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「拝啓、神様」について
story
拝啓、神様。
私はなぜ、『普通』ではないのでしょうか。皆が普通にこなしていることができなくて、「普通じゃない」とレッテルを張られて、それに甘えて、甘えるしかできなくて。それでいて、周りに対して劣等感を抱いて、ちょっとの自尊心を守る為に、必死になっている。
私は、ちゃんと生きているのでしょうか。私は、普通じゃないなりに、「普通」を演じられているのでしょうか。私は、ちゃんと『普通』でいられるのでしょうか。
『普通』って、何でしょう。私にはもう、何が何だかわかりません。神様、なんで私をこんな風にしたのですか。私は「失敗作」なんじゃないでしょうか。私は、どうあってもこうなる運命だったのでしょうか。ならば神様。どうして、どうして一思いに私を殺してくれなかったのですか。
私だって『普通』でありたかった。私だって皆みたいにすべきことをちゃんとできる人間になりたかった。 皆みたいに笑って、「今日も仕事しんどいね」とか、「課題やだね」なんて話をしながら、それでもちゃんと最後までこなせる人間になりたかった。社会の中で、歯車の一つでもいいから、弱音を吐きながら、それでも強かに生きていきたかった。
それなのにどうして、どうして、どうして私にはそれができないのですか。
ほんの少しの幸せに縋って、それすらもすぐに消えてしまって、自分を嫌いになりながら、それでも、他の人の枷になりたくないと願って、それすらもできなくなって……
私は、どこまで自分を壊せばいいのでしょう。どこまで壊れればいいのでしょう。どこまで壊してしまえばいいのでしょう。
いっそ死んでしまった方が楽でしょう。ええ、そうですとも!!死んでしまったら、いっそ、死んでしまえたら!!
……でも、私にはそれができないのです。こんな壊れた私を、好きだと言ってくれる人がいる。こんなに駄目な私を、良い人だと言ってくれる人がいる。こんなに、こんなにも、私の事を、こんなちっぽけで、何もできない私のことを、頼りにして、慕ってくれて、愛してくれて。仲良くしてくれている人がいる。その人たちを、悲しませるわけにはいかないのです。あぁ、どれだけ辛いことでしょう、とんだ茨の道です、歩くだけで痛い、少し身を動かすだけでも身を痛める、さながら荊の檻のようです。
でも、それでも、私は生きるのです。えぇ、もし、神様が私に「死ね」とおっしゃっても、死んでやるつもりなんて、少しもありません。私は自分のために生きているわけではないのですから。私の命は、私一人の物ではないのですから……
こうまで言ってしまうと、少し言いすぎでしょうか。ねぇ神様。私は、貴方を恨みます。それでいて感謝もします。幸い私には、希死念慮がありません。それも、貴方が与えてくれた、この環境のおかげです。だから、ねぇ、神様。
私を殺そうとするのなら、どうぞ諦めてくださいましね?
どれだけ自分を壊そうとも、どれだけ自分が崩れていこうとも、私は生きることを諦めません。だから、これからも見守っていてください。これからも、がんばりますから。
敬具
storyについて
この文章は、私がこの曲を書くにあたって、この曲全体のイメージを書き起こしたものです。
歌詞を書く、曲を書く、何をするにも私にとっては「骨」のようなものが必要でした。そこで以前から書いていた「文章」を軸とすることで、すべてやりやすくなるのではないか、と思ったわけです。(実際そうでした。)
この文章を読んだうえで歌詞を読むと、割と楽しめるかもしれません。
「普通」とは何なのか、「普通じゃない」とは何なのか、そのあたりに気持ちを巡らせると、また違った聞こえ方になるかもしれませんね。
曲について
特にいうことないんですけどね………
コードについてだけ少し考えていたことを書いておき居ますね。
この曲のコードは、the beatles「yesterday」に拠っています。何なら(多分)全く同じです。この曲を聞いたとき、何かに縋るような雰囲気に聞こえたんですよね。この曲もある意味では神様に縋るような曲ではありますので、割と雰囲気には合ってたんじゃないかな、と思います。
こだわりは……オルゴールかな……あのメロディをいかにこう……物悲し気な感じにするかは少し考えたかもしれません。音作りは少しだけ頑張りました。ちょっとディレイかけて、後ろにwet気味のリバーブをかけたピアノを鳴らして……とか。
いろいろやっては見ましたが他の方の曲を聴いたり自分の曲と聞き比べたりしているとまだまだだなぁとも思う反面、少しお褒め頂いたり感想を頂けたりしたのはすごくうれしかったです。
一番うれしかったのはコメントで「音好き!!」って見えたときかな、あれ泣きそうになりましたね……
これから少しずつボカロP(広義)としても活動してまいりますので、応援いただけると幸いです。
宵月。
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