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先延ばしにしない

人の行動は次の3段階に分けることができま
す。

 【1】決心→【2】実行→【3】維持

 本書は、この3つの章でなりたっています。

 今日はそれぞれの概要をご紹介します。


【1】決心

 自分のなりたい将来の姿をいきいきイメージ
できれば必ず夢は実現します。

 といったビジネス書やセミナーが一時期流行りました。

 それをやってみて、果たして今も夢の実現に向けて努力を続けているかというと、ほとんどの人が続けることができないというのが実情ではないでしょうか。

 イメージする夢は実現しないことはないことを科学的に実証してみせた学者も現れました。

 ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは、自信過剰になって計画を膨らませすぎた結果「計画誤信」を引き起こすと警鐘を鳴らしています。

 楽観的な考えを持つと、目標達成までの困難を嫌い、バラ色のイメージに逃げ込んでしまい、そこから出てくることはないというのです。

 では、どうすればよいか。

 夢がかなう到達点をイメージするのではなく、プロセスをいつもイメージできるようにします。

 目標達成につながる、自分だけのルートを探し出し、障害物にぶつかったときはどう解決するかなど、成功までのプロセスを生き生きとイメージ
するのです。

 この「プロセスの視覚化」こそが決め手となります。


 計画の立て方は2つあります。
 順行スケジュールと逆算スケジュールです。

 順行スケジュールは、現在を起点に順々に計算
して目標達成の時期を推定します。

 逆算スケジュールは、未来を起点にして、いま
すぐすべきことを選択します。

 順行スケジュールの習慣をもっている人は、
先延ばしをしがちです。

 逆算スケジュールの習慣をもっている人は、
今やらければいけないことを切実に自覚しているので、誘惑に打ち勝ち、今やるべきことに集中します。

成功者はみな、逆算しています。
逆算スケジュールは次の順番でつくります。

 ステップ1「達成したい目標と期限を決める」
 ステップ2「起点と終点の間に小目標と期限
       を定める」
 ステップ3「目標に関係する最初の仕事を選
       んで、ただちに実践に移す」


 ただし、人生には突発的事態はつきものです。

 そこで目標達成を途中であきらめては残念。
慎重に。

 そうならないよう、いろいろな事態を想定し
それを防止する案と、それでも発生した場合の
代案をあらかじめつくっておくようにします。


 ひそかな誓いを立てても実現しません。
 公開宣言した方が目標の達成率が高いことは
すでに実証済みです。

 人は言葉や文章で考えを公開すると、その考えを最後まで守ろうとするものです。


 何かをやろうとするけれど、実行に移せない人は、なぜ、それをやらなくてはいけないか、切実な理由を持っていないからです。

 いまの状況が、耐えられないほど苦痛ではないからです。

 このままの状況でいたら、未来はどうなるか、ありありとイメージしましょう。

 私たちは実行できない数千通りの理由をもっています。

 それを覆せるのは、たったひとつの切実な理由です。
 


【2】実行

 新年の決意が3日しか続かないのはどうしてか?

 それは、心の中に「実行したくない」という
強い動機が隠れているからです。

 「食事の後にやろう」→今はしたくない
 「正月からたばこをやめる」→たばこをやめるつもりはない

 ベストタイミングは常に「今」です。

 本田健氏は日本の高額納税者名簿を手に入れ、億万長者1万2千人に生活習慣についてのアンケートを実施しました。

 その結果、高額所得者であればあるほど回答が早かったそうです。

 金持ちはヒマだから早いのではなく、どんなに忙しい毎日でも、どうせしなければならないことはすぐに処理する習慣が身についているからです。

 スピーディーに反応すれば相手からも好感と
信頼を得ます。

 人生でもっとも破壊的な言葉は「あとで」。
 もっとも実践に適した日は「今日」であり、
 もっとも実行に適した時期は「いま」です。

 いろいろアイデアが浮かばず苦労することが
ありますが、もっともよいアイデアは、常に作業をする過程で出てくるものです。

 本当に残念なのは、待っている間にアタマの中にあった目標が消えてしまうことです。

 どうしても意欲がわかなくても、とにかく最初の1%でいいので始めます。

 走り出しさえすれば、半分は終わったも同然なのです。

 文章を書かなければいけないなら、とにかく
パソコンの前に座って、どんな文章になるかなど考えずに、キーボードを叩きます。

 いったん、始めさえすれば、不思議なことに
楽に進みます。

 意欲がないから始められないのではなく、
 始めないから意欲が湧かないのです。


 実行力に優れた人は、終了デッドラインとともに開始デッドラインも持っています。

 日常の小さな仕事も、創業の準備も同じ。
 開始と終了のふたつの締め切りを持つように
しましょう。


 いちばんやりたくない仕事、いちばん恐れてい
る仕事のほとんどは、あなたが絶対にやらなくてはならない仕事です。

 人生の幸福と不幸、成功と失敗は、そのような仕事を進んでやるかどうかにかかっています。

 とにかく、「実験」と思って始めることです。失敗に早く気づいた方が、次の手を考え、実行に移すことができます。

 そして誰よりも早く成功にたどり着きます。


 普段と違う「実験の日」をつくるのもいいでし
ょう。

 帰宅してテレビをつけるのではなく、
 読書をする、
散歩する、
しばらく顔を見ていない友人に電話する、
部屋の明かりを消しクラッシク音楽を聴く、
パートナーと居酒屋に行く等々、
実験と思ってやってみることです。

 それだけで人生を豊かにすることができます。



【3】維持
人の考えは行動を決定し、人間の行動は運命を
決定します。

 私はこんな人間だと自らを規定すれば、本当にそのような人間の行動をします。

 「私は心理学を学んでいる〇〇です」と自己紹介するよりも、

 「私は、世界の子どもたちに夢を与え、どんなに大変なことがあっても絶対にあきらめさせ
ない、そんな漫画家になるために心理学を学んでいる〇〇です」

と自らを規定して説明した方が、日々の行動、
服装、言葉遣いまでも変わることでしょう。

 5年後、10年後の自分を小さくイメージして生きている人と、大きくイメージして生きている人では完全に異なる人生を送ることになります。


 決心しながら実行に移せないことは誰もがひとつやふたつもっています。

 なぜ、実行に移せないのか、実行を妨げる障害物となっている自己イメージを探し出してみましょう。

 では、どのような自己イメージに変えれば実行できるようになるか考え、そして考えだした
自己イメージに置き換えます。

 あなたと会う人は、あなたが実際にどんな人間なのかよりも、あなたどのような自分を規定しているかを見て、接する態度も変わってくるものです。


 どうしても他人の頼みを断られずに、自分の
時間を失ってしまう人がいます。

 自分自身がめざす強烈で重要な目標を持つことで、断ることができるようになります。

 自分には、次の5つの「断る権利」があって
「NO!」と言えるのだと思うことです。

1自分の行動を主体的に決め、責任を負う権利
2自分の判断に対し、説明、言い訳しない権利
3誰に手を貸す貸さないを自分で判断する権利
4知らないことは知らないと、素直にいう権利
5相手から受けた好意と関係なく行動する権利


 いくら行動を維持できようと、毎日の行動が
ただ、仕事の効率を上げるだけのものであれば
いつまでたっても経済的にも時間的にも安定し
た生活を得ることができません。

 効率と効果はまったく違います。

 戦略的な視点にたって、より効果の大きな
仕事は何かについて常に自分に問いかけながら
仕事をするようにしなければいけません。




成長していきたいです。

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