ささいなことをわすれるまえに

この日のできごとはとても素晴らしくて
じぶんの人生にかなりのインパクトを与えてくれたから
いつまでも覚えているだろうというできごとでさえも
記憶をひっぱってくるのに時間がかかる今日この頃です

先日とてもささいな喜ばしいことがあったので、noteに残しておきたいと思いつづけて軽くもう1週間が経つので朧げになってきた記憶をたどって

その日わたしは朝から図書館に行きました
何度も素通りしていた隣の美術館の展覧会のポスターがなぜか鮮明に飛びこんできて、観に行くことにしました

観覧中にバインダーボード持参でイラストやメモをしきりにとってる黄色マスクに黄色バックパックで黄土色のハーフパンツを着用した通称イエローマンの存在がとても気になりながら、マイペースに観覧を終えて、建物を出たあたりで、“お姉さん面白い作品の味方しますね”と声をかけられ振り返るとイエローマン
私も気になっていました、声かけてくれて感謝ですと、話をきくとどうやらサイエンス系のエンジニアで、そしてなんとご近所さんだという事が判明
お子様もいて妻はグラフィックデザイナー、というなんともクリエィティブな一家の主人からナンパしていただきとても喜ばしいかぎりでただただハニカミつづけます
そしてSNSというとても便利な時代の機器を活用して
何か機会があればまた情報交換しましょう
と爽やかにお別れしたのでした

ルンルン気分で行きつけのロックな八百屋に向かう途中
以前から調子の悪かった愛用のロードバイク
通称TREKちゃんがますます不調に
ブレーキがもはや機能しなくなりペダルを漕ぐたびに不思議な擦音を鳴らし出しました
夕方に君とまた遠出するのにこれじゃあいかん

八百屋に到着して目の前に飛び込んできたのはいつも美味しいVegan SweetsをカスタムTREKに乗せてやってくる、たったいま到着したばかりの様子の東京シティから京都にやってきた美魔女
TREKちゃんの調子が悪いことを伝えると
八百屋さんから近所のおすすめの自転車屋さんを教えてくれました

その自転車屋さんは親子孫3世代でやられていて、よっぽど自転車が好きなんだとおもう
とのとても親切な情報を手がかりに行ってみることに
若いお兄ちゃんが出てきて、その奥に控えるおじいちゃん
はじめまして、なんだけど家族構成を聞いたせいかなんだか前から知っているような気がする、そんな不思議ノスタルジア

というか外観からじゃ分からないけど
この自転車屋すごい格好いいですねと
見所満載な店内をウロウロしてると
トラブルの合図を送ってくれたおじいちゃん、そして孫がとても親切にTREKちゃんの現状の欠陥を教えてくれて、
追加でいろいろお願いする事に
修理の早さも説明の的確さも値段もおどろくほど親切でまた来たくなりました
(自転車で30分ぐらいかかるけど通いたいと思える気持ちにさせてくれるホスピタリティ)
温故知新というか、善因善果というか
この自転車屋はずっと愛されてきてるんだなと実感したのです
ありがとう美魔女、そしておじいちゃんと孫

自転車の調子が良くなったところで遠出です
最近よく畑へと誘ってくれる白髪Aさんからこの日も招集がかかったので、待ち合わせ場所へ
TREKちゃんは駐輪場へ

畑で美しい菖蒲と紫陽花を摘みました

そしてこの日の空は最高でした
あっという間に水色からピンク混じりのオレンジと出会ってからネイビーへ

今日もいい出会いがあって幸せだったなと
摘んだ花をバックパックに突っ込んで、TREKちゃんのもとへ
なんだか隣の自転車とやけにからまり合っていて、ちょっと不安になりつつ、無理やり引っ張りだすと、さっき修理したはずの部分が全てバラバラに
これはつまりあるあるネタの新幹線でトイレ入って大してスッキリしたけど、トイレットペーパーないやんどうしよう
みたいな状態です(?)
真のロードバイク好きだったら事前に気づいていただろうが、そこまでロードバイクに熱くない自分はただただ助けを求めることにしました

窓口にはいかにもロードバイクに乗らなそうな中年女性
どうしよう、私しかいないんだけど、こういうのやった事ないから全く分からない
と言いつつ彼女はとても親切に寄り添ってくれたのです
これと似た構造のロードバイクを探して、ヒントを得ましょう
と言ってくれたその言葉を元に20分ぐらいの格闘の末、見事に復元できたのです
感謝を伝え、紫陽花をあげようとすると、私の庭にもいま咲いているから気持ちだけ
といって窓口の裏の洗面所の方へ消えていきました

そりゃそうか花は同じ時期に咲きますものね
でも紫陽花ってそんなに普及してる花なのかしらと安堵の気持ちと共に、ポピュラーフラワーの実態を微かに知り帰宅の途へついたのでした

こんなささいな1日がとても愛おしかったのです
盛り上がりにかける日常のひとこまですら、
とても素晴らしいのだから、
毎日はとてもステキなはずなのですが、
ささいさゆえに簡単にわすれていってしまう

だけどいまこの瞬間にまたこの日のことを思い出していると、サポートや温かい視線でこの世の中が回っていけたら、たとえ予測できない事が起こっても、とてもいい循環に包まれてどうにかなるような気がするなぁという気持ちが湧いてきて、わすれたくないなとなるのでした