幕間

Re: 脳内メモ42

この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、
実在のものとは関係がありません。

── とある部屋にて…

少女が椅子に座りスマートグラスとヘッドセットをつけて
何か映像を見ている。

かたわらにあるクッションの上で、黒猫が香箱座りをして様子を見ている。

(宇宙から眺める地球はいつも綺麗ね…)


── 下の階から声がする。

**:舞ちゃんまだゲームやってるの~
宿題終わらせた~?

舞:このゲームの主人公、私と似ているんだ、もう少しだけ~
それと宿題はもう終わったよ~

**:それじゃ、そろそろ晩ご飯にするよ、少ししたら降りてらっしゃい~

舞:わかった~


そう言うと少女はスマートグラスとヘッドセットを外した。

フルダイブ型とまではいかないが、スマートグラスにはゲームの状況に反応する振動機能と暖冷の空気を出す機能がついている。

もう少ししたら付属のグラブ型のコントローラーが届くそうだ。それを使うとゲーム内のフィールドを自由に動けるようになる。

先日、少女は親戚のおじさんから知育ゲームをプレゼントされた。そのおじさんが作ったゲームだそうだ。

舞:(このゲーム、出てくるネタが少し古いけど、おじさんだからしょうがないか…)



それじゃミーちゃんご飯食べてくるね~

少女は黒猫に顔を近づけて話しかけている。
黒猫は「にゃあ」と返事をした。

少女は階段を降りて行った⋯
黒猫は少女が出て行った方向を見ている。

黒猫は香箱座りをやめて、丸くなって自分の前足にネコハナを埋めた、
クッションの上で一寝入りするようだ。

クッションにはケーブルがつながっている、冷暖機能でも付いているのだろう。


── 少女は階段を降りつつ、ふと思った。

(そういえばおじさんの家からきた黒猫さん、ご飯を食べてるとこ見たことないかも?)
(⋯お母さんがあげているのかな?⋯今度は私があげてみよう)

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土屋洋一
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