散歩

白い少女

梅雨の天気は気まぐれだ。
急な雨があがり、待ってましたと犬の散歩に出かけた。うちのはおちびさんだから、散歩とは言いがたいほどの短時間、お決まりの道筋をたどれば、そそくさと帰ってくる。
途中、うちのと同じくらいの小型犬を散歩させている少女に会った。涼しげな白いワンピ―スに白いサンダル。つっかけにうち着の私には、隠れてしまいたいほどにお洒落に見える。
彼女たちが、別の方向に行ってしまったのにやや安堵しながら、あら、どんなワンちゃんだったかなぁと、飼い主ばかりに気を取られていたことに苦笑し、短い散歩をさらに短く切り上げ、家路につく。

ざっと夕食の下準備をし、浴室で乾かした洗濯物を片付けると、また降りだす前にと自転車で外に出た。散歩から小一時間はたっただろうか。
また、あの白いサンダルの少女にすれ違ってしまった。
まだ、小さな犬のリ―ドに引っ張られるように、小走りの少女。こんどは、心なしか汗ばんで、疲れているように見える。
あれからずっと、犬と散歩し続けたのだろうか。
驚いた。飼い主も、犬も、こんなにも体力の差をつけられちゃったもんだと。
こっちは、お洒落を忘れた初老と老犬だしなぁ。

一瞬だったが、少女の姿ばかり印象的で、やはりどんな犬かは、サイズ感しか思い出せない。そして、自転車で出かけたものの、やはり雨に降られ、途方にくれながらこんなもなのを書いてる私です。

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