見出し画像

事業再生ファイナンス(DIPファイナンス)

私は、銀行は社会の公器で有り、経済の発展に貢献できる仕事であるため、非常にやりがいがある仕事と(今では)認識しております。

その中でも地域経済の発展に貢献できる所にやりがいを感じ、いまだにこの業界にしがみ付いています。

地域経済の発展への貢献の仕方ですが、様々な方法がある中で、地域経済を代表するような企業の再生を継続して行いたいと思っています。

理由についてですが、地域経済の人口減少による地盤沈下は年々進んでおり、どこで縮小均衡を向かえるか分からない状況ですが、歯止めをかけるためにも受け皿になる企業にはしぶとく生き残って頂きたいと考えていることがその理由です。

ですので、社長の道楽による放漫経営で倒産する企業は論外と考え、真にその地域に必要な企業であれば、規模の大小問わず生き残って頂きたいです。

ただ、それでも会社が苦しい時はありますので、その際にしっかりと再生して生き残って欲しいという思いが非常に強いです。

そこで、銀行が再生時にどのような協力ができるかと言えば、最初に上げた事業再生ファイナンス(D I Pファイナンス)になります。ただ、正直なところ、表立ってこのファイナンスを手掛けているのはD B Jだけになってしまいました(語弊がありますが💦)。なお、私は違う所でこのファイナンスをどっぷりと経験させて頂き、非常に充実した日々を過ごさせて頂きました🙏

では、なぜ各銀行に事業再生ファイナンスが広まらないかと言うと、主な原因はレピュテーショナルリスクが高いからだと考えます。簡単に言ってしまうと、A社は助けたのにB社は見捨てるのか💢、というその会社や地元の声と、民事再生等で一度デットカットさせられた取引先に追加で新規融資をするのか、という審査部や役員の思いが交錯するため、と考えております。

ただ、再生中の会社は本当にお金が無いです。民事再生で大幅なデットカットをしているんだからそんなことは無いんじゃないか、と思われるかも知れませんが、更新設備投資もままならず(監督委員の承認下りず)、ジリ貧になり、結局は破産してしまう企業が多いです。

当然ながら、銀行の立場からすると事業再生ファイナンス(DIPファイナンス)は非常にリスクが高いです。一般的なD I Pファイナンスの金利が6%〜8%ぐらいですが、それでもリスクの方が高く、手間も非常にかかります。

加えて、債務者区分・貸出区分の問題もあります。民事再生中であれば、貸出金は非分類(共益債権)と出来ますが、全額、開示債権です。なので、銀行の決算自体に大きな影響を与えてしまうため、躊躇する気持ちは痛いほど分かります。

それでも(勝手ながら)地域経済の発展のために一歩踏み出して欲しいと願っています。


幸いにもTwitter界隈には、非常に熱い想いを持った方々がいて、本当に頼もしい限りと思っております。なので、この記事を見た方が少しでも気に留め、ご自身の銀行での取組みを考えて頂くキッカケになれば感謝で涙が溢れます😭😭😭


もちろん言うだけでは格好が付かないので、私は所属する組織で再生ファイナンスの取組み実現に向け動きます。そのための権限も手に入れられる直前まで来ておりますので、是非とも成し遂げたいと思っております。
上記の通り、審査部門のハードルや決算へのハードルがあるので、交渉は困難を極めますが、はっきり言えば、銀行業界でこれ以外にやりたい仕事が無いので、失うモノがない人間の強さを発揮したいと思います!!
その実現が何年後になるか分かりませんが、成り行きを見守っていて頂ければ幸いです🙇‍♂️🙇‍♂️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?