カウンターの魅力

以下のような状況を想像してみて欲しい。


皆さんの想像を助けるために、一方のチームは「赤」、一方のチームは「青」だとしよう。もちろん色はユニフォームの色だけど。


「青」が試合を優勢に支配。ボールポゼッションは、67:33で青。通常「けっこうボールを廻してるな」と感じる試合でもポゼッションは65を超えるということは少ない。なので、この67という%は異常なほど、ボールを廻しているということを表している。


さて、もう一つの数字、コーナーキックの数。これは青が4本、赤が3本としよう。で、最後にシュートの数。これが2本づつでまったく五分だとする。ちなみに最も重要な得点は「青」「赤」ともに「0」!


これが前半45分を終わったゲームの一部の数値だ。


その流れでそのままゲームは後半に突入し、ゲームの性格はそのまま変わらないとしよう。


残り15分・・・。


さて、貴方が監督としてチームを持つとしたら、いったいどっちを持つか?
もっと卑近に言えば「銭を賭ける」としたらどっちにベットするか?


上記の数字の差が後半も違いがないとしたら、典型的に「青」が押して「赤」が守りに専念している試合内容となる。が、シュートの数から「赤」はちょいカウンター狙いの空気が感じられるかも。こういう試合って本当によくあるパターンでしょ?サッカーのトラディッショナルとも言えるぐらい、典型的なパターンでしょ?


もう察しがつくと思うが、こういう試合(内容)の場合、かなりの確率で賢明な皆さんは「赤」を持つよね?
つまり、支配しているより、支配されながら「蜂の一刺し」を狙ってるほうを・・・。統計的にもかなりの確率でそう、「赤」が勝つんじゃないかな?と、思うでしょ?


僕もそうします。というより、何故だか僕は「カウンター」ってもんに魔性の魅力を感じる男の一人なんっすよ。


もちろん細かいワンツーや、ヒール、短いスルーや、ちょこちょこ切り返し、アウトサイドの足首だけで反転・・・などなど、ちっちゃいプレーや局地プレーが大好き!ボールをキープしてたら、シュートなんかしなくても幸せ!っていう男です。なのに、身体のどこかで、「守って守ってカウンター」というもんに惹かれるDNAがあるんですよね。


実際、この「カウンター」ってやつ、決まればそらもう、痛快!爽快!そうでっかい!というぐらい「気持ちええ」っしょ?


相手の「まさか・・・」っていう顔や「こいつらになんでやられるねん」という顔、顔、顔・・・。


んでもって、「まさかの先制点」を取り返そうと、これまたラスト5分で死に物狂いで攻め上がる輩を尻目に、もう一発カウンターで沈めた日にゃぁ~・・・そら、もうアンタ・・・。ビールが美味い!!


ゴホン・・いや・・・その・・・ついついカウンターの魅力に我を忘れて興奮してしまいました。・・・つまり


そういう事ではなくって、僕が言いたいのは「カウンター」の威力の話です。


カウンターを決めるまでの「廻されまくり」「持たせまくり」も、実は「世を忍ぶ仮の姿」であるからにして、鎧の下にはいつでも必殺の刃を磨いているっちゅうわけです。


ボールをキープするだけのパス廻し。どこに出してもそこそこマークがついているペナルティ周辺。クロスを上げても基本的には立って飛ぶから、跳ね返されやすく、ちょっとボール一個分でも楔がずれると、それなりに相手の足がきっちり出てくる状況。廻しても廻しても崩れん・・・。廻すためだけのボール、攻める意思が薄れるボール廻し。取られないためだけのサイドラインへの球出し。


これらすべてが「カウンター」の餌食の一歩手前ですな・・・。


んでもってちょっとでもパスが引っ掛かろうもんなら、センターサークルでうろうろしてたトップがいきなり「ガァ~~~」ってコーナーフラッグ目がけて全力疾走するわ、最終ライン(それも前がかりになった)とキーパーとの広大な土地で大暴れするわ、その横から「ドォ~~~~」っと、サイドから一人出てくるわ・・・。


見ているこっちも


「おお・・・・」

「よっしゃ・・・」

「おおおおおお~~?」

「い・・・いけぇ~~~」

「いけ!うて!うて~~!」


「よっしゃぁぁ~~~~~~~~(ごぉ~~~る!)」

てな反応に。


そういう意味でいきますと、こういうシーンをお家芸にするクラブって、もっともっと出て来て欲しいなぁ~。「カウンターと言えば●●●やろ?」てな感じの。「カウンターが伝統の」というクラブではまだないでしょ?


代表にしても、なんかいつもいつも「高い位置で囲みながら、奪取して、速い攻撃で」っていう感じなんで、一旦「受け身」に入っちゃうとどうしても後手後手感が否定できん。イラン相手に、韓国相手に、「ほれほれぇ~、廻したかったら廻しとけやぁ~?」てな感じで相手を「いなす」というか「弄ぶ」というか、そういうカウンターチームの独特の匂いというのも是非身につけて欲しいと思います。1-0で勝ってる時はもういきなり「赤チーム」になっちゃって、相手の焦りを誘いだすように。


日本代表がカウンターで、韓国相手に、ロスタイム残り2分で2-0に!なぁ~んて、展開になったら、その残り2分、この時間こそが「人生最高の瞬間」ということになるもんね。


どこかに「カウンター専門チーム」、「必殺カウンタークラブ」って、生まれないかなぁ~



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