What is??
音楽を職業にすると決める前は人生を諦めモードで捉えていた。
高校卒業後は興味のある分野の職業訓練校に進学した。
だけど興味以上に私の根底には
"資格を取れば1人でも生きていける"
"学費を自力で返せて親に迷惑をかけないから学費が安いところに行こう"
みたいな諦め要素が無自覚にこびりついていた。
こんな諦め全開の将来のビジョン。
今になってやっと脳みそが毒されていたことに気付ける。
進学後のある日、おっきいスタジオでレコーディングをするお話をいただいた。
当時の私は課題とバイトをやるので精一杯。ライブも月1が限界。入学したての学校のことを考えると楽しみよりも不安なことが多かった。
そのときの私の能力とやり方では、
学校を辞めなくては制作は進められない状況だった。
そして、職業訓練校と音楽活動を天秤にかけることになった。
どっちつかずな自分だから迷いが生じて
唯一継続して好きだった音楽への気持ちと
長年の諦めモードとの拮抗によるエラーみたいなものが心と身体のあちこちに頻発したことが引き金となって
退学して音楽活動を選んだ。
それで「さぁやるぞ!」って意気込めたわけでもなくって
ただ罪悪感みたいなものが大きくなって
どれだけ音楽を好きでも
逃げじゃないって自信を持って言えなかった。
また悩んだ。
そこではじめて
じゃあ私には何ができる?そこにはどんな野心がある?信念は?どこまで夢は許される?どんな現実を見る?
好きなだけじゃ許されない。
若さ、ラフさ、浅はかさも。人間性がそのまんまでる。嘘なんかつけない。
そんな風に何度も自分に問いかけた。
何かを捨てて1つを選んだからにはもうこの諦めを捨てなくてはいけない。
でもどうやって。
考える暇なんてなかったんだ、一瞬で大人になってて仕方なかったんだよ。
誰も教えてくれないし学校でも教わらないし。
本当にそうだったのかな。
色々理由を作っては逃げ回っていただけ、外界を見知ろうとはしてなかったよね。
お金がたくさんなくたって豊かな人間生活を営めるし
親に迷惑をかけるから、生活の保証、社会で上手に生きていくための資格とか全部私にとっての言い訳だった。
本当に大事なことは
どんな自分でいたいかだと思う。
諦めて逃げに逃げてきた私は何にも信念を持ち合わせてない人間になっていた。
その中身の無さがコンプレックスで自分を愛せない理由でもあった。
そんな人間が心を込めた芸術ができるのか?
できないし失礼だ。受け取ってくれる人にも一緒に届けてくれる人にも。
このまま何にも奥深くなれずに死んでいくのは嫌だ。
ちゃんと芯のある人間になりたい。
そう思ってやっと動き始めることができた。
それでも作品を出すまでに時間がかかった。
けれど、今までになく真剣に意味のある悩み方ができた。
悩んで悩んで悩み抜いた先にある全てに
正しい答えがあるわけじゃないってわかってる。本当に求めてる自分像が死ぬまで見つかるかもわからない。
それでも逃げずに悩みたい。
いつか私という人間の中身に納得したい。
自分を愛したい。
「What is??」を1st EPの1曲目に選んだのは自分にとってilliomoteにとって始まりの曲みたいな存在だからです。とても大切な曲。
以上、「What is??」に込めたヘビーなお話でした。
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