『推しメンと結婚しました。』第9話 クリスマス
12月25日、クリスマス当日僕は彼女とかもいないため1人でずっと家にいた。史緒里は明日のLINELIVEの打ち合わせや紅白のリハーサル等やることいっぱいのため久しぶりに家に1人でいた。
実は上海から帰国して少しの間母親と父親が東京に来ていてその間僕の家にいたためYouTubeも活動をお休みしていた。
地下にある防音室の中で今日はクリスマスだし何か投稿しようかと思いピアノと向き合っていたが一向に気持ちがのってこないため諦めて年末年始の投稿用に収録をしてからちゃんとパソコン内に保存してあることを確認してからリビングに向かった。
リビングに行くとまだ史緒里は帰ってなくてどうしたものかと思い、史緒里に連絡をすると今日は食べて帰るそうなので仕方なく外用の服に着替えて買い物をすることにして出かけた。約1時間後、色々食料を買ってきていざ作ろうかと思った時にインターホンが鳴った。
「なんだよ…せっかくのってたのに…はーい、どち…ら…さま、ですか?」
??
「やっほー!」
〇〇
「はい?誰ですか?」
??
「この顔に…見覚えはある?」
〇〇
「あ……確か、西野七瀬さん?」
七瀬
「久しぶり!」
――――――――――――――――――――――
あれから七瀬さんを家に入れて、予め明日の朝も食べれるように2人分の食事を作って西野さんと食卓を囲んだ。
○○
「西野さんはリハーサルとか大丈夫なんですか?史緒里すごい忙しそうでしたけど」
七瀬
「ええねん、久保ちゃんは台湾のこととかあるけどウチはないからな」
○○
「そういえば、グループ卒業されるんでしたね」
七瀬
「せやねん、だから他のみんなよりは暇やねん」
○○
「それで……何で家に?」
七瀬
「いくちゃんが君のご飯絶賛してたからウチも食べたくなってん」
○○
「今度は絵梨花か……」
七瀬
「今度は…ってもしかして前にもあったん?」
○○
「2週間くらい前に梅澤さんと齋藤さんと山下さんと賀喜さんが史緒里と共に来て」
七瀬
「ええなぁ、今度ウチも誰か連れてきていい?」
○○
「はい?」
七瀬
「冗談やって。せやいくちゃんとはどうなん?」
○○
「どういうことです?別に特に何も無いですよ。そもそも大学でもそんなに会わないんで」
七瀬
「好きなんやないの?いくちゃんのこと」
○○
「好きですよ?でも恋愛感情があるか?と言われればそれは違います。僕は憧れているので生田絵梨花のことを」
七瀬
「いくちゃんのこと憧れてるの?」
○○
「ええ、ピアノの業界の中では乃木坂に入る前から名前は有名でしたから。それに去年のMTVに出てるの見て彼女こそ僕の理想ですから」
七瀬
「ピアノで誰かを喜ばせたい……」
○○
「知ってるんですか……」
七瀬
「いくちゃんが言っとったからな。それにこれ内緒やけど
"いくちゃんも君のこと憧れてるんだよ"」
○○
「は?」
七瀬
「いくちゃんはな、高校に行き始めた時からずっと君のこと言ってん。それでな聞いてみてん、何でそんなに君のこと気になるん?って」
○○
「…………」
七瀬
「そしたらな、
"久保君は私の理想の人。どんなに頑張っても私は彼のようにはなれないけど彼の演奏には他の人には無い独特の感性がある"って
言うてん。いくちゃんな、大学進むか迷ってた時に君に相談せんかった?」
――――――――――――――
数年前
○○
「(進路か〜……)」
高校2年の3月、卒業式も終わり最高学年になった時に言われた人生の1つの岐路。
〇〇
「(ま、海外の学校から推薦状とかバンバン送られてきてるけど内部でいいか)」
友人A
「〇〇、進路ってどうすんの?」
〇〇
「まぁ、内部かな。海外から色々お声はかかってるけどつい最近家完成したばっかだし」
友人B
「あ〜、あのお前が理想郷って言ってた」
〇〇
「そそ。本当は高3の今の時期くらいかなって思ってたんだけど建設会社の社長さんがさ僕のこと知っててそれまで受け持ってたやつ終わったらすぐやってくれてつい最近出来た」
友人A
「史緒里ちゃんもそこに住むの?」
〇〇
「まぁ、何か寮もあるらしいから高校上がる時に決めるんじゃない?」
友人B
「そういえば生田さんも内部らしいね」
〇〇
「へぇ、大学行くんだ」
友人A
「らしいよ。」
友人B
「そういや、〇〇って生田さんのことどう思ってんの?」
〇〇
「??どういうこと?」
友人B
「おま、まじか……まぁ、いいや。〇…」
♪ ピーンポーンパーンポーン↑
先生
「えー、2年A組久保〇〇、2年B組生田絵梨花。今すぐ職員室に来なさい。特に久保〇〇、しらばっくれないで絶対に来い」
友人A
「……お前何かしたか?」
〇〇
「いや、何かやらかした気はしないんだがな……」
友人B
「何で生田さんも呼ばれたんだ?」
〇〇
「そんなの知るか、とりあえず行かないとやばそうだから行ってくる」
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