7/20 高木フトシ x 吉祥寺 曼荼羅bimonthly oneman -2024-"バイアス・コード"

act:髙木フトシ

 今年4回目の髙木フトシ×吉祥寺曼荼羅bimonthly oneman 。今回のタイトルはバイアス・コード。毎回。同名の新曲が発信されるこのワンマンは聴く人に新たな喜び・感動を与えてくれる。髙木フトシ曰く「今年の曼荼羅シリーズはすごいと思っている。サイレントエラーから始まってバイアス・コード。。自分のクオリティを突破した感じがする」と。詩に関しては「バラ色の秘密は太宰を超えた!」と話す。
 バイアス・コード。。激しめロック。髙木フトシ的旋律。聴いていると体が自然にリズムをとってしまっている。サビ部分は疾走感あってこの旋律に巻き込まれていく感覚。耳に残る。歌が終わった後。。今でも頭の中でサビが鳴っている。スタンディングであったら。。拳をあげてしまっていただろう。。歌が終わると会場からは歓声と拍手喝采がおこった。会場は期待を裏切らない新曲を聴いた人たちの喜びで満ち満ちていた。  
 新曲バイアス・コードの歌詞について彼はこう語る。「バイアスは全ての人にあるもの。バイアスの方向の違う人達が議論することで良い方向に向かえば良いけど。。良い方向に向かないこともある。白と黒にわけるんじゃなくて。白と黒の箱を覗いても何にもならないんじゃないの。。」と。現代の人々へのメッセージ。彼が感じている人々が持つ先入観への問題定義だ。

ステージ横の風景

 今年の曼荼羅シリーズに発表された4曲と今までの曲で構成されたセットリスト。ライブ本編はMCなく、SEを挟んでノンストップで約2時間弱。一つの物語を読んでいるような感覚になる。ライブが終わった後には一冊の本を読み終えたくらいの感動を覚える。序章Coldから始まり終章Quiet darkness。ここまでがワンマンの本編。一区切り。そして続く本編のサイドストーリー。ライブはここで終わらず髙木フトシの音語りは続く。
※セットリストは彼の日記へGO!!
http://karas.seesaa.net/article/504086268.html

 彼は本編セットリストとは別にどうしても歌いたかった歌があると語り出す。ここ最近起きたアメリカ大統領選挙のニュースのことを。そのニュースは犠牲者がいた。もっとそのことを伝えるべきなのではないか。そのことを考えていたらこの歌を歌いたくなった。。と。
Death in the snowstorm
 
この思いを髙木フトシの持ちうる歌力を全て込め。怒り。憤り。悲しみ。そして狂気に満ち満ちた感情。この感情を吐き出し昇華させて鎮めていくようだった。この歌を歌う彼の歌力には全てのものを薙ぎ倒す破壊力がある。旋律を綺麗に歌うというよりは。狂気の感情を心底から吐出し叫ぶ歌唱。狂気の絶叫である。誰の目にも映らないと思い込み。孤独。絶望に打ちひしがれ狂気に侵食された孤独な魂が全てのものを傷付けていく様が目に浮かんでしまう。それは戦慄と悲惨で無情な光景。そして体感は暗闇と血の色。凍える様な冷気。雪嵐豪雨の中にいる感覚。この歌を受け止めるには覚悟がいる。歌っている髙木フトシは半端なく怖い。狂気に憑依されてるんじゃないかと錯覚する。quiet〜希望を歌う陽の彼とは真逆の極悪さが際立つ。この歌を聴き終わった後はものすごい疲労感が襲いかかり、しばし放心する。やるせなさの感情で満たされる。しかし。その一方ではこの歌を歌う髙木フトシは半端なくカッコ良い!!彼の陰と陽の表現力のふり幅が素晴らしい。この歌は一聴の価値あり。生で聴く時は覚悟が必要と言っておいてよいだろう!!

             photo by akatsuki

 Death in the snowstormを歌い切った後の髙木フトシ。彼自身も歌の世界から曼荼羅のステージに戻ってこれなくなっていた。重々しい空気から気を取り直しBlind/Blind。エフェクター音とギターの音で暗闇から鮮やかな色へと変わり。。その場の雰囲気が一気に変わる。色のある世界。元の世界に戻って来たという安心感。髙木フトシがワンマン最後の歌を歌いきると会場からは鳴り止まない拍手と喝采が湧き起こった。2時間弱の髙木フトシが歌い語る物語は終わった。
 髙木フトシがステージ袖に消えていくと客席からアンコールを求める拍手が続く。しばらくして。再び髙木フトシが登場する。彼が椅子に腰掛け12弦をギター持ち構える。ここまでは登場しなかった12弦ギターがやっと登場する!!これはもう楽しむしかない!!という上がるテンション!!彼と一緒に歌う。歌のリズムに合わせて手叩く。楽しいを感じ体が無意識に楽しく動く。髙木フトシからの「手をあげてくれ」の要求に答え手をあげる。この楽しさは幸せの極まり、ご褒美のような時間。2時間弱のステージから12弦ギターのアンコールとは。。彼は最後まで攻めのステージ!!12弦ギターの3曲をノンストップで歌い上げた。キラキラしたアンコールが終わる。会場の観客からは髙木フトシの完璧な仕事に対しての評価を歓声と拍手で最大限に表現する。会場から惜しみない拍手が髙木フトシへ注がれる。彼も会場にいた観客も笑顔。髙木フトシ曼荼羅ワンマンシリーズは全ての人に感動と充実した時間を届けて終わった。

 髙木フトシのライフワークである曼荼羅bimonthly oneman はまだ終わらない。
 次回。5作目は9/16「透明な錯覚」。また再び感動を届けてくれるだろうと期待する。髙木フトシが作り上げるこの作品・物語はまだまだ十分楽しむことが出来る。この物語はいつからでも楽しめる。そしてまだ間に合うこと絶対!!と言い切れる。なぜなら私は一度も彼のこの作品を体験して期待外れと感じたことはない。毎回。期待以上の最高の感動と幸せを髙木フトシから受け取っているからである。

2024曼荼羅ワンマンシリーズスケジュール

「バイアス・コード」
                 lyrics by 髙木フトシ

肩を落として 手を合わせた 無慈悲な影
絡まる糸 引きちぎって 不要だと言う

曖昧 そうさ
気にしない 術を

バイアス・コード「効く」まで続けよう 
その「偽」を 泣いていよう
そんなことはもう 分かっている

犠牲者の目 不安そうな 無慈悲な影

まだ見ない そうさ
昔の話だろ?

バイアス・コード ただ 並べていよう
違う ここにはないものに
突き動かされている
被害者非難(victim blaming) 君の間違いはもう
渦に溶け入るよう

そんなことはもう 分かっている

白く黒い その箱を覗いても
白く黒い その箱を覗いても

分かっている 比べている 腐っている

バイアス・コード 振り払う その手を
背を向ける その「偽」を
そんなことはもう 分かっている
今よりも この先の 今を
その「手」に入れよう

そんな考えはもう 腐っている

白く黒い その箱を覗いても
白く黒い その箱を覗いても










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