退院できない悲しさ

久しぶりの投稿になってしまったけど、言い換えればそれだけ順調に抗がん剤治療が進んでいた

そして最後の5クルー目の抗がん剤も終了し、あとは二週間自宅で静養して本番である手術を待つはずだった

それが退院前々日に病気の脚ではない側の脚が痛くなり腫れ出す
この時はそこまで大変なことになるとは思っていなかった

気軽にナースコールでカロナールをもらうつもりでいた

この時点で体温を測ると39.9
そんなわけないと思って反対で計り直すと39.1

カロナールは処方されたけど、同時に先生にも連絡がいく

ただしこの日は週末しかも発熱したのは夜中
タイミングも悪かった

カロナールのおかげで朝には熱が下がったけど脚はどんどん腫れていく
自分的には多分「蜂窩織炎」

最初の病気の後リンパ浮腫になりその後何度か蜂窩織炎を経験してる
なので私的には抗生剤をくれればそれでいいと軽く考えてた

でも病院はそんな簡単に抗生剤を出すわけなく、ここから尿検査と数度の採血が開始される

もうここまで来れば気がついていた
明日退院できない

それでも少しの望みをかけて、「明日退院できますか?」って当直の先生に聞いてみたけど答えは「NO」

そうだよね
でも結果的にこの退院できないことにこの後私は苦しめられていく

当直の先生は優しく丁寧に帰れない理由を説明してくれて「ごめんなさい」とまで言ってくれた
研修医が腕で4回失敗し脚で2回失敗しギブアップした採血を1回で成功してくれた

この時この当直の先生がいなければきっと色んな感情が爆発してたと思う

一旦は帰れないことを受け入れたけど、夕方夫に会ったらやっぱりダメだった
涙が止まらず溢れてくる

しかも看護師さんに見られてしまった
自分的には誤魔化したつもりだったけど全然誤魔化せてなかった

翌日、看護師長さんが来て静かに休めるようにと4人部屋から2人部屋に移動することに
この心遣いのおかげで気分が落ち着き、しっかり治療しようと思えるようになった

でもまだ退院の日は見えてこない

ところでなんで私がこんなにも退院したいかというとそれには理由がある

6月の大きな手術前の最後の退院だから
次は1ヶ月を超える入院になるし、想像を絶するリハビリが待っている

もっというなら今のように普通に歩行できる最後の期間
手術が終われば私は身体障害者になる

だから最後に普通に歩いておきたい
夫の横を同じ速度で歩ける最後の時間だから

私の勝手なわがままだし、それよりも手術前に万全な体にしておくことが大切なことも分かってる
私の治療に向き合ってくれてる先生たちの思いも理解してる

でも今回だけは帰りたい


そんな理由から異常に帰りたいをアピールしたから、きっと扱いにくい患者だと思われたかもしれない

結果的に先生たち色々頑張ってくれて、なんとか最初の退院日から4日後には帰れると言われた
ただ確定ではないし状況次第では入院のままだとも

それでも退院する日が分かってるだけで気持ちは上がる

さて、ここからが今回の経験を通して私が感じたこと
個人の勝手なわがままだともちろん理解している

それでも

帰れないことに対して落ち込む私に状況を説明する先生たちの態度は
その先生の経験値で全然違うんだなと感じた

研修医や若い先生は言葉がストレートすぎて、ドキドキする
今回何度も「もしかして退院できないかもしれない」と思ったし

それが経験のある先生や年配の先生は、とても優しく伝えてくれる
柔らかく丁寧に伝えてくれるから、安心して「私は大丈夫なんだ」と思える

この違いを痛烈に感じた数日間だった

あと声の大きさも
マスクしてるから仕方ないんだけど、めっちゃ声の大きい先生がいて説明中の声の大きさに私はずっと驚いてた

その先生は蜂窩織炎になったことで診察してくれた先生なので
私の手術のチームとは関係ない先生なんだけど

私の部屋に入る前に廊下で他の先生と私の手術の話をしていてその内容丸聞こえだった
「けっこう大変な手術みたい」って

言われなくても分かってますよ
でもそれ患者の部屋の前で言うこと?
しかも大きな声で

と思ってしまった

そんな私の悲しさをその先生の上の先生が優しく和らげてくれた

蜂窩織炎の治療法や退院の目安などを丁寧に説明してくれて心穏やかに

やっぱ年配の先生はすごい


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