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「帰り道、オリオンとヒマワリ」について

story

楽しかった時間はすぐに去って、日暮れ、なれない道程で帰る。
電車の中から見える街は綺麗で、にぎやかだった日中を思い返して思わず笑顔になる。そばに人がいないのは少し寂しいけれど、きっとそれも今だけだ。
すっかり日も暮れて、真っ暗な道の中、そっと電車を降りると、空に輝く三連星が見えた。オリオン座がきっと、私を見守っているのだろう。
駅を出るとすぐに、狂い咲きのヒマワリが見送ってきた。この季節にヒマワリが咲くなんて、今年はどうしてしまったのだろう。
一人でそっと歩く夜道は寒くて、寒空の下で凍えそうで、指すらまともに動かない。
一人で居るのに耐えられなくて、君に連絡を送ってみた。馬鹿みたいな話をしながら、一歩一歩、家に近づいていく。
分かれたばかりだというのに、君はずっと私に元気をくれる。すぐにまた会いたくなる。
・・・というのは少し言い過ぎかもしれないけれど、少なくとも寂しさは紛れている。
見覚えのない低い建物や光の弱い街灯、それらのおかげでよく見える星空。大きく横たわったオリオン座は、私たちを優しく見下ろしている。
時間が遅いのか、車も人も通らない。一人歩いていると、周りが静かなのも相まって世界に一人だけになったような錯覚を覚える。
だから、君に意味もなく連絡をしてみるのだ。この世界にいるのは私一人ではないのだと、そういって欲しくて君の手を、頭を借りるのだ。
何の中身もないやり取りをするだけで、何の意味もなく笑いあうだけで、私はまだ、一人ではないのだと思い出す。あぁ、また会いたいな。そんな気持ちになる。
思っていても仕方がない。早くひとりになれなきゃいけない。
……でも、少し寂しいな。この気持ちは忘れたくないのかも。
だから、君にもう少し、付き合ってもらおう。
家の近くにもヒマワリが咲いていた。口から吐く息は白い。首をかしげながら少しして、一輪揺れるそのヒマワリが、今の自分と重なって見えた。そう思うと、少し親近感がわいてくる。
今はまだ一輪でも、もう少し、季節が二つ巡れば、仲間に会えるヒマワリ。
それが、なんとなく、次会えるかもわからない君との再会を、暗示しているように見えた。
空を見上げれば、そこにはオリオン。この二つが、目に焼き付いている。

Episode

実はこの曲、実話が元になって書いた曲何ですよね。
とあるネッ友と初めて会った時の帰り道の情景です。そのままではなくて誇張とか脚色とかはしてますが………
あの時の帰り道、だいぶ遅かったこともあって人はおらず、ところどころ街灯は消え、家の電気も消えていたんですね。そのおかげで星空がよく見えて、冬の話だったのでオリオン座がめちゃめちゃ綺麗に見えたんですよ。
だのになぜか家の近くの駅ではヒマワリが咲いてて、家のすぐそばでも一株ゆれていて、その情景があまりにも目に焼き付いて、ちょうどその時「ボカロゆっくり曲投稿祭2024夜」の曲を書かなきゃな~なんて思っていたので、いっそこの夜の事を曲にしよう!!って思い立ったわけです(その時あった人にはもちろん許可を取っています)。
そこからいろいろ考えてこの曲に行きついたわけですが、まぁ自分でもおしゃれだなぁと思える曲になったわけで。ちゃんと夜に似合う曲になったんじゃないでしょうか?
夜一人になって寂しいな、なんて時に聞くとぴったりだと思います。寂しさが癒えるかは分かりませんが。

Talk

この曲を投稿するとき、「ココダケノハナシ、ヨイツキサンコンヤクジシンキョクダッテ!!(原文ママ)」とポストしたせいでいろんな人に「婚約!?!?!」って勘違いされたの本当に面白かったし最高に悪ノリにノッた感じになってて面白かったですね。半分炎上でしょあんなの………
本来そっと半角カナで告知して遅刻してもまぁ許されるかな~、出したから聞いてネ~~みたいな緩い告知で終わらそうと思ってたんですが、思ったより多くの人に補足されて「ネット、すげ~~」になってました 今度からちゃんと告知するし半角カナを使うときは意味の区切りでスペースを開けようと思いました。もうこんなこと起こさせないからな…………

Last

と色々書きましたがまぁこの曲を作るにあたって色々思ったこととか投稿するときこんなハプニングがあったよ!!みたいなことを書き連ねてきました。構成がブログっぽいな……とおもわなくもないですがまぁ、許してくれ。
表題の曲、「帰り道、オリオンとヒマワリ」はこちらから聞けますので、ぜひぜひ聞いてくださいね。


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