有無を言わさず取り上げる大人たちへの代償は...
ネットを騒がせた『香川県議会ネット・ゲーム依存症対策条例』。「ゲームはダメ」ということではなく依存症を防ぐ目的、ということらしいです。
平日60分、休日は90分と子どもたちのゲームプレイ時間を県条例で制限するものですが、保護者や学校の債務とし罰則規定は今のところないようです。監視面の実効性から見ても無理があるし、結局注意喚起に終息するのでは?と予想しています。
WHOはギャンブル依存症と同様、ゲーム依存を病気と位置づけています。定義として「ゲームのやりすぎで日常生活に支障をきたす程度」としていますが、その程度も曖昧で「そっち寄り」のデータ収集という見方もできるもの。
ゲームがいいか悪いか、憂慮すべきはその是非ではなく、一部の「大人」が規制をもって支配した結果もたらせられる反動です。
この度の条例では学生に限り規定の対象とされています。依存を防ぐためのものであるならばゲームにハマる18歳以上の大人たちも対象となるのではないでしょうか???
子どもたちを統率出来なくなった大人たちが、奪うことで黙らせようとしている構図にしか見えなくなってきます。
県議会はパブリックコメントを求めていますが、当事者である学生たちの声はどれほど反映されるのでしょうか。対話の場は設けられるのでしょうか。
取り上げたり、制限することで絶望させないで欲しいと思います。声の大きさや力の強さだけで教えようとしないで欲しいと思います。
本当の問題は、この空疎な条例が挙げられたことで 子どもと大人の認識の隔たりが露呈し、子どもたちが大人を諦めてしまうことにあります。
対話の場もなく、ストレス発散にもなり得る時間は制限され、自主的に学ぶことを強いられる。大人たちに話しても無駄、聞いて貰えない、どうせこうなる……そんな子どもたちがますます増えていく気がします。
反発はやがて諦めや失望にかわり、埋められない溝をより深いものにするでしょう。
大人、子どもの境界線のない対話の場を。
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