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4993. 富岡市立美術博物館での思い出深い体験:小松美羽展「Divine Spirit〜神獣の世界〜」を鑑賞して(その1)

今私は、高崎駅に向かう列車の中にいる。つい先ほどまで富岡市立美術博物館にいて、素晴らしい体験をさせてもらった。

美術館にいた濃密な時間をうまく表現する言葉が見つからない。上信電鉄の列車の窓から見える長閑な風景を眺めながら、自然と湧き上がってくる言葉を素直に表現していきたい。

富岡市立美術博物館での体験は、そこに向かうまでの体験を含めて忘れられないものになった。日本にもまだまだ素晴らしい景観が残っており、素晴らしい美術館はあるのだ。そんな感想が真っ先に浮かんできた。

私が下車したのは上州一ノ宮駅という時間帯によって人がいる駅である。群馬にはまだまだ無人駅が残っており、懐かしさを感じさせる。

上州一ノ宮駅の駅舎も古風な趣があり、今朝方到着した時には思わず感嘆の声を上げた。駅から美術館に向かう道のりも長閑そのものであり、田んぼの脇を通る時には様々な虫の鳴き声が聞こえてきて、私は思わず足を止めて、虫たちの大合唱に耳を傾けた。

このように人をくつろがせてくれる音を生み出すことに近づけるように日々の作曲実践に精進したいと改めて思った。

虫の鳴き声と早朝のうららかな朝日を浴びながら、富岡市立美術博物館に向かっていく時間はとても至福さに満ちていた。

美術館は小高い山の中に建っていて、その周辺の景観を含めて非常に落ち着きがある。今朝は早くホテルを出発したことが功を奏し、美術館の開館である9時半ほぼぴったりに到着することができた。

受付でチケットを購入した私はすぐに今回の目的である小松美羽さんの展示「Divine Spirit〜神獣の世界〜」を鑑賞しに2階に向かった。開館直後ということもあって人は少なく、ほぼ貸切状態の中で作品鑑賞をすることができた。

鑑賞体験についてはまた改めて日記を書きたいと思うほどに豊かな体験をさせてもらい、何か強烈かつ平穏な霊的ないしは「魂的」エネルギーを与えてもらったように思う。

展示されている作品の写真撮影が許可されていたため、特に幾つか力強い力を分け与えてもらった作品を写真に撮ったので、また後ほど作品名を確認したいと思う。

小松さんの作品については、ウェブサイトやインターネット上で公開されているもの、そして画集などを通じてこれまで見ていたのだが、実物から受け取れるものは本当に多大であった。私は美術の専門家ではないので絵画技法に関して分かることなどほとんどないのだが、描かれている精神世界に対して深い共感の念があり、作品の世界観と伝えたいメッセージのようなものが自分の世界観や世界へのメッセージとどこかで繋がっているような気がしている。

そんな共感の念を持ちながら、私は一つ一つの作品をじっくりと鑑賞していた。すると、70歳を過ぎているぐらいの年配の男性が展示室に松葉杖をつきながらやってきて、唸りながら「いい絵だ」と独り言を述べたのが聞こえた。

その方は奥さんと来られていたようであり、そこからは奥さんに作品の技術的な側面について色々と解説をしていた。その方の話を聞いていると、絵画芸術の専門家であることが容易に分かった。

その方の説明が大変興味深く、自分の作品鑑賞体験をより豊かにしてくれると思ったので、私はゆっくりとその方の近くに近寄り、その方の説明に耳を傾けていた。

時刻は午後3時を迎えようとしている。もう暫くしたら高崎駅に到着するようなので、続きはまた次の日記で書き留めておきたい。高崎駅に向かう上信電鉄の中で:2019/9/27(金)14:58

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