現代の最適脳と実際の脳の差異

最近「スマホ脳」という書籍を読みました。内容は、こちらに自分用にまとめています。

SNSプラットフォーマーやスマホメーカーの商品開発やマーケティングの過程で壮絶なユーザーの獲得合戦・囲い込み合戦がブースターとなり、人間の脳がハックされ、現代人の多くはスマホ中毒状態になっています。その過程や結果が、実例や統計結果など含めて解説されています。もともと、SNSやスマホとどのように距離を取るか、うまく付き合うかといったところに問題意識を感じていたので、自分の直感が確かめられ、細かいところも含めてどういう構造で人間の脳がハックされてしまっているかを理解でき、非常に良かったです。

この本を読んで改めて感じたこととしては、人間の進化が現代に追いついておらず、現代の最適脳と実際の脳には大きな差異があることです。情報が無限に溢れている2021年において新しい情報というのは消耗品でしかありません。芸能人のゴシップから、政治、スポーツ、ビジネス、友達の近況と消費しきれないコンテンツが常時大量生産されている中で、その情報を次から次へとチェックすることは非生産的でしかありません。しかし、ちょっとの昔まで、その日生きるか死ぬかというのをジャングルや戦争でやっていた人類の脳にとって新しい情報というのは非常に重要であるというのが正直な反応となり、次から次へ情報を消費し充実感に浸る行為を脳は肯定的に受け取るのです。実際の脳は現代の最適脳とは程遠い仕組みで動いていることがわかります。恋愛工学などでも同じことが言えると思います。

また、他に「— 2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」この本を読んだときにも、脳の進化が間に合っていない例が紹介されていました。脳の短期的思考を好み、長期的思考を忌避する性質です。少し昔は、その日、その月を生き通せるか、家族を守れるか、という視点で生きてきた人間の脳は、3年後や5年後を真剣に想像し、それに向かって今を積み上げるような生き方のために脳を使うのは苦手なんですね。本の中では、"人間の脳は、3年後や5年後の自分を想像するとき、あたかも赤の他人として扱うような脳活動になる"とありました。一貫して一般的に成功している人というのはある程度長期的な視点を明確にした上で日々生きていると思います。長期的な視点を持つことが現代の最適脳ですが、実際の脳は大きく違います。こういったところも現代の最適脳と実際の脳の差異の1例です。

上記の2つの例から、本能や直感に従って生きることは脳は肯定してくれるかもしれないが、現代を生きる上で正しくない場合があるということです。現代の最適脳と実際の脳にどういった差異がどういう要因で起こっているか知るというのは、今を生きていく上でメリットは大きいと思いました。

メモがてら記しましたが、稚拙な文章を読んでいただきありがとうございました。

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