託した新しい計画は━━『恒沙計画』。それは、他のパラレルワールドを観測することで解決法を探す計画だ。」
 「僕がその中で答えを見つけ出すことができれば、『聖痕計画』を発動しないで済む。あれはあくまで最終手段であって、必要ではない。」
 「あんな残酷なことを君にはさせないさ。
  僕は最後まで、君と共にいるよ。」

 友人は少し驚いたように彼を見上げた。彼も、揺るぎない眼差しで相手を見る。しばらくして、友人は目を逸らし、小さな声で礼を言った。今までと違い、友人の声には温もりがあった。

 「……」
 「ありがとう、スウ。」
 「ありがとう。」

 発狂。

 ちょっと前に「崩壊3rdは美少女ゲームに登場する男キャラの栄養素を無限に摂取できるゲーム」みたいなことを言いましたが、「友人」はその極地だと思います。ここから原神やスタレの男キャラ関係に派生していくのかと思うと、ケビンとスウは本当の意味でアダムとアダムなのかもしれない。

 あともう……正直に白状してしまうと、私はやっぱり「同性間の言葉にできない思い」に弱すぎる! 愛でもない。友情でもない。どこにも分類できない、このドロッとした“何か”。ひょっとしたら恋だったり憧れだったりするのかもしれないけど、それは言葉にしたら終わってしまう。

 この“何か”が、自分はこんなにも好きだったのかと……つい最近、理解しました。そんな形容できない思いを、私は追い続けたい━━━━これ何の話?

最後まであの子の傍にいてあげた優しいお姉ちゃんはお前お前お前ーーー!!!
楽園2章はメビウス博士のことが一気に好きになりますよね

 古の楽園のすごいところは……「作中ではもはや神話の登場人物と化しているキャラクターが、その時何を考えて生きていたのか把握できる」ところだと思います。ある意味、「神話の時代にタイムスリップ」するような話でもある気がします。

 最初のヒーロー「ケビン」、遥か昔に戦士として戦っていた「華」、量子の海でその雄姿を目にした「サクラ」……ここまで「過去の英雄」として目にしてきた人物たちが、そのまま目の前に現れる。当時の空気を知り、この物語が本当に実在していたのだと知る。

 すごく知的好奇心を刺激されるし、とてもロマンのある物語です。なんだか、個人的にはFF14の「ミソロジー・オブ・エオルゼア」に近いコンテンツだと感じました。艦長兼光の戦士にしか伝わらない喩えでゴメンね。


霧の都の休日編~伝承編

『伝承編』より

 またしても「ケビンとスウの詳細な過去は別個で漫画にまとまっている」との情報を聞きつけた私は、ここで「霧の都の休日編」と「伝承編」を読み始める。異常なコンテンツなんだよ、マジで。

 あ、感想としてはもう「終わりで√﹀\_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿╱▔︺\/\︹▁╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︹_/﹀▔\⁄﹀\╱﹀▔︺\︹▁︿╱\╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︿/\︿╱\︿︹︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿╱▔︺\/\︹▁_/▔﹀\_︿╱▔︺\す」以外、特にありません。終わりです。

 このふたり……終焉を超えて、アダムとイブみたいになっても、未だなお根底にあるのが「学生時代の親友同士」なんですよね。お互いにあの時のふわふわした気持ちを抱えたまま、行くところまで行ってしまった。おう兄ちゃん、この熱し方が一番ウメェ出汁が取れるンだ。

 あとは超絶個人的な好みですが、学生時代のケビンがめちゃくちゃ運動部の陽キャなのが好みすぎますね。男子校で一番人気なタイプですね。

『伝承編』より


神州折剣録

 ここから始まるらしいオットーの晴れ舞台に備え、私は「神州折剣録」をプレイしておくことにした。おかしい、さっきからメインストーリーが全く進んでいないではないか。これが崩壊3rdのヤバいところだ。サイドコンテンツが多すぎて、本編が微塵も進まない。導線どうにかしろ(鳴き声)

 ……で、最初に思ったこととしては、「絵が上手すぎる」ですね。
 立ち絵、CG、キャラデザイン……どこを取っても、絵が上手すぎる。パーフェクト。正直、「絵の好み」で言うなら、すべての崩壊3rdコンテンツの中で神州折剣録がぶっちぎっている。そのくらい、絵が上手すぎる。

 なんなら神州折剣録のデザイナーの人でmiHoYoの新規タイトルを1本立ち上げてほしい。神州折剣録のデザイナーを『Fate/EXTRA』のワダアルコ先生よろしくなポジションに据えたタイトルを作ってほしい。そのくらい絵が上手すぎる……デザイナー氏は今どこで何をしているのだろう……

絵、上手すぎますよね?

 オットー・アポカリプスって、美女ですよね?

 やっぱりスタレから入ってきた身としては、素裳と羅刹(オットー)がそのまま出てくるところに驚きを感じるというか……「あ、仙舟羅浮であのふたりが絡んでたのってそういうことなん!?」という逆サプライズを感じました。なんならオットーに至ってはまんま「羅刹人」という。

 というか、神州折剣録を読むと仙舟「羅浮」の意味不明だった部分が、ちょっとわかってくるような……わからないような……。正直私は仙舟編のストーリーを3割も理解していないのですが、こっちを読んで「まぁ、やりたいことはなんとなく……ハイ……」みたいな気持ちになりました。

こいつを美少年にして出そうという発想がすごいと思う

 オットーと素裳のなんとも煮え切らない関係、めっちゃ好きなんですよね。いわゆる「ノーマルラブ」だと、崩壊3rdではオットーと素裳が一番好きかもしれません。素裳自身が、オットーに対するこの想いは恋なのか友情なのか判別できていなさそうなところが……もう素晴らしい。

 やっぱり、神州折剣録は「武侠ビジュアルノベル」という世にも珍しいジャンルのビジュアルノベルとして、普通に面白いと思います。ネゲントロピーとは別の意味で、これ1本でパッケージ化できてしまいそう。

 まぁ、続きがないことを除けば。
 
3rd運営、お前ら何しちょる?
 これはシンプルに怠慢よな?

 わかるよ、ソシャゲでは「国ごとに実装順がズレる」なんてことはよくある。だけどそもそも続きがねェとはどういうことだァーーー!? 
 最初から畳み切れない可能性のあるコンテンツだと分かっているのならある程度ボリューム感を考えて実装すりゃあいい話なんじゃねェのか~~~!? ナメやがってこの運営、超イラつくぜぇ~~~~~ッ!!!

 ……などと、心の中のギアッチョに叫ばせても仕方がないので、気長に待ちます。神州折剣録の完結、待ってるからね!

よくないものを見せられてる感がすごい


不朽なる刃(25章幕間)

 「わあ~不滅のスターアンカーかっこいいなぁ~!」などと、のんきにプレイしていたけど…………薄々気づいてはいた。

 この25章幕間、まったく意味がわからない。

 ここまでの第二次崩壊編などの「読んでおいた方がいい」各サブコンテンツは、どうにか艦長のみなさまの助け舟があって、事なきを得ていた。しかし、ここでついに激突した。とうとう「明らかに何かしらの必読コンテンツを見落としたままメインを進めてしまった」事件の発生である。

 むしろ、よくここまで何の事件も起きずにプレイすることができたものだ。ただ……いつまでも優しい艦長のみなさまに頼りきりというわけにもいかない。そろそろ第1部もクライマックスを迎えるということで、ここから「見落としたコンテンツ全回収作戦」を始めることにした!!

神州折剣録終わってないのに何食わぬ顔で出てきよる


デュランダル

 はい、唯一取り残していたビジュアルノベル「デュランダル」です。
 全く意味がわからなかった25章幕間を終えて、大きなため息をつき、「しょうがねえなぁ……」と遊び始めたことを今でも鮮明に覚えています。

 もう、ここまでくると「俺こそが崩壊3rdの世話焼き彼女だ」みたいな気持ちになってくる。実際、崩壊3rdはポテンシャルそのものはとんでもないゲームだと思う。すべてのストーリーを完璧に遊ぶことができたら、他のmiHoYoコンテンツなんて敵にもならないかもしれない。

 ただ、とにかく情報があっちこっちに分散している。
 ストーリーの導線が壊滅的すぎる。
 もう、プレイヤーが「崩壊3rdの介護」をしなければならない。

 つまり、私が崩壊3rdくんの世話を焼いてあげないと、コイツはロクに朝早起きして学校に行くこともできないのである。崩壊3rdくんは期末テストや部活の県大会でギリギリまで追い詰められると好成績を残すくせに、日常生活は本当にだらしない。根本的にダメ人間だと思う。

 だから崩壊3rdくんにはあたしがいてあげなきゃダメなのっ!!

 そして今まさに、国立オットー・アポカリプス大学の受験会場に向かった崩壊3rdくん(彼氏)から、私の携帯宛に「あ、悪ぃ……受験票<デュランダル>ビジュアルノベルに置いてきちったw」というクソボケ電話がかかってきて、聖剣片手に受験会場まで猛ダッシュしている。俺が崩壊3rdの彼女だ。

デュランダルさん、ガチパワー系ですよね
普通にリタのオリジンをここで出してくるっていう……

 そしてデュランダル(ビジュアルノベル)をクリアした時点の感想としては、「いい意味でも悪い意味でも崩壊3rdしている」という感じでした。相変わらずビジュアルノベルでリタのような重要キャラの過去を開示してくる面白さはありつつ、かなり複雑かつ難解なストーリーでもある。

 「うーん……お世辞にも面白いコンテンツとは言えないような……なんとかビアンカとリタの関係性で持たせたような……」というのが、正直な感想でした。ただ、ここから先に進めば進むほど重要度が増してくるコンテンツでもあるんですよね。下手したら神州折剣録より全然重要だと思う。

 そういう「あとから効いてくる」面も含めて、ものすごく「崩壊3rdらしさ」が凝縮されたビジュアルノベルだと思いました。そして「FGOやりたい」欲が全面に出すぎてる。お前ら……これをFGOと言い張るのか!?

 あと、何気にここで「実はデュランダルよりリタの方が年上」なことを初めて知りました。初登場時はマジで何の情報もなかったから「立場的にも年齢的にもデュランダルがリタの先輩」だと思っていたんですが、実のところリタの方が年上という………ここは流石にえっちですよね!!


各コンテンツ一気に回収編

 もういちいち区切るのが面倒なので、「各コンテンツ一気に回収編」にまとめました。まず、テレサの「編年史」です。オットーがキモい。以上。

 なんか崩壊3rdを遊んでいると、少しずつオットー・アポカリプスという諸悪の根源にほだされていくというか……「いや、ヤツにもヤツなりの正義があるんですよ」的な擁護をしたくなってくる。ただこの編年史を読むと、やっぱりオットーが救いようのないカスだと再認識できる。

 もう全体的に怪文書なんですよね。これは本当の意味での「怪文書」だから、キッパリ「怪文書」と言い切ってしまっていいと思う。

 特に、「実験体同士で戦わせてみたけど、相手を始末はしなかったからやっぱりカレンの生まれ変わりかも!」→「でも生まれ変わりって科学じゃ説明出来ないよね」→「だからテレサは孫娘にしよう」あたりの話。本当にオットーがキモい。以上です。

『失蔦編』より

 ここらへんで、「読んでいなかった漫画」をザーッと読みました。すいません、具体的にどっからどこまで読んだのかを正確には覚えてないんですが……「異郷編」以外はここでほぼ読んだんじゃないかな?

 その結果として、「カレン・カスラナ周りの話がほぼ漫画に集約されている」事実に気がつく。マジでおかしいだろ…………。さらに、桜の輪廻をプレイした時には意味不明だった八重桜周りの話も「恩返し編」で補強されたりした。悔しい、導線崩壊っぷりに振り回されてるのはこっちなのに。

 なんか……ここまで来ると崩壊3rdには『十三機兵防衛圏』のような楽しみ方もある気がしてきた。時系列も登場人物もバラバラな無数の物語を脳内で繋ぎあげていき、最終的に全体像が浮かび上がってくる。メインストーリー、漫画、ビジュアルノベルは、世界に散らばった石碑のようなもの。

 そして「物語が繋がった時」に発生する、あの独特な快感。
 「カレン・カスラナはこうやって死んだのか」とか「時雨綺羅はこんなことになっていたのか」とか……。結構、「あらゆるコンテンツをしゃぶりつくして、やっと全貌が見えてくる」楽しさはあると思います。

 まぁ、ものすっごいポジティブに考えればですが。

八重神子の編集長ネタってここから来てたりするんですかね?


アポカリプスはこう語った(26~28章)

 大体のコンテンツをやっつけたところで、いよいよ「アポカリプスはこう語った」が開幕。真っ先に驚いたのは……「フォーマットが限りなく原神やスタレの“アレ”に近づいている」ということ。宝箱もある。ステージは広い。おい、マジで「miHoYoのいつものアレ」では!?

 どうやら時系列的に、26章実装時にはとっくに原神のサービスが開始していて、あっちから逆輸入的に取り入れた経験値もあるとかないとか……。

 ここまでの崩壊3rdは、まだ「ステージ型アクション」の枠に収まってはいた。しかし、ここら辺から徐々に「ステージ型アクション」の殻を破り始める。今思い返してみると、26章はその第一歩だったような気もします。

 そして26~28章は……まぁ「オットー無双」ですよね。

 ここまでの崩壊3rdの物語を引っ張ってきたのもオットーだし、崩壊3rdの大体の元凶はオットーだし、登場人物の大半がオットーのせいでヒドイ目に遭ってるし、ごく一部の人間は救われていたりする。ある意味、主人公のキアナ以上に「崩壊3rdを背負ってきたキャラ」と言えるのではないか。

 なんか私も、「オットー・アポカリプス単体が好き」を通り越して、「オットー・アポカリプスを取り巻く人間と運命が好き」みたいなフェーズに入ってきました。どういうフェーズ? ケビンもそうですけど、崩壊3rdって「敵役」を立てるのがめちゃ上手いですよね。ここは本当にずば抜けてる。

 だから、やっぱり私は「オットーにもオットーなりの正義がある」と思ってしまうし、どんなにクズだとわかっていてもそれなりに肩を持ちたくなる。オットーだって、失ってしまった最愛の人を救うために、「この完璧じゃない世界を望み通りに変える」使命を背負っているのだから……

オットーひとりで崩壊3rdのテーマ背負いすぎなんよ

 ショタオットー、迫真のCV緒方恵美。

 はい、もう完全にエヴァエヴァの実の全身エヴァンゲリオン人間ですね。「幼少期は緒方恵美の声帯を持ち、青年期は石田彰の声帯を持つ」とか、コイツマジで世界に愛されすぎなんだよ。世界には愛されてしまった男です。

 この時は「緒方恵美呼んだくらいだし、もしかしてショタオットーでなんかコンテンツ作る気なのか……?」とか邪推したりしましたけど、本気で全身エヴァンゲリオン人間になりたいがための一発ネタだったのがさらに面白い。わかった、もうお前らで勝手にネオンジェネシスしてなさい。

 そして始まるオットー戦。こいつら、「崩壊3rdは美少女ゲームなので美少女しか実装できません」の壁をとうとうボス戦で破壊してきました。

 なんか、ここまで来るとmiHoYoのオタク共の脳内に浮かんだ「碇ゲンドウやりてえなぁ……」「でもシンジくんもやっときてえなぁ……」「あとギルガメッシュもやりてえよなぁ……」を闇鍋に突っ込んで合体事故で生まれてきた怪物って感じがしますね。もうどの原型も残ってねえよ!

 ただ、そういう意味ではオットー・アポカリプスこそ「贋作から生まれた真作」と言える存在なのかもしれない。間違いなく、この男は『崩壊3rd』というゲームでなければ生まれなかった存在だと思います。

 微妙にオットーから話が逸れるんですが……みなさん、ここに来るまでに「本物キアナ・カスラナ=デュランダル」なことに気がついてましたか?

 私は持ち前の鈍感さを発揮し、微塵も気がついていませんでした。だから、ここの回想シーンでジークフリートの娘の声がCV能登麻美子で流れた瞬間、リアルに口を押えて「エッッッッッ!?!?!?」と声を出しました。夜中なのに。賃貸なのに。マジで、本気で、1ミリも気づきませんでした。

 これを知った時、普通に頭を抱えましたよね。
 真実の意外さもあるけど、これに全く気づかなかった自分の鈍感さにも頭を抱えましたよね。「衝撃」の度合いで言えば、ここが崩壊3rdイチかも。

 しかも、この衝撃的な事実を告げられてもなお「天命最強の戦乙女」としての在り方に揺らぎがなくて、ビアンカ・デュランダル・アタジナという人間は、正真正銘の「英雄」なのだと思わされる。つまり、「本物のカスラナの血統」だと思わされるし、「救世」の一族なんだよね……みたいな。

デュラ娘プリティーダービー始まったわ

 そして、500年の生涯の最期へ。
 やっぱり、崩壊3rdはオットー・アポカリプスのプリンの底に溜まったカラメルくらい僅かな善性をすすっている時が一番楽しいです。

 そこからショートアニメ「アポカリプスはこう語った」を見終えた時の、あの不思議な爽快感。もう「カレン、生きるんだ……」に対して、「言えたじゃねえか」「そりゃそうでしょ」しか言えない。間違いなく、オットーはオットーにとっての「美しい世界」を掴み取ったのだ。

 「その少年は、一生分の救いを得たのだ。」

 傍から見れば、「みんなに憎まれる悪役が悲願を成就しました」という、明らかにハッピーではないエンディング。だけど私にとってそれは、幸せな終わりに見えた。もう完全に、「崩壊3rd ~完~」になってしまった。

 「オットー・アポカリプスのいない崩壊3rd」は、果たして本当に崩壊3rdだと言えるのだろうか? いや、言えないんじゃないか。そう思う。だから、崩壊3rdはここで一度終わり<Ends>、そして始まる<then begins>。

太虚剣派ワイ、無事死亡


古の楽園 PART3

 崩壊3rdが……崩壊3rdがちゃんと導線を用意してる!?

 ということで、あんなに長かった「古の楽園」もこれで終わりです。そしてPART3まで来て、ようやく「十三英傑が全員揃う」ところまで話が進むという……miHoYoは本当にイカレていると思います。正気の沙汰じゃない。

 あんなに必死こいて回し続けた表層序列も深層序列も、ほとんど「全員揃うまでの前座」と言っても過言ではない。考えれば考えるほど、開発チームはよく古の楽園にGOサインを出したと思う。私が崩壊3rdに何か賞を送れるなら、「古の楽園を発進させた判断がすごいで賞」を授与させたい。

 あと、何気にPART1でケビン・華・サクラあたりの「ここまで遊んでいたらなんとなく知っているキャラ」を登場させ、PART2~PART3でアポニア・ヴィルヴィ・コズマ・グレーシュといった完全新規キャラを投入してくるところが「一応見せ方はちゃんと考えてる」感じがして好きです。

私の十三英傑最推しです

 そして、「かわいさ」で言えばコズマがぶっちぎっていると思います。
 そうだ、せっかく十三英傑も揃ったことですし、「この時点」での十三英傑ランキングでも作りましょうか。完全に独断と偏見の順位です。

最推し:
缶ちゃん

最高:
ケビン エリシア エデン スウ 千劫 コズマ

好き:
サクラ メビウス 華 パルドフェリス

まあまあ:
アポニア ヴィルヴィ グレーシュ

 こんな感じです。
 割と順当かも。

 ……で、もう古の楽園をクリアした時は、「なっげ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」以外の感情を失いました。さすがに長すぎる。よく頑張った。よく折れなかった。偉いぞ俺。本当に偉い。

 こんなに長いから、流石に英傑のみんなに「親しみ」が湧いてくる。もはや推しとかではなく、「3年間も同じクラスだったらそら全員の顔ぐらい覚えるわ」くらいの物量作戦による、「親しみの植え付け」な気がする。

 原神やスタレのテキスト系コンテンツを読み漁っている時にも「この会社のゲームはやたらと長文テキストをぶっこんでくるな……」と思っていましたが、マジでmiHoYoの長文癖の究極みたいなコンテンツでしたね。

 では、「好きな追憶の皿コーナー」もこれで最後にしましょう。
 ケビンの「願望」という、いつかのお誕生日パーティーのお話です。

 光が消え、賑やかな声も遠くなっていく。まるでその二つの間に、不思議な繋がりがあるようだ。暗闇が徐々に世界を包み込み、灯りをつけてくれる人はもういない。

 やがて、男の目は暗闇に慣れていく。
 ぼやけた世界で、なんとか透明なガラスが見えた。単調な機械の音が聞こえる。それ以外、何もない。

 「……」

 休眠装置は徐々に沈み、暗闇と静寂が全てを包み込む。
 孤独な光が一つだけある。男の最後の夢、夢の中にいる人すべてを連れて、どんどん遠くなっていく。

 メイ。
 サクラ。
 ディストピア。
 メビウス。
 コズマ。
 アポニア。
 痕。
 それから……エリシア。

 光が消えた。
 全ての名前と、
 あの日の願いと共に。

 私、結構「終わりが存在しないもの」に耐えられないんです。
 物事には必ず終点が定められているべきで、その終わりが見えている限り、人々は進み続けられる。だから、この世にある物語は美しい。終わりがあるから、すべてのものは輝いて見えるのだと思います。

 古の楽園は、始まりに「終わり」がありました。
 これが一冊の本だとしたら、1ページ目に「おしまい」と綴られているようなお話でした。だから、美しかった。「おしまい」に向かうまでの人々の軌跡が、夢が、人生が、とても綺麗に見えたのだと思いました。

 すべての人が生を謳歌し、すべての人が「おしまい」を迎えた世界。
 それを記録した「古の楽園」という、一冊の本。
 この理想郷は、この終わりは、きっと心に残り続けると思います。


無瑕の少女へ(29章)

 そして始まる「永久の楽園編」。ここで宣言しておこうと思うのですが、私はすべての崩壊3rdコンテンツの中で29~31章がぶっちぎりで一番好きです。だから、ここからちょっとテンションがおかしいかもしれません。

 しかも……マップもUIもめちゃくちゃ進化している。
 てか、このリアルタイムで会話させる見せ方といい、「原神のフォーマット」が完全に崩壊3rd上で成立してる技術力がおかしい。

 もう純粋な「進化」を叩きつけられてしまって、「よく……よくあのスターフォックスみたいなウィンドウ会話をしてた頃からここまで辿り着いた!!」と、チームを優勝に導いたコーチのような泣き方をしそうになってくる。長期間続いたタイトルは、「技術の進化」にグッと来ちゃう。

毎回UI変えたがるクセもここまで来るとすごい

 やっぱり……「古の楽園」はシンプルな存在意義として、「ただ十三英傑が生きていた時代を記録する装置」でしかないのがいいんですよね。あくまでこれは記録媒体でしかなく、「古の楽園を訪れた人間が何を持ち帰るか」が重要になっている。

 つまり、「十三英傑の時代を見届けた人が、何を持ち帰るか」が大切だったりする。そしてこれは、「物語」という創作物のあり方と同じだと思います。兄妹を探して世界中を股にかける冒険譚も、列車に乗って宇宙を駆けるスペースオペラも、極論「出来事を記録した媒体」でしかない。

 だけど、人はそこに意味を見出したり、勝手に救われたりする。ただ「物語」として存在しているものに、人間は何かを発見することができる。
 「古の楽園」をどう思うかも、十三英傑の物語をどう感じるかも、ここを訪れた人間に委ねられている。この「誰かが意味を見出すお話」という在り方こそが、「あなたのためにある物語」ということなんじゃないかと思う。

数年間バスケをしていただけで世界の命運を背負ってしまった男

 そして、エリシア死亡。

 「許さんぞ……よくも妾をコケにしてくれたな!殺してやる……」
 「くっ!」
 「ヤバいぜケビン!!」
 「大変そうね、アナタたち♫」
 「殺してやるぞエリシア」

 ……みたいな勢いで死ぬからちょっと面白い。

 この導入から「孤島のエリシア殺人事件」が始まるのすごすぎますよね。古の楽園であれだけの文量を叩きつけてから開始されるのが、まさかの「ミステリー」という。申し訳ないけど、今までで一番シナリオが面白い。

 しかも、この時点で「いつもの崩壊3rdじゃない面白さ」を出してきてるんですよね。良くも悪くもストレートな感動で殴るのが崩壊3rdの常套戦術なのに、永久の楽園編は相当トリッキーな面白さだと思います。

 正直古の楽園に対して「面白い……面白いがあまりにも長すぎてかけた時間の割にそこまで圧倒的に面白いかというと……」みたいな複雑な気持ちが湧いてきたところにこれをぶっこまれて、「ヘェ?ここからが本番なんだ?」と腕組みモードになりました。本当にちょろい。

「妖精のタイプライターは事実だけを客観的に記録する」がここで回収されるの最高


英雄たちの葬式(30章)

パルド退場が一番「あ、これガチのやつ?」感あったかも

 古の楽園でこれでもかと「十三英傑のバラバラっぷり」を見せつけられてから、永久の楽園編で「エリシアが死んだこと」を理由にみんながちょっとずつ一致団結していくこのくだり………めちゃくちゃいいですよね。

 十三英傑の中におけるエリシアが「クラスの中で一番うるさいけど、だからこそ急に欠席すると一番心配になるムードメーカー」枠なのが……本当に……本当に嬉しすぎるッ…………。

 俺は見たことがあるんだ、高校生の十三英傑が学園祭でメイド喫茶やることになったはいいけど最初は半分も準備に参加してくれなくて、エリシアがひとりで音頭取っていろいろ準備してたら1週間前に風邪で倒れて仕方なく残り12人が真面目にメイド喫茶の準備を始める回を……。ちなみにこれ、メイド服を着るのはケビンと千劫です。エデンとサクラは執事服かな…………。

千劫は本物の「ヒーロー」だよ……

 次々と英傑たちが倒されていく中、残ったメンバーで協力して侵食の律者に立ち向かう……うーん、「みんなでそれなりに協力してるだけ」でエモさが出てくるのだから十三英傑ってズルい。

 しかもこのふたり、画面映えしますよね。
 なんとなく雷電族とサクラって相性がいい気がします。もし崩壊3rdの次のタイトルがオープンワールドになって、もしそこで和風の国が登場して、もしそこの重要キャラクターが雷属性と狐のキャラクターになるとしたら、またこのふたりが一緒になるのでは……? 

 何気に、古の楽園後半と29章あたりから芽衣先輩の声が流れなくなったことに対して、即座に「もしかして……沢城みゆきの産休<漆黒のヴィランズ>?」と納得できたのは、我ながら光の戦士をやっていたおかげで身についた謎スキルだと思います。

うーん、これは崩壊3rdの次のタイトルで相棒関係になってもおかしくないのでは……?


エリシアのために(31章)

 止まらん、動悸が。
 動悸が止まらんのよ。

 31章に突入し、さらに英傑が散っていく。メビウス博士、グレーシュとコズマ、華……各々が思いを託してく中で、ケビンとスウは相変わらず脳破壊しかしてこない。この辺で、いくら何でもあざとすぎる展開に遭遇した時の「これ同人誌?」が久しぶりに出ました。

 ここからの展開は、まさに古の楽園~30章で並べ続けてきたドミノを倒している瞬間。そしてプレイヤーにとっても、「前時代の終焉」の追体験でもある。こんなの、面白くないわけがない。「僕がキミの剣になる(cv櫻井孝宏)」は、本当にありがとうmiHoYoとしか言えない。

もうやめろーーーーーーーーーーッッッッッッッ

 ここ、崩壊3rdで一番好きなシーンです。
 正真正銘、すべてのコンテンツの中で一番好きなシーンです。これを上回るシーンは、未来永劫出ないんじゃないかと思うくらい……一番好きなシーンです。そして、一番泣いたシーンです。

「でも、最後に一つお願いがあるの。
 あなたがずっと教えてくれなかった質問の答え……」
「どうしても知りたいの━━
 ケビン、あなたが涙を流したら、それは氷になるの?」

「あら……。聞いてみただけだから、
 本当に泣かないでよ……もっと男の子らしくして、ね?」
「でも、ありがとう。今……その答えが分かったわ。
 見て、本当に氷になってる……けど、暖かい。」

 ケビンって、どこまで行っても「ヒーロー」だと思います。
 そしてどこまで行っても、「不器用な男の子」なのだと思います。

 あのケビンだって、泣いたりする。というかケビンは、意外とよく泣いてる。こういう、「大人の男がここぞで感極まってしまった」シーンに……本当に弱い。ケビンが泣くならみんな泣いていいと思う。

 これまで割とエリシアには塩対応だった(ように見えた)ケビンが、最後の最後に感情を吐き出した。ケビンも、彼女のことを愛していた。だってコイツ律義にパーティー参加してるんだよ! お前……お前さーーー!!

 やっぱり、「ラスボスであると同時に主人公」だと思います。

 そしてとうとう登場、「人の律者」。

 当時はこの瞬間にケビンが来ていたのかと思うと……あの……マジでしんどすぎ…………。エリシアは人を信じているから、みんなもエリシアを信じている。そしてエリシアは人を愛しているから、みんなもエリシアを愛している。もう十三英傑みんな大好きだよ。

 私は崩壊3rdの「明日への旅路」というメインテーマがめちゃくちゃ好きなのですが……人の律者が生まれた理由として、「あたしたちの何気ない日常が、確かにかつてない物語を生み出した」と語られているのが……「この美しい世界があったから」と言われているのが……あまりにも……………。

 そしてずっと引っ張られ続けていた「なぜ現代の律者は人間の味方をするのか」という疑問が、「人の律者(エリシア)の性質を受け継いでいるから」と明かされるのも……あの……本当にエリシアが繋いだ「明日への旅路」じゃないですかという…………アカンマジで書いてて泣きそうになってきた。

ここでエリシアの回想入れてくるセンスよ

 エリシアとのラストバトル……なんかもう全部の演出に「文脈」が乗ってて……十三英傑の力がひとりずつ芽衣のところに来るのも……全部良すぎる……。やっぱり「崩壊3rdのバトル演出」で言うと、17章の雷の律者戦がひとつの到達点だったと思います。でも、エリシア戦は完全に超えてきた。

 まぁここまで読んでて「崩壊3rd微塵も知りません!」なんて奇特な方は流石にゼロだと思うのですが、エリシア戦の演出だけは、どうかゲーム本編を遊んで自分の目で確かめてほしい。すごすぎるから。

 そしてこの戦いが終わっても、31章は全然終わってないのがヤバい。
 「崩壊3rdは二度刺す」みたいなこと言ったけど、もう1000回ぐらい刺されてハチの巣になってる感じ。正真正銘、エリシアとの最後のデートが始まります。この辺で、完全にプレイヤー(俺)と芽衣先輩が一心同体になる。

「芽衣……どうして泣いてるの?」

「今後、久しぶりに着た服のポケットから小銭が出てきたり、自販機で飲み物が一本多く出て来たりした時は……私の幸運が効いてるってことだよ!」

空夢の英傑、パルドフェリス

「芽衣さん、あなたが話していた『委員長』のことを少し理解できました。彼女のことを……その時の『私』の気持ちを理解できました。未来の私を助けてくれて、ありがとうございます。」

浮生の英傑、華

「私も、星も、ずっと芽衣お姉ちゃんを見てる。私たちは星になって、芽衣お姉ちゃんを見守るから。だから、ずっと一緒だよ。」

群星の英傑、グレーシュ

「だから……ここを出たらちゃんと頑張りなさい、ラットさん。
 このメビウスの期待を裏切らないようにね。」

無限の英傑、メビウス

「あんたは俺たちよりずっと遠くへ行ける。俺たちが越えられなかったものに勝てる。だから、どうか元気で。」

旭光の英傑、コズマ

「共に肩を並べて戦えたことを光栄に思っておる。
 汝の━━健闘を祈っておるぞ。」

刹那の英傑、サクラ

 「物語に救われる」って……そんなに大層なことじゃないと思います。
 たとえば「生きる希望をもらった」とか、そんなに激しくドラマ性がなくたって、「物語に助けられた」と言ってもいいといいと思うのです。それこそ現実での生活の中、ふと「思い出す」くらいでもいい。

 服のポケットから小銭が出てきた時、パルドフェリスのことを思い出したり。ふと見上げた夜空に星が輝いていたら、グレーシュのことを思い出したり。いつか挫けそうな時にコズマの言葉を思い出したり……そんなことで、十分だと思う。それはもう「物語に救われた」と言ってもいいと思います。

 そんな些細なことに、一見無意味に見えるものに、私たちは愛されている。いつか背中を押してくれる物語の欠片で、世界は彩られていく。英傑たちは本当に存在していて、抗って、必死に生きていた。これが幕引きだったとしても、彼らの物語はキラキラと輝いていた。だから、「いつか思い出す時」のために、あらゆる希望と未来を託した十三英傑のことを忘れない。

 あの~~~~~~~~~~正しく「涙腺崩壊」ってやつですよね。

 流石に陳腐化しまくった言葉だけど、もうここだけは「涙腺崩壊」のタグをつけたい。ズルすぎる。実際プレイしてる時、この辺で既に涙をぬぐうティッシュの塊が野球ボールみたいな大きさになってました。

「君、それから君たちは、いずれ自分の道を見つけるはずだ。」

天慧の英傑、スウ

「もういい。『行け』。」

塵滅の英傑、千劫

「やあ、芽衣さん、サプライズだよ!実は君の頭の中にバックドアを残しておいたんだ!ここを出たら探してみて!」
「戯言を。私が残したバックドアは、私以外誰も気付けない。」
「はぁ……自分自身と喧嘩するという状況が君にはないことを願ってるよ。じゃあ……さよなら。」

螺旋の英傑、ヴィルヴィ

「文明が、星のように続きますように。
 世界が、黄金のように輝きますように。」

黄金の英傑、エデン

「古の楽園は私が予見した結末、破滅と暗闇を迎えた。
 でも、こんな形で実現して、私はとても嬉しい。
 だから、どうか運命を振り切って、芽衣……」

戒律の英傑、アポニア

「胸を張って未来と向き合うんだ、雷の律者。
 自分を信じていいと、君は知っているはずだから。」

救世の英傑、ケビン

「ここに来てくれて、あたしたちと出会って、話してくれてありがとう。」
「あたしたちの名前を覚えて、
 あたしたちの物語に耳を傾けてくれてありがとう。」

真我の英傑、エリシア

 終わるな…………終わるなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 終わるなよ……まだ英傑のみんなと一緒にいたいでしょうよ……これでお別れとかないでしょうよ!!! まだ卒業したくないよーーー!!!!!

 そしてここで「いやだ……」を選び続けて……………

 これが出てくるという。

 ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッ(男泣き)

 これを見た時、漠然と「崩壊3rdを遊んで本当に良かった」と思いました。そう、ここで記事のタイトル回収です。「崩壊3rdを遊んで本当に良かった」は、ここのことです。このシーンのために遊んでいたとすら思えた。

 だからある意味、私の崩壊3rdはここが「クライマックス」だったし、この記事もここで「クライマックス」です。崩壊3rdは31章こそが至高です。だいぶ強火発言かもしれませんが、こればっかりは誰にも譲りません。

 「なぜ31章が一番好きなのか?」……それはもうシンプルに、「作品と現実の壁を超えて、プレイヤーに語りかけてきた」ところです。「人と物語」の話を描き切り、最後に「忘れないでね」と、優しく背中を押してくれる。私はこの物語を見終えた時、一生分の救いを得た。それだけは、譲れない。

 だから自分の尽くせる最大の褒め言葉は、「31章は漆黒のヴィランズ・妖精円卓領域アヴァロンルフェ・エデン条約編と同じ棚に入りました」になります。逆に、これ以上の褒め言葉が浮かんできません。「ストーリーを描く運営型ゲーム」として、間違いなくひとつの「到達点」だと思います。

 そしてリアルプレイ時にはもう「泣きすぎて疲れる」という未知の領域に突入し、「あぁ、今日はもうこのまま素敵な気持ちで寝たい……」と、そのままベッドに入ったのでした。今日は、きっといい夢が見られる。

 で、31章が全く終わっていなかったことに翌日気づきました。
 
アホなん?

 ショートアニメ「あなたのためにある物語」……なんかもう、シンプルに映像がすごすぎて「いやmiHoYoヤベえな」以外の感想がなくなります。画面の比率チェンジ演出とか、よく思いつくよね。miHoYoが本腰を入れて1クール分のアニメを作り始めたら世界が変わってしまうのでは……?

 あと、ついにここで「十三英傑が揃う」という……しかも、「エリシアのために」一致団結するんですよね。お前ら、仲良しか!? 仲良し救世サークルか!? 絶対LINEグループとか持ってるよね!? 絶対みんなで毎年誕生日祝い合ってるよね!? ウオオオオオオオオオオオオ(男泣き)

 だからこのショートアニメ、どちらかというと「同窓会」的な趣が強いですよね。完全にプレイヤー(芽衣先輩)に向けていた31章ラストとは違い、「あの伝説のバンドが10年ぶりに揃った」と観客全員に向けたファイナルライブみたいな内容だと思います。そしてエリシアの卒業公演でもある。

とうとうEDが流れ出すのすごすぎ

 31章、完。

 いやぁ……あんなに長かった崩壊3rdも、終わってみれば良い思い出しかない……最高のゲームだった……崩壊3rdありがとう……すべての艦長にありがとう……焼鳥の兄ちゃんありがとう…………って、崩壊3rd全然終わってねえよ!

 ただ、自分の中では本当に「崩壊3rd ~完~」と言ってもいい脱力感でした。ある意味、自分はここで燃え尽きたのだと思います。「これからは『あなた』の物語なのよ」というエリシアの一言を以て、「あなたのためにある物語」は、完璧な終わりを迎えた。いい物語を、ありがとう。

 少し前、「ゲームで泣くことってあります?」という話になった。その時、「えっ、ゲームで泣くのって少数派なの……?」と一瞬不安になったりした。でも31章をクリアして、「私はこれからもゴリゴリにゲームで泣く派だな」と、開き直れました。私、これからもいいゲームで泣きます。

 心から泣かせてくれて、本当にありがとうございました。

エリシアのメイク教室も見ました。あなたメイク要る?

 31章が完全に終わってしまった心の穴を埋めるために、現パロアニメこと「黄金の楽園」を見たりしました。やっぱり正気のコンテンツじゃない。流石に「miHoYoの兄ちゃんたち、嘘だよな……?」しか言えなくなる。

 でも……余計に英傑のみんなとお別れしたのが寂しくなりました。
 そうだ、ちょっと前にやった「好きな英傑ランキング」をもう一度やりましょう。今回は「31章を終えてから」の順位になります。

最推し:
缶ちゃん

みんな大好きだ😭😭😭:
ケビン エリシア アポニア エデン ヴィルヴィ 千劫 スウ サクラ コズマ メビウス グレーシュ 華 パルドフェリス

 みんな……英傑みんな大好きだーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

私服千劫に惚れそうになるのが悔しい



世界の果て(32章)

 この記事、本当にいつ終わるんだろう?
 あの……みなさん飽きてきたら適当に読むのやめてもいいですからね。明らかに常軌を逸した長さなので。好きなアニメとか始まってたら、全然そっちを優先してください。暇な時にでも、適当に読んでください。

 そして、いよいよ第一部の最終章に突入しました。
 毎回同じことを言っているかもしれないけど、いよいよこれは最新ソーシャルゲームなんじゃないか。いや、崩壊3rdは十分最新ソーシャルゲームなんだけど……月面ステージ本当にすごいよね。崩壊3rdはようやっとる。

 ……で、この最終章にどうしてもいいたいことがある。
 いや、「最終章」というより、この「崩壊3rd」というゲームに言いたいことがある。ここまでずっと言っていなかったことが、たったひとつある。

 崩壊3rd、ストーリー難解すぎ!!!

 とにかくストーリーが難しい。世界観が複雑かつ難解。「虚数の樹」もわからねぇ、「量子の海」もわからねぇ、「虚数くりこみ」とは何者だ。真面目に話を聞いていると、真顔の猫が脳内で「ハァ?」と言い始める。

 そして「完全に突き放そうとしているわけでもない」のが、さらに厄介。たとえば、上のシュレーディンガー博士のように、「理解しやすいように話すと~」という比喩表現を挟んでくれたりする。崩壊3rdの困ったところは、この「わかりやすく説明すると~」すら意味がわからないところだ。

 ……で、この「難解さ」は、最終章でいよいよマックスに到達していると思う。崩壊3rdの最終章は、盛り上がりも難解さもクライマックスだ。

 本当に申し訳ないけれど、おそらくこの月面での話を私は2割も理解していないと思う。ソシャゲのストーリーを読んでいて、物理の授業を聞いている時と同じタイプの眠気に襲われたのは初めてだった。この時ばっかりは、崩壊3rdが舌をベロベロしながら高速でしゃべっているヤギに見えた。

もしかしたら俺しか気づいてないのかもしれないけど、
キアナ・カスラナって美少女だよな……

 ただ、物理の授業ばりに寝落ちしそうになりながら、「ここまで崩壊3rdについてこれた理由」も、ひとつあったりする。

 それは、「メインストーリーを読むだけ」なら、極論手持ちキャラを全く育てなくても楽々と進行できてしまうところ。一応運営型タイトルなのに、ストーリーを楽しみたいだけなら全くガチャを引かなくてもいい。全く手持ちを育てなくてもいい。貸出キャラが強いから。ここ結構すごくない?

 だから、ある意味「一気に遊ぶこと」に向いているゲームだと思います。「手持ちは育てなくてもいい敷居の低さ」+「毎回システムを変えてくる飽きの来なさ」が合わさり、ソシャゲと思えぬスピードで遊び尽くしてしまった。「スキマ時間に遊べる大作ゲーム」という、不思議なタイトルです。

 崩壊3rd……多分追いつくだけなら相当楽ですよね?

現代だとケビンの仲間が華しかいないの普通にしんどすぎ

 キターーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

 やっぱり……やっぱりキア芽衣なんだよね。
 リアルに再会するまで3年かかってるってマジ?

 vs千人律者のあたりで「ウチら、離れ離れになってもズッ友だよ👊」みたいな空気出し始めた時は正直「茶番か?」とか思わなくもなかったんですけど、こうやって再会すると問答無用でテンション上がっちゃいますね。

 そして「キアナと芽衣先輩の道がとうとう交わった」こと自体に、卒業シーズンの寂しさを感じてしまいます。みんなすっかり大人になって……崩壊3rd……本当に終わっちまうんだな………とか感慨に浸っていると、隙あらば後ろに立っているエリシアが古の楽園バズーカでこっちを丸焦げにしてくる。

 最終章って、全体的にこんな感じだった気がする。

「「「「「私がキアナちゃんを吹っ飛ばした時にできたもの」」」」」


月の起源と終焉(33~34章)

 ここで、私が一番好きな律者こと「理の律者」の話をしましょう。

 まず、「構造を把握した物体を生成できる」という能力がカッコいい。しかも、本当に構造を把握する必要があるから律者の戦闘力がそのまま使用者の力量に左右されるピーキーっぷりもいい。しかも、スマートブレイン製のドライバーくらい使用者が多い。律者の中で一番ロマンを感じる。

 さらに、「第一律者」が、「文明」を象徴する律者なのもいい。
 根本的に理の律者の能力は「人間の文明」がなければ成立しないし、人の文明が発展すればするほど力を増していく。力の根源が、そのまま「人間が積み上げてきた歴史」とイコールになっている。

 この辺はエリシア真実を知るまで「なんとなくエモい設定だなぁ」くらいに思っていたけど、「文明」を象徴する第一律者の前が、「人間」を象徴する第零律者だと思うと……もう存在自体に文脈が乗りまくってる。miHoYo、一体どこからどこまで最初に考えていたんだ!? どこまでライブ感だ!?

 とにかく、理の律者は「ロマン」だと思います。ある意味、「人が作る明日」という崩壊3rdのメインテーマを一番象徴している気がします。

泣くやつ

 いやだいぶ泣く!!!!!!!!!!!!!!!

 「ジークフリートが帰ってくる」って……もうこれ本気で崩壊3rd畳む気じゃないかよ! 終わっちまう……本当に崩壊3rdが終わっちまうよ……でもキアナとデュラさんよかったね!! 最初に「このゲーム暗すぎる」とか言いましたけど、この明るい絵が出てくるくらいには……遠くまで来たよね。

「テレサの言う通り、大人になったんだな」
「しばらくの間、世界中で一番幸せな父親で居させてくれ。」

 崩壊3rd、世界一幸せなゲームか?

 この辺のジークフリートのセリフ……本当に「崩壊3rdがこれまで積み上げてきたもの」を全部燃料にしている感じがします。31章では「古の楽園終わるなー!」状態になりましたけど、ここにきて「崩壊3rd終わるなー!!」モードが始まりました。崩壊3rd……終わらないでくれ!!

 ジークフリートがよく言っていた「カスラナ家の人間はどんな代価を払ってでも最愛の人を守り抜く」を、ここでキアナとデュランダルが実行するのが本当に……しかもこれって先祖まで遡ってケビンにまで刺さってて………カスラナ家って、本当に罪な一族よね(後方雷電顔)。

こいつらマジでスメールでもピノコニーでも同じ話してるよね?

 芽衣先輩、未だにキャバクラから足を洗えていなかった。

 そして帰ってきた十三英傑……というわけではないのが、結構好きなところです。なんか崩壊3rdの「出汁が枯れるまでエモを絞り続ける」スタイルだと、シレっと十三英傑を生き返らせたりしそうなのに、この辺はしっかりラインを引いてくれている。当たり前だよなぁ?(後方雷電顔)

 崩壊3rdに限らず、紆余曲折しつつも長年の「積み重ね」が行われてきた運営型のゲームって、後半に行けば行くほどスタックした文脈が大きすぎて「一見どうでもいい些細なセリフにドラマが生まれている」状態になるんですよね。そして崩壊3rdは、もうとっくにその領域に突入していました。

 もう、キャラの一言一句にドラマが乗っている。
 気が遠くなるような積み重ねの果てに、無限のドラマが生まれてきた。

「ずっと覚えてるって、伝えたかったの。」

起源の律者、雷電芽衣

 ほんでやっぱりエヴァンゲリオンやないかーーーい!!!

 最初はエヴァとベヨネッタのフォロワーから始まり、オープンワールドのプロト原神を作ってみたりして、途中でパンツァードラグーンだかドラッグオンドラグーンだかわからないシューティングを出したり、ビジュアルノベルとか漫画とか公式アニメとか作って、おまけにニーアっぽいこともして、でもでもやっぱり核の「エヴァンゲリオン」だけ全くブレてない。

 この集大成が、最終的に『崩壊3rd』としか形容できないゲームになっている。「崩壊3rdって、たとえるなら何?」と言われると、最終的には「崩壊3rdです」としか言えない。崩壊3rdとしか表現できない化け物です。


そして、明日へ(35章)

 最初にガチャで引いた人、やっと会えたぜ!!
 なにこの超ロング伏線回収。

 そしてここに来るまでずっと黙っていようと思ったのですが……私、「終焉の律者」の戦乙女装甲物語が、崩壊3rd内のあらゆるテキストの中で一番好きなんです。まだ9章にも入っていない頃、このテキストを読みました。

 旅立つ時が来た。
 一面の雪原の中、幼い少女はカバンを背負い歩き始める。

 この旅路にどんな危険が潜んでいるか、彼女は未だ知らない。
 少女の秘密が、いずれ世界を巻き込む大波を引き起こすことなど、尚更考えたこともない。彼女はただただ小屋のドアを閉め、真摯な願いを無言でカバンに詰め込み、出会いと再会を夢見る。

 先の知れない旅。
 希望を追い求める旅。
 白髪の少女は明日に向かって、そっと声をかける。

終焉の律者 戦乙女物語

 これを読んだ時、不思議と「崩壊3rdを最後までやってみよう」と思いました。キアナのストーリーなんて知らない。意味も分からない。だけど、不思議と心を掴まれた。自分が美しいと感じるものを、完璧に見せられてしまった。要は、このテキストだけで、崩壊3rdにときめいてしまった。

 先の知れない旅の果て、ようやくここに辿り着いた。
 私にとっての「美しい世界」は、ずっと最初からここにありました。
 だからここまで来れて、本当によかったです。

 立ち上がれ!美しい世界を守るために!!

 これ何???????????????????

 どうやらこれ、当時のイベントでコメントを入力する的な遊びがあったらしい。なるほど、キンハ3ってわけですか。でもキンハ3よりちゃんとしてて偉いと思う。一瞬「え、これ全部miHoYoが用意したコメント……?」と軽くドン引きしそうになったので、ちゃんとしてて本当に良かった。

 もうゴリゴリの「メタ」ラッシュ。親の顔より見たログイン画面をキアナが登ったり、今更「3人でしか編成できない」ことに理由をつけてきたり、「ログインすると記憶戦場とオープンワールドに誘導してくる」印象が強すぎるAIちゃんがすごい頑張ってたり……もう出し惜しみなしですね。

 しかも、キアナさんが突然俺に話しかけてきたりする。
 え、「俺」って崩壊3rdに干渉していい存在だったんですか!?
 あ、はいワタシが艦長です! 艦長、頑張ります!!

親の顔より見たログイン画面

 いつの間にか「俺の知ってるmiHoYo」っていうか、「シンプルに最新技術のmiHoYo」を見せられて怯えることしかできない。

 ケビンとの最終決戦、ストレートに熱いですよね。
 艦長のみんなが助けてくれるくだり、キンハ3より全然ちゃんとしてると思う。3人合体攻撃も出るし。私はもう「崩壊3rdの彼女」になってるから、「あの1章からここまで頼もしくなって……!」とすすり泣いてしまう。

 キアナの必殺技だって……こんなにカッコよくて……いやこれ深層序列で飽きるほど見てるんやけど……「吠えなさい、倶利伽羅」と「終焉よ、我と共にあれ!」が多分崩壊3rdで一番聞いたセリフなんやけど……………。

めちゃくちゃカッコいい

 ラストバトル、ケビンとのバット対決。
 FF7完全に超えたわ。

 なんなの? なにがお前らをそこまで熱くさせるの?
 どうしてカスラナ家は拳の代わりにバットが出るの?

 狙ったのかはわからないけど、キアナとケビンって「主人公とラスボス」なのに、意外と接点がないんですよね。前者はどっちかっていうと空の律者やオットーが宿敵だったし、後者はどっちかっていうと芽衣先輩との関わりの方が濃い。だけど、バットで殴り合ったらすぐ友達になってる。

 スタレの開拓者が「銀河打者」をやたら推してくるのって……マジでそういうことなんですかね? アイツ、カスラナ家の者か……? 本当か~?

だいぶ泣く

 本当に最後のショートアニメ、「卒業旅行」。

 実のところ、ここまでは割と「いや、僕は31章の方が好きかな……」みたいな態度で遊んでたりしました。だけど、卒業旅行は流石にもう「どっちが好き」とかいう話じゃない。卒業式じゃん、こんなの。終わりたくない。

 なんか、「キアナの落とし方」にグッと来ました。 
 別にこれでみんなと今生の別れになるわけでもないけど、いつでも会えるわけでもない。本当の意味で、「学生時代」が終わりを告げた。クラスいちのムードメーカーがそこそこ良い役所に勤めたような……そんな、寂しさと嬉しさがないまぜになった気持ちです。キアナ、大人になったね。

 あの「ハッピーエンドだけど、どこか寂しい」という独特の空気感が、崩壊3rdが最後に辿り着いた「崩壊3rdらしさ」なんじゃないかと思います。

 崩壊3rd、対戦ありがとうございました!!!!!!!!

 あまりにも、あまりにも長い旅路だった。2ヶ月しか経っていないはずなのに、もう崩壊3rdを5年くらい遊んだような気持ちになっている。そして、「miHoYoのゲームが一区切り行くところまで遊んだ」のも初めてでした。

 だから、「ここまでやるのか!!」という驚きが一番大きかったかもしれません。原神もスタレも、まだ「風呂敷を広げている最中」だから、ここで一度「miHoYoタイトルの終わり」を見届けられたのが、なんだか幸せでした。すごい満足感。大将、もうこれ以上食えねえって。

 もはや感動とかより、「よくぞここまでやりきった!」という称賛の思いでいっぱいです。本当に、よくぞここまでやりきった! 崩壊3rd、無茶苦茶なゲームです!! お前ら無茶苦茶すぎる!!

 当初は「3rd未プレイの俺を煽ってくる艦長を見返してやる」という不純極まりない動機で遊び始めましたが……かえって、「原神とスタレを先に遊んでいた」ことが面白さのひとつになりました。つまり、「miHoYoのルーツを知る」楽しさがすごかった。コイツら昔から変わってねー!

 だから……なんかツンデレみたいになっちゃいますが……艦長のみなさん、最高のゲームをおすすめしてくれて、本当にありがとうございました。

 一度タイトル回収はしちゃいましたけど、もう一度「崩壊3rdを遊んで本当に良かった」と、言わせてください。自分にとっては、「遊び続けているスマホゲーム」ではなく、「最高のゲームとして、棚に飾っておきたいソフト1本」みたいなゲームになりました。



第1.5部 生と死の踊り

砂上の塩雪(36~37章)

 オッスお願いしまーす。
 余韻とかないんか?

 実はこの記事、「とりあえず自分が満足するまで崩壊3rdを遊び尽くす(書く)」というコンセプトで作っています。だから、まだ全然終わってないです。1.5部も行くぞー! みんな、俺と一緒に地獄に堕ちてくれ。

 そしてヴェルトはアニメーターになり、ブローニャはゲームクリエイターになっていた。本当に無茶苦茶なゲームだと思う。自分で言っておいてなんだけど、崩壊3rdに対する「無茶苦茶なゲーム」という評価はかなり的を得ているんじゃないか? 

 第一部が終わったらメインキャラがいつの間にかアニメとゲームを作り始めていたって、もう無茶苦茶なゲームとしか言いようがなくないか。ブローニャに至っては言うて主人公トリオの一角ですからね!?

原神とスタレを作った奴等がこれを言う重み

 なんか……個人的に「スーサナ」が結構好きなんですよね。

 シンプルにかわいいから。崩壊3rdの女性キャラクターって、どうしても「英雄」的なカッコよさな人が多いから、かなり一般人に近いスーサナが一番シンプルにかわいく見えます。あと、衣装もなんかえっちだし……こういう天然っぽい子がえっちな格好してるのが一番いいから……。

 だから、なんていうかこう……崩壊3rdの女性陣にそういう目を向けたことがあんまりなかったんですよね。リタを除いて。キアナや芽衣先輩はもちろん、デュランダルやゼーレもあんまりそういう目で見れない。リタを除いて。だけどスーサナは割とアリかもしれない。「崩壊3rdガチ恋ランキング」を作るなら割とマジにスーサナがトップかも。リタを除いて。

1.5部でちょいちょい出てくる漫画っぽい演出かわいいよね


海と人魚姫(38~39章)

 私、時雨綺羅に対して並々ならぬ複雑な感情を抱いてます。

 そもそも、コイツが1.5部で「みんな、お待たせ!」みたいな顔で出てくることに違和感がある。しかもシレっとプレイアブル化する。「雪狼小隊」とかいう第二次崩壊編でポッと出てきてポッと死んだやつらのことを、どう思えばいい。崩壊3rdのアナイアレイトギャングみたいなもんじゃないのか?

 そのくせ、セントソルトスノー編ではゼーレとスーサナに対して「私こそ天命の大先輩でござい」とでも言わんばかりの先輩ヅラを決めている。ロクに前線に出てこなかったクセに第一部の頃からずっとスタメンでしたみたいな顔しやがって…………。

 ゼーレちゃん、今までずっと時雨綺羅さんに助けてきてもらったこと忘れちゃったの……? キアナが空の律者に勝てたのも、芽衣先輩がヨルムンガンドから帰ってきたのも、侵食の律者を倒せたのも、全部時雨綺羅さんがいたからじゃないか……!

 そもそも、時雨綺羅って存在自体が胡乱だと思うんですよね。
 まず漫画の第二次崩壊編で出てくる。なんやかんやあって不思議な世界に飛ばれて、ビジュアルノベルに出てくる。さらになんやかんやあって不思議な世界に飛ばされて、幕間に出てくる。地下芸人みたいな変遷だよ。

 合間にあったイベントクエストで活躍したらしいけど、私から見ると「リレー小説でどんどんおかしくなっていくキャラ」にしか見えない。かなり崩壊3rdの変な部分の煮凝りみたいなキャラだと思う。なぜ……なぜお前がプレイアブル枠を一枠使っているんだ……。

 ……と思っていたら、39章あたりで時雨綺羅本人が「時雨綺羅の位置エネルギーのなさ」に自覚的なことを暴露してくる。「こいつ先輩キャラみたいな顔してるけど、たまたま第二次崩壊乗り越えて長生きしてるだけの人だよね?」と冷ややかな目を向けていたら、本人の口から「私は第二次崩壊の脱走兵だから!」という言葉が出てきて、もうお通夜ムードである。

 だから、時雨綺羅に「敗残兵の意地」みたいなものを感じてしまった。明らかにドラマなんて残ってない。何度も戦場から逃げ出してきた。一度もメインキャラになれなかった。だったら華々しく散ってやる。

 テメェらに崩壊なんてさせれらなくてもなぁーーー!!
 女の人生はいつだって生きるか死ぬかのデスゲームよーーーーーーっ!!

 ……みたいな女の意地と根性を感じてしまい、時雨綺羅がちょっと好きになりました。結果として、未だに複雑な気持ちを抱いています。

ニグラスまで出てきた辺りの胡乱ゲージの高まりヤバいですよね

「医者に診てもらうべきなのは君だよ、クズが。」

 正直、36~38章あたりは「うーん……あんまり面白くない……」とか思っていたのですが、ヴィタが本性表わしてからようやく「俺の好きな崩壊3rd」が帰ってきた感じがしました。やっぱり3rdはいい感じのクズが出てこないと面白くないですよね。それをヴィタひとりで背負ってんのもすごいけど。

 あまりにもヴィタ(娑)が好みすぎて、「これ!星の運命をひとりで狂わせた女!古の楽園をひとりで作ろうとした女!!自分が見たかった崩壊3rdはよくわからんパラレルワールドの話じゃなくてこういう女の話だちゅてんの!!」と大暴れしそうになった。崩壊3rdはこうじゃないと面白くない。

 なんていうか、ヴィタ(娑)ってケビンとスウの要素を抽出して合体させた感じのキャラですよね。ケビンのやらかしとスウのやらかしを一身に背負った女。ドラクエモンスターズだったら絶対ケビンとスウ配合したらヴィタできると思う。これがオメガバースってやつなの……?

いきなり2Dアクションが始まった辺りで
「俺の求めてた崩壊3rdはこれなんだよォーーーッ」になりました

 もう完全に崩壊3rd完結したわ。

 今になって言い出すのもなんですけど、崩壊3rdってこの「前半があんまり面白くないと思っていたら、後半怒涛のムービーと演出で盛り返されて、なんか全体的に面白かった気がしてくる」パターンばっかりですよね。俺はこのパターンに何度ハメられているんだろう。

 あと、これでヴィタ実装されてないってマジ?

Windowsのデスクトップ



星の彼方へ(40~42章)

 ヴィタとの戦いを終えた私を待っていたのは、7人の日笠陽子だった。

 元々崩壊3rdは「似たようなキャラを出して声優を酷使する」ことに定評のあるゲームだったとは思う。阿澄佳奈や沢城みゆきはどれだけ酷使されているのだろうか。でも7人の日笠陽子は流石に前代未聞だと思う。てか、ヴィタと娑を入れたら9人の日笠陽子じゃないか。日笠も気が狂うだろ。

 高山みなみ。日笠陽子。日笠陽子。日笠陽子。日笠陽子。大人の日笠陽子。なんか悪そうな高山みなみ。日笠陽子。日笠陽子。日笠陽子。日笠陽子。やや悪そうな日笠陽子。急に木野日菜。もう、ずっとこんな感じ。

 これは日笠陽子以外の人類が消滅した世界のゲームなのか?

 その上で、フカ史上最もボンクラエピソードっぽかった「ワトソン時代」の話も合流してくる。何万年も生きたワトソンvs9人の日笠陽子vsジェームズ・モリアーティの、ライヘンバッハでライヘンバッハを洗う戦いの始まりである。崩壊3rdはとうとうおかしくなってしまったのだ。

 崩壊3rdの「実在の偉人をほぼオリジナルキャラみたいにして出してくる」やつ……最初は「Fateやりたかったのかな?」くらいにしか思ってなかったんですが、「あの名探偵シャーロック・ホームズの助手はフカ、そしてモリアーティはオットー・アポカリプスのクローンだったのかぁっ!!」まで来ると、もはや偉人要素とかではない気がする。

 こんなにボンクラを極めたようなエピソードなのに……まさかの「グレーシュ」が投入される。そう、十三英傑で唯一消息不明になっていたグレーシュがここで出てくる!

 ずいぶん……鍛え直したな………………

 悔しい。こんなアホみたいな内容なのに、グレーシュが出てきただけで急にちょっとエモい感じになってくるじゃないか。グレーシュが出てきただけでちょっと続きが気になってくるじゃないか。これが「サプライズ英傑理論」ってやつなのか。

 さっき「十三英傑を気軽には出してこない線引きが良い」みたいなことを言ったけど、それはそれとして「まぁグレーシュなら生き残ってるしデカくして出してもええやろw」くらいのノリで来るのもかなり崩壊3rdっぽい。やっぱり崩壊3rdは無茶苦茶なゲームです。

 あと……大人グレーシュ……結構えっちじゃないですか?
 どうしたんだ私、スーサナといいここに来て急に性欲が抑えられなくなってきたか。この前「ジスロマさん急に年頃の男の子みたいなこと言いますよね」と言われたのを思い出してきた。そう、私は結構年頃の男の子だ。

 このドキドキ感、どう表現すればいい。「自分の中ではあどけない少女のイメージだった幼なじみと久しぶりに再会したら、すっかり大人の女性になっていて記憶と実物の乖離に驚く」みたいな……グ、グレーシュお姉ちゃ……

グレーシュお姉ちゃん、大きい
ここ好き

 そしてヴィタもなんやかんやと協力してくれるけど、やっぱりコイツは始末しておいた方がよかった気がする。冷静に考えるとすごいキャラクター造形だと思う。「裏切り者っぽい→やっぱり裏切った→意外といいヤツかも→やっぱり結構クズだった→野放し」って、そんなことあるだろうか?

 肝心の「娑」も割とあっさり倒されたし、残った能天気なふわふわ系クズだけが世に解き放たれてしまった。「酷使された日笠陽子に免じてここは許してくれ」だなんて、私の目はそんなに節穴じゃないぞ!? ヴィタが実装される日は来るのか!? このままヴィタを野放しにしていいのか!?

 40~42章の敵としてはモリアーティが用意されていたはずなのに、ヴィタの歪みっぷりが延々と露呈し続けて、結果としてモリアーティがちょっとかわいそうに見えてくるのがすごいと思う。「モリアーティ」という存在がちょっと不憫になることなんてあるのか? アイツが食われることある?

コメダのカツサンドくらい厚い面の皮

 俺は………俺はこれが見たかったんだ…………………………

 グレーシュとフカが会話してるだけで「生きてる。歩いてる!」状態だったのに、芽衣先輩とグレーシュの会話までしっかり用意されていた。 

 いつの間にかグレーシュは、ケビンのように強く、エリシアのように可憐で、ヴィルヴィのように万能で、コズマのように勇敢になっていた………ウッッッッッッッ(動悸)miHoYo本当にありがとう。

 そして、これでようやく1章から42章までを遊び尽くした感じになりました。長かったですね。第二部は完結してから触ろうと思うので、メインストーリーはこれで一旦の区切りですかね。ありがとうございました!

どこかに「異郷編」の話をねじ込みたかったのですが、
いまいち場所が見当たらないのでここに書きます。若姫子が本当にかわいい!!!



後崩壊書

後崩壊書:第一部

 いや……「第二部は」完結してから遊ぶと言っただけだが?

 ということで、ずっと放置していた「後崩壊書」もやりました。崩壊3rdは無茶苦茶なコンテンツばっかり取り揃えているヴィレッジヴァンガードみたいなゲームだと思っていたけど、後崩壊書はぶっちぎりで無茶苦茶なコンテンツだと思う。下手をしたら古の楽園より無茶苦茶かもしれない。

 後崩壊書は崩壊3rdが完結してからの話だ!
 →知らん……
 舞台はセントフォンテーヌ!芽衣先輩もいるぞ!
 →なにそれ……
 アクションもいつもよりスタイリッシュに仕上げてみたよ!
 →またやってる……

 本当に無茶苦茶なゲームである。

 しかも、主人公も男ではないか。
 崩壊3rdが頑なに男性キャラをプレイアブルとして出さないのには、「崩壊3rdは美少女ゲームですから」以上の確固たるメインコンセプトがあった上で、そうしているのだと納得していた。なのに後崩壊書では「ガチャ関係ないなら出してもええやろw」くらいの感じで男主人公が出てきた。

 その上で自由に名前をつけられるから、実質的に「俺くん」になることができる。え、これが……俺……? 俺、芽衣先輩と一緒に戦うんですか……?

全員でキアナが死んだみたいな空気出してるのめちゃくちゃおもろい

 ただ、後崩壊書……どうしても「いまいち調整が上手くいってない時の崩壊3rd」を感じてしまう。つまり、不用意に難しい。アクションの設計自体は面白くなるはずなのに、敵やギミックがやたらといやらしい。

 さらに、日課的にこなすオープンワールド形式もここに重なってくる。やや素材の要求量が多いレベル上げ、その割に上げても劇的に強くなっている気はしない微妙な成長幅、そこに対してどんどん強くなるメインクエストの敵……あぁ、辛い! 後崩壊書、ゲームが辛い!!

 個人的には「ゲームの設計的には楽しいはずなのに、いざ触ってみると奥歯に何かが挟まったような辛さがある」というモヤモヤ感を抱えたまま、ずっと遊び続けた感じだった。でもラストバトルの推奨レベルがいきなり「50」に跳ね上がってるのはバカっぽくて嫌いじゃない。

完全にスタレの格好という

 ヴェルトはいつもウザい金髪に絡まれていてかわいそう。

 そしてなんとかラスボスを倒した時には、「長く苦しい戦いだった……」以外の感想が出なくなっていた。なんなら途中からめんどくさくなって、復活パックをふたつも買ったりした。僕は最低野郎<ボトムズ>です。

 最後らへん、ずっと「キャロルどうにかしてくれーーーーッ!!!」と叫んでいた気がする。もはや後崩壊書においてはキャロル・ペッパーが孫悟空くらい頼りになる。キャロルがいなければ本当に心が折れていた。


後崩壊書:第二部

 第一部がそんな感じだったので、第二部は「頼む!ゲーム部分をどうにかしてくれ!」という気持ちで遊び始めました。でも、そんなのブローニャがデカくなっていたことに比べればすべてどうでもいい。

 いや、デカくなりすぎなんよ。
 グレーシュがデカくなってるのはまだわかるけど、お前は流石に中間形態ひとつ飛ばしてるやろ。ヒトカゲを育て屋に預けたらリザード飛ばしてリザードンになってたくらいの衝撃だわ。あとごめんこれリタに並んだかも。

 しかも、レベルアップ周りの仕様やアクションにもさらに磨きがかかっている。完璧じゃないか。そうか、後崩壊書に足りない最後のピースは「デカいブローニャ」だったんだ。そう、私は結構年頃の男の子なのだ。

ティミドも大概ヤバいよね?

 そして私の前に現れたのは、自らを親友だと言い張る謎の男。

 誰だよ。本当に知らないよこの人。
 お前なんか友達になった覚えないよ。

 どうやら彼は32章のニューアトラにて登場していたらしいけど……そうだとしても俺(後崩壊主人公)はお前のこと知らないんだよ。えっ、俺が覚えてないだけでもしかして一夜添い遂げたりしてる? キミそれくらいの距離感で迫ってくるよね? 全く記憶にないんだけど?

 ふつう、「俺が主人公になれる」と来たら戦乙女ハーレムでも形成させてくれるんじゃないのか。いやブローニャ隊長とティミドがいる時点で十分満たされているのかもしれないけど、それにしたって一番俺に迫ってくるのが自らを親友だと言い張る狂った男なのはおかしいだろう! 

 ティミドとのラッキースケベは!? 
 ブローニャ隊長との年齢差ラブコメは!?
 もう俺にはライルがマイルドなセフィロスに見えてきたよ!

何言ってんの?



星を見守る月へ

 みなさん、これで正真正銘の最後です。
 ここまで長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございました。カウントしてみたところ、だいたい5万字あるそうです。なんでこうなった?

 「星を見守る月へ」は、このメニュー画面のUIが好きなんですよね。もうこれ何回言ったか数えてないのですが、こういうのを見るたびにいちいち「崩壊3rd、進化したなぁ……」と感慨に浸ってしまいます。いいんだ、「崩壊3rd、進化したなぁ……」ボタンは何度押したっていいはずなんだ。

 ストーリーは本当に「第一部から第二部への引継ぎ」といった感じで、かなり「卒業式」的なノリが強かった第一部ラストより「職場の先輩が退職する」みたいな空気が強くなっている気がします。みんな、大人になったね。

 なんか、この絵だけで泣いちゃう………………………

 もう「同窓会」じゃん。こんなの崩壊3rdの20周年記念Vシネとかで見る絵面じゃない? いや冷静になれ。やっぱりブローニャだけデカくなりすぎなんだよ。キアナと芽衣先輩は全然面影あるけどブローニャだけ物理的に成長しすぎだろ。アシマリとモクローはそこそこイメージ通りの進化をしたけどニャビーだけガオガエンに進化したくらいの変貌っぷりだよ。

 そして、ストーリー内ではやたらとキアナがかわいい。
 すっかり「終焉の律者」として本編終了後の葛葉紘汰みたいになっていたけど、実際のところは年頃の女の子でもある。最後の最後に、「やっぱり崩壊3rdで一番かわいいキャラはキアナかも」と思えるような内容でした。

かわいい

 最後に、『崩壊3rd』という作品への感想を書いて終わります。

 なぜこんなにも『崩壊3rd』が好きになったのか?
 なぜここまでの短期間で『崩壊3rd』を遊び尽くしたのか?
 シンプルに、「同人誌」っぽいからだと思います。

 とにかく、好きなものが詰め込まれている。万人が楽しめるかは置いといて、ひたすらに「好きなもの」をギチギチに積み込んだ。まさに、「俺が考えた最強のゲーム」だと思います。以上です。すごくシンプルでしょう?

 もう、遊んでいるだけで、ほとばしるような愛が伝わってきます。ゲームを遊んでいるだけなのに、「作ってる側の愛に負けた」ような気がしてきます。とてもじゃないけど、崩壊3rdは「完璧なゲーム」だとは言えない。だけど、間違いなく「最強のゲーム」だとは断言できる。

 愛と夢の結晶、それこそが『崩壊3rd』。
 そんな愛の大きさに、心を掴まれてしまった。
 だから、『崩壊3rd』が好きになったのだと思います。

 崩壊3rdを遊んで、本当に良かった!

 では、何年後になるかわかりませんが……第二部が終わってから、またお会いしましょう! 艦長のみなさん、それまでどうかお元気で!