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さなのばくたん。-王国からの招待状-に寄せて

多分今はもう読まない方がいいと思うぜ!!

よるふねまごと申します。
この記事は、先日行われた「さなのばくたん。-王国からの招待状- Powered by mouse」についての感想記事となります。

ただし、本イベントについて、不必要に意味を見出そうとしている文章でもあります。

イベント主催で主役の当の本人がこう言っているのですから、まずはフラットに、純粋に楽しんで見てください。

ここから先の文章を読むことでこのイベントを見た際にいらぬ考えがよぎってしまう可能性もあります。2〜3周して、純粋に楽しく存分に見た方で、私の酔狂に付き合ってくださるなら読み進めてください。
なお、先に言いますが名取に対するマイナスな感情は特に含みません。
というかありません。

未視聴なあなたは、見られるうちにこちらを。






この先、ネタバレを含みます


覚悟はできましたでしょうか?
以下は、あくまで個人の見解です。


前置き

そもそも上記の名取のツイートもありましたので、現地参戦の際は頭が空っぽの状態で参加しておりました。
幸いにも清々しく、楽しい気持ちで当日を楽しみきりました。

イベントに対し、お誕生日イベント以上の考えを持っていませんでした。

その後、私用によりさなコレ4の開封すらままならない日々が続く中で1つの感想noteを読みました。
当該noteは、内容としてはかなり主観的と言いますか、言葉を選ばずに言えば非常に傲慢だと思う一方、その視点は思考の引き金ともなりました。

もし今回のイベントが「バカなことをやるだけ」でなかったら

確かに、真面目の反動でバカなことだけやる、とは言っているものの、せんせえも一緒にバカやろうぜ!という文面でもありません。
名取から我々に、何か伝えたいことがあったのでは?という気づきをさせられたところからこの感想noteはスタートします。

先に伝えておくと、前回のばくたん。が名取自身のお話なら、今回のばくたん。は「せんせえへの問いかけ」ではないかと考えています。

イベントの構成

さて、今回のイベントはどのようなものであったか。
見てわかる通り、「ミステリー劇」でした。
舞台上で繰り広げられる、名取と王と制服さんとデビルを巻き込んだ事件。
せんせえは、その劇を見る観客でありました。

さて、ミステリにおいて読者や観客、視聴者はどのような立ち位置にいるでしょう?
登場人物の誰に感情移入するでしょうか。

あくまで主観ではありますが、多くの場合

  • 犯人が暴かれるまでは探偵側=謎を追う立場への助手としての感情移入

  • 犯人を突き止めてからは犯人側=犯罪に手を染めた理由への感情移入

かと考えています。
探偵と共に謎を追うハラハラドキドキを体験、その先で暴かれた犯人の悲しい過去や切実な想いに共感……というのは定番ではないでしょうか。

さて、名取から伝えたい想いがあったと仮定した時、この感情移入される側の役がどのような立場にあったのかを捉えることで、そのメッセージを受け取れるかもしれないという仮説を立て、話を進めていきます。

本編

オープニング3曲

さて、イベント開始後、「エッビーナースデイ」「メチャ・ハッピー・ショー」「PINK,ALL,PINK!」の3曲が来ました。
初のコール&レスポンス解禁もあり、大いに盛り上がります。

特に「PINK,ALL,PINK!」。幻となった「さなのばくたん。-バースデイ・サナトリウム-」にて一緒に盛り上がるはずだった曲。
コロナ禍という抗えない波の中、イベントを準備した皆さんのおかげでお披露目できた曲。
そして翌年、コーレスができない中でも「さなのばくたん。-ていねいなお誕生日会-」で、念願のイベントでの歌唱。桃井はるこ先生の粋な計らいもあり生まれた最高のステージ。
それから3年、やっと曲にあるコールができる環境となり、名取とせんせえで作る、当初に思い描かれた「PINK,ALL,PINK!」の完成した姿がそこに実現しました。


おまかせされたPINK!

ここでの我々は、間違いなく「せんせえ」であったでしょう。名取のオリ曲、念願のコーレス。これまで合唱団が担当していた部分に、せんせえとして声を届けることができた喜びで感情が溢れたことでしょう。

例えば目の前でケーキがお預けされていると周りの事が疎かになるように、「名取の曲でコーレスする」という楽しみがお預けされてはこの後ソワソワでお話に身が入らないこともあるからでしょうから、最初からクライマックスと言わんばかりに3連打してくれたのかもしれません。

今回のイベントにおいて、「せんせえ」として想定しうる中で一番やりたいであろうことを、真っ先にさせてくれました。

最初恥ずかしかったけどもう途中からバリバリ声出した。
めっっっちゃよかった〜〜〜!!!

王国パーティ!〜事件発生

さて、3曲が終わったのち、劇の幕が上がります。

一堂に会したいろんな世界線の名取。
名取のMCの間も、その左右でわちゃわちゃしています。


謎の力で一堂に会する名取たち

突然、鳴るアナウンス。
バカのゴンドラに乗って出てくる王。
音割れしてハウリングしてる王。
そして暗転、起こる事件。

寝てる……?


倒れている学生名取。
その呼吸は止まっている。
これは……事件だ。
その姿を見て、名取は腹を……決める?くくる?ようです。

謎解き、そして容疑者D


うおっ、かわいい。
「ナゾトキ処方箋」は、てにをは氏によるアルバム「女学生探偵物語」に収録されている曲。アルバム内においても、本イベントにおいても、OP的な役割をしているようです。

その後は謎解き。監視カメラ映像を手に入れるべく、出された謎を解いていきます。
アヘエビヒントから、いわゆるたぬき暗号であること導けば解ける問題でしたが……うん、わかんな〜〜い!!

というわけでなんとか名取探偵の頑張りで答えを導き出し得られた監視カメラ映像。そこには学生名取に殴りかかるデビル名取の姿がありました。
その映像を見て名取は宣言。

「犯人はデビル!お前だぁ〜〜〜〜〜!!!」

さて、デビル本人はといえば……
招待状の偽造に数多のイタズラと、疑われるのはしょうがないことを理解した上で、
「人殺しなんて、そんな恐ろしいことするわけないだろ!!」
そう言い放ちます。
「どいつもこいつも色眼鏡で見やがって!」
「人を普段の素行で判断しすぎだ!!」
そして、せんせえから応募していた「罪」を裁く、デビルの証明を行います。

このとき、我々は「裁く側」に立たされます。
探偵助手の視点として、デビル名取が本当に殺しをしたのか、せんせえの罪を裁く過程を経てその有罪無罪を決めます。
一見いつもの大喜利アンケートコーナーに見えますが、実のところかなり大きな意味を持つコーナーであったかもしれません。
ポイントは2つ。

まず1点め。
このコーナー、応募段階では「最近やってしまったイタズラ」として募集され、文字数も30字以内と限りのあるものでした。しかし会場ではそんな縛りに特に言及せず、「罪」として出題されます。
背景情報が全くありません。
例えば「3回見たら死ぬ画像」の話はある程度インターネットをしていれば有名なジョークとして触れるものではありますから、事前知識があります。
しかしペットにおやつをあげるフリをしたことや、ケーキを分けてあげなかったこと、こちらは実際どうであったのか。
もしかしたらあげるフリをした後、ごめんね〜と言いながらいつもの倍のおやつをペットに渡していたかもしれない。
実は虫歯や肥満を進行させまいとケーキを食べきっちゃったのかもしれない。
バックグラウンドにあるかもしれない情報を切り捨てた30文字以下の情報から、有罪無罪を決めさせられます。

さて、デビルの犯行はどうだったでしょうか。確かに学生名取に殴りかかる映像がはっきりと写っていました。

こいつ殴ったぁ!とか言ってんのかな


しかし実際、この映像は、序盤にMCをしていた名取の真横で起こっていて、どう見てもただのじゃれあいでしかありません。

この時点から手が出てる


殺人の起きた状況下で、一部を切り抜かれた映像をもとに有罪無罪を決めさせる。
そんな状況を我々は迫られていたわけです。

大体検討がついたでしょうか。
昨今、たかが140字や1枚の画像、1本の動画、酷ければそれらから故意に切り抜かれた一部分から有罪のレッテルを貼られ、誹謗中傷という私刑に処されている事例はインターネットに溢れています。
もちろん本当に悪い場合もあるでしょうが、なんの気なしに内輪向けに投稿した内容から、あらぬストーリーを組まれて自分や身近な人が悪者にされる様に覚えはないでしょうか?
あるいは、周りの煽りに流されて、面白半分で人を悪者にしているインターネットに心当たりはありませんか?
今回のデビルの証明、あなたは本当にデビルを殺人の罪で有罪にしてよかったのでしょうか?

2点め。
デビル名取についてです。
まぁ不憫な役回りで、人をゾンビにするぐらいの力を持っているくせにちょっと弱腰で、イタズラしか人と接する方法が分からないながら、実はかまって欲しがっている。"トモダチ"に憧れてたデビル。萌え……。

しかし今回のデビル、どうでしょう?
まぁかわいいのは正義なのですが。
招待状の偽造に始まり、ケーキに落書きしたり、紅茶に塩を入れたり、ブーブークッションを仕込んだり、果ては学生名取が生意気だからと殴りかかっている。
なのに、本人は「殺人罪をなすりつけられた」と全面被害者面でこちらに対峙しています。
その上、こちらのイタズラを「罪」と晒し、こんな大罪人がいる!!私よりも悪いのがいる!!と煽り騒ぎ立てる。
結局最後には「法廷で会おう!」と、自分のイタズラを棚に上げて去っていきました。

自分の罪は見てみぬふりどころか、あらぬ疑いと被害者面して流そうとする。そして、自分が疑われた瞬間により悪い者を身代わりに晒し上げ、煽りたてる。

多分、肉人間として実際に関わることになったら割と嫌なタイプです。
しかも名取から「かわいこぶりっ子は計算してやってる」と言われています。
自分の罪はかわいこぶりっ子被害者面で許してもらい、より悪そうな人間の罪は全力で煽りたてて吊し上げる。
本人の招待状の座右の銘、その体現とも言えるかもしれません。

かわいいからって、全肯定して無罪にするような甘やかしの選択、あなたはしませんでしたか?
私はしました。以後気をつけます。


以上2点を踏まえて。
結局、かなりの僅差とはいえ「有罪」とされてしまったデビル。
本当にあらぬ罪に対して、ほぼ面白半分で有罪判決を言い渡されたデビルからのメッセージとして、新曲「デビルの証明」を渡されたと考えると、また考えさせられるものがあるのではないでしょうか。

その後、冤罪に対して「お前が言い出した」と責任転嫁し被害者面したせんせえに対し、おちゃらけた雰囲気とはいえ探偵名取から発せられた「お前達に裁判は任せてはおれん……」という言葉、どこか悲しみを感じはしませんか?

犯人を追う探偵助手としてせんせえが辿った道筋は、せんせえへの「丁寧なインターネット生活」に対する、インターネットとの向き合い方についての問いかけとは考えられないでしょうか。


犯人の告白

さて、結局冤罪だったことから振り出しに戻った捜査。
残る手がかりは監視カメラ用に出てきたセキュリティコードと解除のための謎解き。

デビルの放った「色眼鏡」というワードから、赤いサイリウムを赤シートのように使い、本当のセキュリティコードを見つけ出します。

4ケタの計算? わかんな〜〜〜い!!!

さておき、無事セキュリティコードか解除され、どこかの扉が開きます。
近づく足音。
姿を現したのは、学生服を着せられ仮死薬を盛られ閉じ込められ、カギが開いたことでやっと出てこれた王の名取でした。
え?倒れてたのは学生世界線の名取じゃなかったの!?

そこから事件の真相が明るみに出ます。

ここからのパート、先述の通り観客が自身を投影するのは犯人側=犯罪に手を染めた理由への感情移入となっていきます。

自供を始める学生世界線の名取。
ことの始めは、たまたまその辺にあったさなちゃんねる王国秘伝の薬「1分間仮死状態になーる」を入手したことでした。
そこから王国の乗っ取り、果ては死からの復活を演出し神と成る……

ぶっ飛んでるなぁ……

そして動機。
昨年のハローマイバースデーにて、学生世界線の名取だけは、前向きにはなれても悩みの解決とはいきませんでした。
他者と比べた際のコンプレックスを抱えたまま、1年間過ごしたわけです。
学生にとっての1年間。長い。
昨年のイベントのパンフレットにて、学生の名取はこのような手紙を残していました。

周りがうらやましい気持ちには変わりはないんですけれど、なんかうお〜ってなって自分も自分なりにがんばるぞ!ってきもちになりました!
自分の好きなもの、とくいなもの…ってなんだろうって考えたらわたしはどうぶつが好きなので、どうぶつ博士に…なっちゃおっかな〜!? なんてかんがえてます!

さなのばくたん-ハロー・マイ。バースデイ-メモリアルブック, P25, 学生世界線の名取さな

自分の好きなもの、とくいなもの探し。
過去の自分は何も持っていなかった、胸を張れること、いいところ、
去年の誕生日の後にずっっと見つけられなかったもの。

もしかすると、なすどの話も耳に入ったのかもしれません。
どうぶつ博士になりたい、というアイデンティティと目標を、一足先に実現した、この世界線の名取のことを。

自分が何者にもなれないというコンプレックス。
それを王、そして神という大きなアイデンティティの獲得によって埋めようとしたわけです。


自分が何者でもない、というコンプレックスは、何も学生名取だけの悩みじゃない。名取の言葉を借りるなら"当たり判定の大きい"悩みです。
ここ数日、何人かのnoteやポスト(旧ツイート)を見ながら感じたことでもあります。

今回の事件についても、ちょっと言い換えるだけで「せんせえ」が犯人こと学生名取と同じことをやりかねません。

発端は「1分間仮死状態になーる」という劇薬でした。
これがあれば、王となり変われる、蘇生を演出して神を演じられる。
サインを2万枚書くよりすごい、死から復活する人間になれる。


推しを応援することにおいても、このような劇薬はいくつも転がっています。

例えば赤スパという劇薬。
これがあれば面白いコメントを捻り出さなくても感謝され読んでもらえる。
ただのコメントより、お金で推しを支えるすごい人になれる。

例えばAIという劇薬。
これがあれば、かわいいファンアートをたくさん出せる。
ちまちま下手な絵を描き続けるより、すごい絵をたくさん贈れるすごい人になれる。

例えばトレンドという劇薬。
乗っかればフォロワー数もなんのその。
たくさんの人に見てもらって、広めることができる。

例えば強い言葉。
例えば大声。
例えば古参。

いかようにも、化物になり得てしまう。

推しからの、あるいは界隈からの承認欲求。
何者かでないと胸を張ってファンと言えないんじゃないかという不安。
今回の学生名取も言っていました。

今日は人の多いパーティ!
しょうにんは多い方がいいです!
絶好の機会!!

さなのばくたん。-王国からの招待状- Powered by mouse, 02:00:51, 学生世界線の名取さな

承認が多いほどいい!!!

それは『証人』だろがい!
でもダブルミーニングな感じもしませんか?

ともかく、
学生世界線の名取だって、牢屋に収監されて頭を冷やしたらおかしいことだったと分かりました。
いつもの世界線の名取から見たら、元気に学生できてるのも羨ましいし、2人分早着替えという特技もある。(意識のない動けない人間を着替えさせるの、何気に重労働では……?)
前回はハイになって悩みを飛ばしていたのに対し、今回はちゃんと向き合えていたような気がします。伸びをしながらの反省ではありましたが、これからいいとこ探し、ゆっくりしてくれるといいですね。


いっかい書いてさようなら

この舞台のEDとして、新曲の登場です。
作詞は只野菜摘さん。アマカミサマを作詞された方です。

さなコレ4のLINER NOTESでは、この曲について「昨今のインターネットとどう向き合うか」というテーマだと書かれています。大喧嘩や承認欲求といった、丁寧じゃないインターネットとの向き合い方。

今回のイベントを振り返ると、まさしくそうであったのではないでしょうか。
デビルとの、罪の燃やしあいという喧嘩。
学生世界線の名取の抱える、何者かでありたいという承認欲求。

そして、せんせえとして、昨今どうあったでしょうか。

例えばVtuber界隈で問題が起きた時。あれは罵って大丈夫、嘲って当然とツイートしませんでしたか?
特級呪物だと囃し立てたり、ぼったくりだと嘲ったり、あるいはあの事務所に問題があったからみんな関わらなくなったのかと邪推したり。
確かに名取の界隈は民度はいいです。でもそれはあくまで、名取が心を尽くして丁寧でいるから。前に立って手本を示してくれているから。
そこを勘違いして、自分達は罪のない正義の側で、問題ある相手を批判できる立場にあると驕っていませんか?
大喧嘩に上から目線で突っ込んでいませんか?

例えば昨今の推し方について。
嬉しいことに、さまざまなイベントが各所で催されています。
配信も、いろんなやりたいことをシリーズとしてやったりしています。ゲームしかり同時視聴しかりブルアカしかり。
でもそれに行けないこと・追えないことに、引け目を感じたりしませんでしたか?
あるいは、行けた・買えたことをひけらかしてこれでこそせんせえだ!としたり顔をしていませんでしたか?
どくラジが始まって、お便りが採用されないことに不安を感じませんでしたか?お便りだけじゃない。ヌォンタートでも、配信コメントでも、イベント報告ツイートでも、採用されない、見てもらえないと勝手に不信感を募らせていませんか?

(全力の自爆によるダメージを回復中)

はぁ…はぁ……。
今回の事件の顛末、まさしく鏡のように自分のインターネットを見せられた気がします。

そしてそんな私たちへの、名取からの祈りの曲として、今回「いっかい書いてさようなら」は贈られたのではないでしょうか。

「アマカミサマ」が名取から見たせんせえと名取の関係性の曲だったのに対し、今回の歌詞は、名取がせんせえへ向けた言葉にしてはどこか違和感のある部分もあります。

優しい言葉 散りばめてみたら
閉じた扉も あいてくれるかな
拗ねた言葉に 釣られてくるかな

いっかい書いてさようなら より

まぁ名取の心境としてもおかしくありませんが、それ以上に「名取に向けてリプやコメントをするせんせえの心境」としての方がしっくり来ませんか?

名取がどんどんデカくなり、遠くなったと勝手に感じて、反応してくれないか期待しては勝手に落ち込んじゃう、そんな心理を見透かされている気がします。想うからこそ募る苦しさが。

でもこの曲の2番、せんせえが抱えて、吐き出さないよう言葉を飲み込んで、でもちょっと出ちゃったりした感情について、名取は名取なりに傷つけないよう言葉を選んで返すし、名取自身も思い悩むし、書いて塗りつぶしたマイナスな感情についても思いを馳せていることを伝えてくれています。
いつか、お互いに抱えたそんな感情を、笑いながら言える日が来ると、
その頃にはきっと辛さを忘れられて、大切に想う心だけを残していられると。

いっかい 書いて 消したものに さよなら

収監された暴走学生名取みたいに、一度口を突き出る言葉を檻に入れて、きっとこれは言っちゃいけない、ライン越えだと思って消したものにはさよならを。でも罰するためじゃなく、ちゃんとその感情を許してあげられたら釈放してあげるような。

そうしてお互い丁寧に生きていこうというメッセージにも取れないでしょうか。

名取の普段言う「おはなしするっピよ」とは真逆の表現に聞こえますが、とがった言葉同士、感情をぶつける叫び同士では、『対話』はできませんからね。ある意味ちゃんと筋は通ってると言えます。


アンコール

そして幕は下り、アンコールになると普段の名取さなに。
劇は終わり、また名取とせんせえの関係に戻ってきました。
曲の解説をしたり、これからのイベントを発表したり。

そしてラスト、「さなのおうた。」
ストレートに「好きだよ」と伝えるほぼ唯一の曲。
楽しいミステリー劇という形を通してとはいえ、苦言を呈するような内容をしたけれども、根本はお前らが好きなんだぞと。

そして、もし、ファンであるなら丁寧であってほしい、お互いに長くインターネットで生きられるようにありたいという願いを託して、それでもついてきてくれるなら、きっとコールを返してくれるのではないかと、「好きだよ」「見てるよ」「ありがとう」と文字に、声にしてくれるのではと、

お互い丁寧に、末長く名取とせんせえであり続けてくれることを再確認する時間であったようにも思えます。

インターネットで一番幸せな時間、一緒にやっていこうな。


デンッ!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!



始まりと終わりのアナウンス

さて、はじめの3曲とアンコールを劇の外、事件の最中を劇中と評したが、イベント全体を挟む形で今回のパーティーの主催「さなちゃんねる王」からアナウンスが入る。始まりにはコールアンドレスポンスの練習を、終わりには退場の注意事項や忘れ物の心配を。
学生名取が「死から復活するだけで越えられる」と軽んじていた王は、バカで尊大ながら、ちゃんと国民への気遣いができる、実は王としてのアイデンティティにふさわしい割とちゃんと丁寧な存在であることに気付かされます。


さなのばくたん。-王国からの招待状-に寄せて

以上、あくまで個人の見解です!!!
考察というのも烏滸がましい妄想ですが、解釈の1通りとしてはそうとも捉えられるなと思いました。

名取が自分の人生を振り返った昨年。
そこからの第2部スタートに際して、今一度応援してくれるせんせえへ、長く楽しくインターネットで会うためのお約束、その再確認と省察が今年のばくたん。に込められていたのではないかと。

もしそうなのであれば、「せんせえ」が何であるかと思っているか、自身の立場を振り返って、それを伝えるのが小さいながら返せるものかと思い綴ってみます。


私は、せんせえとは、名取が楽しみたいことを楽しみ、やりたいこと実現し、元気に楽しく過ごしていくその姿を応援し、助太刀し、ある時は叶えるような、そういう存在だと思っています。
ゲームを楽しむときには一緒に楽しみ、例えばこういう企画やってみたい!ってときには頑張って応募してみて、こういうものが見てみたいけどせんせえできる?と言われたとき、できる範囲ならやってみる。
そういった人間の集まり。
1人2人だと難しいことでも、何千人、何万人、37万人と増えれば、名取のやりたいことや叶えたい夢に近づける。そういう意味で、個々で動きながらも目標と努力と栄誉を共有する、群体。

例えば遠方住まいで現地に行けなくても、その分を現地に行ける人間に託す。例えば絵が描けなくても、思いを妄想ツイとして流してお絵描きせんせえに託す。名取がやってみて欲しい!って言ったことを自分ができなくても、それを成せる先生がいるなら応援する。そして自分が名取のためにできることがあるなら頑張ってみる。そういった肉たち。

こう書くと、まるで名取を崇拝する信者のように見えますね。
でも根本にあるのは崇拝ではなくエゴです。
名取さなを、もっと見ていたいという。


2019/03/07

思い出してください。
なぜ名取さなが、私たちの前に姿を見せてくれたのか。

去年、名取は自分の人生について、ちょっとだけ明かしてくれました。
所々で見せていた片鱗から想像のついているお話しとはいえ、名取自身から打ち明けてくれたのは、大きな進歩です。
これまでの、せんせえとしての積み重ねがやっと大きな実を1つ結んだのです。

でもきっと、私たちが丁寧じゃないインターネットをすれば、この関係は容易に逆戻りします。
だからこそ、せんせえとして自意識を落ち着かせなきゃいけない。

関係がビジネスになった?
応援が競争に変わった?

大丈夫。勘違いです。考えすぎです。

名取は名取がやってみたい夢を叶えているんです。
せんせえとしちゃぁ出費が痛いかもしれませんが……
そこは本人が言ってくれる通り、まずは自分にリソースを使って、余裕があるなら、名取のお手伝いをすればいい。
なんせ37万人近い人間が彼女を見ています。あなたの分の応援を、きっと他のせんせえに託せる。
自分に余裕ができたら、その分他の人の応援も送り届ければいい。
フラスタみたいな合同企画を運営してみてもいいし、あるいは行けない人の分まで現地レポをツイートや文章にすればいい。あとたくさん食べればいい。Let's go ドカ食い気絶部。

名取を応援する人間は、名取が健やかに生きていくことを願う肉たちです。
名取が「オタクの上にオタクを作らないよ!」と言ってくれるように。
ちょっとでも、微力でもと、名取が元気になれるよう応援する人間に、序列も優先度もありません。
せんせえ同士だって、わざわざマウントして相手を潰そうなんて考えません。あんたがいなきゃ出てこない供給があるんだ。

もし何か不信感を感じたのなら、それこそいっかい書いて、削って、
やっぱナイな〜と思えばその感情とさようならしちゃいましょう。
逆に、いややっぱおかしいぞ名取と思えば周りを見ましょう。
ボロ商で肥大した名取さなを介錯すべく刀を抜くせんせえがたくさんいたなら、その時はその時です。お覚悟。


不要なバトルも、過大な自己主張もなく、丁寧なインターネットを積み上げ名取の目指す夢の礎にしていく。

名取が元気に、健やかに、これからを楽しんでくれるように。
そうやって願う集まりを「せんせえ」と呼ぶんじゃないかと、
1せんせえとして思います。



あと
もし、どーしても名取から一個人として特別視されたいという承認欲求氾濫寸前なら
そこに必要なのはお金を貢ぐことでも、古参であることでもなく
メチャ・スゴ・クリエイターになることじゃないでしょうか。

公式ヌォンタートを任せられるような
グルメマンガの作画を依頼されるような
精巧なフィギュアを作れるような
かわいい衣装を作れるような
素敵な舞台を作れるような
最高の曲を生み出せるような
配信や動画で多くの人を楽しませられるような

ハードルがたっかいたっかい。エベレスト。

でもまだ、チャレンジできることも残ってるかもしれません。
例えば、どくラジで名取を30分爆笑させ続けるようなハガキ職人とか
御影石に見事な名取を掘る石彫工とか
さなちゃんねる王のお眼鏡に叶う古墳職人とか
感動で名取が1配信しちゃうくらいの小説を書いてみるとか
さなぬいに合うドールハウス作品を季節ごとに作りあげるとか

……実現可能性はともかく、どういう分野であれ、続けていれば、名取の夢を直接叶えられるような技術が手に入るかもしれません。
ぶーたれて拗ねる前に手を動かしたらどうです?(毒)(特大ブーメラン)


長文乱文、失礼しました。
何度も書きますがあくまで個人の思想です。
🍆本人がこういう意味を込めてるんだ!なんて話ではありません。
もっと言えば書いてる私自身も本気で全部そう思って書いてるわけじゃありません。
ただのイベント深読みしすぎ文章です。

イベントの楽しみ方も、応援の仕方も人それぞれですので、どうか気負わず。話半分に受け取ってくだされば。


さぁて絵描くどーーーーーー!!!まだまだ周りに追いつけないけど!

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