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フラスタの伏線回収を始めます。


こんにちは、よもぎです。この度、Inori Minase LIVE TOUR 2023 SCRAP ART 神奈川公演にてフラスタを贈らせていただきましたので、【ご報告】をさせていただきます。


完成品です



コンセプト

ツアータイトルが発表される前から、時計をモチーフとし、1時から12時に向かってパネルを見ていくと時間が進むようなデザインを考えていました。そこで、まちの絵師の方々に声をかけて、過去のライブ衣装のいのりちゃんを描いていただけないかとお願いをしておりました。(今までフラスタ出せてなかった分もまとめてカバーしたいなというお気持ちです)


最初期のデザイン案
ツアータイトル出る前なのが分かりますよね

そんな中発表されたのが、今回のツアータイトル『SCRAP ART』です。いのりちゃんはメロフラでスクラップアート(=廃材芸術)について、「全うしたり、何かを成し遂げた先に、まだ輝き方があるというのは救いがあるものだ」と言っていました。この発言を汲んで考えると、いのりちゃんがツアータイトルに込めたのは、「不要」や「ゴミ」というような要素ではなく、「全うしたり、何かを成し遂げたものに、新たな価値や輝きを見出す」といった想いではないかと思います。

では「アーティスト 水瀬いのり」が「全うしたり、何かを成し遂げた」ものとは何か?と考えたとき、ライブが挙げられます。そこで私は気づきました。「過去から現在までのいのりちゃんがいるフラスタって、“スクラップアート”と解釈できるのでは?」と。勝ちましたね、勝利宣言(ビクトリー・ラッシュ)です。“SCRAP”という単語には「カケラ」や「断片」という意味もありますから、それぞれのライブ衣装を着たいのりちゃん(=これまでのライブのカケラ)が集まっているという意味でも、今回のツアータイトルに合っていると思いました。そんな感じでデザインの大枠は変更せずにいきました。今回のフラスタを機に、描いたことがない衣装を描いたと言っていた方が結構いたので、その点もよかったなと思っています。

こうして完成したのがこちらのフラスタです。お花の色も今回のツアーのイメージカラーである黒をベースに、各ライブのイメージカラーを取り入れてもらっています。お気づきになりましたでしょうか。まあCtRのとこに虹色の花があるので気づく人は気づいてるかもですね。
パネルやバルーンの形、そして花の色もバラバラで、全体としてまとまりがないと思われる方もいるかもしれませんが、今回は敢えてそうしています。異なる素材同士を組み合わせているという「スクラップアートらしさ」があっていいのではないでしょうか。

ここまで色々と述べてきましたが、これはあくまで私個人の解釈に基づいたものです。この考えが正解ということではありませんし、いのりちゃんの考えとは全く違うかもしれません。
それでも、私たちなりの『SCRAP ART』を表現したフラスタを作り上げたつもりです。

インタビュー

今回描いてもらった衣装は、これまでのすべての衣装から希望を取って決めました。ただ、1stとSWから選べるのはあの一種類だけでした。私の好みです。特に『Winter Wonder Wander』のオタクなので、1stは絶対あれでした

ここからは、まちの絵師のインタビューを掲載します。(掲載許可をいただきました、ありがとうございます)

Inori Minase 1st LIVE Ready Steady Go! 
illus.おこめ Designおこめ

――今回、この衣装を選んだ理由を教えてください。
 
おこめ 初めて生でいのりちゃんを見たのは1stライブでした!登場で泣いたのをすごくよく覚えています。当時私の心を動かしてくれた大好きな曲『Innocent flower』の衣装を描きたいと思い選びました!
 
――それは思い出深いですね。次に、イラストでこだわったポイントを教えていただけますか?
 
おこめ 髪飾りといのりちゃんの笑顔です!目の中のハイライトも『Ready Steady Go!』のイメージで3色入れてみました〜!

Inori Minase LIVE TOUR 2018 BLUE COMPASS 
illus.せど Designせど

――今回、この衣装を選んだ理由を教えてください。
 
せど いのりちゃんといえば水色のこの衣装!!薄ピンクと水色の組み合わせがとってもかわいくて大好きな衣装なので選ばせて頂きました。
 
――この色の組み合わせの良さ、とても分かります。次に、イラストでこだわったポイントを教えていただけますか?
 
せど いのりちゃんの無邪気な表情を表現できるように頑張りました!あと、チュール生地の部分はキラキラさせてます!ここほんとに可愛い。
そしていのりちゃんにはプリンセスポーズをしてもらってます!

Inori Minase LIVE TOUR 2019 Catch the Rainbow! 
 illus.次村 Design次村

――今回、この衣装を選んだ理由を教えてください。
 
次村 パンツスタイルの衣装が好きで選びました。初見時、透け布1枚隔てた先の腹部露出に衝撃を受けたことを覚えています!メタルっぽい素材感も好きです。

――確かに、パンツスタイルは珍しいですよね。次に、イラストでこだわったポイントを教えていただけますか?
 
次村 スタンドマイクを掴みながら片足を上げ、客席に向かってかっこよく歌い上げる瞬間が好きで描きました!

Inori Minase LIVE TOUR 2020 We Are Now 
illus.もちむぎ Designよもぎ

――イラストでこだわったポイントを教えてください。
 
もちむぎ 『僕らは今』をイメージさせるモチーフやカラーを取り込みつつ、シンプルにまとめました。封筒のシールのデザインは去年のライブ(『glow』)で披露された『風色Letter』の舞台装飾(郵便ポスト)から着想を得ています。2020年から2023年へ「時を越えて」ファンの想いが届けばいいなという思いを込めました。
 
――細部にまでこだわりを感じますね。次に、今だから言える裏話などあればお願いします。
 
よもぎ ステージ上のポストに付いていたマークをデザインに取り入れるというのは、もちむぎさんが提案してくださったアイデアです。流石だなと思いました。

Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes 
illus.ひいろ Designひいろ

――今回、この衣装を選んだ理由を教えてください。
 
ひいろ 「アーティスト 水瀬いのり」を思い浮かべた時に真っ先に浮かんだのがこの衣装でした。前からずっと描いてみたいと思っていた衣装だったので、フラスタを機に描くことができて大満足です。
 
――まるで星空を纏ったようなドレスですよね。次に、イラストでこだわったポイントを教えていただけますか?
 
ひいろ 今回は特に構図に悩みました。衣装の1番のポイントである星座のスカートに目がいくように構図を考えました。また、表情にも拘っていて、ご本人のキラキラした笑顔を再現するために、顔周りの彩度を少し上げています。

Inori Minase LIVE TOUR 2021 HELLO HORIZON  
illus.ひぃ Designひぃ

――今回、この衣装を選んだ理由を教えてください。
 
ひぃ 実はこの衣装、私の好きな衣装No.1であるにも関わらず、描いたことがなかったので、良い機会だと思って選ばせていただきました!
 
――この衣装は可愛いですけど、描くのがとても難しそうですね。次に、イラストでこだわったポイントを教えていただけますか?
 
ひぃ 衣装のテカテカ感にこだわりました!ちゃんと描けてるかな…?また、ライブの1曲目が『Ready Steady Go!』だったので、タオルを持ちながら地平を目指すポーズにしました!
 

Inori Minase LIVE TOUR 2022 glow 
illus.ごましを Designごましを

――今回、この衣装を選んだ理由を教えてください。
 
ごましを 『glow』ツアーの中でも一、二を争うほど好きな衣装なのですが、今まで描けていなかったのでこの機会にと選ばせてもらいました。
 
――この衣装は人気が高いですよね、私も好きです。次に、イラストでこだわったポイントを教えていただけますか?
 
ごましを 表情とお耳です。

Inori Minase LIVE TOUR 2023 SCRAP ART 
illus.もちむぎ Designよもぎ

――イラストでこだわったポイントを教えてください。
 
もちむぎ 最新シングルで完結を迎えたWWWシリーズと、今回のツアータイトルにも採用された『スクラップアート』の雰囲気を組み合わせました。
 
――神秘的な雰囲気もありつつ、『スクラップアート』感も上手く表現されていますよね。次に、今だから言える裏話などあればお願いします。
 
よもぎ このパネルが一番細かくデザインの希望を伝えました。「T2風のくらりを描いて欲しい」という難題にもよく対処してくれたなと(笑)。他にも色々な要素を散りばめています。

CENTER 
illus.よもぎ Designよもぎ

――イラストでこだわったポイントを教えてください。
 
よもぎ イラスト全体として、「やわらかさ」のようなものを目指しました。優しく微笑む表情や、中央に抱えている星の光などでそれが表現できていたら嬉しいです。
 
――改めてイラストを見てみるとその意図が伝わってきますね。ところで、今回のモチーフになっているのは『Starry Wish』ですか?
 
よもぎ そうですね、髪型などは今のビジュアルに近づけています。これはCDを開けることで見られるジャケットの写真を参考に描きました。未開封の方は今すぐ開けてください。

LIST 
illus.もちむぎ Designよもぎ

――イラストでこだわったポイントを教えてください。
 
もちむぎ 『Winter Wonder Wander』のMVに散りばめられている要素をぎゅっとまとめた一枚になっていますっています。英字のフォントはMVと同じものを大捜索して見つけました…!手のひらに乗せて愛でたくなる左上のふたりもイチオシポイントです。
 
――同じフォントなんてよく見つけましたね、すごいです。次に、今だから言える裏話などあればお願いします。
 
よもぎ 実は当初全く違うデザインの予定で、ラフも描いてもらってたんです。でも『While We Walk』が収録されると分かった瞬間デザインを変更しました。「これはもう『Winter Wonder Wander』風のパネルにするしかない!」って(笑)。左上のふたりが手を繋いでいるのは私の強い希望によるものです。

デザインの詳細な解説

私は「この楽曲とこの楽曲の歌詞ってこういうところがリンクいてるよね」みたいなのが大好きなんですよね。あと伏線とか。
というわけで、今回のフラスタは、『SCRAP ART』というツアータイトルになぞらえ、いくつかの仕掛けを施しました。改めて撮った写真を見返して「え、これってそういうこと!?」みたいになってほしいなと思います。

ツアータイトルについて

このフラスタは、普通はどこかに書いてあるはずのものが書かれていません。それは、先に何度も述べてきたツアータイトルです。「2017~2022年までのパネルにはタイトルが書かれているのに、2023年だけなぜ?」と思われた方もいるかもしれません。

実はタイトルはちゃんと書いてあるんです。2023年のイラストのくらりが持っている△に注目してください。『SCRAP ART』のロゴに使われているフォントが特殊だったのを覚えていますか?このくらりが持っているのはただの三角形ではなく、アルファベットの“A”なんです。他のパネルのタイトル部分にも、1文字ずつ違うフォントの文字が隠れているかと思います。『SCRAP ART』が8文字、周囲のパネルが8枚であることからもお察しの通りでございます。

最初は『glow』だけ1文字も被っていなくて、どうしようかと思ったのですが、Oの一部を使えばCが作れることに気づいきました。私の勝ちです。


「過去から現在までのいのりちゃん」が描かれたパネルから1文字ずつ取って組み合わせると『SCRAP ART』が完成する。これこそが本当の「スクラップアート」です。

雑ですみませんがこんな感じです

で終わる予定だったんですけど、

いや、


ライブの幕間映像とちょっとネタ被ってない!?!?!?びっくりしたんですけど!!!!!すいません、「スクラップアート」を完全に理解してしまってたようです。

中央のパネルについて

次に、中央のパネルが『Starry Wish』がモチーフであることについてです。最初はタイトルに「花」がつく『Innocent flower』をモチーフにしようと思っていました。

しかし『スクラップアート』の最後で「汚れが混ざると光る」というようなことを言っていたことを思い出し、この「混ざって光る」という要素をフラスタ上で表現できないかと考えました。

周りの様々な色の花を光に見立て場合、その色は混ざると白になるはずです。そこで、中心に白い光に見立てた白い花を配置することで「混ざって光る」を表現しました。

このような経緯で、黄色い花束を持った『Innocent flower』ではなく、白く輝く星を抱えている『Starry Wish』がモチーフになったわけです。黄色の差し色があるのは元々のモチーフが『Innocent flower』だった名残です。

ちなみに宛名の部分は、『少女終末旅行』のサブタイトルに使われている文字を模したフォントを使わせていただきました。流石にこれは言われないと気づかないでしょう。

デザインについて

今回まちの絵師の方々に依頼したイラストは、「ツアータイトルを入れて、背景はライブモチーフで…」みたいなお願いをしただけで、基本的には皆さんにお任せしました。

結果として、それぞれの個性が活かされた素晴らしいものになったと自負しています。例外として、ライブ衣装ではない3枚のパネル(もちむぎさんの担当分)は私がデザインを担当しました。依頼した内容を忠実に再現していただいて、ありがたい限りです。絵柄も相まって予想以上の仕上がりでした。

もちむぎさんのこだわったポイントは前のインタビューで述べられていますので、ここでは私からデザインの意図などについてもう少し詳しく解説させていただきます。

WANパネル

『We Are Now』は中止となってしまったので、他のパネルにようにライブ衣装を描くことはできません。そこで、過去の想いを現在まで繋ぐという意図で、手紙を採用しました。(『風色Letter』の歌詞に多大なる影響を受けています)

それと、封筒の右下に文字が書いてあります。「〒2020-2023」は郵便番号を使って『We Are Now』と『SCRAP ART』を表しています。その下には「しあわせ いのりまち」と書いてあります。これは、現在のファンクラブ「いのりまち」の前身です。この封筒が「時を超えて」過去から届いたものであることを強調しています。

さらに、「しあわせ いのりまち」には特殊なフォントを使用しています。この文字に見覚えがある方もいるのではないでしょうか。これは『少女終末旅行』に登場する文字をモチーフにして作られたフォントです。ここにもいのりちゃん要素が隠れていたわけです。

全てのデザインに意味はある。これがスクラップアート…

SAパネル

こちらもまだ開催前であったため、ライブ衣装を描くことができません。そこで今回は、カップリング曲の『While We Walk』によってWWWシリーズが完結したことも踏まえて、表題曲『スクラップアート』の要素と、WWWシリーズの要素を組み合わせたデザインにしています。何度でも言いますが、私はWWWシリーズが大好きで、『While We Walk』をこのタイミングで収録してくださったのはまさに運命です。

白いドレスのお姫様と、花びらが舞う演出は『Winter Wonder Wander』のMVから着想を得ています(2:57~)。

下にはスクラップの山があり、そして上にはくらりがいます。青く輝いている光が『スクラップアート』を想起させます。

このくらりはただのくらりではなく、鉄くずなどから作られたスクラップアートになっています。つまりT2(テツ)くらりです。T2くらりから降り注ぐ光を姫が手で掬い上げています。この光、背景の色も相まって銀河のようにも見えませんか。『Whilw We Walk』を感じますね。

また、スクラップの山をよく見るとティアラとネクタイがあるのが分かるかと思います。これは『Well Wishing Word』要素ですね。

その近くの石のようなものに文字が刻まれています。中央に「2023」と書かれているのは読めると思いますが、その両側は何と書いてあるのでしょうか。これは「インビジブルフォント」という古代文字風のフォントを使用して、向かって左は「ウンメイノアカイイト」、右は「イツモズット」と刻んでいます。

ギリ読める

どちらも曲名でありながら、WWWシリーズの世界観にも合った言葉なのではないでしょうか。この一枚に多くの要素を詰め込んでいます。

いつか君にまた出会えますように――。

名簿パネル

前のインタビューでも述べましたが、『While We Walk』が出たからこそこのパネルは完成しました。最初は、『While We Walk』という緑色の本だけでした。ですが、もちむぎさんが『Winter Wonder Wander』のMVと同じフォントを見つけてきて、”Members”などの英字部分にそのフォントを使ったんですよ。

それなら「英字部分に『Winter Wonder Wander』のMVと同じフォントを使っていることに気づいてほしい」ということで、タイトルがチラ見えする程度に他の二冊の本を追加しました。右上に明かりがあるのもMV準拠です。というかこの本がそもそも何なのかって説明しなくても伝わってますよね?

それと、左上の二人が手を繋いでいます。絶対に繋がせてくださいとお願いしました。WWWシリーズを聞いている方なら分かると思いますが、このシリーズにおいて「手を繋ぐ」という行為は、非常に重要な要素だと思っているんですよ。だからこれは絶対に外せない条件でした。

また、ところどころ色が変わっている文字があると思います。これは同じ色の文字を並べ替えると、一つの言葉が出来上がるようになっています。「水瀬いのり」「スクラップアート」「これからも」です。これはなかなかスクラップアート感のある仕掛けができたんじゃないですかね。

当時は「あとは『と』があれば揃うぞ!」みたいな会話をもちむぎさんとしてました

前二つの言葉は説明するまでもないと思いますが、最後の「これからも」は、『glow』からの『SCRAP ART』が集大成の一つであるように思えるので、「これからも」自分らしく進んでいってほしいという意味を込めています。まさに今回のツアーに相応しいデザインができたのではないでしょうか。

いやだから

幕間と被ってんだって!!!!!!
いのりちゃんと以心伝心ってこと!?!?!?

今回はぱっと見では分からないような細部までこだわっておりまして、あとから見返すことでまた新しいが発見があるようなデザインを目指しました。何一つ無意味な部分などないのです。

最後に

私一人の力ではこのフラスタを完成させることはできませんでした。参加者の皆さんの協力があってこそです。本当にありがとうございます。

総勢57名・計119口のご支援をいただきました。
1000円あればいろんなものが買えるんですよ。それをフラスタに使ってくれるなんてとてもありがたい話ですよね。

それに、今回5口以上の支援をしてくださった方が複数名いらっしゃいます。5000円ってかなりの額ですよ。よほどの信用がないと投げない額です。私も気合が入りました。

そして何より、水瀬いのりさんがアーティスト活動をここまで続けてくれたからこそ実現した企画です。いくら感謝を伝えても足りません。

この企画はツアーを盛り上げる要素、そして皆さんの思い出の一つとなったでしょうか。
いのりちゃんが言ったいた、「何度も『ありがとう』を伝えたくなる気持ち」がとても分かります。
重ねてにはなりますが、この度は本当にありがとうございました。

P.S.この文章長すぎん?

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