てい鍼は脳を混乱させる
これはあくまでも、一つの自分の考え方で、実験などで実証されたものでないことをご了承ください。
てい鍼が効くわけは違和感、こう思うようになったきっかけは元格闘家 平直行先生の整体を教わった時の事
平先生はK1でも闘った事のある格闘家。それゆえ考え方は独特です。
そんな考え方の一つとして平先生は「いかに脳の奥を騙すか」そのようなことをおっしゃいます。脳の奥が解剖的にどこをさすかは別として、それは意識の奥、無意識のことをおしゃっています。
そこに違和感をおぼえると、人は自ずと無意識にそれを正そう、修正しようと、自然治癒力が働くということです。
とはいえ鍼灸師はやさしく、善人がほとんど。「脳の奥をだます」という考えは生まれないし、そう活用しようともしない。
とはいえ、薬だって、鍼だって、灸だって、体を傷つけるもの。それゆえ自然治癒力を促すもの。だったら、その傷つける力を積極的に活用もするのもあり。それが古来の整体の在り方。壊すか治すかの表裏一体。
そして、「てい鍼」の極意はこの「脳をいかにごまかすか」にかかっている。この視点から「てい鍼」をみると合点のいく事ばかりです。
「てい鍼」や「小児はり」は大師流にしろ、夕部先生のベビーてい鍼にしろ、船水先生のTSTにしろ患者さんから鍼が見えないように持ちます。それこそ、忍びが手裏剣を手に隠し持つように。
この「隠し持つ」というのが「脳をいかにごまかす」のひとつ。
隠し持つ事で鍼を持つ指がふれるときに、金属の鍼先もふれる。この加減がてい鍼の効き目を左右するのである。
大切な事は何ミリ出して触れるとかではなく、指先がふれているのにそこに金属の違和感をどの程度まぜるか。違和感が少なすぎれば、ただ指先に触れられている。多すぎれば金属が触れていると認識する。指がふれているだけと感じさせて、鍼のほんのわずかな違和感があると、脳は混乱して誤魔化され、それを正そうと反応する。
2つめが軽い手、柔らかい手
「小児はり」では5gを目安いにとか、産毛を触れるようにと言われる。解剖学的には皮膚では表皮の部分が最も敏感とされている。それは外部にふれる最前線。様々な状況に反応できるように情報を集めている。皮膚に触れたら、次は筋肉がつかまれと、予想してかまえるもの。産毛に触れるかどうかの刺激では、まるで防衛ラインのギリギリのところでチョコマカとされていると、脳は次が予測できずに混乱、それゆえ体に不測の事態に備えてと働きかける。
また、柔らかい手は体の流れも混乱させる。合気道などの武道では小柄な高齢者が大きな若者を軽くあしらうことがある。端から見ると、不思議で、やらせにも見える。それは体の流れを混乱させるため。人は無意志に力の流れを予測して、それに対応するために力をかける。柔らかい手はその力の流れに呼応した体の流れを逆にしたり、混乱させたりする。武道の達人達は柔らかい手を持っているため、相手の体の流れをコントロールして自由自在に力をつかわずに振り回す。「てい鍼」も同じ。柔らかい手をもっていると、鍼灸だから力の流れではなく、手を動かさなくても「流注」を自然にコントールできる。それはまるで、相手の脳というよりも、プログラムに侵入して乗っ取るかのように。それには相手に気がつかれずに侵入できる柔らかい手が必要。
「てい鍼」は金属の鍼の持ち方と、柔らかい手、持ち手、押し手を持つ事で脳を混乱させて、効果を発揮すると考えられる。
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