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ミッションドリブンって、何それ、美味しいの?

上場していないIT系ベンチャーキラキラ会社が、ミッションドリブンっていってたら、「=ミッションのためなら、事業変更も軽々やっちゃう会社」と認識していた方が良い。

それは、どういう事かというと、例えばメディア創りが好きでSEスキルで入社したのに、
ある日売り上げが頭打ち、とか、収益性がないと判断すると、
「来月あたりからメディアやらないんで、
営業の課題抽出して、業務システム作ってくんない?」とかいう、想定だにしない、ジョブローテーションを求められる。

ま、そりゃ、収益性がないなら、ごもっともだけど、だったら、もう少し慎重にやりなよ!と思うけど、そんなの通用しない。

なぜならば、すでにある成功事例の事業をなぞるのではなく、常にパイオニアを目指しているから。

そして、戦略スピードさえ担保できれば、先行利益が取れるから、結構序盤から加速する。
だからお金も人もブッ込む。

ITベンチャーらしく横文字を駆使しながら、社員全員がルー大柴と化した組織に属していたのだが、
実態は、未熟な若いメンバーが勢いだけで、雑な業務をやってのけ、
営業は”目標達成こそ命”と、無茶な数値をどこまでも追い回し、
石橋を叩いて叩いて、結局社員をぶっ潰すような、そんな会社を経験した。


・ビジョン・ミッション・バリュー。

・ミッションドリブン経営

・成果はもちろんだけど、プロセスも重視

・利己的ではなく利他的であれ。

・脱俗人化

なんて言葉が朝・昼・晩、唱えられた。

素敵な言葉が並ぶし、軽くイメージするぐらいだったら、すごく共感性の高いフレーズたち。

そもそも、ミッションドリブン経営って言葉がでてきた背景は、
ゼロ世代の経営者達が叫んでるのが発端だけど、
モノよりコトが大事って言われてきてる流れの中で、
モノが溢れてる時代では、従来みたいに、お金やモノを得るために働くのではなく、仕事を通して、自分たちのミッションや社会存在意義を発信して、働いていこうじゃないか、って経営思想のこと。
ざっくりいうと、そんな説明だった。

そんな集団ってアピールすることで、キラキラ新卒を捕まえようとしてた。
ある意味単純なリクルート手法でしかないもんなんだと思うのだが、
残念ながら、落ち着いてそう諭す熟年幹部がおらず、会社はミッションの体現化にむけて、アンビリーバボーな社内施策を連発してた。

だ、け、ど。一つ言っておくと、ミッションドリブンって、社員待遇が改善されてて、給与不満はない前提で話されるべきこと。

給与不満は無視して、
ミッションドリブンだからだと、成果評価と共に、どれだけミッションを体現できてたかを合わせて評価されていた。
定量定性とはいうけど、そうじゃないんだよ感満載だった。

これがどうなるかというと、個人の仕事のやり方に対して、どこがミッションにあってないか、(マネージャーでもない)社員で指摘をし合うという、職務改善行動が行われ、
指摘をする奴がミッション体現してる=昇級、給与上がりやすいって仕組み。
地獄絵図。

なんじゃこりゃ、だった。
新卒が偉そうに中途経験者に入社早々、弊社ルールで指摘したりすんのだ。
そこでマウントとんな、こら!

幹部以外は、社員の誰もが疲れ切っていた。

いや、幹部すらも社長に盲信して、表情のない瞳でロボットのように、念術を繰り返していた。

私は、こんな仕事をしたいわけじゃなかったのに。

なぜ、こんなに急に、こんなに大幅にやることが変わるのか?

私の経歴とかは、あまり関係なく、
(むしろ、こだわりあったら、捨てろと言われる)

経験者よりも、染まっていない新卒者が好まれる。

もう辞める頃の採用要件だと、「ミッション第一に考えられる人」という、わけわからん要件で、募集かけてたな。

会社を辞めていく(時に精神患って、高飛びする子も…)人々を見送りながら、
どうして、会社は個人を認めたり、やり方を変えないんだ!と、憤慨することはあった。

でも、今は、わかる。
今は全くそんな事を求められない、ごく普通の会社にいる。

別に、全てを理念やミッションと合わせて動かなければならない事はないし、
来月から事業が変わるなんてこともない。
私から見ると、理念からズレているベテラン社員が何人もいるが、
実力者がしっかりと発言権を持って、組織が動いていると思う。
サビ残を強要することも、一切ない。

当たり前だが、民間企業なので、もちろん成果も出そうとしている。だけど、無理な数字や目標を打ち出したりはしない。

事業基盤が、もうできているからなのかもしれない。
(とはいえ、競合と争っているので油断はできないが)

以前の会社は、とにかく市場でポジションを取ることができなかったから、
事業ピボットを想定して、日頃から社員の労働マインドを、スキルセットではないところで、コントロールせなあかんかったんやなー。と、今なら思う。

しかし、くだらんかった。
あんな精神修行みたいなのに、リソース使うより、とっとと、収益性が高い事業を、
やり方にごちゃごちゃこだわることなく、まずガッツリ成功させるのが、早いと思うよ。

今、転職してあの会社のことを思うと、本当に宗教みたいな会社だったなぁ。

自分、(生活のためより、)誰かを幸せにするために、夢のために働いています!と言うことを、嘘でなく言える人でないと、ついていけない。


みなさん、中途転職の時は、ミッションドリブンには、気をつけろ!


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