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その時それはカーラジオから


私は以前に営業をやっていまして、
そこではなかなか苦しい経験もしてきました。

基本的にルート営業のスタイルで、何社かのきまった顧客を定期的に訪問し、
案件獲得〜交渉を経て、受注もしくは失注するという作業の繰り返しでした。
当然の事ですが、そこには毎月の営業ノルマが課せられており、それに向かって日々奮闘していた、というわけなのですが、若い頃はノルマが達成できない月が何ヶ月も続いた事もあり、そうなると月末になるとどうしょうもなく憂鬱な気分になってしまいます(当時はまぁまぁ○ラックな会社でしたから・・・)。
成果を上げている同僚を横目に見ながら
 自己嫌悪、妬み、言い訳探し・・・、
そんな考えばかりが頭の中をグルグル回りだすと、とてもネガティブな心理状態に陥ります。

そんなスランプ真っ最中のある月末、そこそこ大きい案件のクロージングを目的に顧客との商談に挑みました。
この商談がまとまれば何とか今月のノルマは達成、胸を張って営業所に帰れる。
でも、もし決まらなかったら……
という思いが交錯しながら、受付の内線電話を手にしました。


そして商談が終わった。
結果は撃沈。
今月のノルマも未達成となってしまった。

失意のまま営業車に乗り込む。
少し遠くを見つめながら、どうしようかと少し考えを整理してみる。
どうしたって今の状況を良くする方法はないけど、まずは営業所に帰って報告するしかない。
沈んだ気持ちで車のエンジンをかけた。
その時、ふとカーラジオから流れてきた曲、


 アンジェラアキ「手紙 〜拝啓十五の君へ〜」


歌詞は著作権の問題もありますから書けないですが、歌の最後の歌詞にグッとくるものがあって、とにかくもうこの曲がその時の自分の身にしみて、身にしみて…
15歳、その頃の自分にも胸を張れるように、もう一度頑張ってみようと思わせてくれた曲でした。

そんなアンジェラアキさんの優しくも力強い歌声に救われ、今でもなんとか生きながらえています。
ただその後アキさんのファンになったわけでもなく、アンジェラアキさん最高、好き!というオチでは無い話なんですが(ないんかい!)、
言いたかったのは、タイミングでそのモノや言葉が持つ価値って大きく変わるんやな、ということです(なんやそれ!)。

意識の中で「欲しい」って思ってたわけじゃ無いのに、
ふと突然目の前に提供されてきたモノや情報に
「ビビビ⚡️!!」
とくる感覚はなかなか貴重な経験だと思うのですが、マーケッターとしてはなるべくそう言ったものを多く感じ取って感性を磨いていきたいものです。
無意識の中で欲しているものをさりげなく差し出す、
そんな風に自分の企画した商品も顧客に届けられたらいいなぁ・・・と。
そうすりゃもっと売れるんだろうなぁ(遠い目)。
AIが進化したら、そんなことが簡単に実現できるんかな。しらんけど。

追伸
これと似たパターンですけど、年末ふとつけたカーラジオから不意に流れてきた曲
 ユニコーン 雪が降る街
これもジーンときますね。今年あった出来事が走馬灯のように駆け巡ります。めっちゃ切ないです。

ラジオいいですよね。

あ、因みに私はAMラジオ派です。

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