見出し画像

謎と零狐春と私

こちらの記事は、アドベントカレンダー「体験型イベント Advent Calendar 2016 - Adventar」( http://www.adventar.org/calendars/1827 )の一環です。


はじめまして。関西で謎解きを趣味として嗜んでいる余っちゃんと申します。

こちらの記事は、私が愛してやまない団体である零狐春のことについて書かれています。ただただ好きな団体の好きなところを書き連ねている文章なので、そこまで面白みはないです。あらかじめご了承下さい。

1.零狐春との出会い

一番初めに参加した公演は、「GOIN」でした。

( 引用:http://zerokitsunehal.org/ )


謎キャンに行くことになり、どの団体に予約しようかなと悩んでいたところ、「あっ、謎解き王トーナメントをしてる団体だ。面白そう!」と思い、予約をしたのがきっかけです。当日、部屋の外からただ者ならぬ気配を感じていたのをよく覚えています。当時の感想は、

「やべ~wめっちゃアホじゃんwは~~~~~!最高かよ~!めっちゃ笑ったわ~~wあれは、アトラクション!」

でした。体験したことに、語彙力が追いついてきません。一番初めに参加した公演でガシッと、ワシッと心を捕まえられましたね。それからドンドンのめり込んでいくようになりました。

2.究極の脱出ゲーム

私が今まで参加してきた中で、究極の脱出ゲームだと感じたものはキューブ型の「絶望観測デスゲエム」です。

( 引用:http://zerokitsunehal.org/ )


私はあれがとっても好きで、今でも並々ならぬ思い入れがあります。好きなポイントが3つあるので、1つずつ詳しく書いていきます。

※ここから「絶望観測デスデエム」のネタバレを含みます。この公演はネタバレ解禁されていますが、見たくない人はシャッとスクロールしてください。

①夢みたいな絶望的状況

これに、尽きます!持論ですけど、究極の脱出ゲームにストーリーとか物語なんて要りません(暴論)。

目を覚ますと、見知らぬ部屋に自分だけがいて、時間制限以内にその部屋から脱出することを目指す。そして、もう一つ別の部屋がありそこにいる挑戦者と協力して謎を解く。謎が解けなかったら、その場で殺されてしまう。

大好物です。1番謎があって、おかしくない状況がそれなんですよね。確かに、「あなたは、○○です。」のような設定ありきの公演も好きですが、今の等身大の自分でプレイするのが、1番入り込みやすくかつ楽しみやすいです。

②解き手を嘲笑うかのような謎の流れ

STEP1(最初の謎)のKEYBOXの数字「2015」が出てきたときは、なるほどそういう数字かと納得しました。

次に、STEP2の答え「2015」が出てきたときに違和感を感じましたが、まあたまたまだろうということにしておきました。

問題は、STEP3の答え「2015」が出てきたときです。解けた喜びよりも徒労感が先に襲ってきました。「やっておけば良かった。。」と。

しかし、私も人間なので学習します。キューブの中で学習したことを、LAST STEP(最後の謎)に応用すれば時間短縮できると思い、中の謎を見ることなく意気揚々とKEYBOXの番号「2015」を押します。








「いや、開かんのかーーいw」




騙されてしまいました。

私は、あのシックサム(絶望観測デスデエムの首謀者)の手のひらの上で踊らされていたのであります。まるで、4コマ漫画のような流れです。オチもしっかり決めてくれました。
実際、私と同じような行動をとった人はいると思っていて、キューブ内で自分の行動を意のままに操られている感覚に陥りました。

(これにはまだ続きがあり、LAST STEPの問題も最後の最後まで挑戦者を嘲笑っているかのようでした。)

③絶望的なラスト

さて、LAST STEPのKEYBOXを開け、あとはもうボタンを押すだけとなりました。前の指示文にはたった2文字「押せ」。しかし、KEYBOXを開く方の裏側に何やら血文字で、「押すな」と書かれています。


そういえば、冒頭でシックサムが前の挑戦者のことについて触れていました。おそらくその挑戦者の残したダイイングメッセージでしょう。そういった伏線回収もとても好きです。
ダチョウ倶楽部的なノリかなと思いつつも、どうすればいいのか非常に悩んでいました。最後の1秒まで考えましたが、結局納得いく解答は得られずボタンを押してしまいます。
すると、協力者の部屋の方のドアだけが開いたことを知らされます。ボタンは両方の部屋にあり、

なんと先にボタンを押した側だけが出られない仕組みになっていたのです。

またもや徒労感。

絶望。

悲しみに打ちのめされていると、シックサムが今の私の絶望した顔を見て昂っています。まさに、絶望観測デスデエム。そして、次の瞬間思いもよらなかったことが起きます。


カウントダウンです。


その時は、「えええええ!」と声を上げ本当に驚きました。完全に失敗したと思っていたので、不意打ちをくらいました。

残り時間60秒。

必死にできることはないかと部屋中を探し回ります。向こう側のボタンを押せば脱出できることはわかっていたのですが、いかんせんパニクっているため、それをどのように実行すればよいのか全くわからない。あたふたしているうちに制限時間がやってきました。

3、2、1、0……………

死にました。

絶望オブ絶望。


この状況を見たシックサムは更に昂っています。キューブの中央で佇んでいると、外からスタッフさんが入ってきて、やっと我を取り戻します。

という風に、私の最初の絶望観測デスデエムの挑戦は幕を閉じます。このような絶望体験は他で味わったことがなく、私にとって非常に密度の濃い体験であったことは間違いないです。ある意味解き手側がストレスを感じやすくなりかねないところを、絶妙な演出と若干のポップさで緩和させているところが素晴らしいなと思います。

終わったあとに感じたのは、これこそが今までやりたかった脱出ゲームであり、こんなのを待ち望んでいたんだということでした。絶望感や満足感と同時に、作ってくれたことに対する感謝の気持ちでいっぱいでした。改めて、最高で究極の脱出ゲームだと私は思います。


(解説を見たときの衝撃は、カウントダウンを見たときの衝撃よりも大きかったです。なんて言うか、「押してダメなら、押してみろ」感がすごい。この失敗のリベンジは絶望観測デスデエムOVERで晴らすことになりますが、長くなるので割愛します。無印とOVERのセットで見ても大好きです。)

3.バラエティ豊かなWeb謎

零狐春の公式ホームページを覗くと、今でも良質なWeb謎をたくさん解くことができます。
その中でも特に好きなWeb謎をピックアップしていきたいと思います。

※ここから零狐春のWeb謎のそれぞれの雰囲気やヒントっぽくなりそうなものを含みます。見たくない人は、半目でスクロールするか、タイトルを見たらすぐ逃げてください。

・6_23
究極のWeb謎という名に恥じることのない、解けた時の爽快感がずば抜けて高いWeb謎。めっちゃ美しい。わかってからが本番。これを解いてるとめっちゃ賢そうに見える。

・BEAUTIFUL BINGO
謎解き王トーナメント2015の中で、1番好きな作品。「3つのビンゴを作り、最後の謎を解き明かせ」という指示文がとても好み。最後はもしやと思い、やってみたことがまさかの正解で、震えた記憶。とても綺麗。

・まぜまぜMAZE
脳内でマップを組み立てて、理不尽ともとれる謎や罠をかいくぐっていき、ゴールを目指す楽しい楽しいゲーム。何度も死ぬことはあれど、その度に新しい情報が手に入るので、ワクワク感が止まらなかった。一応解けたけど、最後はあの解法で合っているのかが心配。あの虚無感は何ものにも代え難いものがある。

・CUBE AND CUBES
BEAUTIFUL BINGOと趣旨が似ていると個人的に思っていて、平面から立体になったことにより、ゲーム性が増し、大いに楽しめた。やや難解な印象を受けたが、ゆっくり腰を据えてチャレンジし、クリアすることができたので、本番でこのブロックを選んで良かったと思った。とても綺麗で、とても面白かった。「まだあるの?」って2回は言った。

・ERASE
「作ってくれてありがとうございます!」と制作者さんに言いたくなるほど、好きな作品。理系にERASEやらせたら、100%好きになると思う。そんな夢と希望がつまったWeb謎。たくさんメモしていくごとに広がるあの感動は忘れない。自然数大好き。

・IMAGINATION
推測力、想像力を十分に掻き立てられた作品。新しさもありつつ、渋さも兼ね備えている。謎解き経験者に推測で解かせることを前提にした謎解きは、新しい発見もあって楽しかった。ちなみに、友人と一緒に推測を一切することなく、空欄をきちんと埋め、完全解明することができたのも良い思い出。

(番外編)
・17tiles
人類には解けないパズル。解ける人ほんとにすごい。まだ私は人間なので、このパズルが解けていません。死ぬまでには、絶対に解ききりたいと思っている。17tilesノートなるものを作って、日々進捗を生もうとしているが一向に生まれない。3,4STEPくらい進んでいる気はするけど、なぜここまできてわからないんだろうという印象。

(追記)人間やめました。人間やめるために、2年かかったけど。

4."新しい"を生み出し続ける

零狐春の公演は、新しいことに毎回挑戦しているような感じがします。公演に参加する度に、「ここでこんなことするの?」と驚くようなことばかり。全ての公演に参加したわけではないですが、少なからず参加した公演は他ではできないような体験がそこにはありました。今年体験した「KODOKU」なんて、特にそうです。

( 引用:http://zerokitsunehal.org/ )


自分だけの世界が構築されていく感覚。緊張と緩和のバランスが絶妙で 、様々な感情で溢れました。まあ、一言で言うと頭おかしいんですけど、それが体験者の心をグッと掴んで離さないというか。魅力の1つだと私は思います。

話を少し変えると、私の好きではない謎解き公演のタイプは、無理矢理テンションや士気を上げないといけないような公演です。あからさまな感じが苦手です。面白い公演とか楽しかった公演に出会ったら、テンションは勝手にどんどん上がっています。

逆に、好きな公演のタイプは、思いもよらないような行動をしていたり、自分の体が勝手に動いたりしている公演です。公演前は無理をするつもりはなかったのに、公演後は誰よりも声を張って楽しんでいることがあります。もしくは、その時の感情を表には出さないけど、内心めちゃめちゃ楽しんでるみたいな時もあります。

零狐春の公演は、勝手にテンションが上がってます。私の好きな公演のタイプの直球ど真ん中ストライクなので、ずっと好きだと思います。


と、まあ、ここまで、零狐春をベタ褒めしてきたわけですが、中には好きではない謎解きもありました(ボロボ・ロボットなど)。
でも、それは"新しい体験"や"尖った体験"だからこそ言えることだと思っています。尖った体験は、ハマる人はめちゃくちゃハマると思うし、ハマらない人だっている。その時は、たまたまそれが自分にハマらなかっただけだと思うようにしています。次は、私が1番楽しめるものが来ると信じて。。

だからこそ、これまでと変わりなく零狐春には、目新しくて尖った公演を作り続けてほしいなと思います。

5.最後に

これまで長々と零狐春のことについて語ってきましたが、零狐春の真髄を見ることができるのは、絶対にフェス公演だと私は思っています。過去3作品、零狐春はフェス公演を出し、その全てに私は縁あって参加してきましたが、ま~面白い。刺し違えても面白い。これは、ほんとに行ってみないと分からない面白さ。
西暦2000年を跨げるように生まれてきたことよりも、零狐春がいる時代に生まれてきたことの方が嬉しいって感じるくらい。
この団体がいる限り、私は謎解きに飽きることは絶対にないと思います。そして、もちろんこれからも参加し続けます。だから、来年の「刺違」もナゾガクのフェス公演も参加する予定です。

来年も期待しています!とっても楽しみです!


おわり

6.書きそびれたことなど


●謎解き王トーナメント2016決勝の謎が見たい!解きたい!
●行けなかった公演「黄金喫茶」「リアル攻略ゲーム-迷宮バアル攻略篇-」
「Project D」「13 FAKE POKER」「プロジェクトD2」行きたかった~!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?