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REVIVALセルフライナーノーツ -ライジング編-

KOTORI横山です。
前回は東京大都会というパワーワードからなぜこのnoteを書こうと思ったかという経緯を説明しました。

僕のめちゃくちゃ真面目な一面を披露してしまったので、最終的にはすごく硬派で気難しそうな面白くない奴みたいな文章になってしまいました。
穏やかで優しくて面白い奴と思われたいので、もうちょっとゆるい感じでいこうと思います。

ちなみにこの記事を書く
前に、これの使い方を知って
ミニ改行も引用も覚えたので
上級者のフリして
それっぽくしてみてるとこなんですが
めんどくせえ奴みたいになって
すみません。

本題ですが、今回からはKOTORI 2nd Full Album 『REVIVAL』の簡単なセルフライナーノーツを書いていきます。
この曲はこういう曲です!っていう感じではなく、曲の制作過程やレコーディング時の様子を交えて、曲や歌詞に込めた意図を良い感じに伝えられればと思います。曲を聴きながら見てもらったり、見た後に聴いてもらえれば嬉しいです。

M1.ライジング

上坂(KOTORI Gt.Cho)が「1曲目っぽい曲できた」とデモを送って来たとこからスタートしました。仮タイトルは「Sun」。かっけぇ。
僕らの制作スタイルは僕か上坂がデモを作って、各自耳コピしてスタジオで合わせてアレンジを加えるものがほとんどで、僕も上坂もデモの段階でかなり作り込むのでアレンジもそのままだったりします。この曲は完全にそれで、ほとんどそのデモのまま完成しました。

ちなみに、REVIVAL以前のほとんどの曲は楽曲僕がデモを作っていたので制作が全く進まないこともあり、2018年にリリースした2nd Mini Album 『CLEAR』ではかなり難航しました。それ以降上坂もデモを作ってくるようになり、このアルバムの約半分は上坂が作曲するまでになりました。
ただ、このアルバムの制作も実は結構難航してて、3,4曲はレコーディング期間中にできたものがあるのでその話はあとで出てきます。
もっとちなむと、僕作曲と上坂作曲の曲の見分け方はオケ(歌以外の演奏)がめっちゃテクいかシンプルかです。めっちゃテクいのが上坂でシンプルなのが僕です。これだけで大体わかります。

楽曲の話に戻ると、この曲はジャンル的にはかなりemoを意識したものになりました。
この曲というかアルバムの構想段階でかなり意識していたので必然なのですが、その中でできた曲の中でも僕らの中ではより振り切った方に入る曲です。
メロディを作るのは基本的に僕で、上坂が作る曲はさっきも述べたとおりめっちゃテクいので、すごい複雑なコードとかそれなに!?っていうフレーズを入れてくることが多くてマジで大変です。

この曲もどこに歌を入れればいいかわからなかったのですごく苦労しました。
いくら考えても出てこなかったのでプリプロで仮歌を入れる際に、歌詞もメロも何も考えずアドリブでド下ネタのあるあるを歌ってました。
数テイク録った中で、歌い出しが決まりました。

あるある言いたいな〜!
(世界を変えるのさ〜!のメロで)

皆さんもぜひこの曲であるあるを歌ってみてください。
最後の1フレーズで放つあるあるがめちゃくちゃ気持ちいいです。


そこからちょっとずつメロを広げていってサビではシンガロング。
これも今作でやりたかったことの1つで、うまくハマったと思います。
曲を作るにあたっては絶対にライブを想定するので、シンガロングに関してはライブでこうなって欲しいという意図が一番見えやすいところだと思います。

歌い出しのメロと歌い終わりのメロが同じなのはKOTORIではおそらく初めての試みでした。これは上坂の要望で、新たな風が吹いた感じがしました。
インパクトもありつつ次に繋がる終わり方で、「ザ・アルバムの1曲目」っていう感じがします。正確には「ジ・アルバムの1曲目」。
ジ・アルフィー


技術的なところだと、チューニングはこのアルバムで多用している
ハーフダウン6弦ドロップ(C#G#C#F#A#D#)から1弦をドロップさせた(C#G#C#F#A#C#)というemo界隈のバンドがよくやりそうな変則チューニングを使っているので、フレーズもコード感もちょっと不安定だけどギラギラしてる感じです。

サウンド面で意識したのはTheir/They're/Thereやsaidだったと思います。

ギターがジャキっとしてる感じでリズムはどっしりみたいな。
たぶん本当のちゃんとしてるライナーノーツとかだとこういうことをもっと専門的に書くのかもしれないけど、レコーディングの時もこんな感じで要望してるのでそれ以上ないのです。


そんな適当な要望にも応えてくれるのが、今作からレコーディングしてくれている僕と同い年のエンジニアの寺村啓吾とこれまで全ての作品でドラムテックをお願いしている佐藤謙介さんです。いつもお世話になりすぎてます。

REVIVAL以前の作品は全てRecording,Mixまで池田さん(hmc studio)がやってくれていて、池田さんがいなかったらできなかった作品がほとんどです。お世話になりまくりすぎています。お世話になるレベルMAXです。

本当に色々なことを教えてくださって、僕らにとっては音楽の先生みたいな人ですが、レーベルボスの鈴木さん(KTR)の提案で今回はそんな先生の元を離れて、初めて別のエンジニアの南石聡巳さん(duskline recording studio)にMixをお願いしました。(※M4.羽 のみMixは池田さん)
エンジニアが変わるだけで音も全く違うのを実感してすごく新鮮でした。
音には好みがあるはずなので一概にどっちがいいとかはないですが、過去作と比べて聴いてみるとその違いがかなりわかると思います。面白いです。

CDやレコードの歌詞カードの最後のクレジットにはエンジニアやテック、スタジオなどが記載されています。
好きなアーティストのエンジニアを調べて、そのエンジニアが他にどのアーティストをやっているのかを調べたりするだけで、新しい発見があったり納得したりして楽しいです。

技術的なことはもっとあるはずなんですけど、お互いちょっとめんどくさくなってきたはずなので最後に歌詞について話して終わりたいと思います。


歌詞については、聴き手が一番想像力を働かせるところだと思うのであまり深くは触れませんが、この曲に関しては正直何も考えていません。というか歌詞の中でそう言ってます。

今歌いたいことは何もないけれど
それでも歌いたい理由なら確かに1つだけ

ちゃんと引用を使えました。偉い。成長。

今歌いたいことは何もないけれど と言いながら歌っている矛盾。
インパクトとオケのかっこよさを前面に出したかったのであまり歌詞が前に出ないようにしたとはいえ、9mm Parabellum Balletばりの「世界を変えるのさ」というワードでインパクトに全振りした後のことを全く考えてなかった。何も出てこず「俺今歌いたいことないわ..」となっていたのをそのまま歌詞にしちゃいました。甘栗

その後の歌詞
それでも歌いたい理由なら確かに1つだけ
が出てきたのは音楽に対する自分の気持ちであって、それだけはずっと変わらないのでいつでも歌っていいことだと自分で納得しました。
結果的にその気持ちのまま他の歌詞を書いたので、全体としては決意表明になってアルバムの1曲目としても合うのでよかったと思ってます。

ところで、今回の記事の最初の方で変に改行と引用をしているところがありましたよね?そこの1文字目を縦読みすると?













<< ち前ミ上そめす >>

そうです。何もありません。
何か意味ありそうで何もなかったり、実は5文字目を縦読みすると何かあったり。伏線張ってるように見せかけて結局何もなかったり。実はそれすら伏線だったり。

曲や歌詞も一緒で、今回のように特に歌詞に意味はないけど意味ありげに見えたり、その逆もあったり。なるほどこのフレーズはここのためにあったんだ!とか色々わかるとまだまだ楽しめると思います。
そういう探り合いが音楽を通してできたら絶対楽しいはずなので、一緒に探っていきましょう。


前編・後編で分けようと思ってたんですけど、まさか1曲の解説がこんなに長くなると思ってなかったので次からは2曲ずつぐらいで解説できたらと思います。長くなってすいません。

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