湘南日誌 10月29日

朝、洗面所にて、小さなゲジゲジが出る。

娘を幼稚園に送って帰る途中、雨がパラついた。
天気予報は1時間ほど雨が降ってその後は曇りと出ている。お隣の奥さんが洗濯物を干していたので、道中雨がパラついていた旨を挨拶がてら伝える。奥さんとは99%洗濯物を干すときに顔を合わせるので、99%天気の話になる。

夜、リビングにて、巨大なゲジゲジが出る。
壁の飾りかと見まごうほどの大きさだっために逆に気づけなかった。娘と二人、ヒーヒー言いながら、勇気を振り絞ってそのへんにあったペーパーナフキンでたくさんある足のうちの一部をつかまえて、外に逃がした。
こちらに引っ越してきて、私は大分虫に強くなった。

「朝もね、洗面所にね、小さなゲジゲジがいたんだよ!」
「じゃあ親子なのかもね。子どもを探しに来たのかな?小さいのはどうしたの?」
「パパが外に逃がした」
「じゃあ外で会えるといいね」
「でも違う窓から出したから、会えるかなー」
「きっと会えるよ」

寝室、横で娘が眠る暗闇の中、ラジオで日本シリーズを聞いていた。
試合は福岡ソフトバンクホークスが勝利し、優勝となり、ラジオを切って布団をかぶった。静けさと寝息。日本シリーズで負けることが(負け方にもよるだろうが)、こんなに悲しい気持ちになるものとは知らなかった。リーグ優勝の喜びを打ち消すような悲しい負け方だ。日本シリーズなんてない方が良かった。

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