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【サマポケ】Summer Pockets RB 感想①(ネタバレ有り)

夏が来た。夏らしいゲームをやりたいとふと思った。
そうだ、「Summer Pockets」をやろう。

色々あって仕事を辞めてしまい絶賛今フリーの夏。
ずっと気になっていた作品ではあるのですが、ずるずる先延ばしにしていて、この機会にやるしかないと思い、一気にPocketsルートまで駆け抜けました。
このタイミングは偶然か必然か、自分も羽依里と同じようにこの夏に逃げてしまった人間なので、心に刺さるものがありました。
そしてグランドEDでボロ泣き。RBでの追加ルートはまだやっていないのですが、居てもたっても居られずひとまず感想を綴ります。
※ネタバレありです。

【蒼ルート】

まず一番最初に読み進めたルート。
サマポケの世界観の一端に触れつつ、まさに正統派純愛ストーリー。
健気で頑張り屋で友達思いで、それでいて耳年増な蒼ですが、藍のために身を挺して頑張る姿は愛おしく、同時に心苦しくも感じました。
「藍のために頑張っているのに、藍の本心に触れるのが怖い。だから藍の記憶を見つけられない。」
この部分はまさに蒼の人柄を表しているし、そこからクライマックスにかけての展開にはずっと目が離せませんでしたね…。
やりたいのにやりたくない、アクセルを踏んでいるのにブレーキをかける。
まさに自分と同じ心境でした。

あと藍のちょっとコミカルでSっ気のある感じ、とても好き。
こういう子が急にふっと信頼を寄せた瞬間ってなんであんなにグッとくるんですかね…。

最後に蒼の目覚めが描かれますが、そこに羽依里と藍が元気な姿で居てくれることを願うばかりです。

あともう一度読み返してて気づきましたが、途中で羽依里が触れた蝶って灯台守の記憶だったんですね。
やっぱり一度クリアした上だと色々な発見があって面白い。

【紬ルート】

個人的にめちゃくちゃkeyを感じられたルート。
CLANNADの志麻くんエピソードが好きなので、最後の種明かしの瞬間にはハッとさせれらました。
謎が謎を呼ぶ展開で、途中までは感動というよりどんどん惹き込まれていったのですが、最後には号泣です…。

最初は"ツムギ"のことをみんなが忘れないように、そのために"紬"として生まれる。
でもいつしか友達ができて、恋を知って、ぬいぐるみではなく一人の人間として夏休みを過ごして……最後には"ツムギ"の元に帰っていく。

夏休みがずっと続けばいいのにって自分自身も学生のころは思っていましたが、終わりがあるってわかってるからこそ大切な時間になるんですよね。
このルートではそれを存分に表現していた気がします。

あとED後の、"ツムギ"と"紬"が再開する場面で、"ツムギ"が言ったこの台詞。

「光を失った灯台だけど……あなたの歌が、きっとあの人たちを導いてくれるから」

「光を失った灯台」に対して「まるで俺みたいだな」と共通ルートの序盤で言っていた羽依里にとって、やっぱり"紬"は大きな輝きになっているんですよね。
"ツムギ"はまだ囚われたままですが、彼女もまた救われてほしいなって思います。
("ツムギ"が決心して戻った場合、羽依里のいる時代での生活が描かれるのかな…?それも見てみたい)

【鴎ルート】

個別ルートとしては一番好き…!
鴎の可愛さと儚さ、冒険心くすぐられる展開、そして物語の終わり…。
そもそも鴎がめちゃくちゃ好きっていうのが大きいのですが(明るくて無邪気なヒロインっていいよね…)、
全てにおいてストレートに刺さってきて、終わった後の喪失感がとてつもなかったです。

ストーリーの魅せ方も上手い。
まず宝探しや海賊船といったワクワクする要素がふんだんに取り込まれてて、読み進めていくのがとても楽しかった。
自分も色々と散策したりするのが好きで、実家近くで海岸までの秘密ルートを見つけた時の感動を思い出してました。
線路を歩くシーンなんてまさにスタンドバイミー。

あと鴎と羽依里は過去に会ってたんだろうなと思ってたんですが、まさか「小説の主人公と読者」という関係性とは思いませんでした…。見事なミスリードに引っかかりましたね。
そして終盤、羽依里が海賊船を完成させ、羽依里と、良一たちと、『ひげ猫団の冒険』を読んだ子供たちと、そして鴎と、未完成だった夢物語を完成させる。
ED後では『ひげ猫団の冒険』の続きを予感させるような場面で幕を閉じる。

このルートでは恋愛要素というよりは、リトバスのような冒険心を大切にしたんだろうなと思います。
個人的には鴎との恋愛模様をもっと見てみたいと思いましたが、多分ストーリー的にはこの塩梅が丁度いいかと。

全体的には短めですが、読みやすく、切ない余韻を残しつつとても感動したストーリーでした。
そして鴎かわいい。


あとがき

しろはルート、ALKA、Pocketsはまた別の記事で。
久々にKey作品をプレイしましたが、このノスタルジック感がやっぱりたまらないですね…。
ここまで読んでくださりありがとうございました!


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