村上ポンタ秀一、神谷えり、中塚武。PETのドキュメンタリー映像制作中。

今、僕はドキュメンタリー映像を撮っています。
今年1年はそれを撮ることに集中した年だったように思います。
(この文章を書いているのは誰?という方は下に自己紹介文があります。)

なんのドキュメンタリー映像か?
ボーカリスト神谷えりさんとシンガーソングライター中塚武さん、そしてレジェンドドラマーの村上ポンタ秀一さんの最後のバンドであるPETのドキュメンタリーです。

そもそもなぜこの動画を撮ることになったのか。
それは神谷えりさんと出会った後の話です。
僕がWeb運営やカメラの撮影のスキルがあったので、動画を撮ってくれないか、という提案がありました。それはこちらとしても願ってもいなかったことので、是非!と二つ返事で参加させていただきました。
神谷さんの音楽との関わり方、仕事の仕方が見れる経験は変え難いものです。それはものすごい勉強になります。

これまでいろんなライブやイベントに同行し動画を撮っていきました。
そのうちのいくつかはプロモーションビデオになり、いくつかはライブのコマーシャル映像になりました。

たくさんのイベントを追っていく中で、神谷えりさんの中での村上ポンタ秀一さんの存在の大きさ、そして中塚武さんとの3人でのバンド、PETの存在の大きさを感じるようになりました。

村上ポンタ秀一さんは残念ながら2021年に亡くなられてしまいました。
1万4000曲を超えるレコーディングに参加した凄腕ドラマーで、日本でこの人のドラムの音を聞いたことがない人はいないというレベルのドラマーです。
(サザエさんのオープニングのドラムもポンタさんです。銀河鉄道999も。多分ポンタさんの音を聞いていない人はいないでしょう。)

そのグルーヴの上で歌を歌ってきた神谷えりさんが感じた喪失はいかほどでしょう。

その失った穴を埋めるように、神谷えりさんは数多くの人に会ってきた様です。
その中の1人が僕でした。
でもその喪失は誰にも埋められるものではありません。
そういった喪失感を神谷えりさんとの話の中でひしひしと感じました。

そしてある日、神谷えりさんのレコーディングの撮影に参加することができました。
それが中塚武さんとのレコーディングです。
そこでレコーディングされていた曲。
「僕は知ってる」

歌っている神谷さんの歌詞を聞いて、すぐにこれは村上ポンタさんのことを歌っているのだな、とわかりました。
作詞作曲は中塚武さんです。

そしてレコーディングの映像を撮り終えて、編集しているときに「これは3人の物語なんだ。」と気づきました。
プロモーション映像でもなく、告知映像でもない。

ここにあるのは美しい三人の物語だ。
そして僕はこれを完成させなければいけない。

尊敬する音楽家の先輩方に話を聞くと、ある時、自分ではない意思で、「やらされている」感覚になることがあるそうです。
名曲を作る時、名演を残す時。
自分以外の力が大きく働く。そこに自己はいない。
自分はやろうと思っていない。でも大きな力で動かされる。

やらなければならない。

僕は生まれて初めてその感覚を感じました。
自分がやりたいと願い始めたことではない
神谷さんが、中塚さんがこのドキュメンタリーを作りたいわけでもない。
誰にも強制されていない。
「でも僕はこれを完成させなければならないだろう。」
そう強く感じました。

それが今作っているドキュメンタリー映像です。
まだ必要な撮影はたくさんあり、編集も時間がかかると思います。
でもいつの日か、この映像をみなさんに見てもらいたい。
その場所を作れるように頑張りたいです。

長い文章お読みいただきありがとうございました!
完成したら、お伝えします。

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