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君と話がしたい


梅side

初めて会った日の翌日、私は○○君と一緒に実家の近くにある海岸にある遊歩道を歩いている。仕事はマネージャーさんに都合を話して明日の朝の生放送以外はキャンセルしてもらった。

梅:…………

〇:…………

一緒に歩いているのはいいものの如何せん会話が無い。昨日の夜も〇〇君は疲れていたのかお食事をしている時にはうとうとしていて食べ終わる前には母親によって寝室へと運ばれていき今朝も私が起こしに行くまでは寝ていた……と思う。

〇:…………

昨日、「よろしくねお姉ちゃん」って言われたっきり何も話してるところを見たことがない。流石にまだはじめましてから1日も経ってないし警戒されるだろうなぁとは思ってたけどここまでとは予想外だった。

梅:〇〇君は何か好きな食べ物とかあるの?

〇:……イチゴかな…

梅:へぇーイチゴ好きなんだ。私も好きだよ。

〇:そうなんだ……

梅:…………

〇:お姉ちゃん、…はお仕事とか大丈夫なの?

梅:え?

〇:だってさっきからスマホすごい鳴ってるけど大丈夫なの?

梅:ほんとだ……

〇〇君に意識が集中していたから気づかなかったけど30分くらい前からずっと通知がなっていた。
ほとんどは乃木坂のグループLINEで後はお母さんや美月、史緒里、楓、今日一緒の撮影をする予定だったかっきーとさくちゃんとあやめちゃんからだった。とりあえずその場で返した方がいいと思ったものには返信した。スマホをしまい、横を見ると〇〇君が居なくなっていた。

梅:(え?どこ行ったの?)

ふと回りを探していると歩いていた遊歩道のすぐ横にある海岸の砂浜にいた。何かを見つけたのか座り込んで何かを見ていた。

梅:何見てるの?

〇:やどかりさんがいたから。海来るの初めてなんだ。

梅:そうなの?

〇:うん。お家は山の麓でおばあちゃん家も田舎の田園地帯だったし。

梅:そっか……なら今日からは沢山見られるね!

〇:?どうして?

梅:だって今お家から歩いてきたでしょ?行ける距離にあるからこれからは毎日でも……ね?

〇:お姉ちゃんは?

梅:私?私は毎日は無理でもたまには見られるかも?(笑)

〇:そっか。

梅:また一緒に来ようね?

〇:……うん。



また1つ君との思い出が出来た日。




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