知財部の憂鬱

化学系メーカーで知財部門の責任者をしています。
数年前に知財部門に異動しましたが、知財って孤独ですよね。

赴任した当時、
「承認お願いします」
と回ってきた、特許クリアランス確認書の調査内容の欄
「日常の検索で問題となる特許なし」との記載。目を疑いました。日常の検索ってなんですか?
「これハンコ押せません。」
「そういわれましても。。。前任の方には承認していただいていたんですけど。」
社内各部に説明して回り、数年かけて確実なクリアランス調査をルール化してきました。
「特許出願の先行技術調査をしているんだけど、改めてクリアランス調査する必要あるの?」
「そもそも、特許持っているんだから大丈夫でしょ。」
開発部門から、そんな苦情もいただきました。

最近は、社外に宣材用の動画製作を発注する事が増えています。
「知財さん。動画使用の社内ルールを作成したいので、打合せお願いします。」
「了解しました。最初に確認ですが、著作権は譲渡していただいていますか?」
「えっ。。。。わかりません。」
「契約書を確認していただけますか。」
「契約書なんてありません。」
「では、著作権は先方に残っているということですね。発注書に許諾の範囲は記載していますか。」
「ないです。」
「。。。。」

道は遠いようだ。

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