安心して学べる場

今日は、ZOOMでの木村泰子先生を囲む会に参加しました。

木村先生は映画「みんなの学校」の舞台になった大空小学校の初代校長先生。まだ映画をご覧になっていない方、機会を作って是非に!もうこの映画の話だけでも延々と話ができます。

タイトルの「安心して学べる場」は、まず今日のスタートに出た話題です。

「安心して学べる場」とはどんな場か?

何を言っても聞いてくれる空気があって、間違っていたら間違っていると言ってくれる関係性がある。つまり、そこに信頼があるということ。自分の考えを存分に伝えることができるかどうかは、本人の努力だけではなく、安心の空気を作るみんながいるからだ、と。

木村先生が、ご自身としっかり向き合って丁寧に言葉を選びながら、経験に裏付けされた確信に満ちた思いを表現する姿に、私はいつも感動して涙がでてしまうのです。

忘れないように今日印象に残った言葉をメモ。

・「この状況下でもし先生をやっていらしたら、どんな風に対処していたと思いますか?」→今だから、今しかできない学びを楽しんでいると思う。それは日常があってこその発想。日ごろ何をやっていたかが問われる。今感じる違和感は、「どうしたら授業ができるか」「子どもたちに教えられるか」という議論の主語が大人になっていること。

・教員の仕事は困ってる子どもが困らないようにすること。周りが変われば困らなくなる。困っている子は自分の子だと思って接する。そうすると特別支援とかいらなくなる。どんな子どもでも「違い」という意味では対等。みんな違っているのだから。

・学習指導要領も教科書も「手段」。じゃあ目的は何か?学ぶ子どもが「自分を作る」こと。じゃあ、どんな風に学校がその目的を達成できるか。個人の集まりである「みんな」が対話を通してひとつになること。そういう空気があればどんな想定外でも乗り越える力はある。自分ひとりでやっているんじゃないという安心感。それぞれが自分の考えを出し合って「社会」を作っているような雰囲気が学校の中にあること。当事者意識が強い学校であること。

・学力をどう定義するか。文科省は「10年後の社会で生きて働く力」とした。大空小学校では、5年くらいかけて、学力を「見える学力」と「見えない学力」に分けた。見える学力は数値で測れる力。見えない学力は、10年後の社会をつくる1人の大人になるために最低限必要なもの。①人を大切にする②自分の考えを持つ③自分の考えを表現する④チャレンジする、これを何より大切にしていたら、見える学力は勝手についてきた。

・批判するのではなくて、気が付いたらやり直す。教師は教えるプロから学びのプロへなろう。

・椅子に座れない子が先生に叱られる場面があるとして、周囲で見ている子は「先生に怒られるからあればアウトね」と感じてしまう。「普通」と「普通じゃない」の分断が始まる。なんで椅子にすわらないんだろう、とみんなで考えてみるところからスタート。

・1年生の担任をベテランの先生がやって、すべて丁寧に教え込んで、言うことを聞くだけにしつける。2年生で落ち着いた学級を若い先生が担当して、自由な空気に伸び伸びした子どもたちが加減が分からずはめをはずし学級崩壊となる。言葉が少ない若い先生が1年生を見た方がその後もうまくいったりする。長い目で見てそういうことに気が付かない先生が多い。

・木村先生からの問いかけ「学びって何?」正解はなくて、参加したみんなでチャットで意見を出し合う。木村先生らしい。私は「学びは変化」と答えた。印象に残る答えとしては、「景色を変えること」違うことを知ることで、同じ人生なのに昨日までと何かが変わる。それが学びの面白さ。

・「チーム学校」は手段。いいチームになることが目的ではない。

・困っている子が困らなくなったらみんなが成長している。

・雑談からしかいいアイディアは生まれない。思考を止めないこと。

あー、今日も涙溢れました。なんて愛情深い方なんでしょう。次が楽しみです。

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