見出し画像

【エリザベス女王杯 2023】重賞展望~最強牝馬決定戦の行方は~

▼ご覧いただきありがとうございます。参考になったらいいねを頂けると嬉しいです!

最強牝馬の座を賭けて実力馬が激突する秋の牝馬限定G1・エリザベス女王杯。今年は4年振りの京都開催となり、差し・追込有利の傾向が強かった阪神に比べ、スローペースになりやすく、逃げ・先行でも好走可能なコース。阪神開催を除く7年で上がり最速を記録した馬が最多の4勝を挙げる一方、上がり2位の馬が一度も馬券に絡んでいないのは興味深い。またリピーターの好走率が驚異的で2014年から2020年まで前年好走馬が3着以内に来なかった年は一度も無い。京都開催から阪神開催に切り替わった2020年ですら1着と3着はラッキーライラック、ラヴズオンリーユーと全く同じ顔ぶれになった。今年も昨年1着のジェラルディーナ、2着のライラックが出走予定。

過去10年比較


〇前走別
オールカマーと府中牝馬Sからのローテで臨んだ馬の好走が顕著。いずれも非根幹距離という点で共通している。3歳馬であれば注目したいのは秋華賞組で、3着以内に入った8頭のうち6頭が前走秋華賞だった。また好走馬の大半が前走G1・G2組。前走G3以下で好走できたのは2021年クラヴェルと2013年ラキシスのみで、経験してきたレースの格が問われるのも特徴と言える。

〇脚質別
基本的には中団で控えて差し脚を伸ばす馬が好走しやすい。一方で後方からでも届いた阪神開催に対し、京都開催の場合、スローペースになりやすいためか4角3番手以内の馬がほぼ毎年飛び込んできており、後方一気や中途半端な末脚では前を捉え切れない。逃げ・先行馬にも注意を払いたい。

〇騎手別
最多の2勝を挙げ、3着以内入線が6回と抜群の好成績を残しているのがM.デムーロ騎手。昨年は弟のC.デムーロ騎手が勝利しており、このレースと”デムーロ”の相性の良さは軽視できない物がある。また短期免許で外国人騎手が多く来日する時期ということもあり、外国人騎手の好走が目立つのも特徴の一つ。

・好走ファクター
①舞台適性は最重要。昨年好走馬と非根幹距離経験に注目。
②騎手狙いならば外国人騎手。特にM.デムーロ騎手は人気を問わず抑えておきたい。
③SS系血統の活躍が顕著。特にステゴ系とディープ系が好調。

人気馬考察

※想定人気から選定

ブレイディヴェーグ
かねてより素質を注目されていた馬で前走ローズSでは1番人気に支持されたがマスクトディーヴァに敗北。流石に相手が悪かったが、この馬も上がり最速32.9秒の末脚を披露しポテンシャルの高さを見せた。これまで4戦全てで上がり最速を記録している末脚は京都コースでも活きるはず。C.ルメール騎手がハーパーではなく本馬に騎乗するのも期待を抱かせる。不安材料は距離適性。ロードカナロア産駒の牝馬で2000m以上のG1を勝っているのはアーモンドアイのみ。偉大な名牝に並ぶことができるか。

ハーパー
前走秋華賞では粘り強い走りで3着に健闘。一瞬の切れ味よりもスピードの持続力で勝負するタイプなので上がりを問われにくい京都芝2200mはマッチしそう。今回はこれまで立ちはだかってきたリバティアイランドが不在。3歳馬のワンツーフィニッシュもあり得る。不安材料は決定的な武器がないこと。これまで上がり2位以上を記録したレースが無く、逃げられるほどの先行力も見せていない。また同じハーツクライ産駒で言えばリスグラシューに近い印象。古馬になってから本格化するタイプの可能性も。

ジェラルディーナ
昨年のエリザベス女王杯では重馬場を外から差し切る豪快な勝利。その後も有馬記念で3着に健闘するなど飛躍の一年だった。阪神や中山などパワーを要する馬場を得意とするので開催が進み馬場が荒れるのは大歓迎。また鞍上はR.ムーア騎手。外国人騎手と相性が良く、リピーターがよく走るこのレースは絶好の舞台と見る。不安材料はテンの遅さ。差し・追込でも届いた阪神とは異なり、今回は位置取りも重要な京都。年齢を重ね徐々にズブさが出ているのは気掛かり。

注目馬

ライラック
昨年は後方からの競馬になったが上がり2位の末脚で2着に好走。その後は不振が続いたが、前走府中牝馬Sでは中団に付けて3着に好走。これまでの後方一辺倒の競馬から位置を取れるようになったのは収穫だった。父はオルフェーヴルで、ステゴ系はラッキーライラックが連覇、クロコスミアが3年連続2着を果たしているように相性の良いレース。リピーターとしてもう一度好走を見せてもおかしくない。

ディヴィーナ
成長著しいモーリス産駒。今年のヴィクトリアマイルで上がり最速の末脚をマークし4着に健闘してから本格化。その後の重賞では2着が続いたが、前走府中牝馬Sで遂に重賞初勝利。逃げても控えても好走できるポテンシャルの高さは魅力。気性面に難があり一気の距離延長に不安はあるが、明確な逃げ馬がいない今回のメンバーならばスローペースの中で悠々と逃げる可能性もある。鞍上のM.デムーロ騎手込みで抑えておきたい一頭。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?