湘南日誌 10月18日

晴天。洗濯機を3回まわす。
私も夫もいつの間にかまた日焼けしている。

夫と娘が夕飯に餃子を作ってくれた。
娘はワンタンのように具をちょっぴりしか入れないで、薄いホタテ貝のようなものを10枚以上作っていた。
夫が白米を炊くのを忘れたので、私たちはひたすら餃子だけを食べた。

寝かしつけを夫に託して、夜の川を昇るように家電量販店へ行き、自分への誕生日プレゼントとして活動量計を買う。

再びとっぷりとした夜の川縁、久しぶりにヘッドフォンで歌を聞きながら、10代の頃のように歩く。あの頃実家は川の近くにあって、私はやっぱりヘッドフォンで耳をふさいで、どこにもいけない、わけのわからない、みぞおちあたりからわき上がる熱を噴出させながら何時間も歩いていた。

曲と曲の合間に、魚が跳ね、風に潮の香りを感じ取る。
三日月が鋭く光っている。
耳をふさぐピアノの鍵盤の乱暴な調べ。橋の上。
脂肪も骨も剥ぎ取って、どこかに駆け出しそうになる。
そうしていいのかどうか、けれどそうしたら娘にはもう会えないような気がして、それが私をここにとどめている。

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