居酒屋🏮4
「しかしあれだな」
「うん?」
「来るたんびに思うんやけどね、この天井の提灯、ホンマ圧巻やね」
「あ〜これね。最初は数個しか無かったのよ。お客さんが次々と持って来てくれてね。気がついたらこの天井w」
「ここまでの数の提灯は、見たことないがな」
「驚くお客さんは結構いるね。まぁ、落ちて来ても危なくないしな」
「危なくない?ホンマに?」
「だって提灯よ、紙で出来てる。軽いんだから怪我することも無いだろうし」
「大将、いま軽いって云うたな」
「だってそうでしょ」
「あそこ見てみ。大将の可愛い孫が……」
「裕太がどうかしたか?あーー!」
「な。軽くは無いと思うがな」
「裕太!やめるんや!お前はまったく!」
店の隅っこで、小学生の男の子が、せっせと提灯に、一升瓶から酒を入れていた。
「やっぱ、血筋ってあるんだがな。水じゃなくて酒を入れるとは。ただ勿体ないがな。提灯じゃなくてオレの口に入れて〜な」
「止めろって裕太!」
おしまい
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