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2.Witching Hour(18th Jul.2020)

 皆様こんばんは。さて今回も始まりました、アルバム全曲解説第2夜。つまり今宵は「At the Next Corner」2曲目になります。

 実はこの曲、2011年のtsukuyomi最初のLIVEからセットリスト入りしていて、びっくり(笑)。ただその時のアレンジは今とはかなり違うもので、僕自身当時のアレンジにはまだまだしっくり来ていなくて。この曲は時間がかかる、ゆっくりと熟するのを待とう。そう思っていた曲です。

 僕は曲を子供のように感じていて、最初から何も言わなくても勝手に成長していく優秀な子もいれば、ものすごく手がかかる子がいて、そのどちらもとても可愛いくて。この曲は完全に後者で、作ったは良いがなかなかしっくり来てくれない、何度も演奏され、その度に少しずつアレンジされ、何年か演奏されずに寝かされる時期を経て、ついに昨年9月、羽田空港でのLIVEで大幅なアレンジ、またタイトルが付けられて登場。新曲と言っても良い変化でした。

 今タイトルが付いてって言ったけど、ずっと正式タイトルがないまま(仮)タイトルで呼ばれていて、それは「ナウシカ」でした。

 そうみんなが知ってるあの名作ナウシカ。この曲は僕がこの映画からインスピレーションを受けて書いた曲で、初演から9年を経て、完成を迎えてめでたく初収録。

 音楽的な部分も少し。一聴してもらえればわかるけど、まずリズムは変拍子5拍子と6拍子のMIX。ただtsukuyomiの隠れテーマでもある「アレンジは色々仕掛けるけど、メロディーは耳心地良くキャッチーに聴いてもらいたい」のでリズムの切り替えはさりげなく出来てるんじゃないかな。

 メインテーマ(メロディー)はやはりバイオリンが奏でるライン。これはこの曲を象徴する場面で、バイオリンの音色に身体全体を委ねて聴いてくれると、無限の彼方まで行けるかなと。

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 タイトルの「Witching Hour」。日本語にすると「魔女の出る時間」。具体的な時間でいうと、いわゆる丑三つ時(午前2〜3時頃)をさす英語のようですが、僕は意訳としてもう少し拡大解釈して、現実とそうではない世界が重なりあってどっちつかずになる時間帯、またその歪んだ時空、異世界との狭間にいる瞬間、というイメージでアレンジをしました。

 これは最近でいうと、これも名作「君の名は」で有名になった「逢魔が時(おうまがとき)」に近い。これは午後5〜7時頃、夜がやってくる時間を指し、「黄昏時(たそがれどき)」とも言いますね。夕闇で暗くなり、誰か分からない。「誰だ?」という「誰ぞ彼(たれぞかれ)」→たそがれ→黄昏時。言葉の成り立ちって面白いですよね。

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 そんな「Witching Hour」。タイトルに負けない、スリリングで不可思議な空気感をまといつつも、とても美しい曲になったと思います。

 改めて聴いてもらうと、頭の中に浮かぶ景色がまた変わって来るんじゃないかな。見える景色が変わった方はぜひ感想を教えて下さいね。(#ATNC 付けてね。)

 それでは今宵はこの辺で。

 オヤスミナサイ。宵い夢を。

 

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