物理的世界は因果の網目であると同時に、情報の流れである

 情報理論の生みの親の一人であるクロード・シャノン(claude Shannon, 1916-2001)は、このように語っている。

「情報」という語は情報理論という総合分野で仕事をするさまざまな論者にとって異なる意味を与えられてきた。(中略)この分野で多くの可能性な使い方のすべてを十分に説明してくれる単独の情報概念があるとはほとんど思えない。(Claude Shannon, Collected Papers, 1993, p. 180)

「情報とは何かをどのように問い進めていけばよいのか」

哲学のメインの仕事は、われわれの実践に有用な概念をつくること、あるいは概念をより有用なものに改訂することだ。(「哲学入門」, 戸田山和久 , ちくま新書, 2014)

情報の哲学

オランダのピエター・アドリアーンス( Pieter Adriaans)は、これまでの情報という概念を三つに整理をしている。

【情報A】知識に関係する情報概念

知識をもたらすもの、それがすなわち情報である、という考え方。人間や生き物やロボットはエージェントと呼ばれ、世界についての情報を、知覚、コミュニケーション、推論などを介して手に入れる(知る)。


【情報B】確率に関係する情報概念

シャノンの情報理論で語られる情報。稀なニュースほど、情報量が豊かという直観に基づく。この概念はメリットは量的に計測できる、ということ。

【情報C】アルゴリズムに関係する情報概念

複雑なメッセージほど情報量が豊かという直観に基づく。


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