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マーケティングカンファレンス2019感想

今年も10月20日に開催された、マーケティング学会主催のマーケティングカンファレンスに出席してきました。
全体的な私の感想としては、「溶けていく市場経済、精神性の伸長」という感じです。

生きる意味を見出すことは、大人になっても難しい

特に感銘を受けたのは、博報堂さんのランチセッションにおける講話で、
「従来の市場セグメントの見立てが「産業起点」であったのに対し、これからは「体験価値起点」になるのではないか」ということです。

デジタル化が進むにつれて「データイズム」が進んでくると、生活者も企業も「意味」が見えなくなってきており、生きる意味を作ることがこれからのマーケティングの目標になるのではないか、との解釈から展開していきます。

従来のマーケティングフレームワークの見直し

そして、従来のマーケティングのフレームワークのフローであるPEST、3C、4Pというような、従来の市場セグメントの見立てが「産業起点」であったのに対し、これからは「体験価値起点」になるのではないかということから、ポジショニングという「差異の刷り込み」ではなく、「意味の共創」が重要になり、「市場を刈り取る」のではなく、「コミュニティを取り込む」ことがセグメントのポイントになるのではないか、ということです。

(ただ、私としては、意味を見出すことは従来のマーケティングにはあると思うので、「共創」という部分がポイントであるように思います。)

そして、「市場」と「製品・サービス」のみを検討してきた従来の考え方に加え、「制度や(暗黙の)ルール」、「価値観や文化」をも検討していくことが必要になるのではないか、とのことです。

これからのビジネスの考え方

生活者の実態生活に入り込んで共に意味を創り出す例として挙げられていたのが、
例)「Spotify」音楽価値体験の向上をユーザーコミュニティで協議。
例)「PELOTON」ネットでつながるエクササイズバイク。
  バイクの販売をメインとするのではなく、
  コミュニティを形成することで生活の心の拠り所として存在できる。

こうしてみてみると、コミュニティとプロダクトを一体化させることが、今後のマーケティングの考え方の主流になり、コミュニティや生活体験の設計を、(製品やサービスを使った)体験を通じて、どのようにコントロールするかが必須となってくるように思います。

生活者を「社会的存在」として捉え、コミュニティが持つ独自の文脈(ルール)を理解することが、より一層大事になるのでしょう。

ポスターセッションにおいても、小さなコミュニティを活用した仕組み作りで収益を安定させることが必須の時代、といった主張も見ることができ、今の時代はこのような流れにきているのだなといったところが、今回の私の理解です。

書籍チェック

「センスメイキング」

知らなかったメモ

「データイズム」データが主になって人が従になっている状態
「ファンクショナルベネフィット」機能的価値。日本語で言われれば分かったのに……。
「DNVB」http://g-yokai.com/2018/03/dnvb-1.php


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