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#46 浄土真宗の学びノート 天親菩薩

お坊さんとして勉強中の私が学んだことを書きます。
浄土真宗に興味あるよ!とか、
只今勉強中!という方、
隣に座ってる友達のノートを覗き込む感覚でお付き合いください。

今回は、七高僧のうちの、第二祖 天親菩薩についてです。

天親菩薩は、西暦400年頃、インドにお生まれになりました。
おなじみ正信偈にも、もちろん、書かれています。
三帖和讃にも天親菩薩について詠まれたものが10首出てきますね。

天親菩薩造論説 帰命無碍光如来
依修多羅顕真実 光闡横超大誓願
廣由本願力回向 為度群生彰一心
帰入功徳大宝海 必獲入大會衆数
得至蓮華蔵世界 即証眞如法性身
遊煩悩林現神通 入生死薗示應化

正信偈




浄土論(願生偈)

天親菩薩は、「千部の論主」と言われるほど、沢山の書物を残されました。
その中でも、浄土真宗においては、
『浄土論(願生偈)』を大事にいただきます。

法然上人は『選擇集』に、
『浄土論』は浄土三部経と並んで大切なものである
と説かれています。

正しく往生淨土を明かす教といふは、謂はく三経・一論是なり。
三経とは、一には無量寿経、二には観無量寿経、三には阿彌陀経なり。一論とは、天親の往生論是なり。或いは此の三経を指して淨土の三部経と号す。

※往生論=浄土論

法然上人『選擇集』


「世尊我一心」で始まる願生偈は、
浄土真宗でよく使われるおなじみの偈文です。
廻向文にも出てきますね。

世尊、我一心に尽十方無碍光如来に帰命したてまつりて、
安楽国に生ぜんと願ず。

浄土論(願生偈)

また、十字名号「帰命尽十方無碍光如来」は
仏壇に掛けられていることもあります。


一心

親鸞聖人は天親菩薩の説かれた教えについて、
特に「一心」と「五念門」を取り上げておられます。

一心とは、
阿弥陀さまからいただく信心が一つのもの
だということです。

大経にある第十八願には、
「至心」「信楽」「欲生」の三心を持って念佛しなさい
とあります。

たとひわれ仏を得たらんに、十方の衆生、至心信楽して、わが国に生ぜんと欲ひて、乃至十念せん。もし生ぜずは、正覚を取らじ。ただ五逆と誹謗正法とをば除く。

大無量寿経

けれども、三心を別々に受け取るのは難しい。
だから、とにかく信心1つで良いのよ~
ということです。

上述の、「世尊我一心」とあるように、
私も一心(信心)を受け取っている
と仰っています。

たしかに、私、「至心」「信楽」「欲生」の説明を
何度聞いてもピンと来ない気がしています。
そうか!3つじゃなくて1つで良い。
ちょっと楽になりますね。

五念門

次は五念門です。

五念門とは、
私たちが信心を起こし、阿弥陀さまの極楽浄土に往生するまでを
5つの段階に分けたものです。
正信偈の後半六句が対応しています。

①礼拝門 「帰入功徳大宝海」
功徳の宝界(=南無阿弥陀仏)に帰入する(信じる)。

②讃嘆門 「必獲入大會衆数」
必ず大會衆(極楽の聖衆)に入れていただく。
つまり、浄土に往生する身と定まる(=正定聚)。

③作願門 「得至蓮華蔵世界」
命終とともに蓮華蔵世界(極楽)に至ることができる。

④観察門 「即証眞如法性身」
極楽で直ちに阿弥陀さまと同じ真如法性の身となる。

⑤廻向門 「遊煩悩林現神通 入生死薗示應化」
煩悩の林(現世)に遊んで神通力を現し、
生死薗(迷いの世界)に入り、応化を示して衆生を救う。

①と②は現世でのこと。
③と④は来世でのこと。
そして、⑤は極楽へ往生した後、この世に戻ってきて人々を教化すること
を表しています。

いかがだったでしょうか。
七高僧の第二祖 天神菩薩について書いてきました。
いつか原典(浄土論)を読みたいと思うものの、
まだ先のことになりそうです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵な1日をお過ごしください。

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