湘南日誌 10月27日

強風。なにか花粉のようなものが飛んでいて、目と鼻と喉がかゆくなる。

娘が後ろ手に隠してやってきて、はいプレゼント、と、幼稚園で作ってきた首飾りをくれた。
ストローや小さく巻いた紙などのカラフルなビーズを連ね、どんぐりとまつぼっくりがチャームとして下がっていて、とてもとてもステキだ。

夕飯後、何となく、母にTV電話をかける。明日の母は術後一年検診なのだった。
母はいつになく明るく声に張りもあった。聞けば先ほどまで会社帰りの妹が来ていたそうだ。
母の映る画面に、娘は今日プリキュアごっこで自分が考案した「トゲトゲビーム」を出してみせたり、私は先の首飾りを自慢して見せ、最後は二人で明日の検診がんばれーがんばれーと応援して画面を閉じた。

妹に電話をし、母の様子を聞くと、一時期のいちばんひどかった状態からは持ち直し、痛み止めも合うものがようやく見つかり、徐々に食べたいという気持ちも出てきたようで、今はパッチをしていれば4時間は痛まず外出も眠ることも少しだができるようになって、気持ちも上向きになったらしい。
昨日のレントゲンによれば、どうも、今になって5月の放射線治療が効いてきているのか、痛みの原因と推定されていた部分が溶け小さくなってきているようだとのことだった。

「そんなことってあるの?」
「ねぇ。なんだかわからないけど、お父さんもお母さんもちゃんと聞いてこないからさぁ」

しかしそれでもしかしたら、入院しなくても、このままよくなるかもしれないという希望が出たのだ。

「まあとにかく明日だね」
「そうだね」

あとは妹の3人の息子たちの愚痴をおもしろおかしく聞いて、笑いすぎて喉が痛くなった。
娘も妹に会いたいと言っている旨伝えたが、子育てが大変すぎるので冬まで会えないと言われる。

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