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どうしたら自分で片付けられる子供に育ちますか?



私の片付けコンサルティングのお客様は、約7割がワーキングマザー。乳幼児のお子様がいらっしゃる方も多いです。

どうやったら自分で片付ける子になりますか?

という最も多い質問について、今回は子供との片付け方のポイント!ではなく、お片付け育に必要な「前提」について書きました。


1.つい先日の出来事

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とある日曜日、午後から家族3人でちょっと遠い街までお出掛けの予定がありました。

午前中、リビング〜隣接する子供部屋の床を、足の踏み場もないほどめいいっぱい散らかして遊んでいた息子2歳11ヶ月。

私は出掛けるときはルンバに床を掃除しておいて欲しいので、おもちゃはしまってほしい主婦心も...

いつも出掛ける前はおもちゃを元の場所にしまうように伝えているので、今日も「お出掛けするからお片ししよっか〜!誰が一番早くできるかなー?はい、よーい、スタート!」と話しかけました。

いつもはそそくさと片付け始める息子。
今日は立ち止まって床を眺めています。

私「どうしたの?お片ししたくない?」

そしたらなんと、彼はこう言うのです。

「でんちゃ(電車)とレールはそのままでもいっ?ブーブ(ミニカー)とボールだけお片しする!でんちゃとレールはあとで遊ぶからね!」


感動する私。もちろんその申し出を快諾。
彼の意見は、とても素晴らしいと思ったんです。

まず、おもちゃをカテゴリーで認識して、それ別に片付けるクセがついている点。

いつも「じゃあまずはでんちゃから〜」「次はブーブかな〜!」と、しまっているBOX別にお片付けを促しているのですが、それが身につき始めている。



2つ目に、自分の所有物を片付けることにオーナーシップを持っている点。

彼が作る電車とレールの世界観はいつも大作です(笑)部屋を横断するほどに1本に長いときもあれば、複雑に設計して電車をぐるくる走らせていることも。作るのにいつも非常に熱を注いでいて、そりゃ作って数時間で壊されたらたまったものではないよねって思わざるを得ません。笑

だから「今は片付けたくない」の裏には「電車とレールは組み立てるのが大変だから壊さないで。後でまた遊ぶからそのままにしておきたい。」という思いがあるんだと察しています。


母親に言われたからただやるんじゃなくて、自分の意見も出しながら片付けようとしてくれた彼の姿勢にとても感動しました。

私の片付け育児、間違ってなかったかも...とほっとした瞬間です。



2.楽しく片付けに巻き込むための前提

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自分がやりたくないこと、嫌いなことを「いいからやりなさい!」って伝えても、相手も損した気持ちになるし「そんなの嫌だよ」と反射的に思ってしまいますよね。片付けも一緒。親が常にイヤイヤ取り組んでいる、片付けで困ってる、苦しんでる姿を見ている子供は、片付けが大好きになるでしょうか...?私は、なかなか難しいと思います。
子供にあれやこれやと手を施す前に、まず自分自身の生活を振り返ってみましょう。


楽しく片付けするための前提条件

【住環境】
1.「快」「不快」を感じられる家であること
2.パーソナルスペースとパブリックスペースが明確に分かれていること

【コミュニケーション】
3.なぜ片付けるのかを常に説明していること
4.自分のモノは自分で管理するものだと常に伝えていること
5.片付けが楽しい(面白い)と感じられる伝え方を常に親がしていること



1.「快」「不快」を感じられる家であること

常に全体が雑然としている家にずっと住んでいると、人は「何が心地よくて何が不快なのか」に鈍感になります。

ホテルやちょっといいレストランなんかに行ったとき「うわ、キレイだなー。素敵だなー。」ってちょっとは思うじゃないですか?その感覚が家の中になくて、常に「こんなもん」という状態。

それでは子供自身が「快適と不快」を感じるアンテナの感度を磨くことができないので、「片付けなさい!」と言われても「...なんで?このままで別にいいじゃん。」となってしまうのです。


2.パーソナルスペースとパブリックスペースが明確に分かれていること

あなたの家はリビングダイニングが「家族全員の物置」になっていませんか?

いるのかいらないのか分からない郵便物や書類の山...ダイニングチェアに置きっぱなしのパパのカバン...脱ぎっぱなしのパジャマ...読みかけの本...テーブルに置きっぱなしのゲーム機...カピカピになった食べかけのお皿...あちこちに散らかるおしりふき...w


リビングダイニングというのは、いわゆる家族のパブリックスペース。
この場所の最大の目的は「家族や来客した人と一緒に寛ぐこと」のはずです。

自分と家族をおもてなしできるスペースであって、パーソナルなモノを大量に散乱させておく場所ではないのです。

だから、もしパーソナルスペースとパブリックスペースを混同して空間を使っているご家庭は、ぜひ「誰の何のためのスペースなのか」を話し合って、空間を分けてみてください。


3.なぜ片付けるのかを常に説明していること

我が家の場合、片付けるタイミングは主に1つだけ。それは

自分が使った場所を長時間離れる場合

例えば出掛ける前、寝る前、その作業が一段落して終わったとき、など。

子供の場合、
・保育園に行く前
・寝る前
・お出掛けする前(休日)
という感じです。

私はこんなふうに片付ける理由を伝えています。

▼保育園に行く前
保育園に行くから夜までもうおもちゃ使わないね?散らかったままのおうちに帰ってくるのは美しくないから、キレイにしよう〜?
▼寝る前
もうねんねの時間だから、おもちゃもお休みさせてあげよっか!
▼お出掛けする前(休日)
お出掛けしてる間にルンバに床をお掃除してもらいたいから、おもちゃお片ししてくれるかな?床におもちゃがあったら、ルンバがお仕事できないんだよー。


などなど。理由はご家庭によってなんでもいいと思います。上記のような伝え方が馴染まないご家庭もあると思うので、これは正解とかないと思います。
ただ「片付けなさい!」では子供も「なんで?」ってなってしまうので、できるだけ丁寧に説明してみるよう私は心がけています。




4.自分のモノは自分で管理するものだと常に伝えていること

これは一番重要です。
おもちゃや絵本の管理人はあなた(子供)であって、ママでもパパでもないんだよ、というメッセージをし続けること。
これを伝えるためにも、2のパーソナルスペースとパブリックスペースが区別されている必要があるんです。

収納するために必要な空間は親が用意するけど、所有物の管理は自分でオーナーシップを持つものなんだよ、と。
これが伝わっていないと、いい大人になっても「母さ〜ん、俺のあれ、どこやったー?なんでないわけー?出してよ!」って、顔も見ずに自室から叫んでくるような子供になるでしょう。(それを将来のパートナーにもナチュラルに悪気なくやってしまう可能性が増します。)


5.片付けが楽しい(面白い)と感じられる伝え方を常に親がしていること

とはいえ「ひぃぃぃっ、自分も片付けが苦手だし好きじゃない...そんなふうに子供に接せられない。」と苦しむ人も多いと思います。

そんな人でも簡単にできることがあります。それは

「片付けなさい!」
「なんで片付けられないの?」
「もうこれ捨てちゃうからね!」

といった命令・否定・脅しの言葉を子供に対して使わないことです。
これを使うだけで、片付けに対してネガティブで嫌なイメージを抱いてしまうから。一度抱いたイメージを覆すのは難しい。

もし自分も片付けが苦手なのであれば、少しずつ一緒に子供と片付けTIMEを作って取り組んでみるとか、思い切って外注してみるとか、私のような整理収納アドバイザーの力を使うなどしてみてください。



3.日々の暮らしそのものが子供へのメッセージ

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私は父と母の暮らし方や考えがとても好きでした。日々の生活そのものが人生の修行の1つであり、所作含め美しいことは実は合理的である。ということを常に教えられたのですが、今でもすごく役立っています。

何より父も母も、日々の家事を私のペースに合わせて一緒に楽しんでやらせてくれたことが大きかった。一度も強制されたことがなかったんです。


だからあらゆる家事は、「父と母と一緒に遊べる1つのコンテンツ」くらいに思っていました(笑)
この感覚は、小学校にあがるまでの5〜6年で培われています。暮らしのスタンダードが幼児期に身につくと思えば、子供に見せる暮らし方、コミュニケーションにも一本筋を入れたいところです。


だから私も自分の子供と一緒に面白ろ可笑しく家事をやりたいし、できると信じています。

そんな家庭が増えたらいいなと願って...!




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