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星雲。それは、君が見た闇と光。

1.はじめに

皆様こんにちは。よっこーでございます。
早いもので2021年も8月が終わろうとしていますね。
前回の投稿から半年以上経ってしまいました。
オリックスの快進撃であったり、ガンバの残留争いであったり、水瀬いのりさんのシングル発売&ライブ開催決定であったり、オリンピックであったり、色々と書きたいこともあるのですが、なかなかそう上手く時間は取れず・・・。自身の大学での勉強にあっぷあっぷしている間に執筆するタイミングを逃し、気がつけばこんなにも時間が過ぎてしまいました。
申し訳ない。
さて、そんな中で重い筆を上げた今日は推しと歌に関するお話。
いつものごとく、完全に個人の感想なのであまり気にせず、そう読み取るのか程度で楽しんでもらえたらなと思います。優しい世界で。

2.「Nebula」発売

2021年8月18日。上田麗奈さんのNewアルバム「Nebula」が発売されました。おめでたい!!!!
ご本人曰く「夏」をイメージして作ったというアルバム・・・。上田麗奈という声優からは「夏」というものをイメージしにくいと私は感じています。透き通るような、今にも消えてしまいそうな方という印象を強く抱いているので、夏とは真反対なイメージとなってしまい、正直どんなアルバムになるのかほとんど想像がつかないまま発売を迎えてしまいました。もちろんラジオでの先行公開などもありましたが、1番だけでこういう曲なんだと決めつけることはできないもので。とにかくフルで聞いてみるしか。フルで聞いて見えたもの、それを今回は書き連ねていきます。

3.楽曲感想

・全体を通して

 まず、全体を通して感じたのは「緊張感」でした。とにかく頭から終わりまで、決して止めることはできず、最後まで聞ききった時に腑に落ちるものがある。1つの音楽作品でありながら「物語的」だったと思います。1つのミュージカルや舞台を見に行った感覚と言えるかなと。もちろんこれから書くように1曲1曲にも良さはあるのですが、10曲の流れで聞くことで本当にこのアルバムを楽しむことができるのかもしれない。この10曲だからこそ作れるアルバムになっているのではないかと感じます。それだけにある意味聞く人を選ぶのかなとすら思いました。もちろん世界感が合わない等はあると思うのですが、そういったものだけではないのかなと。その感覚を私は言語化することができませんが、是非一度全曲通して聞いて感じてもらえたらと思います。

(1)うつくしいひと

 ここからアルバムが始まるんだという驚きの感覚。どちらかと言えばエンディングっぽいなと感じました。映画のエンドロールで流れたら泣くやつ←
 私はアルバムの最初の曲って、「このアルバムはこういうアルバムですよ!」というのを押し出していると思っていて、この曲を聞く限りでは、闇と言うより光の印象。ただ、光と言っても「明るい」と言うよりは「真っ暗の中に指す一筋の光」なのかと思います。一度闇を見た人がその中に光を見いだす感覚故にエンドロール間があるのかもしれないですね。ハッピーエンドを迎えたような感覚。

(2)白昼夢

 ちょっと曇ってきたぞ・・・って。「うつくしいひと」で見た光が本当にはかなく一瞬のきらめきだったかのようにその光がわからなくなる感覚。それでも歌詞の中に「光で包んで 輝き取り戻すように」「祈りが届きますように」とあるくらいなので、まだ光を保とうとしているのは感じます。それでも確かな光ではなくなっていて、焦りや不安を徐々に感じてくる。歌声にもちょっとそうした感覚を覚えました。

(3)Poeme en prose

 凄いの一言。一応立ち位置としてはインストになるのでしょうけど、インストでこれだけ衝撃を与えるとは。チーム上田麗奈、恐るべし。とにかく恐怖感、不安感。この曲の前2曲からここで大きく変えられる感覚。寝る前に聞いたら怖い夢見そう←
それでもここからどうなるんだって次へのちょっとした期待感すら持ててしまう。

(4)scapesheep

 とあるラジオで声優江口拓也さんが放った一言「上田麗奈さんに怒られたい。」わかる。
 それは置いといて、曲としての感想としては、曲調からそう思うのかもしれませんが「日本版bad guy」。いやそれは言い過ぎじゃろって思われるかもしれませんが、淡々とした歌い方、曲のリズム、ビリー・アイリッシュかよって思いました、ほんとに。
 不安感、焦燥感、そうしたものがもう溜まりきっちゃって、怒りにも近い感情を覚える。これが声優上田麗奈さんが直面した挫折の感覚なのかな。自分が経験した挫折とは違う、上田麗奈さんが声優として経験した挫折で、それ故に決して重ねられない。それでも楽曲を通してその挫折の一端を覗いているような気持ち。

(5)アリアドネ

 個人的にはこの曲が1番好きです。
 アリアドネというとギリシア神話の印象があるのですが、それと深く関係している訳ではなさそう?です。ただ、曲を聴いていると挫折からくる苦痛の感情。もう何も信じられなくなる。操り人形として仮面を付けて笑っているように振る舞う。こうしたものがアリアドネの神話における「アテネの英雄テセウスに恋し、協力して怪物を撃退したにも関わらず、眠っている間にテセウスに置き去りにされ、その後ディオニソス神に愛され、妻として連れ帰られ子をもうける。しかし、一説ではディオニソスの命を受けたアルテミスによって射殺されたとも伝えられる。」という話に少し近いのかなとも感じました。愛する人に捨てられた苦痛、愛した人を信じられなくなる感覚、他の男に愛され子どもも生まれるが、それは愛した人の子ではないという偽りの愛のような感覚。そして最期にはその相手にも殺された苦痛。近からず、遠からず。
(アリアドネについてはコトバンク(日本大百科全書(ニッポニカ))より要約)

(6)デスコロール

 静かな狂気。前曲アリアドネが動、デスコロールが静。アリアドネの後にあるにも関わらず、その静がはっきりと狂気と分かってしまう。むしろアリアドネの後にあるからかもしれないが・・・。
 またアルバムに付いている歌詞カードが、このアリアドネとデスコロールのところだけ、配色や文字のフォント変えているのも作り込みがされてて良いですね。こういう所まで含めてアルバムの流れで1つの作品となっているのが見えてきます。気になる方は是非製品をチェック・・・!!!

(7)プランクトン

 今回唯一の上田麗奈さん作詞曲。そのことを加味しても「上田麗奈さん、明るくなったな」って印象が強かったです。もちろん、完全に明るさに振り切っているわけではないのですが、挫折を経験しても前に進むことを決意できた強さ、そこからくる明るさを感じました。これまでの上田麗奈さんらしさが決して消えるのではなく、その中に希望をもう一度見つけられた印象です。もちろん本人ではなく私が感じた印象に過ぎないので実際は違うかもしれませんが。
 この明るくなった上田麗奈さんの方が好きだとか、前の方が良かったとかは思わないです。これも上田麗奈さんの形であり、私が推している上田麗奈さんだと思うので。ただ、少なくとも変化は起きているのだろうとより強く感じられるものだと思った所存です。

(8)anemone

 MVが先行公開されたことで唯一CD発売前からフルが聞けた曲。MVで見てもアルバムで聞いてもこの曲自体で感じたものはそんなに大きく変わらなかったかな・・・もちろん良い意味で。とにかくこの曲も上田麗奈さんの曲という点で見るなら明るいなって思います。え、どこが?って外から見たら思うのかもしれないけれど、間違いなく変化した上田麗奈さんを見ることができると思います。「世界は変わるよ」というラスト1フレーズは、心からの言葉なんだろうな。挫折して辛くてそこから光を見いだせたからこそ言うことが出来る言葉。美しさすら感じます。

(9)わたしのままで

 この曲も比較的明るさを感じるんですよね。3曲目から6曲目に何があったってくらい。もちろんその経験があったから生まれたのはここまでの曲でも何度か言ってきた通りなのですが。
 そして、ここもラストフレーズの「わたしのままいくよ」というのが全ての答えのように感じますね。決して綺麗で美しいものばかりではないとしても私のまま、あるがまま自然に生きていく。そうした意識ってどうしても日々の雑踏の中で薄れて、操り人形のごとく繰り返し作業を続けてしまって、失ってしまいがちなのだけど、それをもう一度思い起こさせてくれたという点で、挫折も大切な存在。ありがとう。そんな気持ちを持ちました。

(10)wall

 上田麗奈さん曰く「カーテンコールのような曲」。
 私自身これを初めて聞いたとき、これで終わるのかって感じました。むしろここから始まりそうな気持ち。そこがカーテンコールっぽいのかなと思います。これでエンディングというよりは「このアルバムを見つけてくれて、聞いてくれて、ありがとう」という気持ち。それが前に出てるから終わりではなく始まりっぽくも聞こえるのかという気がします。終わりが寂しい、辛いものではなく楽しいもの、感謝を伝えるものだと気づかせてくれるような曲って言葉が正解なのかもしれません。


4.最後に

ここまで読んでくださってありがとうございます。
実に拙いものだったと思います。
自分が思ったことを言葉にするのは難しい。
ましてや今の世の中、こういうのを見て解釈違いだなんだとすぐに騒ぎ立てられるものです。故に伝えるのって難しいのだけれども、やってみないと気づけないし、これからも細々とやっていこうと思いますよ。
さて、改めて上田麗奈さん、新アルバム発売おめでとうございました。
このようなご時世でも素晴らしい曲たちを世の中に送り出してくれたこと、本当に嬉しいです。
音楽は時に人を救う力になる。音楽は時に人に勇気を与えるものになる。
改めてそう感じました。
本日はここまで。

よっこー