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呼んだけど聞こえにくかった😉⁉️

身の回りで、話しかけても振り向かない人はいませんか。その時に感じることは、①無視した②愛想悪い③この人何なの💢など、あまり良い印象はもてないでしょう。おそらく、私自身も似たような印象を与えているのかもしれません。

私は右耳が聞こえません。だから、右側から話しかけられると全く聞こえません。

日常生活は四方八方に人がいて、あらゆる方向から声(音)が聞こえてきます。

私の体験を2つ書きます。

ある日、職場のデスクワークで私の目の前にいる人が妙な視線を投げかけてくる。「もしや?」と思い右側を振り向くと、人が話しかけていた。

会議室の向こう側から私の名前が聞こえる。どこから呼んでいるのかがわからない。周りにいる人の個々の顔を見て、声をかけている人を探し出す。

私のような状態を「一側性難聴(一側ろう)」といいます。あまり聞かないが、500〜1000人に1人はいるそうです。例えば、一学年10クラスある学校では、学年に1人から全校に3人はいるという事になります。また、建設業や製造業、金融業、総合スーパー・情報通信業・宿泊業・学校病院など、割と身近な職場でも1〜3人は一緒に働いていることになります。人は年齢を重ねると、聞こえにくくなることがあるので、実際はもっといてもおかしくはないでしょう。

片耳は正常に聞こえています。だから、耳から入ってくる情報が全く無いわけではなく、日常生活に大きな支障があるわけではありません。

ただ、私たちは人との関わりの中で生活をしています。人と関わる事で多少騒がしくなる場面もあります。様々な声の高さや大きさを持つ人が会話を交わし、状況によって小さな声でささやく場面もあります。

そこで、右耳が聞こえない私が困ったことを7つを紹介します。

①右側から話しかけられると聞こえない。                     皆さんの想像通りです。その時の私の対処として、上半身を捻りできる限り聞こえる左耳を話し相手に向けます。それで対応できる人は、滑舌がはっきりとして声が大きい人の場合です。右隣からパソコンを打ちながらの声かけとなるとほぼ聞こえません。その時は、実際は聞こえていないが聞こえているふりをし、その場を過ごしている。

②右側から声をかけられても気づかない。                  人を呼ぶ時に、多くの人は相手の名前を口にして呼ぶ。呼ばれた人はその声(音声)に気づいて相手に顔を向ける。聞こえない自分として気が付かない。肩を叩いてくれたら分かるのだが、そのような人はいない。

③遠くから声をかけられると、何処から聞こえるのか分からない。       声は聞こえるが、その声が何処から聞こえるのかがさっぱり分からない。音の聞こえてくる方向がわかる理由は耳が2つあるからです。両耳で聞き取る音の、音量と微妙な時間差を認識し判断している。右耳が左耳より大きな音が速く届いたならば、音源は右側にあると把握する。また、左右の耳に届く音の速さが同じならば両耳から等距離(視線の正面方向または真後ろ)方向に音源があると把握する。その微妙な刺激と反応で方向を理解している。私は片方しか聞こえていないので、音源との距離とその音量が把握ができない。だから、遠くから声(音声)だけで名前を呼ばれても、どこから自分を読んでいるのかはわからない。そこで呼ぶ人が手を挙げりなど視覚でわかるようにしてくれたらわかる。              また、音源と2mほどの距離から呼ばれた場合は、音の全てが左側から聞こえてくるので、実際は右側から呼ばれていても迷わず左側に振り向き、周りの人を脅かすこともある。また、車を運転していて、救急車等が何処から来るのかが分からない。しかしその場合は、正面の視覚の範囲を凝視し、ミラーに写る周辺の車の動きを観察し、終いには赤色灯が目に飛び込んでくるので正確に把握することはできている。

④うるさい場所では、左右関係なく音が聞きとににくい。           騒がしい場所(スポーツ観戦・コンサート・マイクで喋っている人がいるところ)では、絶望的です。「会話」という行動を放棄します。

⑤仕事に集中すると、周りの声・音が耳に入らず、気配に気づき難くなる。   私自身が”凝り性”だからだと思うが、パソコンに向かうと時間を忘れて頑張りだす。しばらく経って周りの人がよく「さっき声を掛けにくかったから今話すけど・・・」と言う。おそらく、周りの声・音・場の空気が耳に入らず、話しかけてきた人を無視していたと思われる。

⑥右側から物を落とすと分からない。                    右手から物が落ちるとそのことがわかりません。「分からないのは普通のことでは?」と思うでしょうが、人は、物が落ちたことを気づくことができます。それは物が落ちた時に生じる「音」です。その音をキャッチすることで「落とした!」ことが分かるのです。。私は、お金が落ちても気づかないと思います。

⑦左耳を塞ぐと何も聞こえない。                      聞こえない右耳。聞こえる左耳。左耳を完全に塞ぐと、かなりのけたましい音(落雷)でなければ何も聞こえません。一側性難聴ではよくあることを話します。就寝時、眠りに入ると勝手気ままに寝返り打ちます。熟睡したいのは誰でも同じです。寝ている時に聞こえてきた「うるささ」をオフにするため、聞こえる左耳を枕に押し付けて心地よい眠りに入る。その姿勢で朝を迎える。目覚ましアラームが聞こえない。嘘のようだが、本当に右耳が音をキャッチできないのです。その日のスタートは悲惨なものになります。私はそのことが恐怖で、寝ている時に聞こえる左耳を天井に向けようと、夜中に何度も起きていました。しかし、今ではApple WATCHの手首の振動アラームが大活躍です。そのお陰で朝までゆっくりと寝ることができています。。

以上、自分の体験を交えながら、一側性難聴で困っている人の状況を紹介しました。聞こえないことから不便に感じる場面と、聞こえないからこそ自分の時間に気兼ねなく浸っている時間があります。右耳が聞こえていない自分の体とどのように付き合っていくかが私自身の課題であり、人の表情や動きを注意深く観察することでコミュニケーションがうまく取れるように努めたり、時として人の集団から離れ、少し落ち着いた時間を過ごしながら自分を取り戻したりします。そのような一風変わった行動も一則性難聴の特徴なのかなと思っています。

話しかけても振り向かない人がいましたら「無視された😭」「ムカつく💢」と思う前に、「もしかしたら?」とイメージを膨らませてください。そして肩を叩きながら、遠慮なく次のように言っていいかと思います。 

「呼んだけど聞こえにくいかった😉⁉️」

そして、その人が日頃感じていることを聞きながら、お互いにぎくしゃくしていた部分を吐き出し、笑顔になれたらいいなと私は思っています。



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