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貴方の好きな夜明けに

一人で歩くための知恵と、人を愛する優しさを与えてくれた貴方に捧ぐ。



「気づいてた?私たちの始まりも、終わりも、全部夜明けだった。

そういえば、夜明けは君が好きな時間だったね。手を繋ぎながら繁華街に落ちる太陽を見た時、君は夜明けが好きだと呟いたんだ。今日もスタートするぞ、ってなるんだよね。
君は自分で気づいていないようだけど、君はずっと前を向いていたんだよ。私は君のそういうところが好きなんだ。」


私は彼を愛すべきではなかったし、私は彼に愛されるべきではなかった。

愛すれば愛するほど苦しくなる。これは恋愛なんて言葉じゃ片付かないほどの想い。私たちを見て恋人だの、カップルだの言う人が間違いだと思う。そんな軽い言葉じゃないんだ。

でも、何故こんなことに?

だから、今日間違い探しをしようと思う。今日までの2年間、私たちが歩んできた道を見てどこで間違えてしまったのか。

「まずは最初の日ね。もう十分過ぎるくらいこの日の話したか。やっぱり私は自分で自分の行動の意味がまだよく分かってないよ。ただ、どこかでそばにいて欲しいと思ったのだと思う。居心地の良さがあった。もうこの時から"家族"だったんじゃない?もちろん心臓は信じられないくらいバックバクだったよ!貴方の手が思ったよりも大きいんだなって思った。」

間違い、なし。

「2020年2月1日だね。本当にごめんね。怒らないで聞いて欲しい。全然大丈夫じゃなかった。ただ、今も上を向くと思い出すよ。一生忘れない、絶対。多分毎回思い出すと思うよ、君も。」

早過ぎたのだろうけど、間違いじゃないか。

「次はいつの話がいい?2020年の3月かな。将来のことちゃんと考えようって話してくれたね。ちょっと驚き過ぎて全く話が頭に入ってこなかったよ。私の夢って純白のドレスだから、まさか長年の夢が現実味を帯びるとは!っていう感じだったね。」

「あとは、あの8ヶ月の話か。寂しくて胸が張り裂けてましたよ。実は会いたいって親にすごい駄々捏ねて、2週間口聞かなかった。そしたら漸く、といった感じね。久しぶりの君は少し背が伸びて、電話越しとはまた違う声で、胸が跳ね上がった。うんうん、そう、暖かった。私の帰ってくる場所ってここなんだな、と嬉しかったね。」

楽しかった、1年目。

「2021年度に入った。4月も7月も11月も私はずっとずっとトラウマにしかなってなかったんだ。それから君の顔色を伺って、君の頭の中を探って、君といる時を心から楽しいと思えなくなっている自分もいたんだ。でも、君から好かれている事が伝わってくると、私は世界一の幸せ者だと鼻が高かったよ。」

「そんなトラウマを無くそうと、実はこの2ヶ月凄くもがいていたんだ。君を困らせてしまうかもしれないと思いながら、感情を口に出してみたり、自分の置いている環境を変えてみたりもしたんだ。でも、それは君のためには1ミリ足りともなっていなかった。気づいていたんだ、君が私を観ていないことを。知っていたんだ、好奇心に溺れる君を。」

私は止められなかった。止める権利もないと思っていた。でも彼は止めることを望んでいた。もう遅かった、心が痛い、苦しい、涙が止まらない。最後に出来ることは、叱ることなのか?彼を叱る自分も心が痛い。違うんだ、彼に優しくしかできない、私は彼を救いたい。あぁ、でもそんなことでは彼を助ける事ができなくて。違うんだ、私が苦しいんだ、苦しさから解放されるのは私の方だ、、、、、、あぁ違う違う、彼が泣いてる。抱きしめたい、私の胸の中で思いっきり泣いて欲しい。あれ、私のところへ戻したいだけなのか?ダメだ、それはまた彼を苦しめるじゃないか。あぁ、もうどうすればいいんだ。もっと違う形で出会えは幸せになれたのかなぁ。何もかも決断が早かったのかな。指輪?返さなきゃ、これを持っていてくれれば解決する?これで彼も居場所を失うことなんて無いじゃないか。あーまた結局自分も守るじゃないか。何て私は情けない女なんだ。何でこんなにも弱いんだ。というか本当にまた会えるのか?彼がまたどこかで会える気がするって何を根拠に?人生一回切りなんだけど?後悔とかしないのかな?やっぱり引き留めるべき?そういえばいつもこうやって引き留めたな。あー楽しかったな、美味しいな、本当に成長してしまったよ君は、これらが全部私の中で歴史として化すのか。そんな事なら全部捨てよう。強くなれ私、こんな男に未練たらたらになるなよ馬鹿野郎。でも、抱かれたい?いや、何で私を抱くんだ。抱きしめられたい?その汚い手で私に触るな、違う!!!!!!もっと、もっと、触れて、、、私の身体の隅から隅まで愛して!!!!!!



好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ大好きだ


全てが間違いだったのか?



そうじゃない。

私たちはまだ互いに未熟だった。長い年月を過ごしてきて、勝手に大人になれたと思っていた私たち。でもそんなに"恋愛以上結婚未満"って上手くいくものじゃないんだ。結局は、感情のままに動く動物でしかなかったよ。

それにずっと気づいていながら目を背けていた私。君もそうだったのかな。



「もう、私泣くのやめるわ。夜明けは始まりの合図だって君が教えてくれたから。君はすぐに君のことなんて忘れるといったけれど、私のこの2年間は私の人生を大きく変えたきっかけだったんだから決して忘れはしないよ。」

「私は一人になるんだと思っていたけれど、君がいつも親指にいるじゃないか。君はずっと私のそばで見守っていてくれる、家族になったんだ。頑張れるよ、私。君が喉から手が出るほど欲しい良い女になってみせるさ。色んな世界を観て、とびっきり後悔するといい。」

2020/12/9

ありがとう、こんな私を愛してくれて。

またね、                         。



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