要約③世紀の発明も偏見が邪魔をする~標準規格化されたコックピット

ブルームさんは発明家。第2次大戦後、おもちゃを軍関連から離す方針を打ち出し、魔法の哺乳瓶を発明。ほかにも多くの玩具を発明した。1958年、彼はスーツケースに車輪を着けるアイデアを思いつく。試作品を作って会長まで伺いを立てた。自信満々だった。だが会長は、一笑に付した。。。人類の発展のきっかけとなったイノベーション(動物家畜化、宗教、文字の発明)これらを定量化し「社会発展指数」として示した。経済的発展とも密接に関連している。蒸気機関から電動機の発明はその大きなもの。電動機が使われはじめ社会が発展し始めたのは25年もあとになってから。莫大な利益を手に入れられるはずだった企業たちは実際にはそうなっていない。勝利を目の前に大敗北を喫した。スーツケースにキャスターを付けることと同じ。1970年代になってもキャスター付きスーツケースは商談に苦戦していた。が、一旦市場に出始めると、すぐに売れ始めた。男がキャスターを付けるなんて…という意識もあった。「斬新的イノベーション」ダイソンが良い例、「融合イノベーション」スーツケースと車輪、電動機と製造機械。垣根がなくなり、可能性が広がる。標準的とは言えない組み合わせがイノベーションとなる。異種交配、反逆者の融合はITで加速。直面する人はなぜ背を向けチャンスを掴もうとしないのか?

フォーチュン500社の43%が移民もしくは移民の子孫によって創業あるいは共同創業されており、その上位35社は57%になる。
ノーベル賞の65%はアメリカ拠点の研究者であるが半数以上はアメリカ以外で生まれている。
移民が創業した企業は成長が早く存続期間がながいというデータがある。これはタマタマではない。

移民は新天地で新たな文化を経験し、それに順応していく。その中でビジネスのアイデアやなんかしらの技術に出くわしても、彼らは、それを不変のものだと思わない。変化修正を加え、組合せ足りすることができると考えるから。いわば、「第三者のマインドセット」(アウトサイダーマインドセット)二つの文化のなかで暮らし多様な経験をしている彼らだからこそ広い視野でアイデアを組み合わせる。疑問を投げかける力と多様な経験が新たな融合のアイデアをもたらす。
「前提逆転発想法」大前提を覆してみればアイデアは生まれる。

アイデアはおのずと新たなアイデアを誘発する。アイデアの共有が新たなアイデアを生み出す。色々なアイデア通しが刺激しあって新たなアイデアが生まれる。その刺激を生むのがアイデアの共有。どんな天才でもひとり単独で発明を生むということはあり得ない。
「クールなテクノロジーを発明したいのなら、頭が切れるより社交的になったほうがいい」

ルート128 ボストン地区VSシリコンバレーの比較から集団脳について考える。

ルート128大手が垂直統合・秘密主義・自律型の経営を選択した。高効率の生産 生産コストが低い DEC等
「マサチューセッツの奇跡」と呼ばれたほど。

シリコンバレー 
ショックレーがマウンテンビューにショックレー半導体研究所を設立してその後、やがて半導体企業が集中してシリコンバレーと呼ばれるようになった。毎日のように酒を飲み交わしながら語り合っていた。ネットワークの密度の高さと伝播速度に勢いがあった。スティーブ・ジョブズもスティーブ・ウォズニアックもそこにいた。→ワゴン・ホイール、シェ・イヴォンヌ、リッキーズ、ラウンドハウス

SVでは「昨日の失敗が今日の共有知識になり、明日の融合につながる。そして、その融合を通してまた学ぶ」SV全域がこのプロセスで強化され続けている
スティーブ・ジョブズはピクサーの工場レイアウトを考えている時にトイレを一箇所にして皆が集まり、偶然の出会いが起こるように仕掛けた。MITのビルディング20も同様に複雑で分かりにくいレイアウト。「MITの子宮」

デレク・ブラックは、KKKの一員でドミニカ国でクーデターを企てたドンが父親で、母クロエも白人至上主義だった。母親の前夫デュークもKKKメンバーで、第2の父親としてデレクをかわいがった。デレクは身も心も白人至上主義だったが、差別的暴言や暴力は振るわなかった。人種的マイノリティを追放したかっただけで、大衆を刺激するスローガン「白人大虐殺」など考え出すのがうまかった。

3万人の学生がいて多様性に富んでいるカンザス大学と、1000人未満の小さな5つの大学で、どうやって友だちになり、どうしてそういうグループができたかの調査が行われた。小さな大学は人口統計学的に多様性が低いので、小さい大学の方が似た者同士のグループを作ると思われた。が、まったく逆の結果になった。大きなコミュニティに属すると、より狭いネットワークを構築し、小さいコミュニティは選択肢が

少ない分、自分と異なる人間とつながる必要性が出た。世界が広がるほど「エコーチェンバー現象」が出て、政治問題などでは現実が歪む。インターネットでは「フィルターバブル」が発生し、自分と似た情報しか見えない。自分と異なる意見を見ると、以前にも増して自分の意見を極端に信じる。エコーチェンバーでは、自分と違う意見を遮断していないので、「認識の壁」という別のフィルターが存在する

☆政治的見解の二極化現象
① 「フィルターバブル」;当事者は泡の中にすっぽりと包まれ、反対意見から完全に隔離された状態。
② 「エコーチャンバー」;外部の反対意見も入ってくるが、内側では自分と同じ意見が常に大きくこだましている。

◎「エコーチャンバー」集団内の人間は、お互いの「信頼」によって、更に狂信的な集団となる。

◎信頼によって“狂信的”となった「エコーチャンバー」の具体例;デレク・ブラック←白人至上主義者

■ストーリー
白人至上主義という政治的心情を持つ青年デレクと、その友人であるユダヤ教徒のマシュー。
マシューが自身の幼少期の経験からデレクの排他的政治信条の修正を試みる。
結果デレクは長年父親ドンからの影響による政治信条を変えていった。

曰く「差別的見識、排他的心情というものは周囲の環境による認知から発生するもの。当事者は特定の情報から隔絶された結果、世界の認識が歪み極端な思想に傾きやすくなる。」
「インターネットにより広い視野を持つ人々がいる一方で視野を狭めていく人も多い。エコーチェンバーが起きることにより、これも極端な思想に傾きやすくなる。」
人身攻撃に至る過程にもこの傾向が強い。

人身攻撃は本来の論点をずらし、相手を屈服させることに強い力を持つ。
前述の「認識の歪み」「極端な思想」を正当なものと認識する人々は、その内容を論じること無く人身攻撃で相手に認めさせようとする。
しかしこれは民主主義に欠かせない「集団脳」を機能不全に陥らせる。
結果、攻撃者自身の不利益になることもある。

無意識で陥る落とし穴の一例 ダイエットや食事療法の落とし穴
流行りすたりがあり,相互に矛盾することが多い。
計算生物学者 エラン・シーゲル氏 20代でオーバートーン賞,ワイツマン科学研究所(イスラエル)
学生時代 ハンドボール選手 健康的な食事だが,標準よりも19~23㎏も超過   妻の臨床栄養士による米国栄養士会のガイドラインにそった食事だが,体重変わらず   実は,ガイドライン研究は食品会社の提供資金,サンプルは少人数

ダイエットデータの相互矛盾
例 低脂肪食vs高脂肪食,バレオダイエットvs地中海ダイエット
低炭水化物・高脂肪vs低脂肪・高炭水化物
2012年,米国心臓協会と米国糖尿病学会がダイエット炭酸飲料を勧め,その消費量が劇増したが,その後の調査では、学会の発表とは正反対のデータが出た。   1977年、米国政府が「脂肪は体に悪くて、食物繊維は体にいい。」肥満が男性で3倍、女性で2倍に増えた。

マラソンを始めた頃の流行 レース前日の「カーボ·ローディング」(高糖質(高炭水化物)食で体内にエネルギーを蓄える手法) 前夜にバスタを3皿食べ,レース直前にナツメヤシの実か栄養補助食品を数個食べていた。 レースの1時間前までにデーツを食べるとエネルギーになるというデータとその逆/自分で実験「ある晩パスタの代わりに、アボカドやナッツやタヒニ(地中海のゴマペースト)を入れた脂肪分たっぷりのサラダを食べて約32キロを完走,パリやウィーンのマラソンで3時間を切る。   しかし,主流の見解と相反する。   謎の解明は未了。


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